情勢の特徴 - 2013年9月後半
●「政府の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)の民間議員は、2020年東京五輪の開催に向け、競技会場やインフラの整備に計画初期段階からPPP・PFIを最大限活用するよう求める提案をまとめた。建設費の財政負担最小化とともに、五輪後の維持管理に充てる収益を安定的に得やすくするために民間のノウハウを導入するのが狙い。民間議員は今後3〜4年程度でPPP・PFIに関する規制をさらに緩和することを求めている。」(『建設工業新聞』2013.09.18)
●「JR東海は18日、2027年に東京(品川)〜名古屋間で開業を目指すリニア中央新幹線の詳細な走行ルートと中間駅の設置場所を発表した。山梨、静岡、長野の3県にまたがる赤石山脈(南アルブス)をトンネルでほぼ直線に貫通する総延長286キロのルートを特定。うち9割近くに当たる246キロをトンネルで整備する。中間駅は相模原市、甲府市、長野県飯田市、岐阜県中津川市の4カ所に設置する。環境影響評価と国土交通省の工事実施計画認可を経て14年度に着工する。」(『建設工業新聞』2013.09.19)
●「政府が来年4月の消費増税に向けてまとめる経済対策の骨格が19日、明らかになった。柱となる企業減税は復興特別法人税の前倒し廃止と投資減税で約1兆4000億円以上になる。予算措置では公共投資を1兆円超とする方向だ。総事業規模は5兆円超とする。企業の競争力を高め、増税に伴う景気失速を防ぐ。…1兆4000億円超の企業減税では、設備投資や賃上げを促す政策減税が柱。減税の恩恵を受けられない企業への支援策も含め5000億円程度となる。1年前倒しで廃止する復興特別法人税は13年度末で終了。企業が払う法人税の実効税率(東京都)は現行の38.01%から来年度には35.64%に下がる。約9000億円分の減税となり、減収分は13年度補正予算で一般会計から拠出し復興特別会計に繰り入れる。…予算措置では、公共投資が中心。20年の東京五輪に向けたインフラ整備や、社会資本の老朽化対策、学校施設の耐震化を中心に取り組む。各地の災害対策も対象とし1兆円超にする。政府が出資する投資ファンドの投融資枠も拡大する。」(『日本経済新聞』2013.09.20)
●「空港や有料道路、発電所などインフラに投資する民間ファンドが本格的に動き出す。米投資会社フォートレス・インベストメント・グループは.10月、日本のインフラ施設に投資するファンドを設立。国内勢でも発電所に投資するファンド新設が相次いでいる。2020年の東京五輪開催も控え、公共インフラの拡充は大きな課題。国や自治体の財政余力が細る中、民間資金を積極活用する動きが広がりそうだ。」(『日本経済新聞』2013.09.21)
●「政府・与党は24日、中小企業向けの投資促進税制を拡充し、資本金1億円以下の企業が税控除を受けられるようにする方針を固めた。設備投資に積極的な中小企業への補助金の上限も2倍にする。中小企業の投資を後押しし、地方でも景気を下支えできるようにする狙い。来年4月の消費増税に備え、月内にもまとめる経済対策に盛り込む。実際に投資が増えるかは不透明で財政負担だけが膨らむ可能性もある。」(『日本経済新聞』2013.09.25)
●9月9日、内閣府が発表した4〜6月期の国内総生産(GDP)の改定値は、実質で0.9%増(年率換算で3.8%)となった。3期連続のプラス成長となったが、数字を押し上げたのは、円安の影響で自動車の対米輸出が伸びたことや震災復興向けの公共事業の増加など一時的な要因による効果だ。GDPの約6割を占める個人消費は0.7%増と低い伸びにとどまり、改定値ではおよそ1カ月前に出された速報値に比べて0.1ポイント下方修正された。需要増が期待された民間住宅も0.3%減と速報値よりマイナス暗が大きくなった。企業の設備投資も「製造業の弱さ」が指摘されるなど弱含みで推移している。GDPではプラスに転じたが、前期までは6期連続の減少だった。一方で、日本企業の海外への設備投資は増加。国内より海外を重視する傾向はいっそう強まっている。(『しんぶん赤旗』2013.09.26より抜粋。)
