情勢の特徴 - 2014年11月前半

経済・財政 行政・公共事業・民営化 労働・福祉 建設産業・経営 まちづくり・住宅・不動産・環境 その他

経済・財政

●「日銀は31日の金融政策決定会合で追加の金融緩和を決めた。足元の物価上昇が鈍化していることを受けて、資金供給量(マネタリーベース)を年10兆〜20兆円増やし、年80兆円に拡大する。長期国債の買い入れ量も30兆円増やして80兆円にする。上場投資信託(ETF)と不動産投資信託(REIT)の購入量は3倍に増やす。記者会見した黒田東彦総裁は『デフレ脱却へ揺るぎない決意だ』と強調した。日銀は2015年度にかけ物価上昇率を2%に高める目標を掲げている。31日に総務省が発表した9月の全国消費者物価指数(生鮮食品・消費増税の影響除く)は前年同月比1.0%と、今年5月以降は伸び率が縮小している。物価上昇が鈍れば『デフレマインドからの転換が遅れる懸念があった』(黒田総裁)。この懸念を払拭するため、昨年4月に導入した『量的・質的金融緩和』を量・質の両面で拡充する。金融政策の目標としている資金供給量を、これまでの年60兆〜70兆円から年80兆円へと増やす。資金供給量は来年末には355兆円と国内総生産(GDP)の7割強にまで増える見通しだ。長期国債の買い入れ額も年50兆円から80兆円へと拡充するとともに、買い入れる国債の償還までの期間(平均残存期間)を『7年程度』から『7〜10年程度』へと延ばす。長い期間の金利の低下を促すことで、設備投資や住宅購入を支援する。日本株と連動するETFやREITの購入もこれまでの3倍に増やす。」(『日本経済新聞』2014.11.01)
●岩手県議会は10月10日の本会議で、消費税10%への引き上げ反対を求める意見書を賛成多数で採択した。県議会での採択は全国で初めて。…意見書は消費税廃止岩手県各界連絡会が10月3日提出した「消費税10%への引き上げ反対の意見書提出を求める」請願に基づいたもの。8日の総務常務委員会では審議がないままに請願は採決され、8人の委員の可否が同数となり、岩崎友一委員長の裁決で「不採択」となった。しかし、議会運営委員会が重要案件として本会議で賛否を問うことを決定。10日に本会議が開かれ、賛成多数で請願は採択され、それに基づいて意見書が提出された。(『全国商工新聞』2014.11.03より抜粋。)
●「政府の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)が4日開かれ、歳出の重点化・効率化という観点で、社会資本整備に関する議論が行われた。民間議員は、国庫債務負担行為の活用状況などを検証し、公共事業の平準化や人材の効率的活用を推進すべきと提案。民需主導の持続的成長を実現していくプロセスにおいて、当初予算で計画的な社会資本整備を計上し、補正予算は原則、災害対策などの緊急対応に限定すべきとした。民間議員は、年初の補正予算編成や単年度予算の制約などから、需要創造と減少の波が形成されたり、公共事業の受注が年度末に集中するなど、計画的な公共事業の執行に困難をもたらしていると指摘。不足していると言われる型枠工も通常、年始から3月中旬までは閑散期になると一例を示し、需要の波を平準化することが人手不足の大きな対策になると訴えた。民間能力の活用という観点では、償還主義の有料道路について、料金徴収の恒久化(応益負担化)に転換すべきと主張した。これにより、コンセッション方式の導入が促進され、維持管理・更新財源の捻出、多様で利便性の高いサービス提供が可能になると説いた。さらに、内閣府や財務省、総務省、国土交通省などが連携を強化し、上下水道の一体管理など地方公共団体の大胆なPFI導入を促すべきとした。」(『建設通信新聞』2014.11.06)
●「政府は6日、12月に策定する地方創生の長期ビジョンと総合戦略の骨子をまとめた。人口減少の抑制に向け、長期ビジョンの骨子では、2060年でも1億人の人口を維持できるよう、合計特殊出生率を13年の1.43から1.8程度に改善する目標を明記。今後5年間で取り組む総合戦略の骨子には、企業の地方拠点機能の強化や人口減少を踏まえた既存ストックのマネジメント強化などを盛り込んだ。」(『建設工業新聞』2014.11.07)
●「政府・与党は10日、来年度税制改正で焦点になる法人減税について、引き下げ幅を2016年度までに2%台後半とする方向で調整に入った。15年度の引き下げ幅は2%を軸に検討する方向だ。企業が黒字か赤字かに関係なく納める外形標準課税を16年までに2倍に増やすなどして財源を確保する。…外形標準課税が対象になるのは地方自治体の収入になる法人事業税。約4.8兆円の税収のうち大企業が納めている約2.8兆円の総額は変えず、負担の内訳を赤字企業は重く、黒字企業は軽くする。」(『日本経済新聞』2014.11.10)
●帝国データバンクが14日発表した消費税再増税に関する企業の意識調査によると、2015年10月に予定通り税率を10%に引き上げることについて、延期や中止を求める否定的な回答が7割近くに上った。食品関連の小売業では約半数が現行税率8%の維持を求めており、消費者により近い業界の抵抗感が強いことが分かった。(『しんぶん赤旗』2014.11.15より抜粋。)

