情勢の特徴 - 2013年4月前半
●「トルコの原子力発電所建設計画で、三菱重工業−仏アレバ連合が受注することが固まった。日本の官民とトルコ政府は3日、首都アンカラで協議し、三菱・アレバ連合が原発を建設し現地で売電事業に乗り出すことで大筋合意した。建設する原発は4基で、総事業費は220億ドル(約2兆円)規模。東日本大震災以降、官民連携による初の海外受注案件で、日本の原発輸出に弾みがつきそうだ。」(『日本経済新聞』2013.04.04)
●「安倍晋三首相は8日、メキシコのペニャニエト大統領と首相官邸で会談した。首相は環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への早期参加に向けて連携を呼びかけ、大統領は日本の参加に支持を表明した。TPP交渉に参加する11カ国のうち、すでに6カ国が日本の参加を支持しており、メキシコは7カ国目となる。ただ、TPP交渉を主導する米国は支持を決めておらず、大きな権限を持つ米議会の出方が焦点となる。」(『日本経済新聞』2013.04.09)
●「東京商工リサーチが8日発表した2012年度の企業倒産件数は、前年度比7.7%減の1万1719件だった。中小企業金融円滑化法の効果で倒産が抑えられ、件数ベースでは21年ぶりの低水準だった。ただ同法の期限が切れた今年度は、事業改善が進まない企業の倒産が増える可能性がある。12年度の全国企業倒産状況によると、負債総額は23%減の3兆757億円だった。件数と負債総額はいずれも4年連続で減少した。」(『日本経済新聞』2013.04.09)
●「2012年度に東京23区内で民間事業者が開発計画をまとめた延べ1万平方メートル以上の建築物は88件だったことが日刊建設通信新聞社の調べで分かった。件数ベースでは、73件だった前年度から約2割の増加となった。都心3区での開発が計34件と集中傾向にあるのも特徴だ。住宅または住宅機能を含む複合施設は45件(前年度は37件)で、全体の半数を超えるなど、依然として民間マンション市況は手堅く推移している。開発規模の一つの指標となる全88件の延べ床面積の平均は3万1576平方メートルとなっている。」(『建設通信新聞』2013.04.09)
●「国土交通省は、3月29日に13年度の『公共工事設計労務単価』を公表したのに合わせ、技能労働者の賃金を引き上げるよう建設業団体や公共・民間発注者に要請する通知を同日付で出した。法定福利費相当額(社会保険料の労働者負担分と企業負担分)を含む価格での工事発注や代金支払いを行うことを強く求めている。国交省が技能労働者の賃金引き上げを要請したのは初めて。通知文では、建設投資の減少によってダンピング受注が激化。そのしわ寄せが技能労働者の賃金低下や社会保険料の未払いを招き、若者の入職離れを含め建設産業からの人材流出につながっているとあらためて指摘。これによる労働需給のひっ迫は一時的なものではなく、今対策を講じなければ近い将来、災害対応やインフラの維持更新にも支障を来す恐れがあるとして、デフレ脱却のためにも労働者の所得を増やす取り組みを推進するよう訴えた。」(『建設工業新聞』2013.04.01)
●「国土交通省は、4月から適用する新たな土木工事積算基準を公表した。昨年10月から土木工事(舗装、道路改良、築堤・護岸の3工種)で試行している新たな積算方式『施工パッケージ型積算方式』の施工パッケージ単価の数を拡充。トンネル工(NATM)など3工種の歩掛かりを見直し、東日本大震災の被災3県(岩手、宮城、福島)を対象に建設機械等損料も改定した。」(『建設工業新聞』2013.04.01)
●「自民党の公共工事品質確保に関する議員連盟の『公共工事契約適正化委員会』(野田毅委員長)は2日、第3回の会合を開き、全国建設業協会と日本建設業連合会から『公共調達新法』の制定に向けてヒアリングした。全建の淺沼健一会長は、公共調達の基本を定める法制度を、日建連の大田弘土木本部副本部長は国や自治体、独立行政法人、高速道路会社などの事業者が共通するルールとしての公共調達新法をそれぞれ求めた。」(『建設通信新聞』2013.04.03)