●「豊洲新市場の整備が大きな節目を迎える。東京都財務局は30日、新市場の建設に向けて、青果棟、水産仲卸売場棟、水産卸売場棟、管理施設棟の4件の一般競争入札を公告する。基幹施設となる各棟ごとに4件に分割して発注。2015年度の完成を目指して整備を進める。4件の予定価格の総額は697億円超。施設群で最大規模となる水産仲卸売場棟建設工事の予定価格は260億円というスケールだ。全国的にも注目されるビッグプロジェクトが動き出す。」(『建設通信新聞』2013.09.30)
●「国土交通省は18日、公共工事への導入を想定する多様な入札契約方式の体系イメージ(案)を中央建設業審議会(中建審、国交相の諮問機関)と社会資本整備害議会(社整審、同)合同の基本問題小委員会(大森文彦座長)に提示した。受注者選定で競争性のある方式を『技術を評価して価格等を交渉する方式』『技術と価格を評価する方式』『価格のみを評価する方式』に類型化。競争性のない随意契約(非競争型)を含めて各発注者が事業の性格や地域特性などに応じて適当な方式を選択できるようにする。…国交省は、多様な入札契約方式の導入・活用を進めることで、中長期的な担い手の確保や行き過ぎた価格競争の是正、地域のインフラメンテナンスや維持管理、発注者のマンパワー不足、受発注者の負担軽減といった課題に対応する考えだ。」(『建設工業新聞』2013.09.19)
●「公共工事品質確保促進法(品確法)の改正法案が、2014年の通常国会に議員立法で提出される公算が高くなった。19日の自民党公共工事品質確保に関する議員連盟の『公共工事契約適正化委員会』(野田毅委員長)会合後、脇雅史事務局長と佐藤信秋次長は会合後、『議員立法でもかまわない。通常国会に提出できるよう検討したい』と話した。改正最大のポイントは、新たに地域建設業をインフラ、災害対応などの担い手と位置付け、多様な入札方式を国、地方自治体で導入することを明記することだ。実現すれば、改正品確法が工事や設計・コンサル業務など公共調達の最上位法になる。また、国土交通省は入札契約適正化法(入契法)と建設業法も次期通常国会に改正法案を提出する予定で調整を進める。」(『建設通信新聞』2013.09.20)
●「国土交通省は、笹子トンネルの天井板落下事故以降に高まった社会資本の老朽化に対する懸念を受けて実施していた公共構造物の集中点検のうち、河川・ダム・砂防施設の点検結果を明らかにした。河川施設で、目視点検が困難な施設を非破壊探査機器によって点検したところ、国の施設の47.2%に『不具合の可能性』があることが分かった。今後、さらに詳細な点検を実施し、損傷程度に応じて優先順位を付けて補修する。」(『建設通信新聞』2013.09.24)
●「国土交通省は、東日本大震災の復旧・復興事業を潤滑に進める目的でこれまで講じてきた施工確保対策を体系的に整理し、自治体や建設業界団体に周知を図る通達を19日付で出した。対策は、発注準備・積算、入札公告、契約、着工準備期闇、工事中という5段階で合計20項目に及ぶ。建設業者の不足、人材・資材の不足や価格高騰などに対応しており、地域の実情に応じて必要な対策を採用できるために個別通達も添付し、それぞれの内容に、沿って取り組めるようにした。」(『建設工業新聞』2013.09.24)
●「環境省は27日、東京電力福島第一原発事故で飛散した放射性物質を含む廃棄物や除染に伴う汚染土壌を保管するため福島県内に整備する中間貯蔵施設について、『貯蔵施設』や『減容化施設』『受入・分別施設』を合わせて大熊町に8カ所、楢葉町に7カ所設置する施設配置計画案をまとめた。両町とも貯蔵施設は5カ所となっている。同日に開いた『中間貯蔵施設安全対策検討会』(座長・酒井伸一京大環境安全保健機構付属環境科学センター長教授)に安全確保策などとともに示した。」(『建設通信新聞』2013.09.30)
