情勢の特徴 - 2011年5月後半

経済・財政 行政・公共事業・民営化 労働・福祉 建設産業・経営 まちづくり・住宅・不動産・環境 その他

経済・財政

●「政府は17日の閣議で、東日本大震災の影響を踏まえて、これまでの政策課題の優先順位を組み直した『政策推進指針』を決定した。環太平洋経済連携協定(TPP)に関しては、6月に参加の是非を判断するとした当初方針を先送りした。与謝野馨経済財政担当相は閣議後の記者会見で、『(アジア太平洋経済協力会議が開かれる)11月には日本の態度を決めないといけない』と語った。」(『日本経済新聞』2011.05.17)
●「経済産業省の『まちづくりと一体となった熱エネルギーの有効利用に関する研究会』(座長・柏木孝夫東工大教授)は17日、初会合を開いた。天然ガスコージェネレーションや河川、下水、地下水、廃棄物エネルギーなどさまざまな熱源の有効利用とまちづくりを一体にした取り組み支援・拡大が目的。東日本大震災後の街の復興計画への反映も目指す。オブザーバーに国土交通省や環境省のほか、東京都など自治体や熱供給事業会社も参加、省庁横断的研究会で、熱供給事業法の改正も含めた制度改革によって、街づくりと一体となったエネルギーの面的利用推進を目指す。7月に中間まとめを行う。 初会合では、経産省、国交省から、地域熱供給事業の現状と課題のほか、熱供給事業法適用外の熱供給事業の実態などが報告された。」(『建設通信新聞』2011.05.18)
●「内閣府が19日発表した2011年1〜3月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.9%減、年率換算で3.7%減となった。マイナス成長は2期連続。東日本大震災の影響で消費や投資が落ち込んだ。サプライチェーン(供給網)の寸断で自動車などの生産が減少したほか、家計や企業のマインドが冷え込んだ。企業は生産体制の復旧を急いでいるが、4〜6月期もマイナス成長となる公算が大きい。」(『日本経済新聞』2011.05.19)
●宮城県漁業協同組合の幹部は18日、日本共産党本部を訪問し、8日に志位和夫委員長らが義援金を渡したことへのお礼をのべるとともに、宮城県が進めようとしている「水産業復興特区」の問題点について切々と訴えた。同県漁協は、今回の災害で漁船の9割以上を失ったが、85%もの組合員が漁業を再開したいと願っている。ところが村井嘉浩県知事が打ち出したのは、大企業が漁業権を獲得しやすくするための「特区」構想だ。県漁協は13日、「民間企業は利潤追求が第一義であって、これに合致しなければ必ず撤退する」などの理由から、「水産業復興特区」の撤回を求めて村井知事に要望書を提出している。…茨城沿海地区漁業協同組合連合会など茨城県の漁業者団体の代表が18日、東京・内幸町の東京電力本社を訪れ、福島第1原発事故に伴う組合員460人の3月分の休業補償として、総額約4億2600万円の賠償を請求した。東電は漁業被害に対して月内に賠償金を仮払いする方向で調整している。東電に対しては原発周辺の農業者からの賠償請求が相次いでいるが、漁業者団体からの請求は初めて。全国漁業協同組合連合会によると、福島県の漁業者なども賠償請求を準備しているという。(『しんぶん赤旗』2011.05.19より抜粋。)
●帝国データバンクは18日、東日本大震災の影響で倒産した企業が17日時点で102社(負債総額602億円)に達したと発表した。1995年の阪神大震災では発生から129日目に100社を超えたが、今回の大台越えは67日目で、ほぼ2倍のペースとなっている…。原因別では、得意先の被災で売上高が減少したり、消費自粛のあおりを受けたりした間接的な被害によるものが89社と大半を占めた。しかし、津波に襲われた沿岸部の企業の状況確認が進めば、「直接的な被害によるケースに押し上げられる形で倒産企業数が増加するのは間違いない」(帝国データ)とみられている。経済産業省が18日発表した3月の第3次産業活動指数(2005年=100、季節調整済み)は前月比6.0%低下の93.5と、消費税が導入された1989年4月(前月比6.2%低下)以来22年ぶりに6%台の大きな下げ幅となった。東日本大震災による経済活動の落ち込みで幅広い産業が影響を受け、現在の分類が始まった03年以降で初めて全13業種が悪化した。(『しんぶん赤旗』2011.05.19より抜粋。)
●東京電力は20日、2011年3月期の決算を発表した。売上高は、連結で前年度比7.0%増の5兆3685億円、単独では同7.1%増の5兆1463億円だった。経常利益は、連結で同55.5%増の3176億円、単独では同70.9%増の2710億円だった。連結純損益は1兆2473億円の赤字。金融機関を除く日本企業では史上最大の赤字となった。増収・増益にもかかわらず、純損益が赤字となったのは、東日本大震災により被災した資産の復旧などの特別損失を1兆776億円計上したことによるものだ。(『しんぶん赤旗』2011.05.21より抜粋。)
●日本経団連は27日、東日本大震災からの「復興・創生マスタープラン」を発表した。被災地全域を「震災復興特区」に指定し「構造改革」路線をすすめる産業政策を提起するとともに、消費税増税のための「社会保障・税の一体改革」推進と環太平洋連携協定(TPP)参加など、「新成長戦略」の加速を求めた。産業政策について「マスタープラン」は、「単に震災前の状態に戻すのではなく」「同地域がわが国産業を牽引(けんいん)できるよう新たな視点で復興策を考えていくことが不可欠である」と強調。そのために「震災復興特区」のもとで、「税、予算、規制改革など政策運営を行っていくとともに、道州制を視野に入れた広域の産業政策の実施」を提言している。(『しんぶん赤旗』2011.05.28より抜粋。)

