情勢の特徴 - 2004年2月前半

経済の動向 行政の動向 労働関係の動向 資本の動向 その他の動向

経済の動向

● 国土交通省がまとめた2003年(1−12月)の建築着工統計によると、全建築物の着工床面積、新設住宅の着工戸数ともに3年ぶりに増加した。着工床面積は1億7310万平方メートル、前年比0.4%増で、店舗、工場が増加した。新設住宅着工戸数は116万0083 戸、0.8%増で、持家、貸家、分譲住宅ともに前年より伸びた。着工床面積のうち、公共建築は1244万平方メートル、5.5%減で、7年連続の減少、民間建築は1億6066万平方メートル、0.9%増で3年ぶりに増加した。新設住宅着工戸数のうち、持家は37万2652戸、1.3%増で、4年ぶりに増加、貸家は45万1629戸、0.3%で、3年連続の増加、分譲住宅は32万6639戸、0.8%増で、3年ぶりに増加した。分譲住宅のうちマンョンは、 20万0221戸、3.8%減で、3年連続の減少、戸建住宅は12万4157戸、8.7%増で、3年ぶりの増加を示した。
● 2003年(平成15年)12月度の全国建設業の倒産は343件、負債総額は925億1700万円となった。件数は前月比で6.1%の増加、前年同月比では25.4%の減少となり、2ヶ月連続して300件台に推移した。負債額では、前月比73.7%の増加、前年同月比では19.3%の減少となり、歴代過去84番目、規模別で見ると、資本金階層別では1億円以上が4件、1千万円以上〜1億円未満179件、1千万円未満(個人企業含)が160件となった。

行政の動向

● 国土交通省は、既存建築物の安全性向上などに重点を置いた建築基準法等改正案を今通常国会に提出する。法改正によって「報告・検査制度の充実・強化」や「危険な既存不適格建築物の改修促進」などを図るのが狙い。「今回の法改正で核となる建基法の一部改正は、▽建築物の報告・検査制度の充実および強化(第12条)▽著しく保安上危険な既存不適格建築物に対する勧告・是正命令制度の創設(同)▽特例容積率適用地区の創設に伴う関係規定の整備▽既存不適格建築物に関する規制の合理化(第86条)などが柱。
● 総務省は市町村の合併を促す特例法の期限が2005年3月末に切れた後も、合併した市町村に対する地方交付税の優遇措置を継続する方針を固めた。特例法に代わり制定する「市町村合併推進法」に盛り込む。新法では交付税の「かさ上げ」期間は15年としている特例法よりは短縮するが、少なくとも10年は優遇する。
● 政府は10日、各府省が2002年度に発注した入札案件のうち、低入札価格調査制度(低入札調査)の対象件数や、落札率(予定価格に対する落札額の割合)の低い契約案件100件などを公表した。低入札調査対象件数は国全体で1274 件。府省別の内訳は年間約2万件を発注する国土交通省が550件で最も多く、続いて財務省286件、文部科学省176件の順となった。同対象案件で、調査後に契約した低落札率の100件では、落札率28〜50%以下の案件が並び、うち55件が財務省案件となった。

労働関係の動向

● 国土交通省がまとめた2003年の建設労働需給調査結果によると、型枠工や鉄筋工など6職種平均の不足率はマイナス0.7%(マイナス数値が大きいほど技能労働者が過剰)、電工と配管工を加えた全8職種平均はマイナス0.7%で、ともに前年に比べて0.3ポイント過剰感が強まった。8職種別にみると、すべて技能労働者が過剰傾向にあり、うちとび工がマイナス2.1%で、もっとも過剰にある。
● 政府は10日、2004年年金制度改革の関連法案を閣議決定した。厚生年金保険料(現行13.58%、これを労使折半)を10月から毎年0.354%上げ、2017年度以降は18.3%で固定することが柱。このほか六十五歳までの雇用を義務付ける高年齢者雇用安定法改正案、育児休業を延ばす育児・介護休業法改正案なども決定。今国会で成立をめざす。年金法案は@厚生年金の給付は現役世代の平均収入の5割以上(会社員と専業主婦の標準世帯)を確保A国民年金保険料(現行月額1万3300円)は来年4月から毎年月額280円上げ、2017年度以降1万6900円で固定B離婚時の厚生年金の分割制度導入−なども盛った。
● 一度に3人以上が死傷する重大労災の発生件数が2003年は速報値で205件に上り、前年の速報値を10件、上回ったことが12日、厚生労働省のまとめで分かった。過去25年間で最悪となる可能性が出ている。まとめによると、死亡者数は92人で、前年速報値比で5人多い。業種別では建設業の75件が最多で、製造業(37件)が続いた。
● 厚生労働省は12日、建設業技能職種の2003年屋外労働者職種別賃金調査をまとめた。調査対象21職種の1 日当たりの平均賃金は1万4060円(前年度比1.3%減)で、2年連続で前年の賃金を下回った。主要11職種では、電気工と溶接工が前年を上回ったが、そのほかの9職種は下回った。賃金の最も高い電気工(1万5580円)を100とした職種別の賃金格差は、鉄筋工(1万1690円)が75で、ほかの職種と比べて格差が大きくなっている。

資本の動向

その他の動向