情勢の特徴 - 2012年3月前半

経済・財政 行政・公共事業・民営化 労働・福祉 建設産業・経営 まちづくり・住宅・不動産・環境 その他

経済・財政

●「経済産業省は日本企業のインフラ愉出について新たに18事業への支援を決めた。中国やベトナムでのスマートコミュニティー(環境都市)事業が柱となる。設備やシステムの輸出だけでなく、現地の土地開発から関わるものを増やしたのが特徴。収益機会の拡大とともにインフラ整備計画での受注を確実にする。」(『日本経済新聞』2012.03.11)
●「経済産業省は12日、『グローバル市場におけるスマートコミュニティーなどの事業可能性委託事業』として、積水ハウスや東芝などの18件を採択した。今後、需要の増加が見込まれるスマートコミュニティー分野や情報通信分野で日本企業が実施する事業の可能性調査を支援する。具体的な事業の獲得につなげるのが狙い。」(『日本経済新聞』2012.03.13)
●「地域産業に大きな打撃を受けた東日本大震災の被災地で、復興特区制度などを活用して地場産業を再生する取り組みや、企業集積による新たな産業拠点の創出に向けたまちづくりが動きだす。復興庁は13日、企業誘致などを担当する『企業連携推進室』を設置すると発表した。…復興庁が4月1日付で設置する企業連携推進室は、企業誘致を希望する被災自治体と、新規立地を検討している民間企業の仲介役を果たすとともに、企業が進出しやすい事業環境づくりを担う。具体的には、新たな規制緩和や制度改正、投資リスクの軽減や資金調達などについて関係省庁と協議する。」(『建設工業新聞』2012.03.15)
●米韓FTA(自由貿易協定)が15日発効する。米国の法律では国内法が米韓FTAに優先するのに、韓国では国際条約が既存の国内法に優先する規定になっている。韓国では、韓国側だけが義務を負う不平等な協定だと批判があがっている。環太平洋連携協定(TPP)にも同様の懸念がある。(『しんぶん赤旗』2012.03.15より抜粋。)