行政・公共事業・民営化

●「北陸ブロック発注者協議会(会長・野田徹北陸地方整備局長)の2014年度第2回会合が10月31日、新潟市中央区の同整備局で開かれ、参画する全発注機関が入札・契約手続きに関する現状と今後の目標を原則として公表することを申し合わせた。歩切りの有無を始めとするブラックボックスの可視化は、発注者責務の遂行という改正品確法(公共工事品質確保促進法)の基本理念の実現へ推進力をもたらすことを意味する。国、県、市町村での意識の共有や取り組みの徹底が求められる中、今回の合意は建設産業の再生への大きな一歩となり、他地域にとっても参考事例となりそうだ。」(『建設通信新聞』2014.11.04)
●「総務省は5日、9月末時点の地方自治体の公共事業執行状況をまとめた。13年度から繰り越された予算と14年度当初予算を合算した22兆5046億円に対し、契約率は前年度同期比2.4ポイント高い58.1%。契約先への支出済み額の割合も0.4ポイント増の18.3%となった。同省は4月の消費増税に伴う景気の悪化を防ぐために公共事業の早期執行を要請してきたことが奏功したと分析している。」(『建設工業新聞』2014.11.06)
●「国土交通省が直轄工事で8月に始めた社会保険未加入業者の排除対策が、国関係の発注機関に広がっている。国交省に次いで多くの事業を抱える農林水産省が同時期に開始。他府省庁も追随して検討を進めている。水資源機構や高速道路会社など国交省所管の独立行政法人や関係機関も同様の措置を導入している。改正公共工事入札契約適正化法(入契法)に基づき9月末に閣議決定した改正適正化指針にも未加入業者排除が盛り込まれており、取り組みは一段と広がりそうだ。」(『建設工業新聞』2014.11.13)
●「東日本大震災で被災した岩手県沿岸部の公立学校で、新校舎建設工事の遅れが相次いでいる。資材不足による経費の高騰で設計の見直しを余儀なくされたり、入札が不調に終わったりしているためで、不便な仮設校舎の利用が長引くケースも出ている。」(『日本経済新聞』2014.11.15)

