情勢の特徴 - 2014年4月後半
●「住宅の固定資産税と都市計画税の負担が2015年度から重くなる。総務省が建築資材の価格や工事費の上昇を踏まえ、税額の基準になる住宅家屋の資産価値をより高く見積もる方針を固めたためだ。標準的な新築木造の場合は年間の納税額が7%程度上がって5000円近く増え、既存の住宅も納税額が下がりにくくなる。資材価格の高騰が、税負担増という形で消費者に跳ね返る。固定資産税と都市計画税は建物や土地の持ち主に課す地方税。固定資産税の税率は原則として評価額の1.4%。都市計画税は0.3%だが市区町村によって税率は異なり、導入していない自治体もある。新築の場合は固定資産税を3年間半分に減らす措置がある。評価額は総務省が3年ごとに見直し、新基準は来年1月1日時点の持ち主に適用する。家屋の評価額を上げるのは09年度以来、6年ぶり。土地の評価は今秋に見直す。」(『日本経済新聞』2014.04.21)
●「国際協力機構(JICA)は5月にもミャンマー初の近代的工業団地『ティラワ工業団地』の開発会社に10%程度を出資する。開発会社の株主である日本の商社から株式を取得するなどして5億円前後を投じる。ミャンマーは有望市場と位置づけられるが、投資環境が整っていない。日本の官民が連携して製造業進出の受け皿をつくり、ミャンマーヘの企業誘致を後押しする。」(『日本経済新聞』2014.04.23)
●「大型物流施設の新規立地が増えている。2013年度は大型物件が相次ぎ完成し、首都圏の新規供給面積は過去最高となった。インターネット通販や日用品など消費関連の企業が物流の効率化を狙って利用を増やしている。幹線道路沿いなどへの立地が特に目立っている。」(『日本経済新聞』2014.04.23)
●「建設経済研究所と経済調査会は23日、2014年度の建設投資見通し(名目)を発表した。建設投資全体は、前年度比1.8%減の48兆6700億円と予測。政府建設投資は、13年度には及ばないものの、12年度を1割程度上回る水準を維持する。民間建設投資は、非住宅の回復が継続するが、消費増税前の駆け込み需要の反動で住宅が減少し、微増にとどまる。」(『建設通信新聞』2014.04.24)
●「国土交通省関係の14年度予算総額は、国費が5兆1616億円で前年度比2.4%増。このうち、災害復旧を含んだ公共事業関係費は2.3%増の4兆5579億円となった。東日本大震災復興特別会計のうち、同省分には1.0%減の5385億円を計上した。14年度予算で同省は、『東日本大震災からの復興加速』『国民の安全・安心の確保』『経済・地域の活性化』の3分野の事業に重点的に配分し、施策効果の早期実現を図る方針。13年度補正予算と一体となり、公共施設の耐震化、代替ネットワークの整備といったハード面の対策に加えて、防災情報の強化、次世代インフラマネジメントシステムの構築などソフト面からも防災・減災、老朽化対策を進める。」(『建設工業新聞』2014.04.24)
●「環太平洋経済連携協定(TPP)を巡る日米協議は25日午前、大筋合意に至らないまま今回の交渉を終えた。日米両政府はTPPの協議結果や24日の日米首脳会談の合意内容を盛り込んだ共同声明を発表した。TPPは『重要課題について前進する道筋を特定した』と強調。安全保障では、沖縄県・尖閣諸島が日米安全保障条約に基づく米国の防衛義務の対象であると明記した。…TPP協議は24日午後から25日未明にかけて閣僚級や事務方で続けたが、豚肉など農産品にかける関税や自動車分野での溝が埋まらず、大筋での合意にはたどり着けなかった。TPP参加国の中心である日米の協議停滞で、交渉全体の遅れも不可避となった。…日本はコメや麦、牛・豚肉、砂糖、乳製品の農産品を重要5項目として関税を守ることを主張してきた。米国は原則すべての品目の関税をなくすことを要求し、自動車分野でも日本市場で米国車を売りやすくする規制緩和を求めてきた。