情勢の特徴 - 2014年6月前半
●トヨタ自動車(豊田幸男社長)は、2008年度から12年度の5年間という長きにわたり法人税(国税分)を1円も払わない一方、株主には1兆円を超える配当をしたうえ、内部留保も増やしている。…トヨタ自動車が「法人税ゼロ」となったきっかけは、08年のリーマン・ショックによる業績の落ち込みだった。企業の利益にかかる法人税は赤字企業には課せられない。しかし、その後業績は回復し、この5年間に連結で2.1兆円、単体でも0.9兆円の税引き前利益をあげている。それにもかかわらず、法人税ゼロとなったのは、生産の海外移転にともなう収益構造の変化によって、大企業優遇税制の恩恵をふんだんに使える体質をつくり出したからである。(『しんぶん赤旗』2014.06.01より抜粋。)
●「財務省が2日発表した2014年1〜3月期の法人企業統計によると、金融機関を除く全産業の設備投資は12兆2307億円と前年同期に比べて7.4%増えた。増加は4四半期連続で13年10〜12月期の4.0%増から伸び率が高まった。非製造業の設備投資が鉄道会社の投資拡大などで7.7%増と大きく伸びた。経常利益は前年同期比20.2%増の17兆4552億円となり、過去最高となった。業績の大幅改善で企業の投資への意欲が高まったようだ。」(『日本経済新聞』2014.06.02)
●千葉県商工団体連合会(県連)が4月1日〜20日にかけて実施した「消費税増税・緊急実態調査」で、8%増税後、中小業者の6割超が転嫁できてないことが判明した。5割超の中小業者が、昨年同時期と比べて売り上げが減少し、今後さらなる売り上げ減を懸念している。…4月1日の8%増税実施後、消費税を転嫁できているのかを聞いたところ、「完全にしている」が39.8%にとどまる一方で、「部分的にしかできない」(41.7%)と「全くできない」(18.5%)の合計は60.2%に上った。(『全国商工新聞』2014.06.02より抜粋。)
●「政府・与党は現在約35%の法人実効税率を2015年度から引き下げる方針を固めた。経済財政運営の基本方針(骨太の方針)に明記する。…政府・与党は年末にかけて減税の代替財源を検討する。財務相はこれまで法人減税に慎重な婆勢を示していた。財務相が来年度からの引き下げを初めて容認したことで、政府内の意見が一致した。財務相は『法人税率を引き下げた分の減収をまかなう恒久的な財源が必要』とも述べた。法人実効税率を1%下げれば、約5000億円の税収が必要だ。」(『日本経済新聞』2014.06.03)
●「政府は、昨年5月にまとめたインフラシステム輸出戦略を改訂した。インフラの調査・設計から施工、維持管理までをシステムとして受注できるよう、官民連携の推進策や担い手確保・育成策、新たなインフラ分野への進出支援策など新たな施策を盛り込んだ。円借款の活用では、事前資格審査と本体入札の一本化や標準入札書類の使用義務化による手続きの迅速化、セクター・プロジェクト・ローンの本格活用などを推進する。円借款の活用は、日本の技術やノウハウを途上国に積極的に提供できるようにするのが狙い。日本企業の参画が期待できる円借款案件で、事前資格審査と本体入札の一本化や、標準入札書類の仕様義務化を徹底させ、事業の迅速化を目指す。…一方、官民連携の推進では、首相や閣僚がトップセールスした案件をフォローアップするため、在外公館や日本貿易振興機構(JETRO)、国際協力機構(JICA)、関係企業が連携を密接にすることを新たに確認した。政府や民間が一丸となったトップセールスに加え、制度改正や契約条件の改善に生かす。」(『建設通信新聞』2014.06.05)
●「政府の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)が9日開かれ、経済財政運営と改革の基本方針『骨太方針』の骨子案が提示された。社会資本整備については、PPP・PFIなど民間活力を最大限に発揮させつつ、国際競争力強化や地域活性化、国土強靭化、防災・減災、老朽化対策などの諸課題に、優先順位を明確にして計画的に対処すると記載。また、マネジメント重視へ転換するとした。…骨子案では、新たなステージを迎えつつある復興をさらに加速し、原子力発電所の廃炉・汚染水対策には国が前面に立って取り組むと強調。人口減少・高齢化が進む中で、『新しい東北』を日本や世界のモデルにするとした。将来的な中小規模自治体の消滅も指摘される中、50年後も1億人程度の安定した人口構造の保持を目指すとの目標を打ち出し、少子化対策に最大限注力する考えを示した。オープンな国づくりという観点では、外国人材の活用は移民政策ではないと明確にした上で、技能実習制度の見直しや国家戦略特区の枠組みで活用を検討するとした。エネルギーのコスト高対策や安定確保については、原子力規制委員会の判断を尊重し、原発を再稼働すると明文化。国土強靭化基本計画などに基づき、南海トラフ地震や首都直下地震といった大規模災害対策を推進する姿勢も鮮明にした。」(『建設通信新聞』2014.06.11)
