情勢の特徴 - 2007年5月前半

経済・財政 行政・公共事業・民営化 労働・福祉 建設産業・経営 まちづくり・住宅・不動産・環境 その他

経済・財政

行政・公共事業・民営化

●「国土交通省が、ダンピング受注の排除を目的に同省発注工事の入札に導入している『特別重点調査』で、調査対象になった業者の応札内容を集計したところ、工事原価を構成する▽現場管理費▽直接工事費▽共通仮設費―の3つの費目が同省の定めた基準値を下回り、重点調査の対象になる例が多いことが分かった。特に直接工事費や現場管理費が著しく低いと、下請業者へのしわ寄せや、工事の品質・安全の低下につながりやすいとされる。同省は引き続き、極端な低価格入札に対する監視を強める考えだ。…同省のまとめによると、これまでに特別重点調査が行われた工事入札は91件で、対象になったのは計145業者。どの費目の積算額が基準を下回って調査対象になったのかを集計(複数の費目で基準を下回る場合もある)したところ、全体では現場管理費(55.9%)、直接工事費(51.0%)、共通仮設費(40.0%)の順で多かった。3つの主要工種別にみると、一般土木では、直接工事費が基準を下回ったケースが62.8%と最も多く、現場管理費も60.3%と高率だった。」(『建設工業新聞』2007.05.01)
●「国土交通省は公共工事入札の談合防止策の一環として、これまで別々に発注するのが原則だった設計と施工の一体発注に乗り出す。設計会社や発注者に建設会社が無償で協力する慣行が『なれ合い』を生み、談合の温床になったと指摘されており、こうした不透明な協力関係を排除する。施工を請け負う民間の建設会社が持つ独自技術を設計に反映させ、入札の競争を促してコスト削減にもつなげる。2007年度中に試行を始め、08年度からの導入を目指す。設計・施工の一体発注の対象にするのは、水門工事やごみ焼却施設など高い技術力が必要で建設会社の工夫の余地が大きい分野。今年度中に国の直轄事業で、構造の細部など詳細設計を施工と一緒に発注する新しい入札方式を試行する。08年度からの本格活用に向け効果を検証するとともに、全国知事会などと連携し、地方自治体にも導入を働きかける。」(『日本経済新聞』2007.05.04)
●「国土交通省発注工事の平均落札率が、06年12月に同省が『緊急公共工事品質確保対策』(ダンピング受注防止策)を打ち出した後も低下傾向にあることが明らかになった。発注工事を金額別・工種別に分類すると、同対策の対象となっている2億円以上の工事の落札率は回復傾向にあるが、2億円未満の工事や、鋼橋、PCといった工種では低落札率の傾向が依然強い。一般土木を中心に大型工事での極端な安値受注競争は沈静化の兆しを見せているものの、落札率は低めで推移する『安値安定』の様相を呈している。…極端な安値受注は工事品質の低下や下請・取引業者へのしわ寄せといった悪影響も懸念されるとして、同省は2億円以上の工事を対象に昨年12月、入札時点で施工体制や品質確保大成を確認する総合評価方式や、極端な安値応札には特別重点調査制度を適用するなどの緊急公共工事品質確保対策を発表した。対策が本格的に実施された07年1月は、それまで低下傾向の続いていた落札率(全体・2億円以上)が前月よりも5ポイント以上高い85.69%と急上昇。一般土木、鋼橋、PCの主要3工種でみても、いずれも前月を上回る落札率になった。特に一般土木での急回復が目立つ。…ただ、回復傾向とはいっても、平均落札率は低入札価格調査制度が適用される基準(予定価格の85%〜3分の2以下)をやや上回る程度の水準で、調査を免れるぎりぎりの範囲での安定状態ともいえる。さらに、同対策の対象に含まれない2億円未満の工事は、一般土木やPCの落札率が回復傾向にあるが、鋼橋では依然として低価格入札が続いている。今後は、2億円未満の工事での安値受注対策が同省の課題になりそうだ。」(『建設工業新聞』2007.05.08)
●「国土交通省発注工事の落札率が、入札方式によって大きな差はないことが明らかになった。同省がまとめた06年度発注工事の平均落札率(単純平均、速報値)は全体で88.0%で、入札方式別では、予定価格2億円以上の工事に適用される一般競争入札が87.48%、それ以外の指名競争入札は88.50%と大差はなかった。通常、談合をしにくい一般競争入札を採用すれば競争性が高まり、落札率は低下するとされているが、データを見る限りは指名競争入札の落札率もほとんど違いはなく、工事の規模や入札方式を問わず価格競争が激化していることをうかがわせている。国交省は06年度に一般競争入札で7369件、指名競争入札で3261件の工事を発注した。…地方自治体など他の公共発注機関も相次ぐ談合事件を受けて一般競争入札の拡大を進めているが、今回のデータからは、一般競争入札に限らず、指名競争入札が採用される工事でも激しい価格競争が行われているとみられ、工事の品質・安全の低下や、下請業者へのしわ寄せを防ぐ対策の重要性がさらに高まりそうだ。」(『建設工業新聞』2007.05.09)
●「国土交通省は10日、06年度に発注した直轄工事の平均落札率を明らかにした。06年度に契約した1万1425件の単純平均落札率は88.7%となり、過去最低だった05年度の91.4%をさらに下回った。04年度と比較すると、5ポイント以上も下落している。集計の対象は地方整備局が契約した1件100万円以上の直轄工事。落札率は00年度以降、毎年度下がり続けている。06年度の月ごとの落札率は、4月 91.3%、5月89.4%、6月89.5%、7月88.7%、8月88.2%、9月88.9%、10月89.4%、11月87.5%、12月 88.0%、07年1月87.3%、2月89.0%、3月87.8%となった。昨年12月に『緊急公共工事品質確保対策』(ダンピング受注の防止策)が打ち出され、極端な安値での応札は少なくなったものの、厳しい価格競争が続いているといえそうだ。」(『建設工業新聞』2007.05.11)
●「国土交通省は06年度に総合評価方式で発注した工事件数を明らかにした。8地方整備局で合計8683件の入札を総合評価方式で実施し、契約を結んだ。港湾空港関係を除いた実施件数は8195件で、05年度の1636件と比べ、約5倍に増加した。同省は本年度の総合評価方式実施目標を06年度よりもさらに高く設定(金額ベース9割、件数ベース6割)している。ダンピング受注の防止策とし昨年12月に導入した施工体制確認方総合評価方式は216件に採用された。」(『建設工業新聞』2007.05.14)