行政・公共事業・民営化

●「国土交通省は2月29日、東日本大震災被災地の復旧・復興工事における入札不調への対策として導入した『復興JV』の運用方法について、被災3県と仙台市や各地方整備局などに通知した。復興JVの対象工事は予定価格が5億円程度を下回ることとした。被災地以外の自治体に対しては、運用方法とあわせ、県内に営業所がある企業が復興JVに参加した場合の施工実績の評価で配慮するよう求めた。」(『建設通信新聞』2012.03.01)
●「復興庁は2日、東日本大震災で被災した東北から関東地方にかけての7県59市町村に配分する初の復興交付金の交付予定額を公表した。第1回の交付申請には7県78市町村が事業費ベースで総額約4991億円(国費ベース約3899億円)を要求していたが、交付予定額は事業費ベースで3053億2000万円(国費ベース2509億4000万円)で、申請総額に対して事業費、国費とも約6割となった。」(『建設工業新聞』2012.03.05)
●「政府が地域主権改革の一つとして進める国土交通省の地方整備局など国の出先機関の事務・権限を地方に移管する問題で、全国の市町村のトップが反対の気勢を上げた。地方移管に慎重な447市町村長でつくる『地方を守る会』(代表幹事・立谷秀清福島県相馬市長)は3日に東京都内のホテルで総会を開き、『拙速な出先機関の廃止を進めないよう国に要望する』との決議を採択した。市町村が集まり、公の場で地方移管に反対表明するのは初めてで、政府の今後の対応が注目される。」(『建設工業新聞』2012.03.06)
●「国土交通省は、4月1日以降に入札する直轄土木工事21工種の現場管理費率算定式を改正する。社会保険未加入対策の一環で、加入率を100%とした場合の事業者(発注者)が負担すべき法定福利費を、予定価格に反映させるようにした。これにより工事費に占める法定福利費の割合は平均で0.8ポイント上昇して4.16%となる。算定式の改正は港湾工事でも同様の措置を検討しているほか、建築工事については2011年度に共通費積算基準を改定し、既に対応している。」(『建設通信新聞』2012.03.08)
●「東北地方整備局は12日、事業促進PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)の説明会を仙台市青葉区のフォレスト仙台で開き、民間企業や民間技術者の要件、業績内容を明らかにした。技術者要件はあまり絞り込まず緩やかに設定し、多くの民間技術者に参加の道を開いた。契約方式は簡易公募型プロポーザル。官民とも経験したことのない業務であることから、実施方針、業務の効率化についてさまざまな提案を求めるもよう。3月下旬に公告し5月中に契約する。」(『建設工業新聞』2012.03.13)
●「環境省は、東日本大震災で発生した災害廃棄物(がれき)のうち、同省直轄と代行処理の処理方針を策定した。同省が処理するのは推定111万3000トン。特に放射線量が高い地域を除き2014年3月末までの処理を目指す。直轄処理は『現時点で仮置き場整備、がれきの収集・仮置き場への移動など、焼却や破砕など中間仮設処理施設設置の3段階で発注』(環境省)することを想定し、地域の理解が得られれば、今月末にも一部の仮置き場整備を発注する模様だ。」(『建設通信新聞』2012.03.14)
●「国土交通省は12年度、公共工事を受注する建設会社に義務付けられている経営事項審査(経審)の審査基準を改正する。改正点は▽保険未加入企業への減点措置の拡大▽海外子会社の経営実績評価の追加―の二つ。14日に開かれた中央建設業審議会(中建審、国交相の諮問機関)の総会で了承された。13年度の入札参加資格審査に反映させるよう審査基準の改正作業を進める。保険未加入企業への減点措置拡大は、従業員を社会保険に加入させないことで経費を削減する企業を排除するのが狙い。海外子会社の経営実績の評価対象への追加は、海外事業の業績を適正に評価することで、企業の海外進出意欲を高める狙いがある。保険未加入企業に対する減点措置拡大では、『その他審査項目(社会性等)』(W点)のうち、保険加入を評価する『労働福祉の状況』の評価項目を見直し、『雇用保険』『健康保険』『厚生年金保険』の三つを設定。これらの保険に加入していない業者はそれぞれ40点ずつ減点する。…同省の試算によると、保険未加入の場合のW点への影響は、現行のマイナス570点に対して改正後はマイナス1140点に拡大。これによる総合評定値(P点)への影響は、現行のマイナス86点からマイナス171点へと最大で85点広がる。経審の受審企業のうち11.9%が保険未加入企業。減点措置拡大によって、W点が0点になる未加入企業の割合は現行の38%から74%にまで増えるという。」(『建設工業新聞』2012.03.15)