●安倍晋三政権は外形標準課税の強化を検討している。これは、黒字大企業の法人課税負担を減らすために、赤字企業の税負担を増やすもの。また、企業にとって人件費を減らす圧力となる、リストラ促進税制である。外形標準課税とは、事業規模など外観(=外形)から判断できる基準で課税額を決める方式です。会社のもうけ(税引前利益)に税率をかけて算出する国税の法人税と違って、赤字でも課税される。外形標準課税は、地方税である法人事業税の一部に適用されている。法人事業税に外形標準課税が導入されたのは2004年度。企業のもうけにかかる税をそれまでの9.6%から7.2%へ削減し、削減した部分に外形標準課税を適用した。外形標準課税の部分では、従業員の賃金総額や単年度利益などの「付加価値」の額や「資本金」などを基準に課税するようになった。…外形標準課税の導入によって、利益が上がっている企業ほど税負担が減少した。一方で、赤字企業も法人事業税を負担するようになった。(『しんぶん赤旗』2014.06.11より抜粋。)
●「国土交通省は、公共工事設計労務単価を改定する際の判断材料とする労務費調査を7月に実施する。賃金水準の上昇が続いているとみられることから、例年10月に実施している公共事業労務費調査とは別に実施。10月調査は約1万3000件の工事が対象となっているが、今回の調査ではそのうちの2割程度を対象とする方向だ。6月中に、選定した工事を元請企業に通知する。調査をもとに単価改定の是非を判断していく。」(『建設通信新聞』2014.06.02)
●「財政健全化に向けて財政制度等審議会(財務相の諮問機関、会長・吉川洋東大教授)が5月30日に公表した報告書で、公共事業予算に関する表現が変化した。昨年同時期の報告書には『効率化』『合理化』など予算の抑制を示唆する用語が見られたが、今年は新規投資を『厳選する必要がある』などと出てくる程度。予算削減を声高に求めてきた財政当局のこれまでの主張から『潮目が変わった』(国土交通省関係者)との見方が広がっている。 この時期に財政審が出す報告書は政府が今月まとめる経済財政運営の基本方針『骨太の方針』に反映され、骨太の方針は15年度予算編成の出発点となる。…今回まとまった報告書のうち、公共事業の個別項目で予算抑制を想起させるのは『重点化』と『厳選」の二つ。社会保障の項目では具体的な歳出抑制策が列挙されたが、公共事案ではインフラの老朽化対策や建設労働者の不足対策などに関する記述が大半を占めた。」(『建設工業新聞』2014.06.03)
●「政府は3日、国土強靭化基本計画を閣議決定した。南海トラフ巨大地震や首都直下地震といった大規模災害が発生しても、人命を保護して被害を最小化し、迅速な復旧復興を可能にすることなどを基本目標に掲げた『国のリスクマネジメント』の大方針が定められた。毎年度策定するアクションプランに基づき、耐震化の推進やハザードマップの作成といったハード・ソフト対策が総合的に講じられることになり、ハード対策の大部分を担う建設産業界にとっては、計画的・安定的な公共投資の確保など、将来を見通せる市場環境の形成につながることが期待される。今後注目されるのは、都道府県や市町村が作る地域強靭化計画の行方。政府は国土強靭化の全国展開を図るため、地域計画の策定ガイドライン案を併せて公表したほか、先行的に計画づくりに取り組むモデル団体も選定した。基本計画は、防災や国土形成、社会資本整備など国土強靭化に関するさまざまな計画の指針として、それらの上位に位置する『アンブレラ計画』となる。住宅・都市分野であれば密集市街地の火災対策、エネルギー分野では地域間融通能力の強化というように、施策分野ごとの推進方針などを打ち出している。…国士強靭化基本法には、地方公共団体が国土の強靭化を推進する責務も定められている。都道府県や市町村が策定する地域強靭化計画は、国の計画の下に存在するのではなく、地域特性などに応じた同列の計画。つまり、国と地方の各計画が両輪となって、国土全体を強靭化していくことになる。」(『建設通信新聞』2014.06.04)
●「国土交通省は、防災インフラの輸出戦略を産学官で検討する『日本防災プラットフォーム』を4日設立する。自然災害が多い東南アジア各国やトルコなどを照準に、防災インフラ関係の案件を発掘・形成し、日本企業の技術・製品の輸出促進につなげるのが狙い。同一案件での競合を回避するため新組織に参画する企業同士でのコンソーシアムの組成なども後押しする。…当面の輸出重点対象国として、▽べトナム▽タイ▽ミャンマー▽インドネシア▽トルコ▽南アフリカ―の6カ国を想定。いずれも国交省が相手国政府と防災分野で継続的な協力体制を築く『防災協働対話』の覚書を交換している。」(『建設工業新聞』2014.06.04)