一定の歩み寄りはあったが、双方の隔たりは埋まらず『一つとして完全にセット(合意)ということはない』(甘利氏)形で協議は終了した。特に日米が対立するのは豚肉の関税と自動車分野だ。日本は国内の養豚業者を守るため、安い輸入肉ほど高い関税がかかる制度をもうけている。日本側は1キログラム64円程度を下回る安い豚肉の関税を4分の1以下に引き下げる譲歩案を検討してきたが、米国側はより厳しい要求をしているとされ、協議が難航したもようだ。自動車では米国が日本市場で米国車をそのまま売れるよう、安全や環境分野の規制を緩める措置を求めている。日本側は強く反発しており、対立は解消できなかったとみられる。今後、日米は実務者同士の協議で改めて着地点を探る見通し。」(『日本経済新聞』2014.04.25)
●「国土交通省は16日、社会資本整備審議会・交通政策審議会技術分科会技術部会『社会資本メンテナンス戦略小委員会』(委員長・家田仁東大大学院教授)の第2ステージとして、点検・診断の資格制度や地方公共団体の支援方策などの確立に向けた議論をスタートした。資格制度の検討を最優先で進める。同省は今夏をめどに制度の枠組みを固め、2015年度から運用開始したい考え。既存の民間資格の活用に当たっては、国が点検や診断・設計時に求める能力・技術を明確化し、国に認定されたい民間資格を公募することを想定している。」(『建設通信新聞』2014.04.17)
●東京都が進める築地市場(中央区)の移転先、豊洲新市場(江東区)の整備費が高騰し問題になっている。建設工事の入札をめぐって疑惑が噴出し、全国市民オンブズマン連絡会などから「談合の疑いがある」「都は工事を凍結すべきだ」と批判の声があがっている。 都は当初、豊洲新市場を2014年度末に完成させる予定だった。東京ガスの工場跡地のため、シアン化合物やベンゼンで高濃度汚染されていたことが判明。汚染対策などに手間取り、完成を15年度末に延期した。しかし、新市場の整備費は09年時点の3926億円から、5500億円にふくれあがる見通しであることが本紙報道(2月1日付)で判明。築地市場の土地を売却しても、新市場整備費の財源をまかなえなくなる可能性が浮上している。…疑惑の入札のひとつが市場施設建設工事の一般競争入札だ。都は13年11月に1回目の入札を行ったが、青果、水産仲卸売場、水産卸売場の3棟とも受注希望者が辞退したため、入札不調となった。ゼネコン側は「建設資材の高騰、職人不足で採算が取れない」と、都に予定価格の大幅引き上げを求めた。このため都は今年2月に再入札を行い、鹿島建設、清水建設、大成建設の大手ゼネコンを中心にした3グループの共同企業体(JV)が、合計1034億円で落札した。ところが、3件とも再入札に参加したのはいずれも1グループだけ。しかも落札率(予定価格に対する落札額の割合)は、平均99.87%と異常な結果となった。(『しんぶん赤旗』2014.04.17より抜粋。)
●「国土交通省は、直轄工事の元請けと1次下請けからの社会保険未加入企業排除実施に当たりマニュアルを作成する。直轄工事に参加する元請企業と1次下請企業の保険加入状況を確認する際の留意点を示すほか、手続きを進める上でのフロー図などをまとめる見込み。加入状況の確認では判断が分かれるケースも見込まれるため、マニュアルを整備して一定の基準示し、取り組みの均一化を図る。早期にとりまとめた上で、8月1日以降の適用を前に全国で統一した取り組みにつなげる。排除に関する仕組みでは、保険未加入の下請企業であっても特別な事情があれば例外的に契約を認める方針としている。具体的には、特殊な技術がありその未加入企業と契約しなければ施工が困難になるケースなどを想定。その場合は下請けの工期内で発注者が指定する期間に保険加入することを条件に設定する。…未加入企業の排除は、8月1日以降に入札公告する案件から適用する。対象は、すべての工事の元請企業と、下請契約3000万円以上の工事(建築一式は4500万円)にかかわる1次下請企業。」(『建設通信新聞』2014.04.21)