労働・福祉

●全国建設労働組合総連合(全建総連)東京都連合会は29日、参議院議員会館で環太平洋連携協定(TPP)についての学習会とTPP参加に慎重な対応を求める国会要請を行い、約100人が参加した。要請の趣旨を説明した全建総連東京都連の田口正俊書記長は、TPPについて「アメリカや多国籍企業体の都合に合わせて国民の生活や権利が変えられてしまう問題がある」と強調した。あいさつに立った全建総連本部の浅賀満共済福祉部長は、TPP参加により共済活動などが立ち行かなくなる恐れを指摘。TPPに対する全建総連の基本的見解を示し「建設労働者のいのちと暮らしを守る立場、国民生活に重大な影響があってはいけないとの立場から、しつかりと対応していく方針を固めていく」と述べた。(『しんぶん赤旗』2012.03.01より抜粋。)
●「総務省が2日発表した1月の完全失業率(季節調整値)は前月比0.1ポイント悪化し、4.6%となった。厚生労働省が同日発表した有効求人倍率(同)は0.73倍で、前月比0.02ポイント上昇した。東日本大震災後に雇用情勢は持ち直しの傾向が続いているが、円高や海外経済の減速の影響により製造業を中心に雇用を調整する動きも出ている。完全失業者数は305万人で前月よりも9万人(3%)増加。うち女性が120万人で、10万人増えた。『新たに仕事を探し始めた女性が増えたことが失業率の押し上げにつながった』(総務省)という。厚労省がまとめた1月のハローワークでの職業紹介状況によると、雇用の先行指標となる新規求人数は1.2%増の70万人。製造業では、自動車など輸送用機械で新規求人が増えたが、円高の影響などで電子部品などでは大幅に減少した。新規求人倍率は0.02ポイント増の1.20倍だった。」(『日本経済新聞』2012.03.02)
●「国士交通省の『社会保険未加入対策の具体化に関する検討会(座長・蟹澤宏剛芝浦工大教授)』の打ち出した対策がいま、建設業界で大きな関心を呼んでいる。保険未加入企業は今後、建設業法違反として最高で『営業停止処分』となりかねないことが理由。全国建設労働組合総連合東京都連合会(全建総連都連)が2月23日に開いた、『保険未加入問題』をテーマにした討論集会の議論。…参加者は昨年とまったく違う反応を見せた。厚生労働省が今年度からスタートさせた8次雇用改善計画で、形式的には請負でも実態が偽装請負にある場合には労働者派遣法違反に当たるとして厳正に指導監督を行うことを明確にした。一方、国交省も企業の適正な競争阻害だけでなく、偽装請負を助長させかねないとして保険未加入問題解決へ本腰を入れ始めた。行政の『強権』に対して危機感が表面化したのだ。 そのため千葉県内で約90人の職長が加盟する組合関係者は、『福利厚生費の別枠支給を国交省が無理と言っているなか、保険未加入企業に保険加入を強制適用したら解散するしかない。これをわれわれが受け入れなくてはならない』と保険加入による個人事業主(一人親方)を中心にした保険倒産急増に強い危機感を示した。また、埼玉土建に加盟する電気工事業者は、厚生年金に加入していないことを、『会社を維持するので精一杯。甘いと言われるかもしれないが単価を戻してほしい。保険未加入対策は弱者の排除だ』と訴えた。」(『建設通信新聞』2012.03.02)
●「従業員を社会保険に加入させないことで経費を削減する『保険未加入企業』の排除策に関する国土交通省の説明会が5日、中部地区を皮切りにスタートした。自治体や業界団体などを対象にしたもので、下請企業の保険加入を推進するため、行政や建設関係団体などで構成する保険未加入対策推進協議会を都道府県単位で設立。また、建設関係団体ごとに社会保険加入促進計画の策定を求める考えを示し、これらの対策に順次取り組んでいくとした。…建設業の許可・更新の申請時に加入状況を記載した書面の提出を求め、未加入企業には文書で指導、従わない場合は処分する。また、法定福利費を確保するため専門工事業ごとに、見積もり時に法定福利費の内訳を明示した『標準見積書』の作成も求めることなどが説明された。…質疑応答では、標準見積書について『指し値受注なので別枠支給の形が取れないか』『国のお墨付き″があれば元請に訴えやすい』などの要望が出された。国交省側は『見積もり時に確保してもらうことが前提。内容が明示されていないと、問題があった場合に行政としても対応できない』と説明、内容は各業界で検討してほしいとした。」(『建設工業新聞』2012.03.07)
●「厚生労働省は、放射性物質汚染対処特措法で定めた除染特別地域と汚染状況重点調査地域で、道路など公的インフラの災害復旧作業に従事する労働者などの被ばく線量管理基準を新たに設ける。除染業務を手掛ける事業者とその労働者に課した除染電離則などの放射線障害防止対策を、災害復旧公共工事などの作業に当たる事業者・労働者にも求める。除染電離則と同様の労働安全衛生法施行規則を新たに制定し、法令義務を課す。あわせて法令事項も含む放射線障害防止のガイドラインも策定する。除染特別地域などでは今後、公共インフラを含む社会基盤の復旧が本格化する。このため厚労省は、放射線医学や土木施工の専門家らによる検討会を8日に再開。インフラ復旧作業などに従事する労働者の放射線障害防止対策の検討に着手した。…最大のポイントは、対策の適用地域と被ばく線量管理の方法だ。地域は除染電離則と同様にする案と、重点調査地域は自治体が除染の実施を決めた区域での復旧作業に限定する案がある。建設事業者にとっては、いずれの案も自治体が発注する復旧事業が適用地域での作業となる場合、労働者の線量管理が必要になる。外部被ばく測定の対象者は、除染電離則と同じにする案と空間線量に関係なく個人線量計で測定の案がある。労働者の放射線障害防止ガイドラインで定めた対策・措置のうち、必要な対策・措置を実施する必要があるとした。 具体的には建設業などの事業者に対して、被ばく線量管理や被ばく低減措置、作業の実施で必要な教育などの実施を求めた。除染類似作業に常時従事する労働者には、特殊健康診断などの実施も求めている。」(『建設通信新聞』2012.03.12)
●「日本建設業連合会は13日、トンネルじん肺救済枠組みで、打開策として公明党が昨年冬に提示した『A案』に対し、『反対』であることを表明した。同日開かれた、自民党の国土交通部会(望月義夫部会長)・じん肺対策議員連盟(逢沢一郎会長)会合で示した。原告団らが支持するA案が、直接的に関係ない企業からも基金へ拠出負担を求めることが不合理で、責任と負担が直接結び付かない制度は、トンネル施工会社のじん肺防止対策の努力を阻害することを理由に挙げた。自民議連は今回のヒアリングで、A案を支持する原告団など、一方、C案を容認する日建連と、主張が異なる双方から聞き取りを終えた。13日の会合で逢沢会長らが重大な関心を寄せ、焦点となったのは、じん肺患者数だった。日建連は厚生労働省統計をもとに、じん肺患者になる可能性がある『有所見者数』が2010年度で新規判明分がゼロ、退職者と現職者合わせ135人と毎年度数十人規模で減少していること示し、『原告団が毎年じん肺患者が100人程度増えているとの主張は容認できない』と訴えた。逢沢会長は、基金構想の前提になるじん肺患者数と今後の推移予想に対し、『われわれとしても、(主張が異なる)ベースの数字について今後、検証する必要がある』と議連として厚労省を通じて把握することが、議連見解をまとめる前提にする考えを示した。 会合後、議連幹部は『もし日建連の主張する数字が正しいなら、基金という大きな枠組みにする必要があるかどうかの判断も必要だ』と今後の議論の難しさを打ち明けた。」(『建設通信新聞』2012.03.14)
●「全建総連東京都連合会(佐脇政幸執行委員長)は、新年度の要求賃金についての考え方を決め、14日に東京都や東京建設業協会(東建、山田恒太郎会長)に要望活動を行った。東京都内で働く建設労働者の労働賃金のあるべき水準を示す『標準賃金』を1日2万6000円と設定したほか、交通費などの諸経費や自己負担について別枠支給することを求めた。 都連の調べによると、昨年の平均賃金は職人常用で1万5569円、手間請で1万6168円にとどまっており、下落が続いている。平均年収は360万円程度しかなく、若者離れや離職者の増加を招いているとして、『人材確保のためにも賃金の下支えが必要』(東京都連)と理解を求めている。」(『建設工業新聞』2012.03.15)