●「川崎市は、建設工事などの入札に使う最低制限価格と低入札調査基準価格の算定方法を見直すとともに、設定範囲を現行の予定価格の80〜90%から80〜95%に引き上げる。ダンピング受注の防止や受注業者の適正利潤確保などを定めた改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)が成立したのを踏まえた措置。9日以降に公告・指名通知する入札から適用する。」(『建設工業新聞』2014.06.04)
●「国土交通省などは、今国会で成立した改正公共工事品質確保促進法が4日に全面施行され、併せて改正した建設業法が一部施行されたことを周知するため、建設業団体や都道府県・政令市とその議会事務局に、改正法の適切な運用への協力などを求める通知を送った。改正入札契約適正化法など今後段階的に施行される部分を含め、今回の3法一体改正の内容を整理して解説。国が地方公共団体や業界の意見を聞きながら作る品確法の運用指針について、発注者共通のルールとすべく、今後本格化する策定作業への協力も要請している。」(『建設通信新聞』2014.06.09)
●「建設費の高騰と人手不足を受けて、公共施設の整備を延期・凍結する自治体が相次いでいる。埼玉県秩父市は新庁舎の建設工事の延期を決定。千葉県木更津市は新庁舎の整備を建設コストの上昇が落ち着くとされる2020年東京五輪後に先延ばしする。東京23区でも豊島、練馬、中央の3区が公共施設の整備計画を次々に凍結した。仕様変更など自治体も工夫を凝らして発注しているが、苦しい対応が続いている。」(『建設工業新聞』2014.06.09)
●「東京都の舛添要一知事は10日、都議会定例会の所信表明で、2020年東京五輪・パラリンピックの会場整備計画を見直す方針を明らかにした。建設コストの高騰などが理由。施設を常設とせず仮設にしたり、既存施設を活用したりすることなどを検討する。今後、五輪組織委員会と見直し作業を進める。…都は10の常設施設の新規建設を計画。しかし、建設資材の価格や人件費の上昇で、総額約2300億円を見込んでいた建設工事費が大幅に膨らむ可能性が出ていた。今後は、施設の仮設化や既存施設の活用、建設予定地の変更などを検討する。選手村から半径8キロ圏内に全会場の85%が収まる『コンパクト』な会場配置が見直される可能性もある。」(『日本経済新聞』2014.06.11)
●「2020年東京五輪のメーン会場となる国立競技場(東京都新宿区霞ヶ丘町10の1ほか)の改築計画で、現競技場の解体工事の施工者を決める2件の一般競争入札が9日、不調に終わった。事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)は、入札のやり直しに向けて再公告の準備に入る。JSCの当初の予定では7月に解体工事に着手、15年9月30日の解体完了を目指していたが、遅れる可能性がある。…いずれもWTO政府調達協定が適用される大規模工事で、金額や施工体制などで応札者側とJSC側の折り合いが付かず、不落札と決定したという。」(『建設工業新聞』2014.06.11)
●「自民党は、インフラを公共機関が保有したまま運営を民間に委ねる公共施設等運営権(コンセッション)を柱にPPP・PFIを推進しやすくするため、その方策をまとめた新たな法律を議員立法で整備する方針を固めた。地方自治体にコンセッションの導入を促す新たな支援策を柱に据える。国の担当者が自治体を訪ねて普及啓発や技術支援を行う『地域活性化パトロール』の実施などを盛り込む考え。最短で次期臨時国会に法案を提出し、その次の通常国会での成立を目指す。」(『建設工業新聞』2014.06.12)
●完成までに「900年」かかるとされ、無駄な公共事業の典型の国土交通省のスーパー堤防整備事業。東京都江戸川区の建設予定区域では、住民に住み慣れた場所からの退去を迫って事業をゴリ押しする一方で、大手不動産のマンション建設を容認するという事業の破たんぶりが浮き彫りになっている。…地元では18班地区と呼ばれるこの地域。スーパー堤防計画で、盛り土を予定する地域だ。この地域の開発に江戸川区は計画当初から推進姿勢です。2009年にスーパー堤防事業が凍結となり、国が一時撤退した際、区は18班地区を区画整理事業の対象地域に指定し、事業に固執。区画整理の指定前から職員が18班地区を連日、戸別訪問や測量をしてきた。88軒あった地権者のうち21軒が先行買収で転出。現在、7軒に。区は昨年12月、立ち退きできない住民や反対する住民に「催告書」24通を送付。さらに、強制的に住宅を解体する「直接施行」の費用2400万円を予備費から計上し、追加の予算8000万円を6月区議会に提案している。7月以降、強行する構えをみせている。(『しんぶん赤旗』2014.06.15より抜粋。)