●「国土強靭化に向けた施策がいよいよ動き始める。内閣官房の『ナショナル・レジリエンス(防災・減災)懇談会』(座長・藤井聡内閣官房参与)が14日に提示した『大規模自然災害などに対する脆弱・性評価の結果』は、5月に政府がまとめる国土強靭化基本計画のベースとなる。各省庁は基本計画を踏まえて社会資本整備重点計画など各種計画を見直し、都道府県・市町村は国土強靭化地域計画を作成する。基本・地域計画や予算との関係性を整理すると、国土強靭化が『公共事業を増やす』ための政策ではなく、安定・計画的に社会資本整備を進めるための『根拠づくり』の政策であることが改めて浮き彫りになる。…ナショナル・レジリエンス懇談会の脆弱性評価の結果では、45項目に及ぶ国家として『起きてはならない最悪の事態』を未然に防ぐために実施する15分野の施策群ごとに必要となる施策を提示した。…脆弱性評価では、施策群ごとの進捗状況を分かりやすくするため、1−7項目の計71項目の重要業績指標(KPI)を設定している。この指標と進めるべき施策をまとめたものが国土強靭化基本計画になる。」(『建設通信新聞』2014.04.21)
●「国土交通省は、13年度に行った公共工事の施工体制に関する全国一斉点検の結果をまとめた。点検は13年10〜12月、直轄工事1013件を対象に実施。下請契約に関し、『機械費や材料費が不明確』(91件)、『支払い代金に占める現金の比率や手形の期間で改善すべき事項がある』(28件)などのケースが見つかり、受注者に改善を指導した。一斉点検は02年度から行われている。13年度の点検対象は、稼働中工事の約9%で、1013件の内訳は一般工事941件、低価格入札工事23件、重点的に監督指導を実施する工事49件。施工体制台帳や施工体系図については、『台帳に不足がある』(19件)、『体系図の掲示がない』(1件)などの不備が見つかった。元請業者による下請業者への関与では、下請業者の完成検査の実施状況を確認できない(18件)、安全衛生責任者の従事を把握・確認していない(19件)、足場などの点検結果または措置を講じた場合の記録が保存されていない(19件)、作業手順書の有無が確認できない(21件)などが見られた。…元請の地位を利用した不当な要求があるかどうかもヒアリングした。請負代金について、注文者が取引上の地位を不当に利用した(3件)、請負代金の額が通常必要と認められる原価に満たない(1件)などがあった。使用資材の購入強制でも、工事に使用する資材または機械器具を指定され利益を害された(4件)、工事に使用する資機材の購入先を指定され利益を害された(2件)などがあった。」(『建設工業新聞』2014.04.21)
●「総務省は22日、地方自治体が公共施設を計画的に更新や長寿命化などが進められるよう、更新や統廃合などの実施計画となる『公共施設等総合管理計画』の策定を全国の自治体に要請した。計画に盛り込む内容や実施方針をまとめる上での指針も合わせて示し、早期の計画策定を促している。計画期間は少なくとも10年以上とし、施設の管理についてはPPP・PFIの活用に関する考え方も盛り込むことを求めた。計画策定の経費として、今年度から3年間特別交付税による財政措置を講じ、自治体の活動を促進する。」(『建設通信新聞』2014.04.23)
●「国土交通省は25日、仙台空港(宮城県名取市)の運営権を民間に付与する『コンセッション事業』で、PFI法に基づく実施方針を公表した。事業期間は最長65年間。公募で運営権者を選定し、特定目的会社(SPC)が滑走路とターミナルビルなどを一体運営する。国交省は6月に募集要項を公表し、12月から優先交渉権者の選定手続きに入る。民間運営を15年度中に開始できるようにする。事業範囲は、▽空港運営等事業▽空港航空保安施設運営等事業▽環境対策事業▽ビル・駐車場事業―など。」(『建設工業新聞』2014.04.28)