●「公契約条例の制定を検討している長野県は、『長野県が行う契約に関する基本的な考え方』の検討案をまとめ、県議会危機管理建設委員会に報告した。検討案では…同県は条例に直接、下限額を盛り込むことは避け、総合評価方式の運用の中で、労働賃金の適切な支払いを加点していくという方向性を示した。また、警備業務への最低制限価格導入なども図っていく考えを打ち出した。今後、検討案をもとに、経営団体や労働団体などと意見交換を進めていく方針だ。」(『建設工業新聞』2013.04.03)
●「国土交通省は、2013年度公共工事設計労務単価の引き上げたことについて『われわれは業界の要望に応えた。だからこそ業界も応えてほしい』と言い切る。施策のボールは打ち込んだ。それをきちんと建設業界がレシーブして適正な賃金の支払いを実現するかが問われているという姿勢である。『単価』を上げて、それを『実勢』にする産業責任を突きつけている。それだけ、国交省は後追い政策ではなく、先取り政策を断行したという自負がある。その意味で、今回の措置は労務単価革命と言ってもよい。国交省が1月に労務単価を上昇局面にするための施策検討を表明してから約2カ月。51職種全国平均(加重平均)の労務単価を表明どおり前年度比16.1%増とした事実は、同省の本気度が垣間見える。…労務単価が取引の実例価格として、タイムラグを当たり前とし、その意味で『実勢』にならないシステムを反省し、社会保険未加入対策という施策や需給の状況を先取りして加味する一歩を踏み出したと言える。…今後、建設業各団体に対して、雇用する技能労働者の賃金水準を引き上げ、社会保険への加入を徹底させ、適正な賃金の支払いを追跡していく姿勢を見せている理由は、14年度の単価設定に向けた今秋の労務費調査結果で上昇の裏付けが表れなければ、取り返しのつかない事態に陥ることを最も危慎(きぐ)しているからだ。さらに、民間の中にも労務費の高騰に理解を示し始めている発注者もいることから、適正な金額での工事発注を求めていくツールとして活用してもらいたいとの思いも込められた。」(『建設通信新聞』2013.04.04)
●「政府は5日の閣議で、国が管理する空港の運営を民間に委託できるようにする民活空港運営法案を決定した。民間企業が着陸料の設定から商業施設の誘致まで空港を一体で経営できるようになる。格安航空会社(LCC)などの就航便を増やしたり空港の運営を効率化したりして、地域の活力向上につなげる狙いだ。」(『日本経済新聞』2013.04.05)
●「内閣官房の『ナショナル・レジリエンス(防災・減災)懇談会』(座長・藤井聡内閣官房参与、京大大学院工学研究科教授)が、国土の強靭化に向けた今後の作業の進め方を提示した。各省庁・自治体に『弱点』と対策を聞き、対応策を考える。当面は、2014年度予算概算要求に向けた予備的調査となるが、今夏以降には欧米で実施されているような国家のリスクマネジメントが本格的に始まる。懇談会では、『国土の強靭化(ナショナル・レジリエンス)に向けた考え方』で、低頻度大規模災害に備えるため、防災の範囲を超えた国土政策・産業政策も含めた総合的な対応を『国家百年の大計』として進める考えを明示。国土強靭化の大目標として『人命を守る』『行政・経済社会を維持する重要な機能が致命傷を負わない』『財産施設などに対する被害のできる限りの低減、被害拡大の防止』『迅速な復旧・回復』を掲げた。いかなる事態が発生しても機能不全に陥らない経済社会のシステムを確保することで、わが国の競争力も向上し、国際的な信頼を獲得する。こうした目標達成に向けた取り組み方針では、国家が抱えるリスクに自然災害だけでなく、大規模事故、テロなどあらゆるものが含まれるという認識を明確にした上で、当面は『大規模な自然災害』を対象とすることを示した。あらゆるリスクに対応できる国づくりを理念としつつ、まずは『低頻度大規模災害』というリスクへの対応を考えるという意味だ。この基本的考え方を踏まえ、これから国土強靭化に向けた具体的な作業が始まる。」(『建設通信新聞』2013.04.08)