●「建設業の担い手不足に対し、県単位で行政と地元業界、教育機関が連携して、担い手確保・育成へ向けた取り組みが、各地域で始まっている。熊本県は5月30日、建設業団体と教育機関も参加した人材確保・育成のあり方検討会を発足させた。…行政や地元建設業界などが連携して人材不足対策に取り組む動きは、3月に新潟県で県のほか北陸地方整備局や業界団体が、雇用・教育の側面からも議論を行う意見交換会を発足させた。4月には山口県で行政機関と地元建設業界のほか教育機関や就業支援機関が一体となって県内の建設産業担い手確保・育成を行う協議会がスタートしたほか、5月には東京都が供給力不足が特に鮮明になっている型枠大工と鉄筋工の2職種の入職支援を始めるなど、各地での担い手確保・育成へのさまざまな取り組みが広がっている。都道府県単位で地元建設業界と連携して、人材不足対策の具体的な取り組みが広がっているのは、建設市場を担う人材不足が、主要産業の中で雇用統計でも供給力不足が一番深刻な状況にあることが理由だ。」(『建設通信新聞』2014.06.03)
●「厚生労働省は3日、公的年金の長期的な財政について8つのケースの見通しをまとめた。ほぼゼロ成長が続き、女性や高齢者の就労が増えない3つのケースでは、約30年後までに会社員世帯の年金水準は政府が目標とする現役会社員の収入の50%を下回る。50%を維持する5ケースも年金の運用利回りが4%台など強気のシナリオが前提だ。将来の年金が減るという若年世代の不安を和らげるには、女性の就労促進に加え、現在の高齢者への給付抑制など抜本対策も急ぐ必要がある。」(『日本経済新聞』2014.06.04)
●「厚生労働省は、東京電力福島第1原発事故で、緊急作業に従事した約2万人を生涯にわたって追跡調査する研究班を今秋までに立ち上げる。対象となるのは、国が緊急時の累積被ばく放射線量の限度を100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに引き上げた11年3月から12月までの間に緊急作業に従事した人。累積被ばくによる健康影響を調査するほか、心理的影響も調べる。…調査期間は原則として生涯。被ばく線量の高い人や低い人を比べ、健康状態の違いなどを調査する。統計上の有意差があった解析結果だけではなく、差がなかった結果も公表する。」(『建設工業新聞』2014.06.05)
●安倍政権は、民間に賃上げを要請する一方で、公務員に対して新たに恒久的な賃下げをねらっている。「給与制度の総合的見直し」だ。…国家公務員には2012年度から2年間、平均7.8%の賃下げが実施された。東日本大震災の復興財源捻出を口実に、消費税増税の「露払い」として政府が「身を切る」と強行したもの。さらに昨年、安倍政権は地方自治体に対し、国に準じた地方公務員の賃下げを「要請」し、地方交付税の削減で実質的に強要した。…一方で、政府は昨年11月、減額措置の終了を決めた閣議決定で、総人件費の抑制などを引き続き 推進すると表明。人事院も「給与制度の総合的見直しに向けた検討をすすめ、必要な勧告をおこなっていく」との総裁談話を発表した。人事院は今夏、賃下げの具体的な中身を勧告するとみられる。(『しんぶん赤旗』2014.06.05より抜粋。)
●「厚生労働省の『足場からの墜落防止措置の効果検証・評価検討会』(座長・小林謙二関東学院大教授)は5日、報告書案をまとめた。足場の組み立て・解体・変更作業時に、安全帯を安全に取り付ける設備がないときの作業を禁止するなど、5項目を労働安全衛生規則(安衛則)に新たに盛り込み、足場からの墜落防止対策の規制を強化する。今後、正式に報告書をまとめ、その内容を踏まえて厚労省は、2014年度内に安衛則の改正作業を進める。15年度内にも改正安衛則が施行されることになりそうだ。報告事案によると、安衛則で新たに規則化する内容として、▽足場の組み立てなどの作業時に、安全帯を安全に取り付ける設備がないときの作業禁止▽労働者がこうした業務に就くときは特別教育の受講を義務付け▽足場での通常作業時の墜落防止対策として、足場の床材と建地とのすき間について一定の基準を新設▽通常作業で必要上臨時に交さ筋かいや手すりを取り外すとき、労働者に安全帯を使用させ、取り外す場所で作業をする労働者以外の者は立ち入り禁止▽足場の組み立てなどの後、足場での作業開始前に実施する点検と、点検結果保存の義務化を事業者に加え、注文書にも適用――の5項目を盛り込んだ。」(『建設通信新聞』2014.06.06)
