情勢の特徴 - 2002年4月後半
●国土交通省は2002年3月末現在の建設業許可業者数を発表した。建設業法に基づく許可業者数は57万1388業者数で、前年調査(2001年3月末)に比べ1万4571業者減少した。許可業者数の内訳は大臣許可1万909業者(前年比0.3%増)、知事許可56万479業者(同2.5%減)。知事許可は前年とほぼ同数の4603業者減少した。特に経営基盤が脆弱な資本金1000万〜2000万円未満の階層で減少が目立った。この1年間の新規許可取得業者数は大臣許可約300業者、知事許可約2万3600業者の計約2万3900業者。一方、廃棄業者数は大臣許可約270業者、知事許可約3万 8200業者の計3万8470業者となった。
●2002年度3月の全国建設業倒産は496件、負債総額は6796億1200万円。前年同月比で件数は2.3%減ったが、負債総額は281.2%もの大幅な増加になった。倒産形態別では法的倒産が150件となり構成比は30.2%。そのうち、会社更生法が6件民事再生法16件、破産127件、特別清算は1件を占めた。私的倒産では、銀行取引停止処分が310件、内整理36件となった。規模別で見ると、資本金階層別では1億円以上が3件、1000万円以上〜1億円未満267件、1000万円未満(個人事業含)が226件の割合。従業員数別では10人未満の零細企業が374件(構成比75.4%)となった。
●東京都は東京駅周辺の都市計画変更案をまとめた。土地の合理的な高度利用を図るため、丸の内側(千代田区大手町1ほか)約71.2ヘクタールと八重洲側(千代田区大手町2ほか)約45.5ヘクタールの大手町・丸の内・有楽町(大・丸・有)地区を特例容積率適用区域に指定したほか、補助第97号線の延長や交通広場設置など都市施設の都市計画を変更する。特例容積率適用区域に指定される丸の内側の約71.2ヘクタールは商業地域で建ぺい率80%、容積率900%となっている。これら大・丸・有地区が特例容積率適用区域に指定によって、東京駅丸の内駅舎の未利用容積を活用した東京駅周辺の土地の高度・多機能利用が可能となる。
●国土交通省は、純粋持ち株会社に在籍する技術者を100%子会社の主任技術者や管理技術者にできるように技術者の取り扱いを見直した。これまで主任技術者や管理技術者は工事を請け負った企業に在籍し、恒常的な雇用関係にある技術者でなければならなかった。今回の見直しでは、経営事項審査時に大臣認定を受けた企業集団に対して、親会社(純粋持ち株会社)から子会社に出向した技術者が、子会社が請け負った工事の主任技術者や管理技術者になることを認めた。技術者を純粋持ち株会社にプールし、グループ内での異動を可能にすることで、経営の合理化や企業再編を促すのが狙い。
●総務省が発表した2001年度平均の完全失業者数は5.2%と前年度に比べ0.5ポイント上昇し、1953年の調査開始以来最悪の水準になった。景気悪化に加え、製造業の海外移転などで国内雇用が減少、完全失業者数も348万人と最多になった。同時に発表した2002年3月の完全失業率(季節調整値)は5.2%と前月比0.1ポイント低下した。2001年度の失業率は男性が5.3%、女性が4.9%といずれも前年度に比べ0.4ポイント上昇した。失業者数は前年度に比べ29万人の増加。