建設産業・経営

●「ゼロエネルギー住宅など先導的なプロジェクトを支援することを目的に、国土交通省は2008年度から『住宅・建築物省CO2先導事業』を実施しているが、本年度は従来の募集に加えて、東日本大黒災の被災地で実施する復興プロジェクトを公募した。2月28日に発表された採択プロジェクトでは、大手ハウスメーカーやパワービルダーによるものだけでなく、JBN東北チームや岩手県内の工務店グループなど、被災地の地場工務店による提案が多数採択されたのが特徴的だ。」(『日本住宅新聞』2012.03.05)
●「東日本大震災の復旧・復興需要の増加を見据え、被災3県(岩手、宮城、福島)で建設関連分野の会社やNPO法人などを立ち上げる動きが顕著になっている。東京商工リサーチが被災3県を対象に実施した新設法人数(11年3〜10月)に関する調査によると、建設業の新設法人数は322社で、前年同期と比べ38.1%増となった。復興に関連する建築材料などを扱う卸売業でも新たな法人設立の動きが増える傾向が目立っている。…業種別に見ると、大きく増加したのが建設業の322社(38.1%増)と卸売業の80社(81.8%増)で、株式会社以外に復興需要の支援に関わるNPO法人などの設立も相次ぎ、特に沿岸部(3県38市区町村)での法人設立が高い伸びを見せている。卸売業では建築材料や機械器具卸、鉱物・金属材料卸などの増加が目立つ。」(『建設工業新聞』2012.03.06)
●「帝国データバンクがまとめた東日本大震災の復興に関する企業の意識調査結果によると、建設業(1484社)で自社への復興需要が『ない(見込みを含む)』と回答した企業は50.3%と半数を超え、『ある(同)』とした企業の26.4%を大きく上回った。総じて西日本地域で復興需要を見込めないとする企業が多くなっている。」(『建設工業新聞』2012.03.06)
●「東日本大震災から間もなく1年。被災地が応急復旧から復興段階へと移行しつつある中、ゼネコンの対応も本格化してきた。日刊建設工業新聞社が、東北に事業拠点を置いている主要ゼネコン31社を対象に行ったアンケートによると、被害が集中した3県(岩手、宮城、福島)で業務に従事する職員は31社合計で約5800人と、震災前に比べ3割、約1300人増えた。今後の工事量に応じ、さらなる増員を計画する社も多く、ゼネコン各社の『東北シフト』が鮮明になっている。」(『建設工業新聞』2012.03.07)
●「海外建設協会(海建協、竹中統一会長)が、建設業の海外展開を促進するため、協会活動の強化策や国への要望事項などを盛り込んだ提言をまとめた。今後、優先度を精査した上で、先行させるものについては12年度の事業計画に盛り込み、実行に移していく方針だ。まとまったのは、『わが国建設業の海外事業促進のための海建協活動の強化および国に対する要望に係る提言』。世界経済には不透明感が漂っているものの、急速な経済成長が続くアジアを中心にインフラ需要は依然旺盛で、国内市場の縮小に直面する日本の建設業にとっては、海外展開が今後の成長戦略を大きく左右する要素にもなる。」(『建設工業新聞』2012.03.08)