行政・公共事業・民営化

●岩手県は4月27日の県議会臨時会で、東日本大震災で被災した沿岸部の店舗修繕や工場施設の復旧を市町村と協調して補助する制度を提案、関連事業費として約9億円を計上した。店舗などを対象にした補助は初めて。・・・新設される制度は、「中小企業被災資産修繕費補助」(修繕費補助)と、製造業を対象に原則5000万円以内を限度に補助する「被災工場再建支援事業費補助」(工場再建補助)の二つの事業。いずれも市町村の制度設計が必要だ。(『全国商工新聞』2011.05.16より抜粋。)
●「港湾の復旧・復興に向けた国土交通省や被災港湾管理者・利用者での検討が本格化してきた。被災11港湾のうち、5港湾で地元自治体や港湾利用企業などによる『復興会議』が立ち上がり、具体的な復興方針と復興策の検討が始まったほか、全国の港湾における津波防災対策方針の検討に向け、国交省が交通政策審議会港湾分科会防災部会(部会長・黒田勝彦神戸大名誉教授)の初会合を16日に開催した。各復興会議で『新たな港づくり』の観点での復興策を探り、防災部会で津波からの防護水準や防護方式などを検討する。」(『建設通信新聞』2011.05.17)
●「国土交通省が、被災地の復旧・復興だけでない、全国的な災害に強い社会インフラ構築に向けた検討を始める。社会資本整備の重点目標や必要な事業量(規模)を明示する『社会資本整備重点計画』を災害に強い国士・地域づくりのための計画に見直すため、検討作業を中断していた社会資本整備審議会・交通政策審議会計画部会の合同会議を18日に再開。8月中に『震災後の社会資本整備のあり方』について中間まとめを策定する。最終的な重点計画の見直しは2011年内のとりまとめを目指すとみられる。」(『建設通信新聞』2011.05.18)
●政府の原子力災害対策本部(本部長・菅直人首相)は17日、福島第1原発事故の収束に向けた見通しと、被害者への対応策の実施手順を示した「工程表」を決定した。「東電任せ」との批判を受けて策定された政府の工程表だが、事故収束の見通しは、10月〜来年1月をめどに原子炉を「冷温停止」して安定化させるという東電の工程表が下敷きだ。裏づけと根拠を示しておらず、政府の責任を果たしたものとなっていない。工程表では、事故「収束」の第1ステップとして7月中旬までに「放射線量が着実に減少傾向となっている」と記した。しかし、1号機の炉心溶融(メルトダウン)に続いて2・3号機も炉心溶融の可能性が明らかになるなどの深刻な事態に対し、対策が実現可能なのかの裏づけは示されないままだ。(『しんぶん赤旗』2011.05.18より抜粋。)
●参院本会議は18日、改憲手続き法にもとづき改憲原案の審査権限を持つ憲法審査会の規程を採決し、民主、自民、公明、みんな、国民新、たちあがれ日本の各党の賛成で可決した。日本共産党、社民党は反対した。(『しんぶん赤旗』2011.05.19より抜粋。)
●「東日本大震災の被災地の復旧・復興に向けた政府の新たな対策が明らかになった。地方自治体がインフラ整備計画で道路、港湾、住宅地などの防災機能を高めて再配置するよう国が新基準を作成する。…国土交通省は被災地の幹線道路や住宅地、港湾などを防災を重視して再配置するよう地方自治体に求める。道路や下水処理場を高台や内陸部に移すことなどが柱。国交省が新たに基準を作り、自治体が作る復興計画に反映させる。新基準は『生活に欠かせない主要な道路や下水処理施設は高台に移す』『高台がない場合は沿岸に2重、3重の堤防を設ける』などと具体的に示す。可能な場合は住宅も高台に移し、跡地に農地や水産加工施設などの建設を促す方針で、個人の土地の所有権との調整が今後の課題となる。自治体は復興計画の作成段階から、この基準に沿ってインフラ施設を配置する。国交省は基準を満たした場合のみ自治体に交付金を支給する。」(『日本経済新聞』2011.05.20)
●「野村総合研究所は、東日本大震災で壊滅的被害を受けた東北地方沿岸部の復興街づくりで、PFI手法を柱とした事業実施スキームをまとめた。政府内にPFI専門機関と、個別案件の具体化をサポートする支援機関をそれぞれ設置し、人材・ノウハウが不足している被災自治体を全面的にバックアップする体制整備を提案。財政難の中、優遇税制で民間の投資意欲を喚起し、インフラ整備の財源確保を図るとしている。」(『建設工業新聞』2011.05.20)
