情勢の特徴 - 2014年10月後半
●「上場企業の不動産取引が活発になっている。今年4〜9月の土地や建物の取得額は前年同期比10%増の約2兆2500億円となり、上期として過去最高となった。地価上昇への期待や低金利を追い風に、企業が都市部を中心に不動産市況の回復をけん引している。足元では不動産投資信託(REIT)の動きが鈍く、先行きの取引の減速を予想する声もある。」(『日本経済新聞』2014.10.18)
●「財務省は20日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)で、地方自治体への社会資本整備総合交付金を抑制すべきだとの考えを表明した。道路や港湾などインフラ整備であれば各自治体が自由に使える交付金で、2014年度予算に9123億円を盛り込んだ。国土交通省は15年度に17%の増額を要求している。財務省は運用の見直しを通じて、切り込みを狙う。」(『日本経済新聞』2014.10.21)
●「財務省は20日、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の財政制度分科会を開き、今後の公共事業予算について議論した。財務省は、インフラの老朽化対策費の増加や人口減少を見据え、新規投資を厳選して公共事業費を抑制していくべきだと指摘する一方、建設会社が人材確保の見通しを立てやすくなるよう、国や地方自治体がインフラ長寿命化計画を策定することも必要だとした。」(『建設工業新聞』2014.10.21)
●「消費回復の足取りが重い。日本チェーンストア協会が21日発表した9月の全国スーパー売上高は6カ月連続で前年割れとなり、8月より減少幅が拡大した。都市と地方の販売格差も広がり、ガソリン高や賃金の伸び悩みが続く地方は一層厳しい。足元の消費が低調なことで、政府が11月から本格的に始める消費税率の再引き上げの議論にも影響を与えそうだ。」(『日本経済新聞』2014.10.22)
●「建設経済研究所と経済調査会は22日、2015年度の建設投資見通し(名目)を発表した。7月発表の見通しを改訂した最新版で、建設投資全体は前年度比3.2%減の45兆9500億円と予測した。投資額は前回より700億円下方修正した。政府建設投資は、再度の消費増税を見据えた経済対策の中身が不明なことから、補正予算の編成を考慮していない。今回の予測どおりにいくと、17兆円台前半と07年度に近い水準まで落ち込むことになる。建設経済研究所などは、『15カ月予算』の効果が見込まれる14年度から大幅な減少となっているが、インフラ老朽化対策や震災復興などが停滞しないよう、適切な予算配分が望まれると指摘している。」(『建設通信新聞』2014.10.23)
●「米連邦準備理事会(FRB)は29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、量的金融緩和の第3弾(QE3)に伴う資産購入を10月いっぱいで終了することを決めた。米雇用市場の見通しに『十分な改善がみられた』と判断した。2008年秋のリーマン危機からおよそ6年に及ぶ異例の金融緩和政策の正常化に向け、FRBは大きくかじを切った。声明は政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利を事実上ゼロにする『ゼロ金利政策』について、量的緩和終了後も『相当な期間、維持するのが適切だ』との表現を据え置いた。金融政策の方向性を示す時間軸(フォワード・ガイダンス)を変えず、利上げを慎重に判断する姿勢を改めて強調した。」(『日本経済新聞』2014.10.30)
●「公共工事前払金保証事業会社3社(東日本、西日本、北海道)が17日発表した公共工事前払金保証統計によると、14年度上半期(4〜9月)の保証を取り扱った工事などの請負金額は8兆8095億円(前年度同期比5.0%増)で、2年連続で8兆円を超えた。前年同期に大型の放射能除染工事の請負金額が計上されていた反動で、国からの請負金額は減少率が2桁に達したものの、都道府県と市区町村は8%以上増加し、全体を押し上げた。」(『建設工業新聞』2014.10.20)