●「日刊建設通信新聞社は、2012年度補正予算・13年度当初予算の円滑執行と低価格入札への対応などについて、47都道府県20政令市に調査した。応札者確保を明確に不安視する声が聞かれたほか、早期発注による経済効果早期発現のために対策を打つ自治体が多い。12年度補正予算における特徴的な対応策としては、8県2政令市が指名競争入札を拡大・試行していることが判明した。12年度補正予算の発注に当たっての入札参加者数確保については、『一定程度確保できている』『特段、問題が起きていない』『不安はない』との回答が多かったものの、『短期間に(発注が)集中するので、できる限り対策を講じる』(長野、栃木)『不安がある』(埼玉、静岡)『現在は参加者数を確保できているが、今後は工事量の増加が予想され、動向に注意する』(熊本市)とする声があった。また、単独事業がメーンの東京都であっても『首都圏のほかの自治体や国土交通省関東地方整備局の発注が増えれば、請負者を取り合うという意味で、動向を注視する必要がある。実際に、都の発注工事でも業種や工種によって、落札率の上昇、不調・不落が見られる。請負者側の案件選別の動きと考えられ、契約担当部署も状況が変わりつつあるとの認識は持っている。全国的に工事が増加した場合に、先行きの不透明感がぬぐえない状況が続く」と、全国的な工事量の増加と入札参加者の応札動向の変化と影響を敏感に感じ取っている。」(『建設通信新聞』2013.04.08)
●「国土交通省は、中小鉄道事業者が保有する土木構造物の老朽化対策を支援するための検討に乗り出す。全国の約150の事業者を対象に国交省で構造物の実態調査を実施し、点検結果などの情報をデータベース化して事業者の戦略的な維持管理や更新の検討に活用してもらう。各社のデータを集計することで更新時期や対策方法も分析し、各事業者に対策を提案することも見据える。今年度内にはデータベース化の作業を完了させ、運用に入りたい考えだ。」(『建設通信新聞』2013.04.09)
●「PFI法で認められている『公共施設等運営権(コンセッション)』事業を拡大させることで、金融機関や企業、投資家などから民間資金をPFI市場に一気に流れ込ませ、拡大した民間からの投資資金で公的施設・インフラ整備を進め、最終的に地域活性化を含む経済再生につなげる動きが、政府、自民党で本格化してきた。政府に今後求められる財政抑制と経済再生という2つの課題を解決する切り札の1つとして、コンセッション拡大をみている。」(『建設通信新聞』2013.04.11)
●「地方都市が、居住と経済活動の場としての機能を維持できなくなる―。国土交通省が、そうした危機感から中長期的視点に立って都市構造を再構築する政策の立案を検討し始めた。9日に初会合を開いた有識者会議で同省は、都市の外縁化と中心部の空洞化、人口減少と高齢化、地域産業の停滞といった地方都市をめぐる課題を提示。そうした状況を改善するには、中心市街地活性化のような個別課題ごとの政策にとどまらない都市の『リノベーションプラン(再構築戦略)』が必要だとしている。発足した有識者会議は『都市再構築戦略検討委員会』(委員長・奥野信宏中京大理事)。初会合に国交省は、検討材料として『わが国の都市をめぐる現状について』と題した資料を提出。この中で地方都市の人口減少や商業の低迷によって、駐車場・空き家といった低未利用の土地や建物が急増している現状を明らかにした。」(『建設工業新聞』2013.04.11)
●「公共工事契約の新法制定を視野に議論を進めている、自民党の公共工事品質確保に関する議員連盟の『公共工事契約適正化委員会』(野田毅委員長)が、新法の性格を会計法と地方自治法の『横出し』にすることを念頭に置いていることが分かった。10日に開いた委員会後、事務局長の脇雅史参院国対委員長と、顧問の金子一義議員が答えた。新法へ向け野田委員長は、5月に一定の結論を示す考えを既に表明。今後、自民委員会では、会計法、地方自治法を改正せず、公共工事調達に限定した『横出し法』の実現については、法制局の法解釈も焦点になりそうだ。」(『建設通信新聞』2013.04.12)
