情勢の特徴 - 2012年6月後半

経済・財政 行政・公共事業・民営化 労働・福祉 建設産業・経営 まちづくり・住宅・不動産・環境 その他

経済・財政

●「経済産業省は、成長戦略の一つであるインフラ・システム輸出の拡大に向け、コスト競争力強化のための国際連携の促進やファイナンス支援強化、貿易保険機能見直しなどを柱とする日本企業の競争力強化策をまとめた。外国企業との国際コンソーシアム形成を前提とした事業実施可能性調査(FS)事業を2013年度に創設し、オールジャパンにこだわらない受注を目指す。」(『建設通信新聞』2012.06.18)
●「企業会計審議会(金融相の諮問機関)は、国際会計基準(IFRS)への対応として、建設業を対象に、公共調達に与える影響について検討することを決めた。日本が今後、単体決算は日本基準を認め、連結決算だけに国際会計基準を導入する『連単分離』に踏み切っても、公共工事参入に必要な経営事項審査(経審)申請は、連結を対象にしており、国際会計基準導入企業だけが、売り上げ・収益に大幅な変動をもたらす可能性があることが理由。各論に入ることで、建設業法、経審といった公共調達・入札規制への影響について、初めて議論の俎上(そじょう)に載ることになる。」(『建設通信新聞』2012.06.18)
●「財務省が20日発表した5月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は9072億円の赤字となった。赤字は3カ月連続で、5月としては東日本大震災後に落ち込んだ昨年を上回って過去最大だった。債務危機に揺れる欧州連合(EU)向けが初の赤字となったほか、引き続き原油や液化天然ガス(LNG)の輸入増が響いた。」(『日本経済新聞』2012.06.20)
●「東日本大震災の被災3県(岩手、宮城、福島)で12年度上半期(4〜9月見通し)に施工中の工事の件数が、震災前(10年度上半期実績)に比べ約2.5倍と大幅に増えることが国土交通省の独自調査で明らかになった。国直轄と被災3県(福島は土木部の工事のみ)の工事件数について、12年度と10年度の上半期を比較した。今後、工事を円滑に施工を進めるためにも、人材や資材の確保などが急務であることがあらためて裏付けられた。」(『建設工業新聞』2012.06.21)
●「復興庁は、福島復興再生基本方針案をまとめた。原子力災害からの地域経済や地域社会の再生に向けた基本姿勢を示し、交通インフラの整備支援や国際物流港湾の整備など政府が実施すべき施策などを挙げている。同案の産業の復興・再生に対しては、除染や検査体制の整備などを進めた上で、新たな雇用の受け皿となる産業の誘致に取り組む。新規投資に必要な制度を活用して、事業者の県外流出阻止や再生可能エネルギーなど新たな産業の集積などを目指す。道路、港湾など公共施設の整備については、被災した施設の早期復旧と市町村の復興・再生に必要な施設の整備を掲げた。具体的には常磐自動車道やJR常磐線の早期復旧への支援のほか、浜通り地方と中通り地方を東西につなぐ幹線道路の整備再開、小名浜港の東港地区国際物流ターミナル整備事業、福島空港の物流機能・防災機能のあり方検討などを推進する。」(『建設通信新聞』2012.06.22)
●「日本建設業連合会の『都市・地域政策委員会』(委員長・近藤晴貞西松建設社長)は、『大都市政策についての提言―建築物の耐震強化策を中心として』をまとめた。東京都が進めている建築物の耐震化促進策を踏まえ、税制優遇や容積率緩和措置などのさらなる施策展開を提言している。国土交通省や都などに提示し、施策の推進を求める考え。今回の提言は、2011年4月の3団体合併時に新しく立ち上げた委員会で初めての成果物となる。」(『建設通信新聞』2012.06.25)