●「国土交通省は、被災地の元請けの資金繰り支援として地域建設業経営強化融資制度の対象にがれき撤去(災害廃棄物の撤去)を追加し、下請けの資金繰り支援として下請債権保全支援事業で工事やがれき撤去で振り出された手形の割引(現金化)が可能になるよう制度をそれぞれ拡充する。ともに、6月1日から適用する。」(『建設通信新聞』2011.05.23)
●「建設業情報管理センター(CIIC)と建設業技術者センターは23日、『経営事項審査制度の利用のあり方検討委員会』(座長・大橋弘東大大学院経済学研究科准教授)を立ち上げ、経審の際に集まる建設会社の経営データのさらなる活用に向けた検討を始めた。データに技術者や基幹的技能工の資格などを反映し、国内の民間工事でも活用できるようにする方策などを探る。海外の発注者でも経審の情報を活用できるような制度も検討する見込み。2011年1−2月のとりまとめを目指す。」(『建設通信新聞』2011.05.24)
●「東日本大震災で仙台空港が津波による甚大な被害を受けたのを踏まえ、国土交通省は、津波被害が想定される空港施設の防災機能強化を検討する。今夏にも有識者の検討会を立ち上げ、今回の被害状況を詳しく検証。津波に備えた防災機能の確保や、早期復旧に向けた被害軽減策などを本年度中にまとめる。」(『建設工業新聞』2011.05.25)
●「宮城県土木部は24日、第1回宮城県復興住宅検討会議を開き、復興住宅計画の策定作業に着手した。同計画は、東日本大震災の被災者が仮設住宅から数年後に移り住む恒久住宅を確保するための道筋を示すもので、9月をめどに固める県の震災復興計画に反映させる。不足する恒久住宅の絶対数を確保する方策を詰めるだけでなく、多世代が同じ家に住む地域特性、住まいと産業との関連性、地形特性などを踏まえ、多様な公共住宅の形を選択肢として打ち出すとみられる。」(『建設工業新聞』2011.05.25)
●「『新しい公共』による震災復興・再生の取り組みを支援する動きが具体化する。国土交通省が、『新しい公共の担い手による地域づくりの活動環境整備に関する実証調査事業』の一環で、復興・再生に取り組む『新しい公共』に融資するファンドなど9件を採択した。復興を機に企業や法人の取り組みを資金面で支えるために地域金融機関や個人から資金を集める活動などが確立されれば、公共サービスの提供を支える新しい仕組みとして期待が集まりそうだ。採択案件のうち、『コミュニティ・ユース・バンクmomo(モモ)』とNPO法人レスキューストックヤード、バリオーサの3者は、被災地で支援に取り組むNPO法人と協働で、がれき撤去などに取り組む個人・企業などに融資・投資・寄付するほか、資金の貸し出しが可能な事業内容にするための助言も実施する予定だ。」(『建設通信新聞』2011.05.26)
●「国土交通省は、建設関連企業との官民連携による海外展開に継続して取り組む。3月に東日本大震災が発生して以降、被災地の復旧・復興事業に政府を挙げて注力しているものの、中長期的には国内建設投資の拡大は見込めない状況にあり、建設各社が海外市場に積極的に進出できる基盤整備は不可欠と判断。案件形成や現地企業とのビジネスマッチング、リスク対応や専門工事業者の進出支援などを戦略的に進めていく方針だ。」(『建設工業新聞』2011.05.26)
●東京都は27日、都政運営の基本方針を示す「都政運営の新たな戦略」と、東日本大震災の被災者や復旧・復興の支援策、東京を「高度な防災都市」にしていく取り組みの方向をまとめた「東京緊急対策2011」を公表した。「新たな戦略」は都政運営の基本的な考え方として、東京で3環状道路などを推進する基本計画「10年後の東京」(2006年策定)に盛り込んだ施策を「着実に推進」すると強調、大型開発に莫大な財源を投入し続ける立場を明らかにした。そのうえで、大震災をふまえ防災対策と被災地・被災者の支援方針を掲げた。東京の目指すべき都市像として「アジアのリーダーとしての地位を持続」するとしている。(『しんぶん赤旗』2011.05.28より抜粋。)

