情勢の特徴 - 2010年9月前半

経済・財政 行政・公共事業・民営化 労働・福祉 建設産業・経営 まちづくり・住宅・不動産・環境 その他

経済・財政

●「国土交通省が31日発表した7月の新設住宅着工戸数は6万8785戸となり、前年同月に比べ4.3%増えた。増加は2カ月連続。大幅に落ち込んだ前年の反動に加え、政府の住宅購入促進策が戸数の拡大を支えた。同省は基調判断を『やや弱含み傾向』から『やや持ち直しの兆しがみられる』に上方修正した。持ち家は4.4%増の2万7181戸と、9カ月連続で増加した。…分譲住宅は27.3%増の1万5201戸で、5カ月連続の増加となった。このうちマンションは37.5%増の5448戸。値ごろ感から販売が好調だった。」(『日本経済新聞』2010.09.01)
●「内閣府が8月30日に公表した『8月の地域経済動向』では、3大都市圏のうち、東京、名古屋を含む4地域の景況判断を下方修正した。下方修正の地域数はリーマンショック後の2009年2月以来の多さだ。…内閣府が公表した09年8月の地域経済動向は、前回調査(同年5月)の『急速に悪化』『悪化』の最悪の景況感から地域によっては一気に6段階引き上げた上方修正が11地区中10地区で相次ぎ、景気回復への期待感が高まっていた。国内消費の拡大につながるエコポイント導入、中小企業に対する金融支援、公共工事増加のほか、米国の大幅な財政出動による景気対策、景気回復期待などが上方修正を後押しした。しかし地域経済の景況感も、ことし8月の地域経済動向で、東北、北関東、南関東、東海の4地域では、前回調査(5月)から景況判断が1段階それぞれ引き下がる下方修正となった。好調な輸出を背景に堅調に推移していた鉄鋼や輸送機械の伸び率低迷が、景気先行指標の鉱工業生産の減少につながったことが理由だった。11地域中、一般機械が堅調な北陸と観光などが後押しした沖縄の2地域はそれぞれ景気判断が2段階引き上がる上方修正となった。一方、地域経済の動向に影響を与える公共工事は自民党政権時代の政策効果もあり、09年度の公共工事請負金額(主要前払保証3社統計)は前年度比4.9%と増加したものの、政権交代によって減少に転じ、10年度累計(4−7月)は前期比5.0%減となった。10年度の公共事業関係費は前年度比18%の大幅減で、今後も減少幅がさらに拡大するのは確実だ。」(『建設通信新聞』2010.09.03)
●日本の上場企業の海外収益がアジアを中心に拡大している。日本貿易振興機構(ジェトロ)がまとめた「世界貿易投資報告」(2010年版)によると、海外部門の営業利益が全体に占める割合は、2000年度に20.1%にすぎなかった。ところが09年度には、43.5%を占めるに至った。52.5%だった08年度と比べると9ポイント減少したものの、これは、国内部門の営業利益の回復ペースが海外を上回ったため。海外収益が拡大している傾向は変わらない。09年度の営業利益を地域別にみると、海外ではアジア大洋州が最も高く23.6%を占めている。同地域は、00年度には6.0%にすぎなかった。10年間で約4倍に拡大している。(『しんぶん赤旗』2010.09.03より抜粋。)
●資本金10億円以上の大企業(金融・保険業と郵政3社を除く)は2009年度、世界経済危機の影響で前年度に比べて売り上げを減らす中でも、内部留保を10兆9000億円増やし(4.7%増)、年度末時点で243兆9000億円をため込んだことが分かった。財務省が3日発表した法人企業統計から本紙が算出した。…ある利益剰余金は、前年度の133兆2000億円から135兆6000億円に増え、資本剰余金も80兆7000億円から86兆1000億円に増加した。売上高は前年度の588兆1000億円から513兆7000億円に12.7%減ったが、当期純利益は4兆円から7兆円に増加。1人当たり従業員給与・賞与は565万円から539万円に減少。製造業の設備投資(ソフトウエアを除く)は10兆9000億円から7兆円へと36%の大幅減少だった。…11兆円の内部留保積み増し分は、年収500万円の労働者220万人分の給与に当たる。内部留保の一部を活用するだけで雇用情勢を改善し、内需を増やすことができる。(『しんぶん赤旗』2010.09.06より抜粋。)
●国土交通省の公共事業関係費は、10年度当初予算とほぼ同じ4兆8342億円。…中身を見れば、大都市圏の環状道路建設や港湾、空港整備など、「国際競争力」の名による大型事業の温存という従来の構造が引き継がれている。「国際コンテナ戦略港湾」のハブ(拠点)化、機能強化のための予算(国費分)として401億円を要求した。10年度予算比で2.46倍と突出している。道路整備には3.8%増の1兆199億円を要求。直轄事業では那覇空港道(沖縄)など4カ所、補助事業では倉吉関金道路(鳥取)など4カ所の新規事業を盛り込んだ。大都市圏のインフラ重点投資として215億円(全体の要求額は1238億円)を要求し三大都市圏の環状道路などの整備を進めるとしている。…首都圏空港(羽田、成田)の機能強化に向け95億円を「元気な日本復活特別枠」に盛り込んでいる。大都市政策では「大都市圏の戦略づくりと国際競争拠点都市の整備」として63億円、「民間都市開発事業に対する資金調達支援」に50億円を要求している。(『しんぶん赤旗』2010.09.08より抜粋。)