●「国土交通省は22日、12年度の建設投資見通しを発表した。総投資額は前年度比7.9%増の45兆3100億円と2年連続で増加。このうち政府建設投資は東日本大震災の復旧・復興事業などが寄与し、12.5%増の19兆0600億円と2桁の伸びになる見込みだ。今回初めて推計した建築物のリフォーム・リニューアル投資額は8兆6800億円と建築投資全体の3割近くを占める。同投資額(増築・改築など重複分を除く)を加えた建設投資の総計は50兆8200億円となる。」(『建設工業新聞』2012.06.25)
●羽田雄一郎国土交通相は29日、凍結されていた整備新幹線3区間(北海道、北陸、九州)の着工を正式に認可した。同日の政務三役による検討会議で、財源確保や地元自治体の同意など着工に必要な全ての条件を満たすことを最終確認したとしている。整備新幹線の着工認可は約4年ぶりで、民主党政権では初めて。総建設費は約3兆400億円とされているが、それにとどまらない可能性もある。(『しんぶん赤旗』2012.06.30より抜粋。)

行政・公共事業・民営化

●「国の出先機関の地方への移管が一段と不透明になってきた。政府は地方移管の特例法案の15日の閣議決定を先送りした。災害対応への不安などを理由に市町村が反対していることもあり、法案提出にあたって与党側の了承を得られなかったことが大きい。」(『日本経済新聞』2012.06.16)
●「国土交通省など関係省庁と東日本大震災で被災した地方自治体、関係業界団体は15日、『復旧・復興事業の施工確保に関する連絡協議会』を開き、新たな施工確保対策をまとめた。復興まちづくりへのCM(コンストラクション・マネジメント)方式の導入に向け、7月にもCMr(コンストラクション・マネジャー)を公募する考えを示したほか、積算と実際の工事費がかい離する場合に設計変更などでの対応を可能とするように改善する。作業員宿舎の建設については、建設業振興基金の債務保証制度などを活用できるよう検討する。CMの導入では、CMrが計画段階からの市町村の支援や工事統括などを実施し、設計・施工一括方式で複数の事業をまとめて発注することで、まちづくりのスピードアップや事務負担の軽減を図る。協議会では、都市再生機構が市町村の業務を受託するケースやピュア型CMなどの検討パターンや実施工程などを説明。まずは宮城県の東松島市と女川町で実施することとし、7月にもCMrの公募に入る見込みだ。」(『建設通信新聞』2012.06.18)
●「宮城県は14日、県と沿岸15市町の復興事業を担う職員不足の解消策を話し合う市町村震災関係職員確保連絡会議(座長・上仮屋尚県総務部長)の初会合を県庁で開いた。会合で県は、職員確保の方策を盛り込んだ行動計画を提示。復興の正念場となる向こう5年を乗り切るため任期付き職員の採用を増やすと同時に、被災自治体の事務負担を軽減する方策として、集団移転や土地区画整理に伴う用地補償などの業務を都市再生機構ら民間に積極的に外注する方針を示した。」(『建設工業新聞』2012.06.18)
●「大深度地下方式を利用する東京外かく環状道路(外環道)都内区間(東京都練馬区〜世田谷区、約16キロ)の整備で、本格的な工事がスタートする。中日本高速道路東京支社は15日、本線シールドトンネル用の立坑工事の一般競争入札(WTO対象)を公告。東名高速道路と接続する東名ジャンクション(JCT)側の用地でニューマチックケーソン(潜函)工法を使って深さ66メートルの立坑を構築する施工者の選定手続きに入った。国土交通省と東日本、中日本の両高速道路会社による整備の完了予定は20年度。3者共同で用地買収を行いながら、順次工事を進めていくことになる。」(『建設工業新聞』2012.06.18)