●低所得のために国民健康保険料・税が減額となる世帯が2012年度は885万世帯を超え、過去最多になったことが7日、明らかになった。総務省が調べた「市町村民税課税状況」によるもの。国保料をめぐっては、高すぎて支払えず国保証を取り上げられるなど問題がある。専門家は「負担能力のない非正規雇用の人たちが増え、社会保険に入れず国保に集中している。貧困と格差のあらわれの1つだ」と指摘している。調査によると、12年度に政令によって国保の減額対象となった世帯は885万49世帯で国保加入全世帯の43.7%。減額対象世帯の被保険者数は、1439万352人で41.5%にのぼった。(『しんぶん赤旗』2014.06.08より抜粋。)
●「政府は『働き手』としての外国人の受け入れを広げる。外国人が日本で技能を学びながら働く技能実習制度を拡充し、介護や販売関連の業務も対象にする。高度な技術を持つ専門家や、日本企業の海外子会社で働く外国人が国内でも働きやすくする方向だ。家事を手伝う外国人も地域を限って受け入れる。人口減に伴う働き手の不足を外国人も活用して補い、経済成長を目指す。」(『日本経済新聞』2014.06.11)
●「国土交通省は12日、2013年10月の公共事業労務費調査の中で実施した、社会保険加入状況の集計結果を公表した。雇用・健康・厚生年金の3保険加入率は、企業単位が90.0%、労働者単位が61.7%となり、それぞれ前年度より2.7ポイント、3.8ポイントのプラスとなった。地方別や元下の次数別にみても、加入割合は全体的に上昇傾向を示している。企業別の1次下請は9割を超え、2次、3次下請も2年前に比べて10ポイント程度上昇した。法定福利費を含めた設計労務単価のアップなど、昨年来国が矢継ぎ早に打ち出した保険加入促進策の効果が、着実に表れてきていると言えそうだ。…次数別の3保険加入割合は、企業単位で元請が96.7%、1次下請が90.8%、2次が81.8%、3次が76.3%。労働者単位ではそれぞれ80.1%、59.5%、50.9%、48.8%となっており、いずれも前年度より上昇した。企業別の集計結果を職種ごとにみると、電工(加入率96%)や配管工(95%)、土木一般世話役(同)は加入率が高く、それに比べ鉄筋工(78%)や型わく工(83%)、と示工(84%)などは低い。従来と同様だが、企業規模が小さく、高次の下請けになるほど加入割合は低い傾向にある。労働者別では、日給制(二日雇い・臨時)の給与形態であったり、19歳以下の若年層と60歳以上の高齢者層の加入率が低いことが分かる。」(『建設通信新聞』2014.06.13)
●安倍育三政権は、労働時間ではなく成果で賃金を決める「新たな労働時間制度」の創設に動きだした。残業や深夜勤務をしたら割増賃金を払う労働時間ルールの適用除外制度をつくり、労働者を成果で競争させ、際限なく働かせる仕組みをつくるものだ。…安倍政権は、第1都政権の2007年にも「ホワイトカラー・エグゼンプション」という事務系労働者にたいする労働時間適用除外制度の導入を企て、労働基準法改定案を国会に出そうとした。しかし、「残業代ゼロ法案」「過労死促進法案」という世論のきびしい批判をあびて、断念している。それを再び持ち出したのが、今回の「新しい労働時間制度」だ。4月22日の政府の経済財政諮問会議と産業競争力会議の合同会議で産業競争力会議の長谷川閑史雇用・人材分科会主査(武田薬品社長)が制度創設の基本的な考え方を提案した。「労働時間ベースではなく、成果ベースの労働管理を基本(労働時間と報酬のリンクを外す)」とする労働時間制度を創設するという内容だ。…11日に開かれた関係閣僚会議では、対象の労働者を「年収1000万円以上」とし、仕事の範囲が明確で高い職業能力を持つ労働者とした。しかし、対象は拡大可能であり、経団連の榊原定征会長は「少なくとも全労働者の10%程度は適用を受けられるようにすべきだ」(9日)と要求。…政府は、実際の労働時間に関係なく、労使で決めた時間を労働時間とすることで「残業代ゼロ」にする「裁量労働制」の拡大でも一致している。(『しんぶん赤旗』2014.06.13より抜粋。)
●「民間建築市場の動向に影響を与える、不動産業の資金調達額の増加基調が続いている。建設業でも中小企業が新規設備投資を理由にした借入額を大幅に積み増している。ゼネコンの民間受注額の3分の1を占める大口発注先である不動産業の設備投資意欲が依然として高いことが資金調達額面からも浮き彫りになったほか、今後の需要増を見込んで中小建設業も設備投資額を増加させるなど、建設市場を取り巻く環境は好転しつつある。ただ民間建築については、発注者と見積提出企業(ゼネコン)との工事費の価格差が埋まらないケースも多く、民間発注時期がずれ込むことで市場拡大につながらない可能性もある。」(『建設通信新聞』2014.06.03)