労働・福祉

●「日本建設産業職員労働組合協議会(宮野一也議長)は、『2006年時短アンケート』の調査結果をまとめた。06年 11月の平均残業時間は62.8時間、10年前と比べると20時間以上増えていることがわかった。特に100時間を超える外勤者が34.9%に達し、 1998年と比べると20.2ポイント増えている。また、今回初めて残業時間の内訳を聞いた結果、平均80時間を超える外勤者の残業時間のうち、4割は休日の労働時間であることが明らかになった。日建協は、『過剰な労働時間の短縮には休日取得が近道』とみて、時短推進活動に取り組んでいく。アンケートは、日建協が毎年11月に加盟組合員25%に当たる約1万人を対象に調べているもので、7523人が回答した。内訳は外勤者4089人、内勤者3424人、全体の平均年齢は37.9歳(前回37.3歳)だった。内勤者の残業時間は39.4時間で、前年より1.7時間増加、10年前より13.6時間増えている。『この2年で7.3時間増えており、ここ数年増加傾向にある』(日建協)。一方、外勤者の残業時間はほぼ横ばいの82.5時間で、長時間で高止まっており『限界に近い数字にある』(日建協)。80時間超が49.9%(前回45.7%)とほぼ半数を占めた上、100時間以上が年々増えている。また、外勤者の残業時間のうち、平日が46.3時間であるのに対し、休日の出勤時間は36.2時間で、43.9%を占めていることがわかった。…日建協は、時短推進活動として、6月9日に取り組む『統一土曜閉所運動』や、工事竣工後など次の作業所に移動する際にまとまった休暇を取得する建設業特有の『異動時休暇取得』制度を強く推進していく考えだ。」(『建設通信新聞』2007.05.07)