●「関東地方整備局は18日、さいたま新都心合同庁舎2号館で2012年度上期関東甲信ブロック監理課長等会議を開き、社会保険未加入対策推進関東地方協議会を7月25日に開催する方針を明らかにした。5月29日に開かれた全国協議会の議事内容の周知を図るとともに、各都県や建設業団体などの取り組み状況について情報共有しより実効ある対策につなげていく。…構成員は、全国協議会の出席団体のうち関東地方全体をカバーする支部を持つ団体や建設業協会など各都県に届け出ている建設業関連団体、全国建設労働組合総連合関東地方協議会、管内の社会保険労務士会や行政書士会、厚生労働省所管関係地方部局(労働局、地方厚生局、日本年金機構)、各都県建設業担当部局、関東地方整備局建政部など。第1回会合では、雇用、健康、厚生年金の3保険の加入状況などを確認し、未加入の場合それぞれ40点づつ減点する経営事項審査の改正(7月l日施行)や、許可申請書と施工体制台帳の改正(11月1日)が実施されるのを受け、関係者間の疑問点などを整理し、新たな運用が円滑に進むよう周知を図る模様だ。2回目以降の開催時期は現時点では未定としている。」(『建設通信新聞』2012.06.21)
●「国土交通省は、新たなPFI・PPP事業を推進するための参考指針を作成する。自治体などから公募した案件の中から、公共施設等運営権(コンセッション)や付帯事業の有効活用策などの検討課題を抽出。事業化調査を兼ねたケーススタディーを実施。事業推進のスキームを検討し、広く利用できる参考指針にまとめる。新たなPPP・PFI制度の構築と案件形成を推進するため、同省は今春、自治体などから具体的な案件を募集。これをテーマ別に整理し、実現のための課題とその解決策を調査する。」(『建設工業新聞』2012.06.21)
●「経団連の渡辺捷昭副会長(トヨタ自動車相談役、元社長)は21日、自民党が議員立法で提出した『国土強靭化基本法案』に対し、『財政規律を守りながら行う政策として重要なテーマ』と国土強靭化施策を支持する考えを表明した。さらに、『国土強靭化によって防災、環境、エネルギーの視点で快適な国土をつくることは重要。われわれ(経団連を中心とした産業界)も市場開拓として期待している』と全面的に支持する考えを強調した。」(『建設通信新聞』2012.06.22)
●「民主党の『新たな戦略的国土地域政策を推進する議員連盟』(会長・伴野豊衆議院議員)は21日、提言案を提示した。2030年をめどに多重・分散型の国土形成に向けた『次世代投資事業』を進めるとし、投資水準は政府の経済目標達成のために必要な追加需要の一部を公共投資の追加でまかなうとの考え方で、GDP(国内総生産)に占める公的固定資本形成の割合を目標数値として示すことを検討する。同日の会合での意見を踏まえて修文し、近く正式にとりまとめる。また、13年度予算への反映を見据えた『法案化』も視野に入れている。」(『建設通信新聞』2012.06.22)
●「文部科学省は21日、学校施設の老朽化対策として、RC造校舎が40年程度で改築されている現状を見直し、70−80年程度使えるよう施設の長寿命化を進めていく方針を打ち出した。また、公立小中学校が今後30年間に約38兆円の改修・改築経費が必要で、これを長寿命化によって約30兆円に抑えることが可能とする試算結果も明らかにした。」(『建設通信新聞』2012.06.22)
●「東北地方整備局仙台河川国道事務所は21日、復旧・復興建設工事共同企業体(復興JV)の参加を認める初弾の試行工事2件の一般競争入札を公告した。対象となる工事は、仙台湾南部海岸の深沼北工区南部第2復旧工事と、中浜工区坂元地区北第6、復旧工事。復興JVを活用し宮城県以外の全国の企業が入札に参加することを可能にしたほか、東北整備局管内に本社を置く企業単体の参加も認めた。」(『建設工業新聞』2012.06.22)
●「東京都多摩市は、4月に施行した都内初の公契約条例の適用初弾案件となる総合体育館大規模改修工事に伴う4件の入札結果を公表した。試行段階にあった総合評価方式を全面導入、低入札調査基準価格を設ける案件に新たに数値的失格基準を設けて開札した結果、同種工事でこれまでにあった落札率が70%を割り込むような極端な低入札による落札はなかった。同市総務部契約課では最低賃金を定める同条例の制定について、ダンピング(過度な安値受注)対策との併用により、『一定の効果はあった』とみている。」(『建設通信新聞』2012.06.25)