●「厚生労働省は、2014年度の建設業関連労働災害防止対策として、新規に職長などの指導力向上事業に取り組む。職長などを対象とした研修会を、全国で延べ100回程度実施することを計画している。事業経費は約5000万円と見積もり、14年度予算の概算要求に計上した。研修会は、各都道府県で複数回実施することを想定している。1日研修とし、研修時間は6時間を見込んでいる。研修内容は今後詰める。建設投資はこれまで減少が続き、建設業そのものも縮小してきた。そこに東日本大震災後の建設需要が増え、被災地では技能労働者不足となり、これが全国的にも広がって、建設業の人材不足が顕著になった。人材を確保するために建設業には、未熟練の労働者が就労。退職、離職していた技能労働者も建設業に復帰するなどの動きがみられるという。こうした状況のもと、結果として現場で部下の教育・指導経験が十分でない職長や、作業中の労働者を直接指導・監督する下請けの安全衛生責任者などが作業員の教育・指導を行うこととなり、人材の質の維持や現場管理に支障が生じるのではないかという懸念も広がっている。」(『建設通信新聞』2013.09.17)
●「建設業の人手不足が経済活動のコスト増を招く恐れが強まってきた。厚生労働省によると、人が足りないと感じる建設会社の割合から過剰とみる割合を引いた数値は調査を始めた1994年以降で最高となり、五輪需要をにらみ資材価格も上昇傾向にある。建設投資が円滑に流れる環境を整えるため、政府は対策の検討を急ぐ。建設業の人材難は東日本大震災の復旧・復興需要を起点に深まった。安倍晋三政権の経済政策『アベノミクス』の第2の矢である財政出動の拡大に加え、住宅やビル、工場など民間の工事が伸びてきたことが背景だ。」(『日本経済新聞』2013.09.18)
●「北海道建設部は、『技能労働者への適切な賃金水準の確保』に関する実態調査の結果をまとめた。建設管理部発注工事の受注者に対する調査では、4月からの公共工事設計労務単価の上昇について、93.3%の1148社が『知っている』と回答した。適切な賃金水準確保へ向け、国や道、建設業団体に取り組みが広がっていることも92.3%の1148社が『知っている』と答えた。4月以降に技能労働者の賃金水準を引き上げた企業は、70.1%の880社で、『毎月の給与、ボーナスを引き上げた』と回答している。一方、25.7%の323社が『引き上げておらず、今後も予定なし』と回答した。その理由には『経営の先行きが不透明で踏み切れない』が21.1%の132社と最も多かった。調査は、道が発注した工事の現場技能労働者の賃金水準の確保と社会保険への加入状況を調べるため、ことし4月から6月までに契約した工事の受注者とその下請け、および13年度の道路と河川維持管理業務の受託者を対象に行った。」(『建設通信新聞』2013.09.19)
●「横浜建設一般労働組合、神奈川土建一般労働組合は22日、法定福利費確保・請求に向けた研修会を開いた。東京、千葉、埼玉の首都圏から当初の予定を上回る260人超の関係者が参加。直面する社会保険未加入問題や若年労働者の入職促進、これから大きな課題となる無年金問題を議論した。現在を『最後のチャンス』ととらえ、建設業界と労働組合の連携を広げ、建設産業の再生に向けて、力を合わせていくことを確認した。研修会では、午前中に芝浦工大の蟹澤宏剛教授が『社会保険未加入問題―なぜ社会保険を問題にしたか』を講演した後、午後に横浜建設業協会の土志田領司会長や全国建設労働組合総連合の高橋義次賃金対策部長ら建設業界と労働組合から現状の報告を受け、意見を交わした。」(『建設通信新聞』2013.09.25)
●「建設業で支払われている給与の額が、本年度に入って前年度を上回るペースで伸びている。厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、4月から7月まで毎月、建設業の現金給与総額は全産業の伸び率を上回った。デフレ脱却を目指す安倍政権の経済政策『アベノミクス』による景気浮揚に加え、過去最大の上げ幅となった13年度公共工事設計労務単価やダンピング対策などの効果とみられる。…建設業の現金給与総額の前年同月比伸び率を見ると、4月は全産業は横ばいだったのに対し、建設業は1.5%増。5月も0.5%増(全産業は0.1%減)、6月も3.2%増(0.6%増)、最新データの7月も2.6%増(0.1%減)と推移し、全産業を上回る伸び率を維持している。国土交通省は、設計労務単価の引き上げ効果について、現場の技能労働者に支払われている賃金にまで確実に浸透しているかどうかを把握することを目的に、7月にきめ細かな実態調査に着手した。同省労働資材対策室によると、実態調査の中で毎月勤労統計のデータを指標の一つに使用。その推移に注目している。統計のデータを見ると、建設業の現金給与総額は、12年度まではマイナス・横ばい傾向が強かったが、本年度に入って一転。増加が4カ月続いている。」(『建設工業新聞』2013.09.26)