建設産業・経営

●「国土交通省がまとめた建設工事受注動態統計調査によると、06年度の建設大手50社の受注総額は13兆8936億円(前年度比3.3%増)で、2年ぶりに増加に転じた。このうち国内分は12兆8128億円(同0.9%増)で2年ぶりのプラス。好調が目立ったのは海外工事で、受注総額は4年連続増の1兆808億円(同43.2%増)と、85年度の調査開始以来、2番目に高い水準だった。海外受注が1兆円を超えたのは9年ぶり。国内受注のうち、民間分は10兆1197億円(同4.4%増)で、4年連続で増加した。発注者別内訳は製造業が2兆2211億円(同14.5%増)、非製造業が7兆8986億円(同1.8%増)。製造業、不動産業、運輸業などからの受注が増加した。民間からの受注の好調が持続する一方、公共機関からの受注は2兆867億円(同15.6%減)と8年連続のマイナス。発注者別では、国の機関が1兆2535億円(同7.2%減)、地方の機関が8332 億円(同25.8%減)だった。国は2年連続、地方は11年連続の減少。地方機関分が1兆円を割り込んだのは初めて。国内受注の工事種類別内訳は、建築が 4年連続増となる10兆508億円(同3.4%増)で、土木は2年ぶりの増加となる3兆8428億円(同3.0%増)だった。海外受注高の内訳は、建築が 4108億円(同23.1%増)、土木が6700億円(同59.2%増)だった。」(『建設工業新聞』2007.05.01)
●「国土交通省がまとめた2006年度の専門工事業下請取引実態調査結果によると、いわゆる『赤伝票』で現場経費などを出来高払金から控除されたことが『ある』と回答した企業の割合は69.7%だった。見積書が未提出で実質的に『指値』だったものを含む、いわゆる指値が『あった』と回答した割合は21.3%で、前回の04年度調査に比べて9.3ポイント下回った。赤伝票による控除は、初めて調査した項目で、『ある』と回答した企業を階層別にみると、1次が75.5%、2次が62.5%、3次が51.9%となっており、上位になるほど割合が増加する傾向にある。指値の有無について、『あった』と回答したのは1次が22.2%(42社)、2次が16.7%(16社)、3次が33.3%(8社)で、前回調査に比べ、1次と2次は改善したものの、3次の割合は若干増加した。業種別では、躯体が27.5%、仕上げが33.8%、設備が13.0%、土木が6.3%で、仕上げだけが増加した。指値による割引額の割合が最も多かったのは、1次が『20%未満』で31.6%、2次が『20-39%』、3次が『80%以上』でそれぞれ 33.3%を占めている。…同調査は、重層下請構造の実態を明らかにするため、1998年度から実施されており、今回の調査は5回目。専門工事業団体を通じて05年4月-06年8月に完成した工事270件(公共141件、民間129件)の下請け536社を対象にアンケートを送付し、回収率は62.1%だった。回答の内訳は、1次下請け203社、2次103社、3次27社となっている。調査期間は06年11月−06年12月。」(『建設通信新聞』 2007.05.02)
●「日本建設業団体連合会は1日、会員企業54社の2006年度受注実績をまとめた。受注総額は前年度比1.8%増の 13兆5770億円で2年ぶりの増加となった。先導役の民間受注は9年ぶりに10兆円台となる一方、官公庁受注は1975年の調査開始以来最低水準まで落ち込み、民間の好調と官公庁不振の明暗がより鮮明になった形だ。国内受注は、0.6%減の12兆4790億円にとどまった。内訳は、民間が2.6%増の 10兆480億円と9年ぶりに10兆円台を突破したものの、官公庁は13.1%減の2兆3880億円と2年連続して2桁の減少となった。民間受注の内訳は、製造業が14.6%増と好調を維持したが、民間受注の8割近くを占める非製造業は0.1%減とほぼ前年度並みとなった。非製造業のうち半分近くのシェアを占める不動産業が好調なオフィス需要を背景に7.0%増だったものの、2番目にシェアが大きいサービス業が、医療福祉や私立学校などの不振で9.1%減となったことが理由だ。民間はバブル崩壊後、02年度の8兆680億円を最低水準に増加基調が継続し、好調を維持した。ただ官公庁受注は、受注総額に占める割合がバブル崩壊後の4割程度から06年度には官公庁受注の割合が17.6%と初めて2割を切るなど、官公庁受注シェアの急落に歯止めがかからない状態となっている。海外受注は中東・北アフリカ地域の大型事業の受注を背景に、40.6%増の1兆980億円と9年ぶりに1兆円台を確保した。一方、06年 3月期の受注総額は前年同月比6.0%減の2兆4350億円にとどまった。発注者別では、民間が6.5%減、官公庁も6.1%減といずれも減少した。」(『建設通信新聞』2007.05.02)