●「国土交通省は4日、14年3月末(13年度末)時点の建設業許可業者数を発表した。総数は47万0639業者で前年度末に比べて0.2%、739業者の増加となった。1977年度以来の46万業者まで減った前年度末から一転、微増に転じたものの、ピークとなった99年度末(60万0980業者)からの減少傾向に大きな変化は見られない。許可業者数の増減は、94年度の制度改正で許可の有効期間が3年から5年に延長されたことに伴い、更新件数が最初の3年で増加、その後2年間で減少するというサイクルを繰り返している。13年度は、上昇に転じる1年目に当たる。13年度は新規許可が前年度比9.1%減の1万5738業者あった一方、許可が失効したのは51.7%減の1万4999業者だった。許可失効の内訳は、廃業を届け出たのが7855業者、更新手続きを行わず許可切れとなったのが1万3208業者だった。大臣、知事許可別の業者数は、大臣が9811業者、知事が46万0828業者で、いずれも前年度末に比べ0.2%増えた。」(『建設工業新聞』2014.06.05)
●「積水ハウスが5日発表した2014年2〜4月期の連結決算は、純利益が前年同期比約2倍の211億円だった。2〜4月期としては過去最高を更新した。消費増税前の駆け込み需要で膨らんだ受注残をこなし、主力の戸建て住宅が伸びた。環境性能に優れた高価格帯商品も増えた。15年の相続増税を控え、土地オーナー向けの賃貸住宅も好調だった。連結売上高は4515億円と26%増えた。戸建て住宅は8%増の1080億円。発電能力10キロワット以上の大容量太陽電池を搭載した住宅をそろえたことなどから、平均単価が14年1月期に比べ71万円増の3521万円となった。ロボットを導入するなど工場の生産効率を高め、前期末時点で2543億円あった豊富な受注残に対応できたことも寄与した。賃貸住宅は3、4階建て住宅が伸び、39%増の926億円だった。15年1月から相続税の対象が拡大されるが、住宅を建てると土地の評価額が下がる。節税対策になることが受注につながった。賃貸住宅の拡大に伴い、住宅の一括借り上げや管理受託なども増加。不動産フィー事業は4%増の1070億円となった。」(『日本経済新聞』2014.06.06)
●「主要ゼネコン各社の工事採算が改善してきた。日刊建設工業新聞社が14年3月期決算のアンケートを実施した結果、回答した25社の単体の工事採算を示す完成工事総利益(粗利益)率は17社が前期より改善。単純平均では5.8%と前期より1.0ポイント上昇した。東日本大震災前後に受注し、資材・労務費高騰の影響で採算が悪化した建築工事の消化が進行。選別受注の徹底も奏功したとみられる。15年3月期はさらに改善が進み、19社が前期を上回る見通しだ。」(『建設工業新聞』2014.06.09)
●「全国建設産業団体連合会(北川義信会長)は10日、2014年度通常総会で、建産連のあり方と役割を示した『ビジョン』の骨子を作成した。各業種間の連携協調、適正な建設生産システムの構築、中小建設産業の育成・強化の3木柱で地域に密着した建設産業界の確立を目指す。ビジョンでは、政府の経済対策、品確法など3法の改正、女性が活躍できる建設業のための行動計画、労務単価引き上げ、社会保険未加入対策などに適切に対応するため、『川上から川下に至る全業種を擁する産業団体として、地域社会に存立している建設企業の自立・共存共栄を図る』とした。」(『建設通信新聞』2014.06.11)
●「建設経済研究所は11日、主要ゼネコン40社を対象にした13年度(14年3月期)の決算分析を発表した。単体の受注高は、景気回復に伴う民間建築工事と政府の12年度補正予算に伴う公共工事の増加などを背景に、前年度比19.2%増の11.7兆円となった。36社が前年度実績を上回り、総額はリーマンショック前の08年度(11.2兆円)の水準も上回った。連結ベースの営業利益も円安・株高で為替差損益などが改善し、全40社が営業黒字を確保した。売上高(連結ベース)は、好調な受注を追い風に手持ち工事が増えて全ての階層(大手・準大手・中堅)で増加。総計で前年度より7.3%増えた。売上総利益率(連結ベース)も全階層で前年度より上昇。総計で7.3%と、前年度より0.9ポイント上昇した。階層別に見ると、大手が7.2%(前年同期7.0%)、準大手が7.0%(4.5%)、中堅が8.0%(7.0%)となった。」(『建設工業新聞』2014.06.12)