労働・福祉

●「関東財務局は、関東甲信越1都9県の271社に7月以降に実施した人手不足や資材・労務価格高騰の影響に関するヒアリングの結果をまとめた。建設業は、調査対象となった21社のうち15社が『人手不足』と回答。人材確保のため、非正規社員(技能工や現場管理者など)を正社員に登用したり、退職した職人を再雇用したりする動きが出ている。受注後の建設コストの上昇が利益の確保を困難にしているとの声も上がった。」(『建設工業新聞』2014.11.04)
●「全国建設業協会(近藤晴貞会長)は4日、会員企業に対して女性職員の在職・採用状況を調査した結果をまとめた。全社員に占める女性社員(技術者、技能者、事務職)の割合は12.4%だった。最近1年間に採用した社員に対する女性の割合は14.3%で、先行きは増加傾向にある。…調査は9−10月にかけて9月1日時点の状況を会員にアンケートした。7081社が回答した。回答社の社員数は計26万3050人。全社員に対する女性の割合は12.4%(3万2658人)だった。全社員のうち技術者は15万3933人で、うち女性は3.5%、技能者は3万9212人で、うち女性は2.4%、事務職は6万3212人で、うち女性は41.5%となっている。全社員に対する女性の技術者の割合は2.1%、技能者が0.4%、事務職が10.0%。全女性社員に対する技術者の割合は16.7%、技能者が2.9%、事務職が80.3%だった。」(『建設通信新聞』2014.11.05)
●厚生労働省が5日発表した9月の毎月勤労統計調査(速報)によると、物価の変動を反映した賃金水準を示す実質賃金指数(現金給与総額)は前年同月比2.9%低下した。前年割れは15カ月連続。アベノミクス(安倍晋三政権の経済政策)によって物価が押し上げられているため、実質賃金の低下が止まらない。(『しんぶん赤旗』2014.11.06より抜粋。)
●「厚生労働省は6日、工事現場の仮設足場からの墜落防止策を議論してきた有識者検討会の報告書を公表した。足場の組み立てや解体・変更時に使用する安全帯の取り付け設備について、設備が脱落しないなど安全性を確保することや、足場を組み立てる作業者の特別教育の実施を義務化するよう提言。元請業者には足場の作業前点検や点検結果の保存を求めた。同省は報告書を受け、労働安全衛生規則(省令)の改正に着手。今月中に改正案の概要をまとめ、意見募集を実施する。早ければ年内にも労働政策審議会(厚労相の諮問機関)に改正案を諮問する見通しだ。」(『建設工業新聞』2014.11.07)
●「建設作業中にアスベスト(石綿)を吸い込み肺がんなどを発症したとして、九州4県の建設労働者と遺族の計51人が、国と建材メーカー42社に計約11億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が7日、福岡地裁であった。高橋亮介裁判長は『防じんマスク義務付けが遅れた』などとして国の責任を認め、原告36人に総額約1億3000万円を支払うよう命じた。建材メーカー側への請求は棄却した。工場の石綿被害を巡り国の賠償責任を認めた『泉南訴訟』の最高裁判決後、司法判断が出たのは初めて。建設現場での石綿被害を訴えた集団訴訟は6地裁で起こされ、判決は3例目。2012年の東京地裁に続き、国の責任を認めた。他の訴訟や国の救済策にも影響を与えそうだ。」(『日本経済新聞』2014.11.08)
●「2011年3月卒業者で建設業に就職した3万0079人のうち、就職後3年以内に仕事を辞めたのは1万1563人おり、卒業後3年以内離職率が38.4%となったことが、厚生労働省の新卒者離職状況から明らかになった。前年(10年3月)の卒業者と比べ離職率は1.1ポイント上昇した。大卒者は1万5053人が就職し、3年以内に4402人が離職、離職率は1.6ポイント増の29.2%だった。高卒者は1万1532人の就職に対し、5597人が仕事を辞めたことから、3年以内離職率は1.7ポイント増の48.5%と、ほぼ2人に1人が離職している。全産業の高卒離職率39.6%と比べ、建設業の離職率は8.9ポイント高く、人材を確保しても定着が困難であることを浮き彫りにしている。」(『建設通信新聞』2014.11.12)

