情勢の特徴 - 2001年12月後半

経済の動向 行政の動向 労働関係の動向 資本の動向 その他の動向

経済の動向

● 日銀が発表した2001年7−9月期の資金循環速報によると、9月末の家計の金融資産残高は千四百四兆円程度となり、前年同期比1.6%減少した。株価下落で資産が目減りしたことに加え、雇用所得の減少基調が続いているためだ。9月末の家計の金融資産残高のうち、現金・預金(郵便貯金を含む)は前年同期比の1.1%増の約七百五十五兆円。四−六月期の伸び(1・5%)を0・四ポイント下回った。所得低迷で個人が貯蓄を積み上げる余力が弱まったと見られる。現金・預金の内訳をみると、普通預金などの流動性預金が同13.4%伸びたのに対し、定期性預金は同1・9%減少した。ペイオフの凍結解除をにらみ、定期預金から普通預金に資金を移す動きが加速したためと見られる。家計の株式資産の残高は約60兆円と、株価下落で26%の大幅減となった。
● 東京商工リサーチがまとめた11月の建設業倒産状況によると、件数は584件で前年同月比10.3%増、負債総額は1729憶6600万円で4.3%増、原因別では、不況型が全体の4分の3を占めている。1−11月累計の倒産件数は5691件のため、このまま推移すれば2年連続6000件台となるのは避けられない状況にある。倒産形態別別では、法的倒産が145件となり構成比の24.8%を占めた。そのうち、民事再生法は19件、破産が126件。私的倒産では、銀行取引停止処分が391件、内整理48件となった。規模別で見ると、資本金階層別では1億円以上が4件、1千万円以上-1億円未満が327件、1千万円未満(個人事業含む)が253件の割合。
● 小泉内閣は24日の臨時閣議で、2002年度政府予算案を決定した。一般会計は総額八十一兆二千三百億円(今年度当初比1.7%減)。このうち、政策的経費である一般歳出は、四十七兆五千四百七十ニ億円(同2.3%減)と4年ぶりに前年度を下回った。社会保障(同3.8%増)は、高齢者の医療費負担引き上げなどで国費負担を約三千億円圧縮し、文教(0.2%減、科学を除く)でも「受益者負担」を押し出し、国立学校の授業料を大幅に値上げ。無利子奨学金の貸与枠も減らした。無駄な公共事業への国民の批判を前に公共投資削減(同10.7%減)は掲げたものの、1月の通常国会冒頭に提出する今年度の第二次補正予算案で、事業を前倒し確保。景気悪化で税収が同7.7%減と落ち込み、会計操作による「隠れ借金」で帳尻を合わせている。それでも、国・地方を合わせた長期債務の来年度残高は、今年度より二十五兆円増の六百九十三兆円(国民一人あたり約五百五十万円)にのぼる。

行政の動向

● 政府は18日、行政改革推進本部と特殊法人等改革推進本部の合同会議を開き、計163の特殊法人と認可法人の整理合理化計画を決定した。廃止は住宅金融公庫など17法人、民営化は日本道路公団など45法人で、首相の掲げた「廃止・民営化」は全体の4割弱にとどまった。日本政策投資銀行など政府系金融機関8法人の見直し、厳しい経済情勢に配慮して「できるだけ早い時期に結論を得る」として先送りし、政府の経済財政諮問会議に検討を委ねた。廃止する17法人のうち住宅金融公庫、石油公団、都市基盤整備公団の3法人は、一部の業務を独立行政法人を新設して移管し、日本育英会も学生支援業務を手掛ける独立行政法人を廃止を同じに創設する。民営化する45法人のうち道路四公団は、民営化の形態や高速道路整備計画(総延長九千三百四十ニキロ、うち未整備区間約二千四百キロ)の見なおしを内閣に設置する第三者機関の検討に委ねた。新東京国際空港公団と関西国際空港株式会社の空港関係ニ法人は、中部国際空港と合わせて「(滑走路の整備保有と旅客ターミナルの管理・運営を分ける)上下分離方式を含め2002年中に結論を得る」とした。

労働関係の動向

● 11月の完全失業率(季節調整値)が5.5%と過去最悪を更新した。その内訳をみると、中高年の男性を中心に正社員の減少が目立つ。一方、2000年度の派遣社員総数は前年度比29.8%増の138万7千人と過去最高を更新した。11月の労働力調査によると、企業の経営破たんや解雇に伴う「非自発的失業者」は前年同月より29万人増え123万人と過去最悪になった。最も影響を受けたのは45歳以上の中高年の男性だ。この層の非自発的失業者は56万人となり、全体の半分弱を占めた。
● 政府は25日の閣議で、公務員制度改革大綱を決定した。@営利企業に天下りした官僚OBが許認可などをめぐって出身省庁に働きかけ(口利き)を行うことを禁止し、違反者には刑事罰を含む制裁措置を科すA年功序列の給与・人事制度を改め、能力や実績に基づく新制度を導入するBスト権など労働基本権の付与は見送り、現行の人事勧告制度を維持する――ことが柱。2003年中に国家公務員法改正案を国会に提出し、2006年度をめどに新制度に移行する方針だ。人事・給与制度では、能力主義を前面に打ち出し、「能力評価」「業績評価」による新評価制度を導入するとともに、職員を等級ごとに格付けする「能力等級制度」を採り入れる。給与は「能力給」「職責給」「業績給」の3つに分け、能力や実績を反映させる。事務時次官や局長ら審議官以上の幹部職員には年俸制を適用する。

資本の動向

その他の動向