●「国土交通省が建設中の整備新幹線の開業時期を前倒しする検討に入った。北陸新幹線の金沢−敦賀(福井県)間の工期を最大3年短縮して2022年度、北海道新幹線の新函館(仮称)−札幌間を最大5年短くして30年度の開業をめざす。課題となる約5400億円にのぼる財源については、JR各社が将来払う施設利用料を担保とした借り入れや国と地方の追加負担を充てたい考えだ。開業の前倒しは観光振興や企業誘致など沿線の地元経済の活性化が狙いだ。国交省は5月上旬にも開く与党プロジェクトチーム(PT)の会合で同省案を提示。与党案の取りまとめを経て、年末にかけて財務省との調整を本格化させる。」(『日本経済新聞』2014.04.30)
●「公共工事設計労務単価が2月に引き上げられたのに伴い、自治体でのスライド条項の活用に関する関心が高まっている。国土交通省が発注方法や積算などについて国や自治体から問い合わせを受け付ける『公共建築相談窓口』には、2、3月に活用に関する相談が増加。手続きや受注者との協議、書類の作成などについての方法についての相談が目立ったという。自治体の工事でスライド条項を活用する機会が少なかったこともあり、適切な対応を実施しようとする自治体の姿勢が現れた格好だ。」(『建設通信新聞』2014.04.30)
●「建築設備会社が外国人・留学生の定期的な採用に注力し始めた。日刊建設通信新聞社が建築設備会社34社(電気系20社、空調系14社)を対象に、外国人留学生の採用を調査したところ、電気系が7社、空調系は10社と、合わせて全体の半数に当たる17社が2013−15年の間に採用実績、あるいは採用計画があると回答した。…各社の外国人留学生の採用状況をみると、13年は1−3人と全体の採用数から見てもまだまだ少数だが、『未定』も含め今春は『ゼロ』だった企業も来春、あるいは15年に採用を計画している企業が徐々に増えつつある。…一方、採用が競合する大手電機メーカーをみると、多様な人材を確保するため、外国籍の人材を対象としたグローバル採用、留学生採用を強めているほか、大学、大学院、高専卒の約10%は海外出身者(外国人)を計画したり、海外の大学への留学生を始めとする就業ニーズのマッチングを強化するため10月新卒入社を制度化している企業もある。」(『建設通信新聞』2014.04.16)
●「日本建設業連合会(中村満義会長)は、建設技能労働者の年収を20歳代で約450万円、40歳代で約600万円を目指すとした方針を決めた。18日の理事会で、2009年5月にまとめた『建設技能労働者の人材確保・育成に関する提言(基本方針)』の見直し内容を決定。年収目標や重層下請改善に向けた次数目標の設定などを揚げた。社会保険未加入対策では、14年度中に民間工事を含めたすべての工事で1次下請会社を社会保険加入業者に限定する。下請契約のコスト構造明確化や、重層下請構造や雇用関係の正確な実態把握、偽装請負や中間搾取の排除なども示した。『建設技能労働者の人材確保・育成に関する提言』のうち、09年の基本方針で示した優良技能者の標準年収約600万円以上という年収目標は、全産業労働者の平均レベルである年間労務賃金水準的530万円、20歳代で約450万円、40歳代で約600万円と設定し直した。基本的には全産業平均を目指す格好だが、年代別年収カーブを全産業平均に合わせるのではなく、現在の建設業の年代別平均年収カーブをそのまま持ち上げるイメージだ。全産業平均と差のないレベルまで20歳代の年収を引き上げることで若年世代の入職を促進し、今後の産業間人材確保競争を乗り切る狙いがある」(『建設通信新聞』2014.04.21)
●「国土交通省は、建設分野の外国人材活用に向けて監理団体の実態調査に乗り出す。監理団体の現状の実数を洗い出した上で、外国人を受け入れる際にどういった活用ができるのか探る見込みだ。外国人材の受け入れでは、建設分野に関する監理団体の認定を現行制度の規定より厳しくする方針が示されており、同省は調査を踏まえて監理体制の強化策にもつなげる。」(『建設通信新聞』2014.04.22)