建設産業・経営

●「次世代無人化施工技術研究組合(東京都港区、油田信一理事長)が6日、発足した。無人化施工という日本が世界に誇る先端技術を産官学一体で育みながら、『人の手』をも超える操作性を持つ『次世代』技術の開発に取り組む。初弾となる研究開発テーマは、政府の『戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)』に位置付けられる『遠隔操作による半水中作業システム』。洪水時など、水深2メートル程度の“半水中状態”が想定される災害現場を念頭に水中走行式のクローラーダンプを開発する。」(『建設通信新聞』2014.11.07)
●「建設技能者・技術者の共同訓練施設、富士教育訓練センター(静岡県富士宮市)を運営する全国建設産業教育訓練協会(才賀清二郎会長)は6日、東京都内で臨時総会を開き、施設の建て替え計画の見直しを決議した。設計・施工者を選ぶ入札に応募者がなかったことから、最新の建築費の動向を踏まえ、当初計画通り30億円で可能な規模に縮小。宿泊可能人数を200人から355人に増やすことを優先する一方、教室棟や本館の建て替えは先送りする方向で詰める。」(『建設工業新聞』2014.11.07)
●「大和ハウス工業は7日、2015年3月期の連結純利益が従来予想を30億円上回り前期比6%増の1080億円になる見通しだと発表した。消費増税の反動を受けて戸建て住宅は落ち込みが続くが、賃貸住宅が好調なのに加え商業施設や事業施設といった『非住宅』分野が伸びる。マンション販売も底堅く、過去最高を見込んでいた純利益が一段と上振れする。」(『日本経済新聞』2014.11.08)
●「国土交通省は、建設技能労働者の社会保険加入を促進するための追加策を検討する。元請企業が下請企業に見積もりを依頼する際に示す工事見積もり条件書で、社会保険加入に必要な法定福利費が別枠計上されるようにすることを想定している。法定福利費を内訳明示した標準見積書の活用と組み合わせ、法定福利費が発注者から元請、下請を通じて技能労働者に確実に流れるようにする。近く始める実態調査の結果を踏まえて具体策を練る。」(『建設工業新聞』2014.11.10)
●「上場ゼネコン大手4社の14年4〜9月期連結決算が11日、出そろった。業績の先行指標となる受注高(単体ベース)は、国内土木で超大型案件をそろって受注したものの国内建築が低調に推移し、前年同期を上回ったのは2社にとどまった。手持ち工事の消化で全社が増収となったが、完成工事総利益(粗利益)率が悪化した2社は、本業のもうけを示す営業損益も減益となり明暗が分かれた。15年3月期は4社とも営業増益を見込んでいる。」(『建設工業新聞』2014.11.12)
●「太平洋セメント、住友大阪セメント、三菱マテリアル、宇部興産のセメント大手4社の14年4〜9月期連結決算が11日までに出そろった。これまで需要増を下支えしてきた東日本大震災の復興事業や首都圏での需要が伸び悩んだことで、住友大阪を除く社で国内販売数量が微減となり、売上高も前年並みとなった。操業コスト増などの影響で3社が営業減益だった。」(『建設工業新聞』2014.11.12)
●「国土交通省が11日発表した9月の建設工事受注動態統計によると、14年度上半期(4〜9月)の総受注高は、前年同期比1.1%減の38兆1072億円となった。消費増税前の駆け込み需要が集中した前年度上半期に対する反動で、民間工事の受注高が大きく落ち込む一方、公共工事の前倒し発注や大規模案件の受注が下支えし、全体では微減にとどまった。 総受注高の内訳は、元請受注高が26兆4845億円(前年度同期比2.1%減)、下請受注高は11兆6226万円(1.4%増)。」(『建設工業新聞』2014.11.12)
●「空調大手6社の2015年3月期第2四半期(4−9月)決算(連結)が12日、出そろった。業績の先行指標となる受注高は3社で前年同期と比べ増加し、完成工事高は5社で増えた。国内で工事量が増加している状況で、採算性を重視した選別受注の実施やコストの削減などにより利益を確保しようとする動きが目立った。売上総利益率は5社でプラスとなっており、そうした傾向が数字にも現れた格好だ。一方、労務費・資材費の高騰や人手不足が問題視される中、手持ち工事の遅延や工期のしわ寄せ、単価の実態とのかい離などが利益面に影響を与えている状況もみられる。」(『建設通信新聞』2014.11.13)
●「東日本建設業保証は12日、建設業の財務統計指標(2013年度決算分析)を明らかにした。同社と取引のある2万5683社を分析したもので、指標として表れにくい中小建設業の経営実態が浮き彫りになっており、アベノミクスの経済効果や震災復興需要を反映し、収益、流動、健全、生産で好転している。特に収益性の総資本経常利益率(2.67%)、売上高利益率(1.24%)は、最悪だった09年度から4年連続好転し、この5年間でそれぞれ4.38ポイント、2.97ポイント向上させた。」(『建設通信新聞』2014.11.13)
●「長谷工コーポレーションは13日、2015年3月期の連結経常利益が前期比38%増の350億円になるとの見通しを発表した。従来予想は300億円だった。マンション建設で好調な受注が続いており、受注価格の引き上げでコスト増を吸収、利益率が改善する。売上高は11%増の従来予想を据え置いたものの、完成工事高を200億円上方修正した。単独受注高は22%増の4400億円と400億円引き上げた。年度末に集中しがちな工事量の平準化に取り組んでいる。営業利益は28%増の370億円と40億円上方修正した。工事採算を示す完成工事総利益率(単独ベース)は9.7%と1.3ポイント改善する。労務費や資材費が上がっているが、マンション用地開拓や企画段階から早めに人手の確保に動くなど工期管理を徹底する。固定資産売却益が減って純利益は7%減となる見通し。」(『日本経済新聞』2014.11.14)
●「積水ハウスは13日、2015年1月期の連結純利益が前期比12%増の890億円になる見通しだと発表した。過去最高だった従来予想をさらに30億円引き上げる。開発物件の売却先だった不動産投資信託(REIT)が来月上場する予定で、売却益などを計上する。」(『日本経済新聞』2014.11.14)