まちづくり・住宅・不動産・環境

●岩手、宮城、福島の被災3県で、少なくとも計5039の商工業者が東日本大震災後から休業していることが、各商工団体への取材で分かった。廃業は2035業者で、昨年9月時点の1216業者から67%増加。沿岸部に限ると、会員の約2割が再開できていない。店舗や工場が使えなくなった事業者にとり、地盤沈下した土地のかさ上げ工事や自治体のまちづくり計画の遅れが大きく影響している。岩手と宮城は沿岸部、福島は内陸も加え、2日までに各地の商工会や商工会議所を取材した。休業は岩手576、宮城2397、福島2066。(『しんぶん赤旗』2012.03.11より抜粋。)
●東日本大震災から11日で1年。被災者の置かれている状況、要望を聞くため、岩手、宮城、福島の各県で「被災者300人実態調査」を行った。生活、産業の再建はほとんど進んでおらず、被災者からは国の復興対策の遅れや、再建に冷や水を浴びせる消費税増税の動きへの怒りが噴出した。実態調査は震災3カ月時、6カ月時に続き、3回目。仮設住宅、借り上げ住宅、被災した自宅などで暮らす被災者(17〜90歳)に直接聞いた。被災1年をへて切実な願いとなっている被災した自宅の再建はほとんど進んでいない。再建できたと答えた人はわずか4%。再建の展望がまったくない人は54%、あまりない人は28%で、計82%の人が自宅の再建が困難な状況だ。…震災後の家計・収入状況は、「かなり苦しくなった」が36%、「少し苦しくなった」が33%で計69%。3カ月時(71%)、6カ月時(66%)と比べ、ほとんど改善していない。背景として重くのしかかっているのは、雇用、生業の再建の遅れだ。失業中の人は36%に上った。転職した人は11%。震災前と同じ職場に勤めている人は42%にとどまる。…被災者が強く求めているのは、国の支援だ。全面支援を求める声が9割に達した。一方、これまでの国の救援、復興施策については8割以上が「評価できない」と厳しい目を向けている。被災者の苦しい生活に追い打ちをかける消費税増税については、「復興を妨げる」と考える人が69%と約7割に上った。(『しんぶん赤旗』2012.03.11より抜粋。)
●「東日本大震災で損壊した住宅の修理が遅れている。国と自治体が最高52万円の費用を補助する『応急修理制度』の利用申請は岩手、宮城、福島3県で計約7万7000件に達するものの、12日時点で4割超の約3万5000件が未完成。壊れた家に住み続けている被災者も多く、支援団体は『高齢者らが孤立する恐れがある』と懸念している。」(『日本経済新聞』2012.03.13)

その他