情勢の特徴 - 2004年11月後半

経済の動向 行政の動向 労働関係の動向 資本の動向 その他の動向

経済の動向

● 政府・与党は26日、国と地方の税財政改革(三位一体改革)に関する全体像を決定した。2005、06年度の固から地方向けの補助金削減額は約2兆8380億円が確定。その見返りに地方に移譲する税源は04年度分の6560億円も含め約2兆 4160億円となった。補助金削減のうち焦点の義務教育費国庫負担金は2年間で約8500億円、国民健康保険(国保)の負担金は約7000億円の削減などを明記した。
● 政府税制調査会(首相の諮問機関、石弘光会長)は25日、2005年度税制「改正」に関する答申をまとめ、小泉純一郎首相に提出した。答申に盛り込まれた増税が実施されれば、定率減税廃止で年間約3.3兆円の負担増が国民に押しつけられることになる。消費税率が10%に引き上げられれば、新たな国民負担増は年間約12兆円にのぼることになる。答申は、今後の税制「改革」の方向性として「全体として税負担の引き上げを図る」との考え方を示した。その上で、定率減税の廃止について「05年度から段階的に廃止する」としている。消費税については「税率を引き上げていくことが、今後の税体系構築の基本となる」と位置づけ。07年度までに消費税を10%に引き上げ、その後の税率アップも求める日本経団連などの主張に足並みをそろえた格好です。

行政の動向

● 国土交通省は新潟県中越地震など震災被害が相次いでいることを重視、老朽化した住宅の耐震改修工事を税制面で支援する制度を来年度から導入する方針だ、 1981年4月に建築した一戸建て住宅とマンションを対象に、改修費の13%を所得税と個人住民税の税額から控除する内容。改修工事費について200万円程度を上限に、所得税から費用の10%、個人住民税から3%を控除する。例えば、耐震改修に200万円かかった場合、所得税で20万円、住民税6万円の計 26万円の負担が軽くなる。
● 今臨時国会に提出された「公共工事の品質確保の促進に関する法律案」の審議が次期通常国会に見送られたことが明らかになった。継続審議扱いとなったが、理事会では「次期通常国会の冒頭で処理し、2005年4月1日施行を確保する」ことで合意し、次期通常国会では予算審議終了後、政府が閣議決定した各省庁の法案(閣法)に優先して同法案を審議する見通しだ。
● 国土交通省が03年度に発注した直轄工事で、低入札価格調査制度の対象となった工事が476件と5年連続して増加したことが同省が19日発表した03年度直轄工契約実績で分かった。全発注件数に占める割合も、年々上昇して3.9%となり、データを公表し始めた99年度以降最高となった。受注競争の激化を反映し落札率は94.40%と5年連続して低下した。コンサルタント業務の落札率は、調査を始めた02年度の 89.65%を下回る85.16%だった。

労働関係の動向

● 厚生労働省は16日、労働者派遣法の対象外になっている建設労働者を同業他社に一時的に派遣できるようにする制度の素案を労働政策審議会の委員会に示した。悪質ブローカーを排除するため事業主団体が詳細な派遣計画を策定し、厚労相が認定するとしている。来年の通常国会への関連法案提出を視野に調整を進める。素案では、事業主団体が労働者の送り手企業と受け入れ企業の組み合わせや、労働者数、職種などの派遣内容をまとめた「改善計画」を策定し厚労相が認定。個別企業もこの計画に沿って厚労相の許可を取得し、労働者を派遣するとしている。

資本の動向

● 住宅大手8社の 2004年9月中間連結決算が出そろった。営業損益(一部の社は住宅部門)は積水ハウス、ミサワホームホールディングス(HD)、三井ホームの3社が悪化、大和ハケス工業、旭化成など5杜が改善した。注文住宅が伸び悩む中、高付加価値住宅の販売を伸ばし生産効率が良くなった企業が収益を伸ばした。太陽光発電システムなどを搭載した住宅を強化した積水化学工業とパナホームは販売戸数が1割弱伸びた。旭化成は引き渡し後の顧客サービスを充実した商品戦略が好調で販売戸数は2ケタ増。積水ハウスなどは分譲住宅などが伸びたものの注文住宅が落ち込んだ。
● 値ごろ感のある分譲戸建手住宅を大量供給する「パワービルダー」が住宅市場で台頭している。注文住宅の伸び悩みに直面する大手をよそに、東京都内でも土地を含め3000万円台前半からと、大手に比べ数百万−1000万円も安い点を武器に販売を伸ばしており、首都圏を中心に住宅業界の構造変化を促している。首都圏の有力パワービルダー、東栄住宅は7月中間期に1833戸の建売住宅を販売した。前年同期より283戸多く、売上高も13%増で696億円に達した。首都圏に限ると、戸建ての供給量は住宅大手を上回る水準。
● 建設大手4社は、2004年9月中間決算を発表した。政府建設投資の落ち込みなど不安定要因があったものの、製造業を中心に民間建設投資などが活発化した影響もあり、4社とも単体では増益となった。先行きの業績の指標となる受注高は、4社とも軒並み前年同期を上回った。単体では清水、大林が減収増益、鹿島、大成が増収増益となった。完成工事総利益率(粗利)は大成を除き、前年同期の水準を上回った。
● 経営再建中の熊谷組(鳥飼一俊社長)と飛島建設(富松義晴社長)は15日、来年4月に予定していた合併を白紙撤回すると発表した。互いに主力とする土木事業の技術融合を図り、競争力を向上する狙いがあったが、情報システムや人員合理化などの統合コストが予想以上に負担となり、早期の合併効果を期待できないと判断した。両社は共同開発分野などの一部で業務提携を維持する。

その他の動向