まちづくり・住宅・不動産・環境

●「国土交通省は老朽化が進む郊外の団地再編を促す。高齢化で空室が目立つ団地を廃止しやすくし、街の中心部に住宅を集約できるようにする。独立行政法人の都市再生機構(UR)が地域単位で団地を統廃合できるよう来年の通常国会にUR法改正案を提出する方針だ。空き家・空き室の解消につなげるとともに、交通の便が良い好立地に住民の住み替えを促す取り組みを後押しする。」(『日本経済新聞』2014.11.03)
●「東京都心部を中心に、賃貸料の二極化が一段と進んできた。ビルオーナーがテナント企業を募集する際の賃貸料から算出したオフィスビル賃貸料指数(1985年2月=100)は、東京の既存ビルが128.00と前年の下期を上回った。移転の需要が築年数の浅い大規模ビルに集中する一方、古いビルや駅から遠い中小ビルには依然として空室が残る。」(『日本経済新聞』2014.11.04)
●「日本スポーツ振興センター(JSC)は10月31日、公募型プロポーザルで選定していた『新国立競技場新営工事(スタンド工区)』の施工予定者を大成建設、『同(屋根工区)』の施工予定者を竹中工務店にそれぞれ決めた。実施設計の段階から施工予定者が関わり、工法や仕様を確定する『施工予定者技術協議方式』を採用する。11月中に2者と実施設計への技術協力業務に関する見積もり合わせを行い、請負契約を結ぶ。」(『建設工業新聞』2014.11.04)
●「国土交通省がまとめた14年度上半期(4〜9月)の新設住宅着工戸数は前年度同期比11.6%減の44万1367戸だった。今年4月の消費増税を控えて駆け込み需要があった昨年度に対する反動が響いた。駆け込み需要の影響がない2年前の12年度同期と比べると0.4%減とほぼ同水準となっている。着工戸数の内訳は、持ち家(注文住宅)が21.6%減の14万3342戸、貸家が0.3%減の17万6808戸、分譲住宅が13.6%減の11万7569戸。分譲住宅のうち、マンションは21.5%減の5万3111戸、一戸建てが6.0%減の6万3682戸だった。」(『建設工業新聞』2014.11.04)
●「復興庁は4日、東日本大震災の被災者向けに整備する災害公営住宅について、今年9月末時点の整備実績を公表した。計画戸数に対して供給済み戸数は岩手県で15%(899戸)、宮城県で12%(1794戸)だった。両県合わせた整備率は約13%。供給戸数はこれまで年度ごとに公表しており、年度途中の実績を示すのは今回が初めて。今後は四半期ごとに整備実績を公表していく。14年度末の整備率は岩手県で28%(1680戸)、宮城県で42%(6467戸)に高まる見通し。最終的には岩手で5946戸、宮城で1万0419戸を整備する。福島県の計画戸数が確定していないため同県の整備率は示していないが、供給戸数は9月末で949戸だった。」(『建設工業新聞』2014.11.05)
●「九州電力川内原子力発電所1、2号機(鹿児島県)を巡り、鹿児島県議会と伊藤祐一郎同県知事は7日、再稼働に同意した。立地する薩摩川内市も同意済みで、同原発は今冬にも再稼働することが確実になった。東京電力福島第1原発の事故の影響で昨年9月から続く『稼働原発ゼロ』の状態が、1年数カ月ぶりに解消する。」(『日本経済新聞』2014.11.08)
●東京都築地市場(中央区)の東京ガス工場跡地(江東区豊洲)への移転計画にかかわる土壌汚染除去対策工事の費用負担をめぐって、都が汚染原因企業の東京ガスに大幅な譲歩をしていたことが、本紙の取材で判明した。都は東京ガス側の要望を容認し、同社の負担額を提示した額の約4割にあたる約50億円も“値引き”していた。豊洲新市場用地は、東京ガス工場の操業による有害物質のベンゼン、シアン化合物、ヒ素などで高濃度汚染されている。東京ガスグループ(東京ガスと東京ガス豊洲開発)は2011年3月に都と用地売買契約を結んだ際に、汚染対策費用の一部、78億円を都に支払うことで合意した。両者は交渉の経過を明らかにしていない。…関係者は匿名を条件に取材に応じ、都側が約130億円の負担を求めたものの、東京ガス側の提示額とかけ離れていたため、大幅に減額して78億円で合意したと証言した。…この用地をめぐっては、都が土壌汚染調査を行うたびに環境基準を大幅に上回る広域的な汚染が判明。除去対策費用は09年時点の586億円から762億円に大幅に増加する見通しで、現在、東京ガス側への追加請求が問題となっている。(『しんぶん赤旗』2014.11.08より抜粋。)