●「国土交通省は、公共建築工事の見積書式に、法定福利費の事業者負担分を別途明記する新たな項目を追加し、10月1日以降に入札公告する官庁営繕工事で試行を始める。予定価格の算出に使う見積書式に法定福利費を明記することで、技能労働者の社会保険加入促進につなげるのが狙い。14年度から統一書式として他府省庁などの発注機関でも運用を始められるようにする。改定書式の試行にあわせ、予定価格の算出に用いる四つの単価(材料単価、複合単価、市場単価、見積単価)のうち、『複合単価』と『市場単価』について、法定福利費に相当する補正も行う。複合単価は、下請経費の率を従来の中間値から上限値に変更。市場単価が法定福利費に相当する補正を実施する。これにより、予定価格は従来より1.5%程度上昇する効果があるという。」(『建設工業新聞』2013.09.27)
●「国土交通省は26日、第3回社会保険未加入対策推進協議会を東京都内で開き、保険料の支払いに必要な法定福利費を確保するため、それを内訳を明示した標準見積書を下請企業から元請企業に提出する取り組みを一斉に開始することを申し合わせた。行政、元請、下請、労働者などの関係者が一体となって『社会保険未加入は許さない』との強い決意を持ち、それぞれが実効性のある未加入対策を進める上で欠かせない法定福利費の確保に取り組むことを確認した。」(『建設工業新聞』2013.09.27)
●民間企業で働く会社員やパート・アルバイト、派遣などの非正規従業員が2012年の1年間に受け取った賃金の平均は408万円で、前年を1万円下回り、2年連続で減少したことが27日、国税庁の民間給与実態統計調査で分かった。役員を除く正規従業員の平均は467万円(男性520万円、女性349万円)。非正規は168万円(同225万円、同143万円)だった。同庁が正規、非正規を区別して調査するのは初めて。…1989年の402万円と同水準で、ピークだった97年の467万円からは59万円減りました。(『しんぶん赤旗』2013.09.28より抜粋。)
●「全国建設業協会(全建、淺沼健一会長)は、13年度公共工事設計労務単価の引き上げや、新単価への対応状況などに関する会員アンケートの結果をまとめた。労務単価引き上げは95%が評価。23%が『労務単価引き上げを技能労働者の給与(下請代金)に反映させる・させた』と回答した。ただ、引き上げ幅が『小さい・非常に小さい』との回答も41%に上った。給与アップには『ダンピング対策の強化』が最も重要との声が多かった。」(『建設工業新聞』2013.09.30)
●「帝国データバンクは、消費税率の引き上げに対する企業の見解を調査した。調査期間は8月20−31日で、調査対象は全国2万2760社、有効回答企業数は1万1114社、回答率は48.8%だった。消費税率の引き上げで自社の業績に対して『悪影響』を懸念する企業は全体で53.3%(6148社)だったのに対し、『建設(1461社)』は56.9%の832社、『不動産(286社)』は61.2%の175社だった。また、『すでに駆け込み需要がある』と答えたのは全体で8.5%(944社)だったのに対し、『建設』は25.1%(367社)で4社に1社が実感し、『不動産』は半数超の50.3%(144社)が消費税率引き上げまでには駆け込み需要を見込んでいる。…取引先から消費税率の引き上げを理由とした納入価格の引き下げ要請があった場合の『建設』会社の対応は、『承諾する』が6.6%(96社)、『承諾しない』が28.7%(420社)、『条件や企業との関係性による』が49.6%(725社)、『分からない』が15.1%(220社)で、『承諾しない』と答えたのは全体の33.1%を下回っている。」(『建設通信新聞』2013.09.17)