●2011年度の経済産業省概算要求の特徴は、5%と引き下げ幅を示して、法人税(国税)減税を求めたことだ。経済産業省は、法人税率の引き下げを「進めるべき施策」の第一に掲げた。また研究開発減税の拡充を求めている。大企業優遇が顕著だ。原発や水道などのインフラを建設から維持管理まで一体で輸出する「システム輸出」の推進に、「元気な日本復活特別枠」要望と合わせ10年度の5倍近い165億円を計上した。企業の事業再編を「円滑化」することを掲げ、法整備を検討するほか、必要な資金調達を支援するために日本政策金融公庫を通じて、1000億円を融資するとしている。地球温暖化対策の名目で、原発をさらに推進しようとしている。10年度当初予算比170億円増となる1925億円を要求。その半分以上は原発を増設・新設する際、「立地地域のいっそうの理解」を得るための、電源立地地域対策交付金1177億円(10年度比80億円増)。また、核燃料サイクルの確立や高速増殖炉関連の技術開発に10年度比1.3倍の165億円を盛り込む一方で、安全・防災費用は3億円を減額した。中小企業対策費は、概算要求と「元気な日本復活特別枠」要望を合わせて10年度当初比18.2%の増の2259億円を求めた。厚生労働省所管分62億円、財務省所管分886億円、経済産業省所管分1311億円。経産省所管分の概算要求は1187億円で10年度当初予算(1255億円)から68億円(5.4%)の減額だ。…削られたのは地域中小・零細企業向け支援だ。小規模事業対策推進事業は、18億円削減し、23億円の要求だった。(『しんぶん赤旗』2010.09.14より抜粋。)
●「政府が10日に閣議決定する経済対策のうち、規制改革や国内への投資を促す総合対策の原案が8日、分かった。老朽化したマンションなどの建て替えを促進するため、容積率の緩和を検討する。輸出手続き簡素化のため関税法改正案を来年の通常国会に提出することも明記した。対策の財源が限られるなかで、約100項目の規制改革を前倒しする。国内投資の促進では政労使で検討する円卓会議を新設する。」(『日本経済新聞』2010.09.09)
●「経営再建中の日本振興銀行(東京・千代田)は自力再建を断念し、2010年9月中間決算で1500億円規模の債務超過に陥る恐れがあると、10日に金融庁に申請する方針を固めた。これを受けて同庁は経営破綻と認定、預金を一定額までしか保護しないペイオフを初めて発動する。1預金者あたり「元本1千万円とその利息」まで預金の払い戻しに応じる一方、これを超える部分は支払額が一部カットされる見通しだ。」(『日本経済新聞』2010.09.10)
●「政府は10日、急激な円高やデフレなどに伴う景気悪化を避けるための追加経済対策を閣議決定した。雇用対策の促進や消費刺激が柱で財政支出額は9150億円、事業規模は9兆8000億円に膨れ上がる。これによる実質GDP(国内総生産)の押し上げ効果は0.3%となり、新卒者5万人を含む計20万人の雇用創出を見込む。対策では、円高の急速な進行と長期化を『看過できない問題』とし、『必要なときには為替介入を含め断固たる措置を取る』と明記。デフレ脱却に向け、日銀に『さらなる必要な政策対応を取ることを期待』と強い表現で追加金融緩和を促した。…今回の対策は2011年度までを見据えた『3段構え』で進める計画で、財政支出を伴う緊急対策を第1段階と位置付ける。財源には10年度予算の経済危機対応・地域活性化予備費を充てる。第2段階では政府が6月に定めた新成長戦略を推進し、必要に応じて補正予算の編成も検討。…第3段階では、11年度予算を使った施策や雇用促進を促す企業減税を実行し、景気の自律的回復を目指す。具体策で最も支出額が多いのは消費刺激策(4500億円)で、家電・住宅エコポイント制度の期限延長などが中心。住宅エコポイントの延長は1年で11年12月末まで。当初10年間の金利引き下げ幅を0.3%から1.0%に拡大する優良住宅取得支援制度(フラット35S)も同月末まで1年延長する。事業費の大部分はこの住宅エコポイント制度の延長が占める。ポイントを付与した新築住宅について、基礎工事を含めた建設費用すべてを事業費にカウントする水増しともいえる仕組みのためだ。…企業の投資促進策(1200億円)は、低炭素型雇用創出産業の立地を補助金で支援するほか、新たなPPP・PFI事業の案件形成を支援する。」(『建設通信新聞』2010.09.13)