●「東京・世田谷区は、区が発注した工事や業務に従事する労働者への一定以上の賃金支払いを義務付ける公契約条例を制定した。15年4月1日に施行する。受注者が条例に違反した場合に契約を解除したり、指名停止を行ったりする強制力を持たない『意識誘導型』の内容とする方針。労働者の処遇改善を通し、公共工事などの品質確保を目指す。条例の適用範囲は、予定価格(税込み)が3000万円以上の工事。工事以外の業務は2000万円以上とする。賃金下限額は今後、区内に設置する公契約適正化委員会で審議して決める。」(『建設工業新聞』2014.10.20)
●「改正公共工事品質確保促進法(品確法)適用で国の対応待ちとなっている地方自治体の中で、長野県は国の運用指針を待たず独自に適正利潤確保や担い手確保・育成を進めることを目的にした総合的な発注契約の取り組み方針を打ち出した。現在、国土交通省は改正品確法・基本方針に沿って、国と地方公共団体共通の発注関係事務の運用指針づくりを進めているだけに、ダンピング防止や適正賃金支払いを評価する発注方式などを独自に試行しようとする長野県のケースは注目される。」(『建設通信新聞』2014.10.21)
●「広島市北部の大規模土砂災害を教訓に、都道府県に土砂災害リスクの高い箇所の公表を義務付け、住民の避難をより迅速に誘導できるようにする土砂災害防止法改正案が23日、衆院で審議入りした。政府は、『土砂災害警戒区域』の指定による災害リスクが高い箇所の公表や避難誘導に国の関与と支援を強める方針を表明した。」(『建設工業新聞』2014.10.24)
●「国土交通、総務両省は9月30日に閣議決定された改正入札契約適正化指針に基づき、適正な予定価格の設定やダンピング対策の強化などを早急に求めるとした大臣要請通知を都道府県・政令市に発出した。都道府県を通じ、市区町村への周知徹底を図る。設計書金額を一部控除する『歩切り』は、改正公共工事品質確保促進法(品確法)違反に当たると明文化。根絶に向け、具体的な例を示しながら、実態調査に乗りだすことも記した。ダンピング排除のため、低入札価格調査制度や最低制限価格制度を未導入の自治体には、早急な導入検討を求める。」(『建設通信新聞』2014.10.27)
●「国土交通省と日本建設業連合会が毎年行っている意見交換会で議論されたテーマを踏まえ、現場レベルで行動を起こすことを目的とする『国土交通省・日建連意見交換会フォローアップ会議』の第2回会合が27日、省内で開かれた。メーンテーマとなっている受発注者間の工程共有化について、国交省は各地方整備局などの取り組み状況を報告、全国的に広がりを見せていることが明らかになった。週休2日モデル工事の試行や工程情報の事前提示など、地整ごとに独自の動きも出始めている。」(『建設通信新聞』2014.10.29)
●「地方自治体の間で、『公共施設等総合管理計画』の策定が進んできた。総務省の集計によると、100を超す団体が14年度中に策定を完了。16年度までにはほぼすべての自治体が策定する見通しだ。人口減少などを見越した長期的なインフラの状況や必要な投資額が計画策定によって見えてくれば、今後の建設需要を予測しやすくなるほか、民間側からPPPやPFIなどの手法を活用した更新・統廃合に関する提案もしやすくなりそうだ。公共施設等総合管理計画は、自治体が保有するすべての公共施設を対象に、維持管理や更新、長寿命化、統廃合などを計画的に実施することを目的に策定する。…15年度までに策定する自治体は全体の25.7%に当たる460団体で、同省が期限に設定している16年度末までには98%、1686団体が策定する予定だ。…同省は計画策定の費用を16年度までの3年間、特別交付税で措置するほか、総合管理計画を策定すれば、不要になった施設の除却費の財源として地方債の発行を認める。」(『建設工業新聞』2014.10.29)