労働・福祉

●「建設産業の労働組合で構成する建設産業労働組合懇話会(建設産労懇)は18日、東京都荒川区のホテルラングウッドで、加盟単組の代表者を集めた『加盟組合委員長会議』を初めて開催した。従来、建設産労懇の主要メンバーに限って交流していたが、各労組の意見をより広く施策に反映させられるようにするため、各単組の委員長を一堂に集める場を設けた。建設産労懇役員や各単組の委員長など約70人が出席した。冒頭、建設産労懇の会長を務める福島玲司日本建設産業職員労働組合協議会(日建協)議長があいさつし、『請負業は他の産業と仕事の内容が異なり、メーカー系の労働組合と意見交換をしても良いアイデアが出るとは限らない。産労懇参加メンバーは加盟組織が違っても請負業という部分で同じであり、同じ悩みがあると思う』と加盟組合委員長会議開催の狙いを説明した。」(『建設工業新聞』2011.05.19)
●厚生労働省が20日まとめた2010年版「働く女性の実情」によると、震災前の景気回復基調の中で非正規社員が増え、女性の雇用者数は前年比18万人増の2329万人と過去最多になった。男女合計の雇用者総数は5462万人。女性の占める割合は0.3ポイント上昇して42.6%となり、過去最高となった。(『しんぶん赤旗』2011.05.21より抜粋。)
●「厚生労働省は20日、2010年(1−12月)の死亡災害・重大災害発生状況をまとめた。死亡者数は前年比11.2%増の1195人で1999年以来、11年ぶりに増加に転じた。うち建設業は1.6%減(6人減)の365人と6年連続して減少したものの、全産業の中では最も多い。全産業に占める割合も30.5%で、9業種を合わせた『その他』業種の31.3%に次いで高い。また、重大災害は7.5%増の245件となり、建設業は16.0%増(12件増)の87件だった。東日本大震災の復旧・復興関連の労働災害は、4月末時点で休業4日以上の死傷者数が120人で、うち7人が死亡、建設業では69人(うち4人死亡)となった。労働災害による建設業の死亡者数を事故別にみると、『墜落・転落』は159人で前年から12人増加、建設業全体の43.6%を占めている。…また、10年は記録的な猛暑により建設業では、前年比で12人多い17人が熱中症で亡くなった。全業種でも前年より39人多い47人となった。」(『建設通信新聞』2011.05.23)
●「国土交通省の有識者会議『建設技能労働者の人材確保のあり方検討会』(座長・蟹澤宏剛芝浦工大教授)は23日の会合で、6月に作成する取りまとめ案の方向性を固めた。専門工事業団体を中心にしたキャリアパスの作成や基幹技能者の評価・活用策の推進、工事量減少を勘案したOJTからOFF−JT重視の教育訓練の移行などを挙げた。社会保険未加入企業の解消も盛り込む方向だ。」(『建設工業新聞』2011.05.24)
●「総務省が31日発表した4月の完全失業率(季節調整値、被災3県除く)は4.7%となり、前月に比べて0.1ポイント上昇し、6カ月ぶりに悪化した。勤め先の都合で失業した人が増えた。厚生労働省が同日発表した有効求人倍率は0.61倍で、前月に比べて0.02ポイント低下と17カ月ぶりに悪化した。東日本大震災の被災地の宮城県や福島県では新規求職者数が急増し、過去最高の人数となった。」(『日本経済新聞』2011.05.31)