●「環境省は、直轄で実施する除染特別地域内の除染等工事で使う2013年度の設計労務単価を定め、福島環境再生事務所に通知した。前年度と同様、10職種の単価を設定した。 直轄の除染等工事の積算に使う単価は、農林水産省と国土交通省の公共工事設計労務単価のうち、10職種の福島県単価を採用している。…単価は公共工事と同じ、▽所定労働時間8時間当たりの基本給相当額▽職種ごとの通常作業条件・作業内容の労働に対する手当の基準内手当▽所定労働日数1日当たりの臨時給与と実物給与――で構成。これに、1日当たり1万円の特殊勤務手当を加算する。1日の作業時間が4時間未満の場合の加算額は6000円。」(『建設通信新聞』2013.04.12)
●「国土交通省は2013年度、地方公共団体向けにPFI手法を活用して公共建築物の維持管理業務を包括的に委託するためのガイドラインを作成する。…文化施設や学校といった公共施設を対象にした指針をまとめ、民間事業者のノウハウを活用して、行政区域をまたがる効率的な管理や施設の統廃合といった視点も加味して考え方を整理する。指針を作成する背景には、複数の公共施設を一定のエリアでまとめて、包括的に整備、運営することで、民間事業者の創意工夫の余地を高め、結果的に効率的な維持管理が実現できることがある。このため、自治体が包括委託を積極的に進められるよう、取り組み事例を整理して要点をまとめる必要があると判断した。指針はPFI法改正で盛り込まれた新制度の公共施設等運営権(コンセッション方式)とは分けて整理する。また、指定管理者制度の導入により公共施設の管理・運営を、企業やNPOなどの法人、団体が包括的に代行する取り組みが広がっているため、PFI事業者と現行の指定管理者との契約面での考え方なども整理していく考え。」(『建設通信新聞』2013.04.12)
●「公共施設の維持管理を計画に沿って行う方法を定めた日本工業規格(JIS)が初めて制定された。対象分野は『下水道管路』。維持管理業務の範囲を▽巡視▽点検▽調査▽清掃―と定め、計画に盛り込む業務方法も明確化した。国土交通省によると、下水道管路の維持管理計画を策定している自治体は全国で3割程度。多くは漏水などが発生してから補修する事後対応が現状という。社会資本の老朽化で維持管理のあり方が問われる中、国交省はJIS化をきっかけに計画策定が進むことを期待している。」(『建設工業新聞』2013.04.12)
●東京・臨海副都心への進出を決めた企業4社が相次いで撤退していたことが13日、本紙の取材で明らかになった。都は進出決定の際は発表をしていたが、撤退については発表も都議会への報告もしていなかった。撤退したのは…4社。いずれもオフィス・商業ビルを建設する計画で、2007年〜08年にかけて都と予約契約を結んだ。しかし、4社は08年12月〜12年4月に相次いで契約を解除。都に支払った予約保証金計約33億円を放棄していた。港湾局臨海開発部は「08年9月のリーマン・ショックを契機に経済情勢が変わり、計画通りに事業を行うのは難しいというのが辞退の理由だった」と説明している。都は1990年から臨海副都心の企業誘致を行っているが、有償処分予定面積163ヘクタールのうち、処分が確定しているのは113ヘクタール(69.3%)どまり。残る50ヘクタール(30.7%)は塩漬け状態だ。(『しんぶん赤旗』2013.04.14より抜粋。)
●「国土交通省が各地方整備局などに通知し、都道府県・政令市に適切な運用を要請した2013年度公共工事設計労務単価の特例措置について、同省所管の高速道路会社や独立行政法人などの多くが今後の対応を検討していることが分かった。3月中に入札し契約が4月1日以降になる案件を対象に大幅に上昇した新単価で契約変更するもので、現時点では水資源機構がいち早く適用を決定した。それ以外の機関は態度を保留しているが、今後、内部検討を進め、適用の可否を決める方針だ。水資源機構は『特例措置を踏まえ、全事業所を対象に調査を実施した。該当する案件が維持管理工事を中心に10件あり、いずれも特例措置を適用する』としている。従来から国交省の契約制度に準拠しており、今回もそれに準じた決定だ。」(『建設通信新聞』2013.04.15)