●「国土交通省は、約200社の専門工事業者を対象に重層下請構造の実態調査を実施した。…この調査は、建設経済研究所に委託して昨秋実施。354社に調査票を送り、213社から回収(回収率60.2%)した。回答者のうち22社を対象にヒアリング調査も実施した。調査結果のうち、工事の再下請けに関する今後の方針については、191社中94社が『再下請けを残して現状維持』と回答。『再下請けを増やして業務範囲を拡大する』と答えた53社を含め、全体の76.9%が重層下請構造を維持したまま、業務を続ける方針を明らかにした。重層下請構造のメリットについては、労務調整の容易さに加え、『専門化が進み作業効率が上がる』や『発注者のニーズに適した施工体制が組みやすい』などが上がった。一方、デメリットとしては、▽連絡調整の手間が増大する▽設計・施工情報の伝達不全▽不良・不適格業者の介在−などを指摘する回答が多かった。下請け受注の方針では『現状を維持する』と『元請け・1次下請けなど上位次数の請負を増やす』を合わせた回答が213社中184社となり、9割近くの回答者が重層下請構造という生産システムの中で業務の安定化を目指す考えでいることが分かった。建設業の重層下請構造は一般的に労働生産性を低下させるといわれるが、調査結果からは、専門業者は全般的に肯定的な見方を示していることがうかがわれる。工事の違法な一括下請負(丸投げ)を行う不良不適格業者の排除や、合理的な連絡調整方法の確立、元・下請業者間の片務関係改善などを徹底できれば、重層下請け構造のメリットが大きくなる可能性もある。」(『建設工業新聞』2007.05.02)
●「東京・六本木ヒルズ『森タワー』のエレベーターでワイヤロープに損傷が見つかった問題で、保守点検を担当する日本オーチス・エレベータ(東京・中央)が、2005年1月にヒルズ内の11基のエレベーターのうちほぼ全基で赤さびの発生を確認しながら、清掃が不十分なまま放置していたことが1日、分かった。同社は赤さびは安全上問題があると認識、社内で清掃の必要性を確認したが、徹底されていなかった。昨年11月に事故機を清掃した時には赤さびが固着して十分に除去できず、ロープを詳細にチェックできない状態だったのに、今年3月の定期検査では東京都や国土交通省に『問題なし』と報告していた。05、06年の3月に計2回実施された年1回の定期検査でも、赤さびや汚れについて、報告していなかった。…赤さびは、ロープ内部からしみ出した潤滑油と金属線のこすれ合いで生じた磨耗くずなどが固まり付着。ロープ自体の強度に影響はないが、破断の前兆となる金属線の切断などが見つけづらくなるという。国交省は同社の保守点検体制を認定した場合、エレベーターの検査資格を取り消す可能性もあるとしている。同社の説明によると、05 年11月、点検員が六本木ヒルズのエレベーターのロープに赤さびが発生しているのを確認し、会社に報告。同社は同月中に井上忠幸社長(当時)や役員である品質本部長を中心に品質責任者会議を開き、ロープへの給油と清掃が必要との社内決定を下した。しかし、会議後の同年3月、赤さびのほかにロープにグリスや金属粉による汚れも確認されたにもかかわらず、汚れが目立ち始めた06年9月まで一度もロープは清掃されなかった。火災が発生したエレベーターは昨年11 月、12月、今年3月に2回の計4回清掃したが、作業時間は1回に2時間程度で、赤さびはほとんど除去できなかったという。同社は昨年12月ごろロープ交換の検討を開始。今年2月には、すべてのロープを6月に交換することを決めていた。同社は、六本木ヒルズのエレベーターで赤さびが発生する以前の 03-04年、全国で92件、ロープに赤さびが発生する不具合があったことも明らかにした。」(『日本経済新聞』2007.05.02)
●「東京商工リサーチがまとめた2006年度の建設業倒産(負債額1000万円以上)は、3875件で前年度比2.2%の増加となった。年度としては5年ぶりの増加となっている。ただ、最近10年間では3番目に少ない水準。負債総額は7092億5300万円で18.8%の大幅な減少になった。94年度以来、12年ぶりに8000億円を下回った。負債額100億円以上の大型倒産が71.4%減少の7件にとどまったことが大きな要因になっている。…2006年度の建設業倒産企業のうち4割(構成比40.7%)を負債5000万円未満の小規模企業が占めたが、今後も引き続き中小零細企業を中心に整理淘汰が進むものとみられる。…倒産件数は、前年度比85件増、2.2%増となり、年度としては5年ぶりに前年度を上回った。