建設産業・経営

●「鹿島、清水建設、大成建設、大林組の上場大手ゼネコン4社の11年3月期連結決算が13日出そろった。全社が2桁の減収となったが、工事採算の改善などが進み、大成建設は営業増益、前期に海外工事の損失が膨らんで営業赤字だった鹿島と大林組も黒字転換した。清水建設は経常増益。前期は全社が大幅に落とした受注高(単体)も、鹿島と清水建設は増加に転じ、鹿島は1兆円の大台を2年ぶりに回復した。大林組の受注高は24年ぶりに1兆円を割り込んだ。」(『建設工業新聞』2011.05.16)
●「国土交通省は、東日本大震災の発生で中断していた建設産業の再生策を話し合う有識者会議『建設産業戦略会議』の議論を2カ月ぶりに再開した。17日に開いた会合のテーマは、▽東日本大震災の現状と課題▽保険未加入企業の排除▽海外展開支援▽新事業展開支援―の4項目。今後3回の会合を経て6月末に最終報告をまとめることを確認した。国交省は最終報告を受け、入札契約制度や関連法制度の見直し作業に移り、早期に対応できる施策は秋口に実施する。法改正などは内容を精査し、来年の通常国会に法案を提出する考えだ。」(『建設工業新聞』2011.05.19)
●「日本建設業連合会と国土交通省各地方整備局などの共催による『公共工事の諸課題に関する意見交換会』が18日、関西地区(会場・大阪市のKKRホテル大阪)で幕を開けた。中村満義土木本部長は、土木本部の重点方針として、@東日本大震災による被災地の復旧・復興と安全・安心なインフラ整備に向けた活動A土木事業の継続的発展に資する活動B積極的で分かりやすい情報の発信――の3つを紹介した上で、『忌憚(きたん)のない意見を交換し、昨年にも増して、お互いのパートナーシップを深めることができる有意義な場となることを期待する』とあいさつした。」(『建設通信新聞』2011.05.19)
●「前田道路は、東日本大震災の被災地で発生したがれきをアスファルト合材工場で受け入れる方針だ。東京総合合材工場(東京都江東区)で、がれきに含まれる木質系廃材を受け入れ、バイオマス発電に活用する。被災地支援に取り組む東京都から打診され、『要請があれば、積極的に受け入れていくと回答した』(技術部)という。発電した電力は合材製造に用いるほか、余剰分は売電して夏場の電力不足対策にも貢献していく。」(『建設工業新聞』2011.05.20)
●「福島県建設業協会(三瓶英才会長)は、東京電力福島第1原子力発電所事故で被災した建設会社への損害賠償などの支援に乗りだすため、6月1日付で協会内に専門組織を立ち上げる。損害賠償へ会員各社が個別に対応するのは難しいことから、協会が前面に出て情報収集や損害額算定などを支援。被災した建設会社が事業を継続し、健全な形で地域に戻れるようサポートする。設置するのは、『復興事業・原子力発電所事故損害賠償対策室』。」(『建設工業新聞』2011.05.24)
●「清水建設は道路や橋などの社会インフラを維持・保全するための土木コンサルティング事業に参入する。全国の主要な地方自治体に建設コンサルタント業の登録をして、インフラの維持・保全計画を策定するコンサル業務の受託を目指す。公共事業の抑制が続くが、自治体は老朽化したインフラの維持・保全では一定の予算を組む見通し。清水建設はコンサル事業への参入でインフラの維持・保全事業の裾野を広げる。」(『日本経済新聞』2011.05.26)
●「政府が東日本大震災の被災地に整備する仮設住宅の設置目標を約7万戸から約5万戸に引き下げたことで、2万戸分の建設資材が宙に浮いている。大和ハウス工業など大手住宅各社は地場の中小工務店が建てる仮設住宅に資材を振り向けたり、集会所など住宅以外の施設に転用したりして、在庫圧縮を急いでいる。しかし2万戸分の資材の有効活用には限界もあり、各社が数十億円の損失処理を迫られる可能性もある。」(『日本経済新聞』2011.05.31)
●「東京商工リサーチがまとめた2011年3月の建設業倒産(負債額1000万円以上)は、前年同月比10.8%減の304件となり、09年7月以降、21カ月連続で前年同月を下回った。依然として『中小企業金融円滑化法』などの政策効果が続いているものの、3カ月ぶりに300件台に上昇した。負債総額は、21.8%減の398億9500万円となった。負債10億円以上の大型倒産が3件(前年同月6件)で、平均負債額が12.0%減の1億3100万円にとどまった。都道府県別では26都府県で前年同月を下回り、地区別は9地区のうち5地区が前年同月を下回った。こうしたなか四国地区は71.4%増の12件となり、全県で前年同月を上回った。」(『建設通信新聞』2011.05.31)