●「建設経済研究所は『建設経済レポートNo.63』の中で、入札不調・不落の現状と課題などに対する考察を発表した。東日本大震災が発生した2011年度以降に発生率が上昇した不調・不落は、工事量の増加を根源として人材などの不足感が地域・季節によって強まり、予定価格と実勢価格にかい離が生じたことが要因と分析。14年度に入ってからは各種施工確保対策が機能し、いったん低水準に落ち着いている状況にあるという。不調・不落は、用地取得や支障物移転が一部未完了といったリスクの高い工事、中小規模の利益が小さい工事、橋梁の維持補修など専門性が要求される工事で多く発生している。ただ、14年度に入り発生率は低下傾向にあるほか、不調・不落になっても再公告でほぼ契約に至っていることから、事業執行への影響は統計上限定的とした。しかしながら、建設会社にとっては年度末などに工期が延長されない場合、短期間での対応が求められる原因になることに加え、品質維持への影響も懸念される。発注者にとっても、スムーズな事業執行の支障になるとともに、再公告の業務負担や心理的プレッシャーが生じるとし、不調・不落の弊害を指摘した。」(『建設通信新聞』2014.10.30)
●「厚生労働省は15日、公的年金の給付水準を毎年度、確実に抑える仕組みを2015年度から導入する方針を固めた。物価が下落した時も、少子化に合わせて年金額を減らす。… 厚労省が同日開いた社会保障審議会年金部会(厚労相の諮問機関)に、毎年の年金給付額を抑えるマクロ経済スライドと呼ぶ制度の見直し案を示し、社保審が大筋で了承した。厚労省は来年の通常国会に法改正案を提出し、来年度から施行したい考えだ。マクロ経済スライドは現役世代の減少と平均余命の伸びに合わせて年1%程度、年金額を抑える仕組みだ。現行ルールでは抑制は物価上昇率の範囲内にとどめている。このため物価が下がったり物価上昇率が1%程度より低かったりした場合、年金額を前年度より減らすことはできない。これを見直し、年1%程度ずつ必ず年金額を抑える。」(『日本経済新聞』2014.10.16)
●「担い手確保が課題の建設業界で、普通高校の卒業生を現場の技術者や技能者として雇い入れる動きが出てきた。建設会社が高卒者を採用する場合、工業高校に求人を出すのが一般的だが、少子化で若者の数が減る中、人数が圧倒的に多い普通高の卒業生が有望株になってきた。工業高の卒業生と同様に建設の仕事に興味を持ってもらえるよう、業界を幅広くPRすることや、技術・技能をしっかり身に付けてもらうために入職後の教育訓練を充実させることも重要になりそうだ。」(『建設工業新聞』2014.10.16)
●青森市内で開かれていた全国建設労働組合総連合(全建総連)の第55回定期大会は17日、賃金・単価の引き上げ、さらなる消費税増税に反対するなどの運動方針を採択し、閉会した。運動方針の重点課題は、▽法定福利費の確保、賃金・単価の引き上げ、公契約条例制定に取り組む▽社会保険加入の推進▽建設アスベスト訴訟の勝利、被害の救済と根絶に取り組む▽消費税増税などの大衆増税に反対し、民主的で公平な税制の確立を求める―などである。(『しんぶん赤旗』2014.10.18より抜粋。)
●「日本建設産業職員労働組合協議会(日建協、植村芳輝議長)は、国際建設林業労働組合連盟(BWI)のアジア太平洋地域セミナー会議に出席し、外国人技能労働者の活用について意見を述べた。各国が日本の建設労働市場に関心を示す中、『外国人労働者の受け入れには、まず日本国内の労働環境改善が必要』と主張して理解を求めた。…日本協議会を代表し、外国人労働者の活用に対して意見を述べた植村議長は、外国人労働者の受け入れに一定の理解を示しつつ、処遇改善を行うなど国内の根本的な人材確保策が先決であることや、一時的な労働需給に左右されることなく、受け入れ国と送り出し国双方で中長期的視点から検討すべきだと指摘。労働環境や賃金面など、外国人の労働条件悪化にも懸念を示した。」(『建設通信新聞』2014.10.21)