行政・公共事業・民営化

●「川崎市は8月31日、市議会総務委員会を開き、11年度の施行を目指す公契約条例の概要を明らかにした。対象となるのは、予定価格が6億円以上の工事案件と、1000万円以上の委託契約で、施設の維持管理や清掃業務など人件費の占める割合が高い業種の案件。上下水道局長など公営企業管理者が発注する案件にも適用し、受注者または下請負者に雇用されている者だけでなく、いわゆる『一人親方』も対象とする。作業報酬の最低額については、『公共工事設計労務単価』と、川崎市の『生活保護基準』を参考に、外部要員からなる審議会の審議を通して定める考えだ。」(『建設工業新聞』2010.09.01)
●「国土交通省は、大都市の国際競争力強化に向けた戦略的プロジェクトを支援する一環で、『国際競争拠点都市整備事業』を創設する。既に指定済みの都市再生緊急整備地域の中から特定地域を絞り込み、官民共同の協議会を立ち上げて整備計画を策定。計画に基づき、国家的・広域的な観点から国として戦略的に支援すべき都市拠点施設・基盤(国際会議場、交通アクセスなど)整備への特別補助を行う。関連法の改正と11年度の予算化を目指す。…新事業は、アジアの中核拠点としての競争力が急激に低下しつつある日本の大都市の活性化を目的に、戦略的な支援体制を構築するのが狙いだ。『国際競争拠点特区』に対応するものとして、都市再生特別措置法を改正し、新たに『特定都市再生緊急整備地域』(仮称)を設定。既に指定されている65の都市再生緊急整備地域(対象面積計約6612ヘクタール)の中から、大都市の国際競争力強化の観点から国が特定地域を指定する。」(『建設工業新聞』2010.09.01)
●「国土交通省は、地域の住民組織やまちづくり会社など『新しい公共』が都市・まちのリニューアルや維持管理を担う仕組みの実証実験を2011年度から始める。まちづくり組織などが屋外広告を運営し、その収益でまちの維持管理を担うといった先導的な取り組みを公募・選定し、組織立ち上げに必要な経費などを補助する。実証実験を通じて、『新しい公共』の事業スキームを確立したい考えだ。…『新しい公共』は、地域の住民組織やNPO(非営利組織)、企業などが公共セクターと連携しつつ、経済的リターンを確保しながら社会活動や地域づくりを進める考え方で、政府の新しい公共円卓会議が6月に宣言書をまとめた。11年度から実証実験を始める。実験テーマは、▽屋外広告物を活用したエリアマネジメント▽官民連携による歩行・交流空間確保▽地域住民との協働による公園のみどり創出・維持管理システム▽地域企業・住民からの資金調達――の4点を想定している。」(『建設通信新聞』2010.09.02)
●「地方自治体が土地開発公社など3公社を相次いで解散し、『負の遺産』処理が加速してきた。昨年度から債務を肩代わりする赤字地方債の発行が認められるようになったためだ。公社に債務保証などをしている自治体は財政難のため、これまでは肩代わりによって処理することが難しかった。今後、隠れ負債が表面化して自治体の借金が膨らむことになり、将来の住民負担額が焦点になる。」(『日本経済新聞』2010.09.06)