●「日本建設産業職員労働組合協議会(山田栄治議長)は、『企業の雇用実態に関する調査(2012年12月)結果』をまとめた。昨年同時期と比較した全従業員数は『減少』との回答が大幅に減り、減少傾向に歯止めがかかった。また、今回の調査では、3組合で雇用調整が実施されたが、過去5年で最も対象人数が少なかった。ただ、4組合で雇用調整が提案・検討される見通しのため、日建協は『今後も企業の雇用調整動向を注視していく』としている。」(『建設通信新聞』2013.04.03)
●「厚生労働省がまとめた2012年の労働災害発生状況(3月7日時点、速報値)によると、建設業での労災による死亡者数は、前年比6.5%増の363人と、前月の速報値と比べ1人増えたことが分かった。また、休業4日以上の死傷者数も、3.3%増の2万1685人となった。東日本大震災復旧・復興関連の建設業死傷者は、11年3月11日から12年12月31日までの期間で585人だった。」(『建設通信新聞』2013.04.09)
●「建設業振興基金は、海外建設技能実習受け入れ事業で、13年度に3カ国から計100人強の実習生を受け入れる計画だ。内訳は、中国20人、ベトナム75人、ミャンマー6人。自国の建設現場で活躍する人材の養成を支援するとともに、日本の建設生産システムを学んで帰った人材に、日本企業が受注する建設プロジェクトで活躍してもらうようにするのも目的。同事業とは別に、2月に発足した『ベトナム建設人材育成協議会』(会長・尾形悟大成建設副社長)の要請を受けた技能実習も実施する。」(『建設工業新聞』2013.04.10)
●「労働災害のうち、ここ数年減少傾向にあった建設工事現場での足場からの墜落・転落事故が、2011年度は前年度から増加したことが、厚生労働省の『足場からの墜落防止措置の効果検証・評価検討会』のまとめで分かった。11年度の足場からの墜落・転落による死亡災害30件のうち、28件が建設業の事故。また、休業4日以上の死傷災害871件のうち、783件が建設業だった。こうした建設業の死傷事故のうち、『木造家屋建築工事業(木造建築)』が209件で、同数の『鉄骨鉄筋コンクリート造建築工事業(ビル建築)』と併せ、この2業種で建設業全体の53.4%を占めている。住宅工事も含め改めて現場の安全管理の徹底が求められる。」(『日本住宅新聞』2013.04.15)
●「『新たな挑戦、新しい企業価値の創造』と銘打った安藤ハザマの中期経営計画(2014年3月期−16年3月期)が1日、スタートする。合併前の両社が長年築き上げてきた実績とノウハウを融合させ、技術力や営業力、コスト競争力に磨きをかける。新会社発足時の社員数は約3500人。土木、建築双方のコラボレーションによる提案力向上などに努め、中計最終年度には建築2100億円、土木900億円の単体受注高3000億円の達成を目指す。建築部門では、合併による顧客基盤と総合力の拡大を生かした提案営業を展開する。…土木部門は、総合評価案件に注力するとともに、大規模更新プロジェクトを始めとするリニューアル市場にも本腰を入れる。従来は各拠点で個別のリニューアル案件ごとに入札、施工してきたが、本社土木事業本部内の『リニューアルプロジェクト推進部』に全国の情報を集約し対応する。技術開発部門と連携しながら、実績が豊富なダムやトンネルなどを中心に、調査・研究を進める。海外事業は国内の市場動向に左右されることなく、コンスタントに利益を出せるよう、中計期間内に人材や営業、施工体制といった基盤を固める。旧ハザマはメキシコやインドネシア、ベトナム、旧安藤建設はタイやマレーシア、シンガポールなどを得意としてきた。海外事業の対象国もほとんどラップはないため、得意領域(地域、顧客)のコラボレーションで事業を拡充する。海外での顧客満足の獲得により、他国展開や国内還流にもつなげていきたい考えだ。」(『建設通信新聞』2013.04.01)