●「東京・渋谷区の公契約条例が20日の区議会本会議で可決された。公共工事などに従事する労働者の最低賃金などを義務付ける公契約条例の制定は都内では多摩市に次いで2例目、23区では初めて。対象は予定価格1億円以上の工事など。13年1月1日から施行する。条例が適用される1億円以上の工事は年間10件程度発注される見込み。受注者側の負担を考慮し、対象を限定することで実効性を高める。最低賃金は、公共工事設計労務単価や生活保護水準を勘案し、労働報酬審議会の意見を聴取して決定。受注者には、労働者の労働時間などを記載した労働台帳の作成と提出が義務付けられ、下請労働者への支払い賃金が下限額を下回った場合は連帯責任を負う。労働者などから区に、定められた報酬が支払われないなどの申し出があった場合、区は受注者に是正措置を命じ、従わない場合は契約を解除し、それを公表する。渋谷区では08年に区議会が国に労働条件の確保に関する意見書を提出。昨年度から条例制定を検討していた。」(『建設工業新聞』2012.06.25)
●「生活保護受給世帯や住宅確保要配慮者などへの支援の在り方を議論している厚生労働省『生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会』(部会長=宮本太郎・北海道大学大学院法学研究科教授)の第5回会議で、大阪府が、『住宅バウチャー制度』について報告した。民間の賃貸住宅に入居する低所得者に、家賃の一部を補助する制度で、大阪府は厚生労働省や国土交通省に提案しているという。松井一郎委員(大阪府知事)から資料提出された。」(『日本住宅新聞』2012.06.25)
●「国や特殊法人、地方自治体などが発注する公共工事へのコンストラクシヨン・マネジメント(CM)方式導入が低迷している。国土交通、総務、財務の3告が昨年9月に実施した入札契約適正化法に基づく実施状況調査によると、CM方式を導入した実績があるのは24団体と全体の1.2%にとどまった。国の機関では国交省に続き、防衛省が初めて導入したが、自治体では新規に導入する動きは見られず、適切な工事があれば導入するという団体も引き続き2%台で推移している。今回の調査では、多様な発注方式に関する質問項目で、これまで併記していたプロジェクト・マネジメント(PM)方式を外してCM方式のみの導入状況を質問。その結果、前年度の調査時点で『導入済み(過去の実績あり)』と回答していた団体の一部が、未導入(実績なし)などと回答を改めたようだ。」(『建設工業新聞』2012.06.26)
●「ダンピング(過度な安値受注)対策に向けた市区町村の動きが拡大している。国や独立行政法人などの特殊法人、都道府県・政令市で制度が定着しつつある中、低入札価格調査制度か最低制限価格制度のいずれかを導入した市区町村は全体の85%を超える1468団体となった。一方、低入札価格調査対象となった工事に講じた対策では、国や都道府県などが固定化しつつあるのに対し、市区町村では対応にばらつきが見られる。」(『建設通信新聞』2012.06.27)
●「東京都は今後3、4年で出力10万キロワット級の天然ガス火力発電所を東京湾岸に約10基新設する。投資ファンドを設立して約400億円を確保し、首都圏での電力の安定供給につなげる。28日午後にも発表する見通し。東京電力による地域独占の供給体制を切り崩す狙いもあり、他の自治体も追随する可能性がある。ファンドは2つ設立する。都が15億円ずつ計30億円を出資し、メガバンク系と独立系の投資ファンド会社がそれぞれ運営する。国内外の機関投資家から出資を募り、400億円規模の資金を確保する計画だ。ファンド会社が確保した資金を発電所の実際の事業主体になる新電力(特定規模電気事業者)に投じるほか、発電所を新設する特別目的会社(SPC)への投資も想定している。発電所を新設する湾岸地域の環境アセスメントは10万キロワット級であれば不要で、建設から稼働までの期間を2年以内に短縮できる。1基目の発電所は2年後をめどに完成を目指す。」(『日本経済新聞』2012.06.28)