●「大阪・泉南地域のアスベスト(石綿)工場の元従業員らが、国に損害賠償を求めた訴訟をめぐり、塩崎恭久厚生労働相は21日、最高裁が審理を大阪高裁に差し戻した原告28人と和解に応じる方針を明らかにした。近く原告と面会し、謝罪する。提訴から約8年半にわたった泉南アスベスト訴訟は全面解決に向かう見通しとなった。…9日の最高裁判決はアスベストの健康被害が『1958年ごろには深刻だと判明していた』と指摘。速やかに排気装置の設置義務付けなどを行わなかった国の責任を認めた。『第2陣訴訟』の54人については賠償を命じた判決が確定したが、『第1陣』の28人について賠償額算定のため審理を差し戻し、原告側が国に対し和解に応じるよう求めていた。…厚労省によると、さいたま地裁と神戸地裁で同種訴訟が係争中で、救済対象がさらに広がる可能性もある。ただ、建設現場の元労働者らが各地で起こしている建設アスベスト訴訟については『別問題』とした。」(『日本経済新聞』2014.10.22)
●「建設経済研究所は、21日発表した『建設経済レポートNo.63』の中で、建設技能労働者に特化した将来推計を明らかにした。若年層の入職率倍増や中堅層の伸び率継続などのプラス補正をかけても、2030年には建設技能労働者数が10年比6.1%減の250万人になり、中長期的に減少は避けられないとした。専門工事業の職種ごとに推計結果も大きく異なることから、年齢層や職種の特性に応じた人材確保・育成策が必要と指摘している。05、10年の国勢調査における技能労働者数の減少率を基にした推計結果によると、10年に266万人いた労働者は、15年に215万人、20年に173万人と減少の一途をたどり、25年には141万人とほぼ半減する。しかし、総務省の労働力調査によれば東日本大震災以降、労働者数は若干増加の動きを見せている。建設経済研究所は、足元の動きを踏まえた将来推計を実施。…この結果からは、労働力人口の減少や団塊世代を中心とした高年齢層の大量退職の影響が極めて大きく、中長期的には技能労働者数の減少は避けられないことが分かる。建設経済研究所は、若年層の入職率回復に加え、中堅層や高年齢層それぞれに応じた施策が必要と指摘。労働力不足を生産効率の向上で補えるよう、新たな技術革新も期待されるとしている。」(『建設通信新聞』2014.10.22)
●「厚生労働省が22日にまとめた2014年1−9月(速報、10月7日時点)の労働災害発生状況によると、休業4日以上の建設業の死傷者数は、1万1311人と、前年同期と比べ1.9%増(210人増)となった。うち死亡者数は262人で20.7%増(45人増)だった。14年上期(1−6月)の建設業労災発生状況が前年同期と比べ死傷者数で4.0%増、死亡者数が28.2%増だった状況からは、伸び率は鈍化しているものの、1−8月の前年同期伸び率との比較では、死傷者数が0.2ポイント、死亡者数が1.8ポイントそれぞれ増えた。」(『建設通信新聞』2014.10.23)
●「総合工事業団体や専門工事業団体、行政、職業訓練校、教育機関などで組織する『建設産業担い手確保・育成コンソーンアム』が29日発足した。目に見える事業を興す実績、知見、能力、意志を持った関係者の集合体として、今後5年間をめどに活動する。当面は特に人手不足が懸念される『野丁場系の技能者』に重点を置き、全国的な教育訓練体制の構築を目指す。最終的には都道府県単位で地域連携ネットワークをつくる考えで、年内には体制構築経資などを支援する地域の取り組みを5件程度選定する予定だ。」(『建設通信新聞』2014.10.30)