●「日本建設業連合会(日建連)が1日、一般社団法人として新たなスタートを切った。日本建設業団体連合会(旧日建連)と日本土木工業協会(土工協)、建築業協会(BCS)による3団体合併から2年後という予定していたスケジュール通りの移行。この間に、積み残しとなっていた課題への対応も終え、一般社団法人への移行は『3団体合併の総仕上げ』(日建連幹部)ともいえる。頻発する自然災害に対する安心・安全の確保や、国際競争力の強化など建設産業が担う分野の重要性が高まる中、名実ともに新たな組織としてフル稼働に移る。」(『建設工業新聞』2013.04.02)
●「国土交通省は3月29日、建築物リフォーム・リニューアル調査報告の平成24年度上半期(平成24年4月1日〜9月30日)受注分を公表した。全体の受注高4兆3452億円(前年同期比2.3%増)のうち、住宅に係る工事の受注高は1兆4993億円(同4.9%増)にのぼった。住宅に係る工事を業種別にみると、建築工事業の受注高は9493億円(同0.6%減)で、職別工事業は4248億円(同29.0%増)となった。…非住宅の調査結果は、受注高は2兆8459億円(同1.0%増)。」(『日本住宅新聞』2013.04.05)
●「帝国データバンクが8日公表した全国企業倒産集計によると、2012年度の倒産件数は前年度比6.3%減の1万0710件となった。このうち建設業は、12.9%と大幅減の2632件。06年度以来6年ぶりに2000件台となった。同社では『復興需要により、土木工事を中心に大幅に減少した結果』と説明している。建設業の負債総額は14.4%減の3456億7500万円となった。」(『建設通信新聞』2013.04.09)
●「建設産業専門団体連合会(建専連、才賀清二郎会長)は、『登録基幹技能者制度』に基づく、登録基幹技能者の賃金や評価などの実態調査を行う検討に入った。建専連は2013年度、4万人を超えるすべての登録基幹技能者を対象にすることを念頭に、登録基幹技能者講習を行う建専連加盟団体以外の団体との連携を視野に入れながら、制度運用を目的に発足している『基幹技能者制度推進協議会』に今後協力を求めていく考え。登録基幹技能者の賃金実態を初めて浮き彫りにさせることで、今後の設計労務単価調査や待遇改善に反映させる狙いがある。」(『建設通信新聞』2013.04.11)
●「復興庁は2日、東日本大震災の被災者が暮らす仮設住宅について、災害公営住宅(復興住宅)が不足するなどしている場合、入居できる期間を1年延長し、4年間とすることを被災自治体に通知すると発表した。…対象となるのは、応急仮設住宅や民間から借り上げるみなし仮設住宅。自治体が被災者の移り住む復興住宅が足りず、入居中の仮設住宅の安全性や衛生面での問題がないと判断すれば、期間を延長できるとした。」(『日本経済新聞』2013.04.02)
●仮設住宅で暮らす東日本大震災の被災者は、いまなお約11万人。移転先の造成や公営住宅建設に時間を要し、避難生活の長期化は避けられないのが実情だ。しかし、仮設住宅では入居当初からの不便に加え、はやくも“老朽化”が問題になっている。…仮設住宅は劣悪な住環境が問題になって、断熱材や風呂の追いだき機能などの追加工事が繰り返されてきた。建設からこれまでに1戸あたり約744万円(宮城県内の平均)を費やし、ようやく工事の音がやんだのは昨年秋のこと。しかし、粗雑なつくりの仮設住宅が老朽化し、部屋のあちこちが壊れ始めた。…「そもそも長く住むことを想定していない建物。2年目になって、ガタがきているのは否めない」と話すのは、仮設住宅を管理する石巻市の担当者。仮設住宅の不具合などの訴えを受け付ける市のコールセンターには、被災者から「部屋にカビがはえた」「床がきしんできた」「床がたわんでぶかぶかしてきた」などの声が寄せられている。(『しんぶん赤旗』2013.04.10より抜粋。)