●「4月1日付で発令された東京都幹部人事に定年退職を迎えた技術系職員の『再任用』が目立つ。背景にあるのは官民双方で深刻化する技術系人材の不足だ。景気対策による建設需要の拡大に加え、特需とも言える2020年五輪への対応など、『技術力の維持』と『マンパワーの確保』は発注者サイドでも喫緊の課題になっている。人材不足の影は、民間企業のみならず、日本最大の自治体にも確実に忍び寄っている。団塊世代の大量退職を背景に『技術継承』の必要性が強く訴えられるようになって久しい。都も例外ではない。建設局の『建設技術マイスター制度』や水道局の『東京水道技術エキスパート認定制度』、港湾局の『技術パイロット制度』など、都庁内では各局が職員の技術継承を重要課題の1つとしてとらえてきた経緯がある。五輪の開催やインフラの高度化など、技術職員に求められる役割が一層の高まりを見せる中、将来を見通した技術職員の採用や人材育成のあり方など、より『優秀な人材』を確保することが局を超えて全庁的な共通課題になっている。」(『建設通信新聞』2014.04.24)
●「厚生労働省の外部有識者検討会は24日、建設現場の仮設足場からの墜落防止措置に関する提言骨子をまとめた。まず必要な安全衛生経費を確保して施工者に行き届かせる必要性を指摘。厚労省と国交省が連携し、発注者に安全確保に必要な積算を行うよう周知するとした。提言を受け厚労省は、発注者や元請施工者向けに必要な安全経費を確保する積算の必要性や、運用中の建設現場の各種安全規制など紹介するパンフレットを国交省と合同で作る方針だ。『足場からの墜落防止措置の効果検証・評価検討会』(小林謙二座長)がまとめた提言骨子によると、厚労省と国交省が連携して墜落防止対策に取り組むことが適当と指摘。発注者に必要な安全衛生経費を確保する積算を行うよう周知徹底を図る必要があるとしたほか、▽一人親方の災害に関する情報収集と元請施工者に対する指導の徹底▽一人親方の労災保険への特別加入の促進▽法定福利費の確保や建設業団体と連携した重層下請構造の改善―などの取り組みを両省連携で進めることを求めた。」(『建設工業新聞』2014.04.24)
●「トルコとアラブ首長国連邦(UAE)への原発輸出をそれぞれ可能にする原子力協定が18日午前の参院本会議で、自民、公明、民主各党の賛成多数で承認された。今夏にも発効する見通し。安倍政権は原発輸出を成長戦略の一つと位置付けており、日本企業のビジネス機会の拡大につながると期待されている。…同協定は核物質の輸出や原子力関連技術を供与する際、軍事目的での利用や第三国への移転に歯止めをかけるために結ぶ2国間の取り決め。これにより原発輸出への条件が整う。」(『日本経済新聞』2014.04.18)
●「北海道、東日本、西日本の公共工事前払金保証事業会社3社は16日、3月に実施した13年度第4回(14年1〜3月期)の建設業景況調査結果を発表した。『地元建設業界の景気』に関するBSI(景況判断指数=「良い」との回答割合から「悪い」との回答割合を引いた値)は6.5。13年7〜9月期の2.5、同10〜12月期の8.5に続く3期連続のプラスとなり、良い傾向が続いていることが分かった。業況のBSIは3期連続でプラスとなったが、数値自体は前期と比べ2.0ポイント低下。業況判断に影響するとみられる受注のBSIも2.0と、業況と同じく前期より2.0ポイント下がった。」(『建設工業新聞』2014.04.17)