●「政府は中小企業対策を政策の重要な柱の一つに位置付けているが、後継者問題はどの業種でも深刻な問題となっている。(株)帝国データバンクがこのほどまとめた後継者問題の実態調査(全国・全業種28万4412社対象)の結果によると、65.4%が後継者不在だった。なかでも、売り上げ規模が1億円未満の企業の4社に3社が後継者不在(不在率76.7%、前回2011年調査から0.3ポイント増)。将来を見据えて後継者を選び始める必要がある社長の年齢が60歳代の企業でも、53.9%が後継者不在の状況だった。建設業の後継者不在率70.0%で、業種別ではサービス業の70.4%に次いで多い。ただし、サービス業は前回調査から1.7ポイント減で改善が見られるものの、建設業は0.4ポイント増と深刻さが増している。…2012年度以降の社長交代の動向をみると、建設業は調査対象5万1387社のうち、社長が交代したのは8.5%4384社に止まり、全業種のなかで最も低く、事業承継が進んでいない実態が浮き彫りになった。…地場工務店の事業承継では、技術・知識の継承も必要となるため、より経験が豊富な後継者が期待されるのはいうまでもない。そのためには現社長が元気なうちに早い段階からの後継者育成が必要だろう。同時に、中小零細の工務店の技術のほか、地元で培ってきたつながりや信用などを、地域の住宅事業者全体で受け継いでいけるような体制を整備していくことも、これからは求められるのではないだろうか。」(『日本住宅新聞』2014.10.15)
●「北海道、東日本、西日本の建設業保証事業会社3社は15日、14年度第2四半期(7〜9月)を対象にした建設業景況調査結果を発表した。2463社から得た回答を分析した結果、地元建設業界の景気を示すBSI値(景況判断指数)は0.0と、『良い』傾向と『悪い』傾向が均衡していることが分かった。前回の第1四半期(4〜6月)のBSI値と比べ1.5ポイント低下。第3四半期(10〜12月)の見通しもマイナス4.0と景況はさらに悪化する傾向となっている。調査結果によると、受注総額の減少傾向がやや強まっている。資材価格や労務賃金については、これまでの上昇傾向がやや弱まった。」(『建設工業新聞』2014.10.16)
●「建築現場の人手不足が長引き、建物の構造設計にも影響が広がっている。病院や学校の建築着工は主流だった鉄筋コンクリート造の割合が2年前の6割程度から5割に下がった。鉄骨造や木造よりも工事に多くの職人の数が必要で人手が思うように確保できない。工期遅れを避けるため、構造を変更するケースが目立ってきた。」(『日本経済新聞』2014.10.17)
●「マンション建設最大手、長谷工コーポレーションの2015年3月期の連結営業利益は、前期比28%増の370億円程度になりそうだ。従来計画を40億円ほど上回る。消費増税後にマンションの販売が伸び悩む中でも首都圏を中心に受注を伸ばしている。受注時に採算性を厳しく見積もることで人件費などのコスト増加を吸収し、利益率も改善する見通しだ。」(『日本経済新聞』2014.10.21)
●「日本建設業連合会(日建連、中村満義会長)は24日、14年度上半期(4〜9月)の会員企業98社の受注実績をまとめた。総受注額は前年同期比4.7%増の7兆3488億円。98年上半期(約7兆3600億円、48社統計)以来の規模となり、2年連続で7兆円の大台を上回った。消費増税を控え昨年発生した駆け込み発注の反動減で民間からの受注は落ち込んだものの、13年度補正、14年度本予算の前倒し執行の効果もあり、官公庁からの受注が5割増と大幅に伸びた。上半期の国内受注が6兆9050億円(前年同期比2.9%増)、海外受注が4437億円(43.5%増)。国内発注のうち、民間からの受注が4兆2528億円(14.3%減)、官公庁からの受注が2兆6417億円(51.9%増)だった。」(『建設工業新聞』2014.10.27)