件数自体は年度(4月〜3月)ベースで戦後21番目、最近10年間では3番目に少ないなど過去データからみると低い水準だったものの、増勢に転じたことは注目される。また産業別構成比は同0.3ポイント上昇の29.0%を占めた。これに対して負債総額は、同1651億4500万円減、18.8%減となり、1994 年度以来12年ぶりに8000億円を下回った。また水準としては年度ベースで戦後17番目だった。…原因別では、受注不振が前年度比1.8%増の2469 件(構成比63.7%)と全体の6割を占めた。次に既往のシワ寄せが同6.0%増の522件(同13.4%)、他社倒産の余波同2.0%増の244件(同 6.2%)、運転資金の欠乏207件、事業上の失敗167件(同4.3%)、金利負担の増加75件と続く」(『建設通信新聞』2007.05.02)
●「建設物価調査会は9日、2006年度の建築物リフォーム・リニューアル受注調査報告を公表した。総受注工事額は前年度比6.7%増の1兆254億円で、内訳は元請けが7.2%増の1兆19億円、下請けが10.0%減の234億円だった。総受注工事件数は13.0%増の 19万2900件となっている。元請受注工事額の工種別内訳をみると、改装の割合が67.3%と最も高く、改築は19.6%、増築は13.1%だった。元請受注の大規模工事(1億円以上)は、前年度の826件から872件に増加し、大阪府の企業が受注した体育施設改築が88億円と過去最高額を記録した。… 建物1件当たりの元請受注工事学派、事務所が6150万円で最も高く、学校関連の5124万円、店舗の3718万円と続いている。増築に限ってみると、工場・倉庫が1億1947万円と最も高く、次いで店舗の1億1713万円、学校関連の1おく恵1583万円となっている。改築では、事務所が1億4746万円、学校関連が9630万円、病院・診療所が7990万円、改装では事務所が5316万円、学校関連が4263万円、店舗が3062万円の順で高かった。この調査は、全国建設業協会の会員のうち、建設工事が約4割以上を占める企業を対象に四半期ごとに調査した結果をまとめたもので、06年度調査対象の平均は3978社、回収率の平均は19.4%だった。」(『建設通信新聞』2007.05.10)
●「住宅大手8社の8006年度連結決算が11日出そろった。大和ハウス工業や積水ハウスなど5社が営業増益となった。分譲マンション販売や集合住宅の建築請負が伸びた。昨夏以降、金利の先高観が後退したことで各社とも戸建て住宅販売は伸び悩み、3社が営業減益となった。大和ハウスが11日に発表した07年3月期決算は売上高が前期比6%増の1兆6184億円、営業利益が7%増の856億円と過去最高を更新した。分譲マンション販売が増えたほか、主力の流通店舗建築の受注が伸びた。資材の調達や物流、製造費用の削減を進め、住宅、商業建築、リゾート・スポーツ、ホームセンターと4事業すべてが営業増益となった。…ミサワホームホールディングスの07年3月期の連結営業利益は27%減の130億円。値引き販売が増え採算が悪化、人員増強で販管費も増えた。引き渡し戸数が増え売上高は4145億円と8%増。繰り延べ税金資産を100億円強取り崩し、純利益は99%減の1億 9100万円。積水ハウス、三井ホームやパナホームは建て替え層向けに高級住宅が増えたが、住宅市場は夏から冷え込みが続き戸建て販売戸数は5社が減少した。」(『日本経済新聞』2007.05.12)
●「国土交通省がまとめた2006年度末時点の建設業許可業者(個人を含む)数は、前年同期比3.3%減の52万 4273業者と2年連続で減少した。資本金階層別では個人が6.8%減と最も減少し、許可業者数が最も多かった00年3月末時点と比較しても個人が 28.2%減と大幅に減った。…許可業者の内訳は、大臣許可が2.7%減の1万257業者、知事認可が3.3%減の51万4106業者となっている。06 年度中に建設業許可が失効した業者は6.1%減の3万7995業者で、うち廃業を届け出た業者が4.3%増の1万3250業者、更新手続きをせずに許可失効した業者が10.9%減の2万4745業者だった。許可業者数を資本金階層別にみると、200万円未満(前年同期比51.9%増)、5000万円以上1 億円未満(0.3%増)の2つを除く全階層で業者数が減少した。個人が6.8%減と最も減少し、1000万円以上5000万円未満が3.3%減、200万以上500満円未満が2.2%減、1億円以上10億円未満が1.6%減、10億円以上が1.5%減、500万円以上1000万円以上が0.7%減となっている。」(『建設通信新聞』2007.05.14)

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