●「東京都は28日、区部に広がる木造住宅密集(木密)地域で新設計画を前倒しする都道を発表した。対象は都市計画決定されている計23区間(総延長約23キロ)の都道。主にJR山手線外周部から都道環状7号線沿いにあるこれらの区間を『特定整備路線』と位置付けた。今秋には狭い幅員で暫定利用されている都市計画決定済みの都道についても拡幅を前倒しする区間を選定。いずれも20年度までの完成を目指す。総事業費は数千億円規模に上る見通しだ。都は、木密地域の中で特に老朽化が著しい住宅が集まる地域を、道路整備や建て替えを優先的に進める『整備地域』(28地域約7000ヘクタール)に指定。新設や拡幅を従来より前倒しする対象は、整備地域で都市計画決定されている都道(総延長約66.8キロ)の約半分となる。今回先行して公表した新設路線は、高層ビルが集積している都心部を除く13区に点在している。従来は都市計画で15年度までに整備着手を目指すとしている道路や、これに当たらない道路も含まれる。完成すればいずれも幹線都道などの既設道路と接続する。」(『建設工業新聞』2012.06.29)

労働・福祉

●「国土交通省は、建設分野の外国人技能実習生を、戦略的に育成できる環境を整備する。現行の実習制度の課題を整理し、より高いレベルの人材を育てる教育・実習プログラムを作成する計画。他国の建設業で指導的役割を担う技能労働者を養成し、技能移転を促進するとともに、日本式の建設生産システムを熟知したローカル人材を継続的に輩出するスキームを確立する考え。質の高い技能者を現地で安定して確保できる環境を整え、日本企業の海外展開を後押しする狙いもある。」(『建設工業新聞』2012.06.19)
●「国土交通、農林水産両省は19日、東日本大震災の被災3県(岩手、宮城、福島)を対象に、公共発注機関が工事の積算に用いる設計労務単価を改定した。2月20日に続く改定で、工事の増加に伴う人手不足による労務費の高騰を積算に反映させ、実勢とのかい離を埋めるのが狙い。2月に設定した単価に比べ、全51職種単純平均で岩手は0.4%、宮城は2.6%、福島は1.0%の引き上げとなった。」(『建設工業新聞』2012.06.20)
●「建設投資の大幅な減少に伴い、技能労働者の雇用環境を一層悪化させる構造的な要因が、国土交通省の調査から浮かび上がった。元請け志向の上昇により受注競争がより激化するとともに、受注に向けた営業力の強化から間接経費の負担が従前以上に大きくなり、支払賃金や工事原価の減少を導く可能性がある。高卒や大卒といった若者の入職率も激減している状況を考慮すると、現状のままでは技能労働者不足が恒常化する懸念も高まっている。」(『建設通信新聞』2012.06.26)
●総務省が29日に発表した労働力調査によると、5月の完全失業率(季節調整値)は、4.4%と前月に比べ0.2ポイント低下した。低下は3カ月ぶり。就業者数は前月に比べ10万人減少し、6245万人となった。就業者数は3カ月連続で減少している。…完全失業率を年代別に見ると、15〜24歳の青年層は8.5%(原数値)だった。前年同月比0.2ポイント悪化した。男性は9.2%、女性は7.7%で、他の世代に比べ高水準だ。厚生労働省が同日発表した5月の有効求人倍率(季節調整値)は、0.81倍で、前月に比べ0.02ポイント上昇した。一方で、正社員の有効求人倍率は、前月に比べ0.01ポイント悪化の0.43倍だった。2人に1人分の求人もない状況だ。(『しんぶん赤旗』2012.06.30より抜粋。)

建設産業・経営