●「建築設計や土木設計、測量、地質調査などの業務価格が上昇している。日銀が27日発表した9月の企業向けサービス価格指数(速報値、2010年平均=100)によると、土木建築サービスの価格指数は110.2となり、前年同月比で7.3%上昇した。前年同月比プラスは12カ月連続。価格指数は今年5月以降、5カ月連続で110を超えている。今年4月の消費増税に加え、国土交通省の技術者単価引き上げ、さらに建設投資の増加による人手不足が上昇要因とみられる。」(『建設工業新聞』2014.10.28)
●「海外建設協会(白石達会長)がまとめた会員48社の海外建設受注動向によると、2014年度上期(4−9月)の海外受注額は前年同期比12.3%増の8038億1200万円となった。06年度同期以来8年ぶりの8000億円超えで、歴代2番目の水準となった。山口悦弘専務理事は『会員企業の営業努力が実を結んでいることと、過去の実績の積み上げによる効果が表れている結果とみられる。今後こうした動きを協会としても支援していきたい』としている。受注総額のうち、本邦法人は45.8%増の3977億9400万円、現地法人が8.4%減の4060億1800万円。なかでも、アジア地域での本邦法人による受注が73.7%増で、特にシンガポールでの現地政府による地下鉄や病院、埋立工事など公共事業の受注が大きく寄与した。…全体では、現地政府の公共事業が72.8%増の2402億円と大きく伸びた。日系民間企業からの受注は5.5%増の2865億円と堅調に推移し、現地民間企業からの受注は11.1%減の2218億円、ODA(政府開発援助)は1.8%減の553億円となった。」(『建設通信新聞』2014.10.30)
●「全国生コンクリート工業組合・協同組合連合会(全生連)は29日、14年度上期(4〜9月)の生コン出荷実績を発表した。総出荷量は前年同期比1.7%減の4694万立方メートルで4年ぶりのマイナス。内訳は、官公需が約1994万立方メートル(前年同期比2.2%減)で3年ぶり、民需が約2700立方メートル(1.4%減)で4年ぶりにそれぞれ減少した。全生連は、最大需要地の東京が前年割れ(4.9%減)したことなどが減少要因と分析している。」(『建設工業新聞』2014.10.30)
●「国土交通省は30日、元下間取り引きのルールを定めた『建設業法令遵守ガイドライン』を改訂した。近年の建設業における労働災害の急増や、東京五輪開催などに伴う今後の工事量増加を見据え、さまざまな立場の事業者間で災害防止に対する意識を共有、向上させることが狙い。各種安全対策の実施者と経費負担者を明確化するとともに、書面による見積・契約を促してトラブルを未然に防ぐ。」(『建設通信新聞』2014.10.31)
●「総合資源エネルギー調査会(経済産業相の諮問機関)の新エネルギー小委員会は15日、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度の抜本見直しに向けた本格検討に入った。資源エネルギー庁は、認定容量が突出している太陽光発電への偏重是正や国民負担の抑制に向けた論点を提示。低い価格を提示する事業者を優遇する入札制度の導入や買い取り価格の決定時期を認定時点から設備の稼働時点に変更する案などを示した。年内に具体策をまとめる。…最大の焦点が固定価格からの転換。論点では、需要に応じて価格を変動させる市場メカニズムの導入を検討項目に盛り込んだ。導入量が一定水準を超えた場合には、買い取り価格が自動的に下がる仕組みや、事業者のコスト低減努力を引き出すため買い取り価格を入札で決める方式などを検討。価格改定を1年ごとから半年ごとへと短縮する案も入った。太陽光の認定容量が増えすぎ、地熱や小水力、バイオマスなど他の再生エネの系統接続が困難になっている状況を踏まえ、非太陽光の買い取り枠を別に確保する案も示した。」(『建設工業新聞』2014.10.16)