●「日本建設業連合会がまとめた会員98社の8月の受注総額は、前年同月比15.7%増の1兆0046億2700万円で、2006年8月以来の1兆円超えとなった。官民ともに前年同月比増が4月から5カ月続いている。受注総額のうち、国内受注は15.7%増の9776億2500万円、海外(国内法人のみ)は18.0%増の270億0200万円となった。国内受注のうち、民間からの受注は13.8%増の6412億3800万円。民間のうち、非製造業は17.0%増の5423億3900万円で、事務所や店舗、発電所、太陽光発電所などで大型案件の発注があった。…官公庁からの受注は、21.3%増の3350億2200万円となった。国の機関が20.2%増の2011億5700万円、地方の機関が22.9%増の1338億6500万円で、ともに2桁増を確保した。国の機関では、国発注の大型除染業務が複数あった。都道府県は7.2%増、市区町村は63.3%増。市区町村では、学校や文化施設など大型案件が影響した。ブロック別では、北海道が12.4%減、関東が4.5%減、北陸が45.5%減、四国が9.5%減となった一方で、東北が149.9%増、中部が20.8%増、近畿が26.7%増、中国が3.7%増、九州が8.4%増で、特に東北での除染や太陽光発電所の受注が全体を下支えした。」(『建設通信新聞』2013.09.30)
●「東京都は17日、地震発生時の建物の倒壊や火災の危険度を地域ごとにランク付けした『地震に関する地域危険度測定調査』を発表した。調査は2008年以来5年ぶりで、東日本大震災以降では初めて。今回は新たに道路整備状況による消火や救助活動の困難さも加味し危険度を測定した。荒川区や足立区など木造住宅が密集する地域が危険度の上位に並んだ。」(『日本経済新聞』2013.09.18)
●「国土交通省は14年度から、地方都市の中心市街地に住宅や都市機能を集める『コンパクトシティー』づくりを加速させる。病院や介護施設を誘致しやすくする土地整備などへの補助制度を新設。郊外から中心部への移転時に発生する資産売却益に対する税制優遇も行う考えだ。都市機能の集積区域を明確にするための法案も来年の通常国会に提出する予定だ。国交省は、14年度予算の概算要求で、コンパクトシティーづくりの経費として前年度比約82%増の53億円(国費ベース)を計上している。地方都市でコンパクトシティーづくりを加速させる最大の理由は人口減少が始まったこと。総務省によると、日本の総人口は08年に1億2808万人に達したのを境に減り始め、2048年には1億人を下回る見通し。特に地方都市は、東京などの大都市部への人口流出や高齢化が深刻なため、将来、病院や学校、商業施設などを維持できなくなる恐れがある。そこで国交省は、郊外への拡張型だったこれまで地方都市政策を、生活・行政サービスを効率的に提供しやすい中心部への集約型に見直す。」(『建設工業新聞』2013.09.18)
●「東日本大震災の被災地など8県で進められている災害公営住宅(復興住宅)の整備が、2013年度末時点でも計画比14.8%の3716戸にとどまる見通しであることが19日、会計検査院の調べで分かった。用地取得の遅れが主な原因。検査院は『被災者が入居している仮設住宅の耐用年数を考えると、整備を加速する必要がある』と指摘している。」(『日本経済新聞』2013.09.20)
●「国土交通省は、東京圏の都市鉄道の今後の方向性をまとめた調査結果を明らかにした。方向性は、災害リスクに強い鉄道や都市の国際競争力強化に貢献する鉄道など6項目を提示。実現に向けて新たに取り組む課題には、都心地域の業務・商業集積地区と国際空港とのアクセス利便性の向上などを挙げた。調査結果を受け、今年度は抽出した課題に対する具体的な方策を検討する。2000年にまとめた運輸政策審議会答申第18号が15年度に計画期間を終えることもにらみ、次期答申に向けた検討につなげる。」(『建設通信新聞』2013.09.25)