●「日立製作所は、2016年3月までの中期経営計画の実現に向けた事業戦略を明らかにした。インフラシステム事業では、海外展開の加速に加え国内で上下水道分野のシェア拡大による売上高1兆円達成を掲げた。都市開発システム事業は昇降機事業のアジアでの展開に向けた基盤整備を進めるほか、電力システム事業は原子力での海外展開比率を高めていく。インフラシステム事業では、ソリューションの高付加価値化とグローバル展開、サービス事業の拡大を目指す。」(『建設通信新聞』2014.06.13)
●「東日本大震災後の仮設住宅をめぐり、自治体が地権者と土地賃貸契約を延長できず、被災者がほかの仮設住宅に転居を迫られる事例が相次いでいる。災害公営住宅の建設が遅れる宮城県名取市では転居を求められた住人たちが『復興の遅れのしわ寄せを食うのは納得できない』と反発、市に見直しを求める署名を提出した。民有地に建てられた仮設住宅は被災3県で約2万戸分あり、問題は広がりそうだ。…反発の背景には住宅再建の遅れがある。名取市では災害公営住宅の整備が計画の1割の着手にとどまり県内で最も低い。…市担当者は『土地全体の購入は財政上の問題などで困難』と話す。住人とは話し合いを続けるが難航は必至だ。…プレハブ住宅が集まる仮設住宅団地のうち、民有地に建設されたのは宮城県で全体の41%にあたる166カ所(6442戸、約1万2千人)、岩手県で54%の174カ所(7168戸)、福島県で38%の72カ所(6394戸)に上る。用地の賃貸契約期間は大半は2年程度だ。宮城県では47カ所が今年度中に契約期限を迎えるが、延長で合意できたのは約4分の1。岩手県も復興需要で地価が上昇している地域があることなどから『契約延長の了解は得にくくなっている』といい、自治体側は必死に交渉を続けている。」(『日本経済新聞』2014.06.02)
●「環境省は5月30日、福島第1原発事故に伴う除染費用のうち、13年度末までに598億円を東京電力に請求し、実際に東電から支払われたのが347億円と、請求額の6割だったことを自民党環境部会に報告した。国直轄除染分はほぼ支払われたが、市町村が実施した除染費用の支払いは遅れており、請求額の1割にとどまっている。」(『建設工業新聞』2014.06.02)
●「全国の公立小中学校の校舎や体育館などのうち、震度6強の地震で倒壊する危険性が高い建物が4月1日現在で1254棟あることが2日、文部科学省の調査で分かった。文科省は2015年度中に耐震化を完了する目標を掲げているが、自治体の財政難もあり、達成は難しい状況だ。地震で落下する恐れがあるつり天井の建物が全国の小中学校に計6222棟あることも判明した。」(『日本経済新聞』2014.06.03)
●「木材を使った建物が公共施設を中心に増えている。地元産の木を利用し林業の振興につなげようとの機運が地方自治体に広がっているためで、国も公共施設での国産材の利用を後押ししている。木を使った建物の耐久性を高める技術の普及も影響している。主力の鉄筋コンクリート製と比べコストを1割前後減らせるメリットもある。…国土交通省によると、木造の庁舎(公務用建築物)の着工床面積は、2013年度は5年前に比べ3割多い9万8381平方メートル。建物の棟数は12%増の824になった。木を使う公共建築物が増えれば国産材の需要底上げにもつながる。国は10年に、国産材の使用を促そうと『公共建築物等木材利用促進法』を制定した。林野庁の試算によると木を使って学校や病院、診療所などを建てる場合、主力の鉄筋コンクリート製に比べコストが5〜15%程度安く済む。自治体にも予算を節約できる利点がある。」(『日本経済新聞』2014.06.03)
●「東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、福島県内で進む除染作業で発生した『除染土壌』などを保管する中間貯蔵施設の整備に向けた住民説明会が5月31日から始まった。同県内で発生する除染土壌などの量は約1600−2200万立方メートル。東京ドーム(約124万立方メートル)の約13−18倍と推計される。『現段階では中間貯蔵に傾注していく』(環境省)というように、中間貯蔵施設は、最終処分までの道筋に欠かすことができない施設となる。中間貯蔵施設は、仮置き場などに保管されている除染土壌や廃棄物を最終処分までの間、安全かつ集中的に貯蔵するための施設。福島県内の各地で進められている除染作業で取り除いた土壌や側溝の汚泥、一定基準(lキロ当たり10万ベクレル)を超す放射性セシウム濃度の焼却灰などのいわゆる『除染土壌』を搬入、最終処分が完了する『30年以内』をめどに貯蔵する。福島の除染と復興の推進に欠くことができないものとなる。住民の合意が大前提となる整備地は、同県双葉町と大熊町をまたぐ国道6号線東側のエリア約16平方キロ(大熊町5平方キロ、双葉町11平方キロ)。膨大な除染土壌を貯蔵するために必要な面積の確保、除染土壌の発生元からの近さ、将来的な最終処分場へのアクセス性などの観点から候補地として選定した。…施設は、土壌貯蔵施設や減容化(焼却)施設、廃棄物貯蔵施設などで構成。このほか、スクリーニング施設や水処理施設、ストックヤード、管理棟、研究等施設、情報公開センターなどを整備する。仮置き場などから運び込まれた除染土壌は、受入・分別施設で重量や放射線量を測定、放射性セシウム濃度など、その特性に応じて各施設で貯蔵される流れだ。」(『建設通信新聞』2014.06.03)