まちづくり・住宅・不動産・環境

●「首都圏で住宅用太陽光発電装置を設置する家庭が増えている。東日本大震災による電力不足の経験を踏まえ、補助電源として使う需要が東京都では計画停電が多かった多摩地区などで高まっている。武蔵野市や練馬区では補助を拡充したり、予算枠を撤廃する動きも出てきた。束京都は家庭用の太陽光発電の設置にかかる費用を補助する制度を再開するかどうか検討する。」(『日本経済新聞』2011.05.18)
●「全日本漁港建設協会(長野章会長)は、東日本大震災の復旧・復興に向けた提言・提案活動を積極展開する。津波の被災地のがれきを再生利用して人工リーフや海藻礁を整備するなど、がれき処理事業を通じて会員企業などが海域再生事業を提案できるよう、海域でのがれき再利用に関する指針をまとめ、関係機関に提案する考え。被災県の会員各社を対象に地元の復旧事業への参画状況も調査中で、その結果を踏まえ発注機関への要望活動を展開する方針だ。」(『建設工業新聞』2011.05.18)
●「東日本大震災の被災者支援で建設業の役割を探ろうと、建設政策研究所主催の意見交換会が18日、東京都内で開かれ、鈴木浩福島大名誉教授が復興復旧の現状と課題について講演した。福島県復興ビジョン検討委員会の座長も務める鈴木氏は、優先課題に地域経済の再生を挙げた。鈴木氏は冒頭、『被災者の生命や生活、仕事をどう確保するか。今こそ正義が試される』と指摘。その一つとして『阪神大震災と同様に大手の建設業者が復旧復興事業を独占しようとする動きも見られるが、地域社会の復興には地域経済の再生が不可欠で、地元で雇用を創出することが重要だ』と訴えた。津波被害を受けた沿岸部の復旧復興に向けては、『街の高台への移転などが提案されているが、技術力だけで自然災害を完全に克服することは不可能だろう。減災という考え方で対応するのが相応ではないか』と述べた。」(『建設工業新聞』2011.05.20)
●「国土交通省は、東日本大震災で問題となっている宅地の液状化について、地方自治体が宅地の危険度判定をする際の指標を作成する考えだ。あわせて、対策工法や計画手法も検討する予定。有識者を交えた研究会を設置する。最終的なとりまとめは2011年度末の予定だが、まとまった内容から早期に提示する予定だ。」(『建設通信新聞』2011.05.25)
●「東日本大震災の復興策を検討する政府の復興構想会議(五百旗頭真議長)が29日、これまでに出された意見の中間整理を公表した。地域を限って税制優遇や規制緩和を実施する『復興特区』の創設を明記。農漁業改革や産業振興、新エネルギー普及に活用する方針を示した。だが財源を含めた具体策では踏み込み不足。6月末にまとめる第1次提言で、日本経済全体の成長にもつながる青写真を示せるかどうかは微妙だ。…中間整理は復興の具体策をめぐる委員の主な意見を列挙した内容。とくに復興特区の創設を通じて国や地方自治体が規制を緩和する方向では委員が大筋で一致した。」(『日本経済新聞』2011.05.30)
●被災者・被災地が主役の復興を目指そうと「東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センター」が29日発足した。仙台市青葉区の仙台国際センターで開かれた設立の集いには雨の中、400人が参加。呼びかけ人を代表し、綱島不二雄・元山形大教授が「宮城県は、財界に都合の良いことは対応が早く、県民のためになることは遅い。力を結集し、私たちの復興計画を作ろう」と呼びかけた。阪神・淡路大震災の教訓を生かし、被災者の生活再建へ国・地方自治体が責任を果たすよう求めることを目的に、弁護士、学者、元自治体首長などが呼び掛け結成した。(『しんぶん赤旗』2011.05.30より抜粋。)

その他