●「全国建設産業教育訓練協会の才賀清二郎会長(建設産業専門団体連合会会長)と建設業振興基金の内田俊一理事長が24日、富士教育訓練センター(静岡県富士宮市)の建て替えについて、太田昭宏国土交通相に計画内容を報告した。建設産業の将来を担う中核的技能労働者・技術者の育成と若年者の建設産業への入職促進を行う広域的職業訓練施設として充実を図るのが狙い。14年度中の着工に向け、工事を手掛ける事業者を設計施工一括方式で決める。建て替え事業費は30億円。運営主体の全国建設産業教育訓練協会と所有者の建設業振興基金に加え、厚生労働省の助成金も活用。さらに業界団体などから拠出してもらう資金も充てる。」(『建設工業新聞』2014.04.24)
●「日本建設業連合会(中村満義会長)がまとめた会員97社の2013年度(13年4月−14年3月)の受注総額は、前年度比20.7%増の13兆8971億1600万円となった。11年度以前の調査対象となる旧48社での比較では20.8%増となる。国内計、民間、官公庁いずれも3年連続の増加で、民間はリーマン・ショック前の08年度の水準にまで回復した。 13年度の国内受注総額(97社)は、18.6%増の13兆0371億2200万円。海外受注は、65.2%増の8599億9400万円となった。国内のうち、民間受注は13.9%増の8兆9226億2800万円、官公庁は全12カ月が前年同月を上回り、30.5%増の4兆0992億7200万円となった。」(『建設通信新聞』2014.04.25)
●「全国生コンクリート工業組合・協同組合連合会(全生連)は25日、13年度の生コン出荷実績を発表した。総出荷量は前年度比7.3%増の9885.0万立方メートルと3年連続のプラス。内訳は、官公需が10.0%増の4372.6万立方メートル、民需が5.3%増の5512.5万立方メートルで、官公需は2年連続、民需は4年連続で前年度を上回った。地区別に見ると、九州が前年度比15.9%増と最も大きく伸びた。大型台風に伴う災害復旧工事により各県で需要が軒並み増加したのが要因。東北は15.6%増と、引き続き東日本大震災の復興需要で堅調に推移している。全体では、関東二区を除く9地区で前年度を上回った。」(『建設工業新聞』2014.04.28)
●「伊豆大島(東京都大島町)は16日、36人が死亡、3人が行方不明となった土石流災害から半年を迎えた。梅雨を前に緊急の砂防工事が始まり、町も復興計画の策定を急ぐ。だが、今も被災者の仮設住宅暮らしは続き、大地はえぐられたままだ。復興への道のりは長い。土石流災害は昨年10月16日未明に台風26号に伴う大雨で発生。建物被害は約400様に及んだ。島の仮設住宅には31世帯69人が暮らしている。…町は2月、復興計画策定委員会を設置。被災者の生活再建策やインフラ整備の方針を9月までにまとめる。都も3月末に災害対策を決めたが、被害の大きかった元町地区で、土石流が発生した場合に砂防ダムへと導く応急施設の建設を始めたばかり。斜面が崩れないよう補強する本格的な工事は2017年以降も続く見通しだ。」(『日本経済新聞』2014.04.16)
●「中心市街地に大規模商業施設を整備する民間事業者への支援策などを定めた改正中心市街地活性化法が、18日の参院本会議で可決、成立した。空洞化が進む中心市街地への来訪者増につながる効果が高い民間プロジェクトを認定する制度を創設し、財政支援の拡充や税制優遇措置、立地手続きの簡素化など行う。同法を所管する経済産業省は14年度予算で、中心部に大規模商業施設を整備する民間事業者に国が建設費の3分の2を補助する制度を設けるため、6.9億円を確保した。建物や付属設備などについて5年限定で30%の割増償却を認めたり、土地・建物の取得時にかかる土地登録免許税の半減といった税制優遇措置も導入する。」(『建設工業新聞』2014.04.16)