●「東日本旅客鉄道(JR東日本)は、山手線の品川駅と田町駅の間に新たな駅を設置する。あわせて品川車両基地の見直しで創出される約13ヘクタールの用地を対象にまちづくりを進める。2015年度の都市計画決定を目指す。3日の定例会見で、冨田哲郎社長が明らかにした。冨田社長は『新駅と一体となったまちづくり』を進める考え。東京五輪が開催される2020年の暫定開業を予定。周辺では、27年開業予定のリニア中央新幹線の東京都ターミナル駅も計画されていることから、首都圏と世界、国内の各都市をつなぐ東京の新たな“玄関口”として、早期に計画をまとめ、大規模再開発を加速させる。」(『建設通信新聞』2014.06.04)
●「昨年4月に日米両政府が合意した沖縄駐留米軍施設跡地の退避計画(嘉手納飛行場以南が対象)のうち、初弾の開発プロジェクトとなるキャンプ瑞慶覧の『西普天間住宅地区』 (宜野湾市、52ヘクタール)の計画が動きだす。県や市などは同地区に琉球大学医学部や付属病院などの移転を構想中で、政府は3日、構想への協力を表明。米軍用地跡地利用の特別措置法に基づく『国の取り組み方針』を初めて策定することを決めた。」(『建設工業新聞』2014.06.05)
●「国土交通省は、首都直下地震に備えて東京区部に広がる木造住宅密集(木密)地域の解消を急ぐため、国や自治体が保有する未利用地を種地にした連鎖型再開発事業を促進する。まず木密地域の住民が未利用公有地に共同で集合住宅を建てて移転。その移転跡地に別の木密地域住民が共同で集合住宅を建てて移転するという形で玉突き式に共同建て替えを進めていく。15年度から事業スキームの検討や計画作りへの財政支援を行う考えだ。」(『建設工業新聞』2014.06.06)
●「大和ハウス工業は二世帯で住む賃貸マンション事業を始める。共働き世帯と高齢の親などが同居しやすい間取りの住宅を開発。2015年春に完成する名古屋市内の物件を皮切りに、16年3月期までに100戸の供給をめざす。高齢者の独居が社会問題になるなか、同居を求める世帯に賃貸という選択肢を提供する。二世帯賃貸マンションは小さな子供がいる若い夫婦と親世帯の利用を想定する。親夫婦のうちどちらかが亡くなり、一人暮らしになった時に一緒に暮らしやすい間取りなどを提案する。例えば共用の玄関の内側に2つドアを設け、2LDK側は若い夫婦、バリアフリー仕様の1LDKを親が使う。上の階と下の階を内階段で結ぶメゾネット方式も準備する。」(『日本経済新聞』2014.06.10)
●「国土交通省の『事業者団体を通じた適正な住宅リフォーム事業の推進に関する検討会』(座長=深尾精一・首都大学東京名誉教授)が提言として4月末にまとめたリフォーム事業者団体の登録制度は現在、意見募集期間中で、秋頃から運用が開始される見通し。対消費者のメリットがある、業者の底上げになるなど好意的な意見もある一方、登録の要件として挙げられた項目に合致しない団体が少なくなく、制度の対象外になる団体の会員・組合員がリフォーム市場に参加しにくくなってしまう可能性を指摘する声も多い。特に、事業者団体には加入していない一人親方が、リフォーム市場からはじき出されてしまうことが危慎されている。」(『日本住宅新聞』2014.06.15)
●政府は3日の閣議で2014年版「子ども・若者白書」を決定した。世界7カ国の若者の意識調査で、「自分の将来に明るい希望を持っているか」との問いに「希望がある」「どちらかと言えば希望がある」と答えた人が日本は7カ国中最低の61.6%で、他の6カ国(82.4〜91.1%)を大幅に下回った。調査は13年11〜12月に日米韓と、英国、ドイツ、フランス、スウェーデンの計7カ国で13〜29歳の男女約1000人を対象にインターネットで実施。 「40歳になったときに幸せになっている」と答えた人も日本が66.2%と最下位で、他の6カ国は81.6〜87.4%だった。日本が1位だったのは「自国のために役立つことをしたい」の54.5%。ただ「自分の参加で社会現象が少し変えられるかもしれない」との回答は最下位の30.2%だった。(『しんぶん赤旗』2014.06.04より抜粋。)