●「国土交通省は、自治体が社会資本整備総合交付金を活用して住宅市街地で道路・河川関連の基盤整備を円滑に進めるためのガイドラインを作成する。市街地整備の計画全体をパッケージにして同交付金事業に採択された後、自治体がそれぞれの基盤施設整備の目標を設定し、事後評価・公表を行う際の一連の手続き・業務の進め方などを明示。目標設定の指標や整備効果の測定などの方策も示す。本年度末をめどにガイドラインをまとめ、交付金の使い方に関する説明責任が求められる自治体の対応を支援していく。…住宅・住環境との関連性を重視した整備計画の策定、目標・成果指標の設定ができるようにする。」(『建設工業新聞』2010.09.07)
●「国土交通省は8日、現行の社会資本整備重点計画(08〜12年度)について、計画で掲げた事業指標に対する中間評価(フォローアップ)の結果を明らかにした。計画2年目の09年度時点での進ちょく状況を、実績値を踏まえてA〜Cの3段階で評価したもので、全55指標のうち、実績値が目標達成に向けた成果を示しているAランクが77.8%、進ちょくの遅れなど成果が出ていないBランクが20.6%、判断できないCランクが1.6%だった。同省はこうした取り組み状況を踏まえ、重点計画の見直し議論の方向性を絞り込んでいく方針だ。…『交通ネットワークの充実による国際競争力の強化』分野の6指標はすべてAの評価となった。3大都市圏環状道路整備率は、07年度時点(初期値)の53%から09年度は54%と若干上がっただけだったものの、一部区間の開通延期を考慮し、10年度も計20キロメートルの新規供用を予定するなど、整備は着実に推移していると判断された。『水害等の災害に強い国土づくり』では、8指標11項目のうち、3指標4項目がB評価となった。土砂災害から保全される人命保全上の重要な施設数は、初期値から150カ所増の約2450カ所。目標値とはまだ1000カ所以上の開きがあり、現時点の取り組み姿勢では目標達成が困難と結論付けた。『良好な景観・自然環境の形成等による生活空間の改善』では、8指標10項目のうち、3指標3項目がB評価。湿地・干潟の再生の割合については、初期値の21.5%から22.4%と、伸び率が1%にも満たなかった。唯一のC評価となった指標は、まちづくりによる公共交通利用可能性の改善率。都市交通システム整備事業により、全国25カ所で自由通路、駅前広場の整備、関連施設のバリアフリー化による利便性の向上を推進し、基幹的な公共交通を利用できる人口割合を12年度までに約11%に引き上げることを目標に設定しているが、実績値はゼロとなっている。ただ、対象地域で関連の都市交通戦略が策定されていることもあり、施策は維持すべきと結論付けている。」(『建設工業新聞』2010.09.09)
●「国土交通省は、総合評価方式による入札の一層の普及に向けて、本年度から直轄工事で実施する新たな三つの方式の試行概要をまとめた。技術評価によって早い段階から入札参加業者を絞り込む『2段階選抜方式』と、価格競争で落札候補者を選んだ上で、技術能力を審査して落札者を決める『事後審査方式』はそれぞれ5〜10件で試行。工事と維持管理を一体で発注する『維持管理付き工事発注方式』は試行する際の競争参加資格などの条件を固めた。」(『建設工業新聞』2010.09.14)