●「太田昭宏国土交通相は17日、東海旅客鉄道(JR東海)が申請していた東京(品川)−名古屋間のリニア中央新幹線の工事実施計画を認可した。超電導リニア技術を高速鉄道に導入するのは世界で初めてで、2027年の開業を目指す。総事業費5兆円にのぼる巨大プロジェクトが国の基本計画決定から41年を経て動き出す。」(『日本経済新聞』2014.10.17)
●「大和ハウス工業は老朽化したマンションの建て替え事業を始める。古くなったマンションに住む住人(管理組合)向けコンサルティングから工事、建て替え中の仮住まいの仲介などを総合的に提供。首都圏や関西を中心に案件を掘り起こす。人口減で新築住宅需要の伸びが期待できないなかで、5年後をメドに年100億円規模の事業に育てたい考えだ。」(『日本経済新聞』2014.10.17)
●「政府の進める国家戦略特区を追い風にして、羽田空港跡地プロジェクトが大きく動き出す――。東京都大田区の松原忠義区長は、『東京圏区域計画素案』に同区が提案した同跡地プロジェクト推進のための都市計画法の特例などが盛り込まれたことを評価するとともに、同区が国や東京都とともに計画している産業交流施設について、『2020年の概成を目指している』との考えを示した。また、大規模事業との認識から『国にリードしてもらいながら都と連携を密にしていく』とし、地元区として積極的に取り組む。同区では、産業交流拠点など同跡地の成長戦略拠点整備に民間活力導入の観点からPPP/PFI事業も視野に入れ、日本経済研究所に委託し、導入可能性調査を進めている。今年度末の調査結果を踏まえて基本計画をまとめる。15年度以降に整備手法が固まる見通しだ。」(『建設通信新聞』2014.10.17)
●「国土交通省は、多様な世帯が快適に暮らせるサービスが充実した『地方創生住宅』の供給を増やす。共同住宅や団地に併設する介護施設などの建設費を補助する『スマートウェルネス拠点整備事業』を拡充。15年度からは『地方創生スマートウェルネス住宅等整備総合支援事業』として、空き家の改修を含む住宅本体の建設にも補助する。多様な世帯がより住みやすくなる環境を整え、地域の活性化を促す。」(『建設工業新聞』2014.10.22)
●「首都圏の中古マンションの価格が上昇した。不動産調査会社の東京カンテイ(東京・品川)が22日発表した9月の中古マンション平均価格(70平方メートル換算)は首都圏で前月比0.3%高い2823万円だった。名古屋市でも中心3区の価格が2カ月連続で上昇した。東京カンテイのデータベースに登録された売り希望価格を基に集計した。首都圏の上昇をけん引するのは千代田区など東京都心6区で、前月比1.0%高い5916万円だった。品川区や世田谷区など6区以外にも上昇が広がっている。新築マンションは供給量が減少し、地価や工事費の上昇で、販売価格も高めになっている。周辺の売買実績や新築マンションの価格から、中古マンションの売り主は高めの価格を設定している。」(『日本経済新聞』2014.10.23)
●「国土交通省は、地方都市の郊外に拡散した職住機能を中心市街地に集約する『コンパクトシティー』づくりを加速するため、民間事業者や自治体が進める街づくりへの財政支援を拡充する。改正都市再生特別措置法に基づいて市町村が設定する住宅誘導エリアで、防災機能などに優れたマンションを建設する民間事業者に対し補助を上乗せすることなどが柱。15年度予算要求に60億円(国費ベース)を計上している。」(『建設工業新聞』2014.10.28)
●「東日本大震災や南海トラフ巨大地震クラスの大規模地震が起きた際に、津波による浸水が想定される公立学校施設が、ことし5月1日時点で全国の学校総数の7.2%に当たる2860校あることが、文部科学省が28日にまとめた『公立学校施設における津波対策状況調査』の結果で分かった。津波浸水想定校のうち、施設整備による対策を予定しているのは169校あり、整備手法は校舎の高層化が18校、高台移転が33校となっている。いずれも2014年度以降の施設整備を計画している。」(『建設通信新聞』2014.10.29)