●「人件費や資材の値上がりによる建築工事費の高騰が、全国で進む多くの市街地再開発事業に影響を及ぼしている実態が全国市街地再開発協会の調査で明らかになった。着工済みの事業では、施工業者との間で契約変更が必要になったり、着工前の事業では計画の見直しや着工時期の先送りを余儀なくされたりするケースが相次いでいる。調査は、建築工事費の高騰が事業が進行中の市街地再開発(3月末時点で146地区)に及ぼしている影響を把握する目的で行った。再開発組合やゼネコン、デベロッパー、自治体など計393者を対象に5月中旬に調査票を送付。7月末までに58%の228者から回答を得た。…調査結果によると、11年度以降に着工済みの79地区のうち、今年7月末までに14%の11地区で契約変更が行われ、52%の41地区で契約変更を交渉中だった。工事契約前の72地区では、78%の56地区が事業計画を見直し、6%の4地区が着工時期を先送りしたことが分かった。…回答内容を見ると、11年度以降の着工済み79地区のうち、8割以上で資材費と人件費が値上がりした。7割が人材の確保、6割弱が資材の確保に苦労していると答えた。同様に工事契約前の72地区でも9割以上で資材費と人件費が値上がりし、半数近くが人材や資材の確保に苦労していると回答した。」(『建設工業新聞』2014.11.10)
●「8月に広島市北部で起きた大規模土砂災害を教訓に住民の避難誘導の迅速化などを目指す改正土砂災害防止法が12日の参院本会議で全会一致で可決、成立した。公布から2カ月以内に施行する。都道府県に土砂災害リスクの高い箇所の公表を義務付けるほか、国による自治体への対策支援や関与を強める。改正案の柱は、▽土砂災害の危険性のある区域の明示▽円滑な避難勧告などの発令に資する情報の提供▽避難体制の充実・強化―の3点。」(『建設工業新聞』2014.11.13)
●「東京電力福島第一原子力発電所事故の除染で発生した汚染土を保管する中間貯蔵施設に関し、環境省は同施設の運用開始後、最初の1年間で福島県内各地から汚染土計4万3000立方メートル程度を試験的に搬入する方針を明らかにした。汚染土の総量は最大2200万立方メートルと推計されており、全体の0.2%に当たる。年内に策定する汚染土の『輸送実施計画』に盛り込む。」(『建設通信新聞』2014.11.14)
●「国土交通省は10月31日、建築物リフォーム・リニューアル調査の平成25年度下半期受注文を公表した。受注高は5兆1954億円(前年同期比9.8%増)。うち、住宅に係る工事の受注高は2兆5786億円(同38.7%増)、非住宅に係る工事は2兆6168億円(同8.9%滅)だった。住宅に係るリフォーム工事を業種別に見ると、建築工事業が1兆4195億円(同12.5%増)、職別工事業が1兆82億円(同240.0%増)。住宅の利用関係別では、賃貸以外の受注が1兆6195億円(同18.4%増)で、賃貸を上回った。…リフォーム・リニューアル工事の目的は、劣化や壊れた部位の更新・修繕、省エネルギー対策に係る工事の受注件数が多かった。主たるものとした工事部位は、住宅に係る工事では給水給湯排水設備や外壁の工事の受注件数が多く、今年上半期と同様に昇降機設備(同169.7%増)の受注件数が大きく増加している。」(『日本住宅新聞』2014.11.15)

その他