●「東日本大震災で発生した膨大ながれきを被災地の復興事業に生かすため、技術的な課題の解消に取り組む産学連携組織『災害がれきと産業副産物のアロケーション最適化コンソーシアム(がれき処理コンソーシアム)』が15日発足した。東北大学、宮城大学のほか、日本建設業連合会(日建連)などの関連団体と、ゼネコン、鉄鋼・セメント関連企業が参加。コンクリートがれき、津波堆積土砂など未利用資源の有効括用を促進していく考えだ。代表には久田真東北大教授が就いた。さまざまな震災がれきのうち、コンクリート系硬化体(コンクリートがれき)、津波に伴う農地や宅地の堆積土砂、可燃混合物の焼却残渣(ざんさ)については、広域処理の枠組みに入りにくいことから、東北地方での処分、有効利用を図る必要があるとされる。がれき処理コンソーシアムは、コンクリートがれき、津波堆積土砂、焼却残渣の有効利用に役立つ技術開発を産学連携で進め、復興資材としての活用を促す。」(『建設工業新聞』2012.06.18)
●「東京商工リサーチがまとめた2012年4月の建設業倒産(負債額1000万円以上)は、前年同月比3.3%減の257件となり、2カ月連続して前年同月を下回った。ただ地区別では、9地区のうち4地区が前年同月を上回った。中国は33.3%増、九州が21.0%増、北海道が20.0%増、関東が15.7%増だった。これに対し、復旧・復興工事が進む東北は68.4%減となった。負債総額は、13.7%増の340億5200万円。平均負債額も17.8%増の1億3200万円となった。4月の平均負債額としては、過去20年間で2011年の1億1200万円に次いで2番目に少ない金額で、小規模企業の倒産が多かった。また4月の『震災関連』倒産は5件だった。」(『建設通信新聞』2012.06.18)
●「日本建設業連合会は21日の理事会で『適正な受注活動の徹底について』をまとめ、会員各社社長に通知した。官民を問わず、過度な安値受注を厳に慎むよう求めた。これまでも同様の要請を通知したことはあるものの、『民間工事』における低価格受注に言及するのは初めて。『適正な受注活動について』の要請は、2006年7月に当時の日建連、日本土木工業協会、建築業協会が通知し、09年5月に土工協が通知したことがある。ただ、『公共工事』における過度な低価格入札による受注を厳に慎むよう求めていた。今回の通知では、官民発注者に入札・契約方式のさらなる改善を要請する前提として受注者が適正な受注活動に徹しなければならないとし、『公共、民間を問わず過度な安値受注が工事品質の低下、下請けへのしわ寄せ、労働条件の悪化、環境対策の不徹底などを生起させるとともに、死亡災害など重大な事故を招く懸念がある」などと記載。公共工事の積算や民間工事の相場観を低下させ負のスパイラルを招き、建設業全体の疲弊につながるため、『厳に慎むべき』と要請した。」(『建設通信新聞』2012.06.22)
●「政府は、『官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律』(官公需法)に基づく2012年度の契約方針を決めた。国や独立行政法人などが中小企業に発注する契約目標率は、11年度目標率を0.1ポイント上回る56.3%に設定。官公需総額に占める中小企業契約目標額は3兆8321億円となる。このうち、工事の総予算額は2兆7757億円で、中小の契約目標額が1兆6158億円、契約目標率は58.2%と全体の目標率を1.9ポイント上回る。受注機会の増大に向け、初めて中小企業の中の小規模企業に焦点を当て、小規模企業の特性を総合評価方式の評価項目に加点要素として加えることや、元請けが下請けに外注する際に地域中小企業を活用するよう政府が周知することなどを盛り込む。」(『建設通信新聞』2012.06.22)

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