労働・福祉

●厚生労働省の調査で、世帯ごとの所得格差が過去最大に広がっていることが分かった。所得の格差を示す「ジニ係数」などを調べた同省の2008年所得再分配調査(1日発表)の結果。最大になったのは税金と社会保障による再分配を行う前の当初所得の格差。07年の所得で推計したもの。…当初所得の年平均額は、今回調査で前回(05年)と比べて約21万円減少しており、高齢・単身世帯の増加、非正規雇用の広がりなどによる世帯所得の低下が格差拡大の背景にあるとみられる。…再分配による係数改善度は過去最高の29.3%となった。年金受給者の増加が最大の要因とみられる。しかし、再分配後の所得の年平均額は、前回調査より約32万円も減っており、当初所得の平均額の減少以上に減っている。定率減税の縮小・廃止や保険料値上げなどの負担増で、働く世帯の多くが再分配所得を減らしたために、低くならされる形になったと考えられる。(『しんぶん赤旗』2010.09.03より抜粋。)
●「国土交通省は7日、建設技能者の確保に向けた方策を検討するため設けた有識者会議『建設技能労働者の人材確保のあり方にかかわる検討会』(座長・蟹澤宏剛芝浦工大教授)の初会合を省内で開き、今後の検討テーマを提示した。建設技術・技能を次世代に継承する観点から、若年入職者を増やすために将来の待遇を示すキャリアパスの作成や、技能労働者を雇用・育成する下請企業を評価する仕組みづくりなどを検討課題に挙げた。検討会は今後、元請企業や専門工事業団体へのヒアリングを実施。11月に開催予定の第2回会合でその結果を報告し、議論を本格化させる。」(『建設工業新聞』2010.09.08)
●「建設業に従事する就業者数が20年後には300万人を割り込み、ピーク時の半分以下になる見通しであることが、国土交通省の実施した調査で分かった。調査結果によると、建設業の就業者数は、ピークだった97年には685万人いたが、少子高齢化と人口減少が進行する中で2030年には278万人にまで減少。うちインフラの整備・更新などの現場を支える技能労働者は05年の343万人に対して、30年には212万人にまで減ると試算している。同省は、1人当たりの建設投資額からみた技能労働者の必要数は絶対的に不足すると推計している。」(『建設工業新聞』2010.09.08)
●「国土交通省がまとめた7月の建設労働需給調査で、一部地域を中心に技能労働者の不足状態を表す結果が出た。主要6職種平均の過不足率はマイナス0.6%で、6職種のうち3職種では不足状態に入った。4月ごろまで見られた技能労働者の強い過剰感から急速に不足状態に入っている。今夏の猛暑や大型プロジェクトの再開が要因で、地域・期間限定の動きという見方もあるものの、鉄筋工や型枠大工の専門工事業者からは、いったん離職した技能労働者を再度、確保するのが難しいという構造的な人材不足を懸念する声が上がっている。」(『建設通信新聞』2010.09.08)
●厚生労働省は10日、今年度最低賃金(時給)について、全都道府県の改定状況を発表した。いずれも10円以上の引き上げで、全国平均は前年度比17円上昇の730円になる。平均上昇幅は2008年度(16円)を上回り、時給表示になった02年度以降では最高。新賃金は10月上旬以降、順次適用される。(『しんぶん赤旗』2010.09.11より抜粋。)

建設産業・経営

●「住宅エコポイント制度の延長をにらみ、不動産各社がマンションのリフォーム事業を拡大する。野村不動産ホールディングス(HD)は住生活グループと組み、自社グループで管理するマンションの住人に窓や水回りの改修を提案する。2010年の住宅リフォーム市場は住宅エコポイント効果などで前の年に比べ2割増に拡大する見通し。新築マンション販売が低迷する中、不動産各社はリフォーム需要の取り込みを本格化する。」(『日本経済新聞』2010.09.02)
●「ゼネコンの建築受注に占める設計施工一括受注の割合が減少に転じている。民間設備投資の抑制が続く中、これまで一括発注の傾向が強かった生産分野の受注量が大幅に落ち込んだことが要因。大手・準大手クラス22社の設計施工一括受注割合は前期比3.6ポイント減の44.4%となった。特に大手は割合の低下が著しい。一方、市場縮小の影響で、特命受注についても割合低下が鮮明になっている。」(『建設通信新聞』2010.09.07)

まちづくり・住宅・不動産・環境

●「耐震性が不十分な住宅の割合を平成32(2020)年までに5%に下げるとした国の目標の実現に向けて、国土交通省は来年度から、耐震改修に対して国が直接補助する制度を導入する。従来は国と地方自治体が補助金を折半して支出するのが基本となっているが、財政難で補助制度を設けていない自治体も多いことから、直接補助することで住宅の耐震化を促進したい考え。補助額は一軒当たり数十万円の定額とする方針。現行制度に上乗せすることから、ユーザーの自己負担が大幅に軽減される。…新たな補助制度は、戸建て、マンションとも全国一律に1戸当たり数十万円を国費で補助。居住する市区町村に関係なく補助が受けられる。また、現行の補助制度も継続して上乗せする計画だ。新たな補助制度の補助額を30万円と仮定すると、200万円の耐震改修の場合、現行の補助額と合わせると76万円になり、ユーザーの自己負担は124万円に軽減される。独白の補助制度を設けている自治体によっては、改修費の自己負担を半分以下に抑えられる。」(『日本住宅新聞』2010.09.05)

その他