●「内閣府は18日、東京電力福島第1原発事故の被害が続く福島県内の3自治体について、職業など住民の生活状況に応じた被曝線量の推計値を公表した。今夏にも一部地域の帰還を目指す川内村では、除染済みにもかかわらず、国が長期目標とする年1ミリシーベルトを超えるケースがあった。いずれの場合も国が住民帰還の基準とする年間20ミリシーベルトを下回ったが、近く帰還を予定する地域でも職業によっては年3ミリシーベルトに達しており、住民の帰村判断や政府の帰還政策に影響を与える可能性もある。…内閣府の原子力被災者生活支援チームは昨年8〜9月、福島県川内村、田村市都路町、飯館村の3地域を対象に空間線量を調査。個人の属性を農業、林業、教職員、事務員、高齢者に5分類した上で被曝量を推計した。今年7月にも帰還を目指す川内村の避難指示解除準備区域では、農業従事者が年3ミリシーベルト。同村で最も線量が高かったのは、居住制限区域の林業従事者で5.5ミリシーベルトだった。」(『日本経済新聞』2014.04.19)
●「全国に約100万戸以上あるとされる耐震性が不足した老朽マンション。早急な改修や建て替えの必要性が指摘される中、マンション建て替え円滑化法の改正案が今国会に提出されている。改正案は、マンションの住民による『建物と敷地の一括売却』を行いやすくする点が大きな柱。改修や建て替えに代わる『第3の道』として活用が期待されることから、デベロッパーなどの間で歓迎の声が上がっている。改正案で国が新たに打ち出したのは、『区分所有関係解消制度』と呼ぶ新たな仕組みだ。現行制度では、マンションの改修や建て替えは区分所有者の多数決によって実施できるが、区分所有関係を解消し、建物と敷地を一括売却して金銭で分配するには、民法の規定により全員の同意が必要になる。新制度では、耐震性が不足している老朽マンションを対象に、区分所有者の80%の賛成があれば一括売却を決議できるようにする。売却後は、買い取ったデベロッパーが建て替えを行い、住民側は新しいマンションに住戸を再購入するか、他の住宅に住み替えるかを選ぶことができる。新制度を活用すれば、住民の選択肢が増えるため、合意形成が容易になるとみられている。…今回の法改正案には、耐震性不足の老朽マンションを建て替えて耐震性を確保するなどした場合、新築するマンションの容積率制限を緩和する特例措置も盛り込まれている。増えた床を売却して新築費用に充てれば住民の費用負担を減らすことができ、建て替え促進に有効とみられるからだ。それでも懸念材料は少なくないと業界関係者はみる。…このところ加速する建設コスト高騰の影響も大きい。何年もかけて住民の合意を形成しても、想定と実際の費用が大きく食い違ってしまう事態が起きつつある。」(『建設工業新聞』2014.04.21)
●「衆院国土交通委員会は15日、地方都市の中心部に職住機能を集約する『コンパクトシティー』の形成を目指す都市再生特別措置法改正案を可決した。衆院本会議で可決した後、参院に送られ、今国会で成立する見通しとなった。…改正案は、地方都市で住民の高齢化が進行し、市街地が拡散して低密度化が進む中、都市機能や行政サービスの低下が懸念されている問題を解決するのが目的。市町村が居住機能や福祉、医療、商業などの都市機能の立地や公共交通の充実に関するマスタープランとなる『立地適正化計画』を作成。これに基づき、都市機能への民間投資や居住を効果的に誘導する。生活サービスを誘導する『都市機能誘導区域』と人口密度を維持する『居住誘導区域』を設けるとともに、公共交通を軸とするまちづくりを通じてその維持・充実を図る。」(『建設工業新聞』2014.04.21)
●米大企業の最高経営責任者(CEO)が得ている異常な高額収入に改めて批判が集まっている。米労働総同盟産別会議(AFL・CIO)は15日、大企業350社のCEOが2013年に得た収入の平均は、労働者の平均収入の331倍だったとする報告書を出した。これらCEOの平均収入が1170万ドル(約11億9000万円)だったのに対し、労働者の平均収入は3万5293ドル(約360万円)。最低賃金(現在は時給7.25ドル=約740円)で働く労働者と比較するとCEOの平均収入は774倍にもなる。(『しんぶん赤旗』2014.04.18より抜粋。)