情勢の特徴 - 2014年11月後半

経済・財政 行政・公共事業・民営化 労働・福祉 建設産業・経営 まちづくり・住宅・不動産・環境 その他

経済・財政

●「東京都は労務費や資材価格高騰を理由にした入札・契約不調の解消へ向け、予定価格増額のための補正予算を計上する方針を決めた。東京都財務局は、2014年度第4回定例会に上程する補正予算案に入札不調対策費として53億円を計上した。具体的には、今年度内に発生した入札不調・不落案件に53億円を振り分け、それぞれの予定価格に上乗せする。補正額の合計は188億円。」(『建設通信新聞』2014.11.17)
●内閣府が17日発表した7〜9月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.4%減、年率換算で1.6%減だった。事前の予想を大幅に下回り、2四半期連続のマイナスとなった。…実質GDPを主要項目別でみると、住宅建設は前期比6.7%減だった。また、経済のけん引役である設備投資は0.2%減とそれぞれ2四半期連続でマイナスとなった。個人消費は、0.4%増にすぎず、5.0%減と大きく落ち込んだ前期からの回復の弱さが改めてしめされた。背景には、物価が上昇する一方、賃金は増えず、実質賃金が落ち込んでいることがある。7〜9月期の実賃雇用者報酬は、前年同期比でマイナス0.6%になった。(『しんぶん赤旗』2014.11.18より抜粋。)
●「安倍晋三首相は18日夜、首相官邸で記者会見し、21日に衆院を解散すると表明した。2015年10月に予定していた消費税の税率10%への引き上げは1年半先送りする考えを示した。再延期はせず17年.4月に増税を必ず実施する方針も明言した。…首相は地方創生関連2法案の成立後、衆院解散に踏み切る。衆院選の日程は『12月2日公示−14日投開票』となる。首相は記者会見で、475議席のうち自民、公明両党で過半数の238議席に届かなければ退陣する意向を示した。18日時点で自公の合計議席数(衆院議長を含む)は326となっている。」(『日本経済新聞』2014.11.19)
●「安倍晋三首相が18日に緊急経済対策の取りまとめを指示し、政府は商品券を発行したりガソリンや灯油を買う低所得者を支援したりする自治体への交付金を設ける方針を固めた。『地域住民生活緊急支援交付金』(仮称)をつくり、個人消費の底上げや円安・燃油高への対応を急ぐ。2014年度補正予算案で数千億円規模を計上し、総額2兆〜3兆円程度と見込む対策の柱とする。交付金は消費喚起や円安対策といった政府が定める制度創設の狙いの範囲内で、各市町村が地域の実情に応じて自由に使えるようにする。商品券の販売価格より額面が上回る『プレミアム付き商品券』の発行や、多子世帯の家計負担の軽減など個人消費を促す施策への支援を想定する。」(『日本経済新聞』2014.11.19)
●「日銀は25日、追加金融緩和に踏み切った10月31日の金融政策決定会合の議事要旨を公表した。追加緩和に賛成した委員からは、政策の逐次投入と市場に受け取られないよう『可能な限り大きな規模を目指すべきだ』との声が多かった。一方、反対派は追加緩和しても『コストや副作用に見合わない』との懸念を示した。日銀の政策委員間で意見が大きく割れた決定だったことが改めて浮き彫りになった。日銀は10月31日、13年4月に黒田東彦総裁の下で量的・質的金融緩和を導入して以降、初めて金融政策を変更した。黒田総裁が追加緩和案を議長提案し、全9人の政策委員のうち賛成が5票、反対が4票と、薄氷を踏む多数決だった。…追加緩和の理由は、急速な原油安に伴う物価上昇ペースの鈍化だった。多くの委員が足元の原油安を前提にすれば物価の押し下げが『来年度前半ごろまで続く』と指摘し、物価見通しは『下振れる』と語った。…黒田総裁は2年程度で2%の物価上昇率を達成できるとのシナリオが崩れれば、ちゅうちょなく追加緩和すると繰り返してきた。ある賛成派は、追加緩和しなければ『コミットメント(約束)をほごにしたと理解され、日銀の信認が大きく損なわれる』と強調した。一方で、反対派からは『追加緩和による効果は、それに伴うコストや副作用に見合わない』との慎重論が相次いだ。追加緩和で国債の大半を日銀が買い入れれば『国債市場の(取引が急減し)流動性を著しく損なう』との声が相次いだ。日銀が政府の財政赤字を補?する財政ファイナンスに陥ったと『実質的にみなされるリスクがより高くなる』との懸念も何人かの委員から上がった。」(『日本経済新聞』2014.11.25)
●「地方創生の理念を定めた『まち・ひと・しごと創生法』と、地域の活性化に取り組む自治体を国が一体的に支援する『地域再生法の一部を改正する法律案』の地方創生関連2法が21日の参院本会議で可決・成立、年内に施行されることになった。最大のテーマは急速な人口減や高齢化への対応だ。東京一極集中の是正と、地方都市の活性化を軸にした『まち・ひと・しごと創生』への取り組みが本格化する。関連2法の成立を受けて、政府は地方創生に向けた国の総合戦略の策定を急ぐ。人口急減で約5割の自治体が将来消滅の危機に直面する可能性が指摘される中、活性化に力を入れる自治体に対する総合的かつ計画的な支援体制の構築と、東京一極集中の是正に全力を挙げる。」(『建設通信新聞』2014.11.25)
●「個人消費の回復が滞っている。総務省が28日発表した10月の家計調査によると、2人以上の世帯の消費支出は物価変動の影響を除いた実質で前年同月より4.0%減り、消費税率を上げた4月から7カ月続けて前年を下回った。家電や旅行への支出が減り、消費者の節約志向がうかがえる。消費者物価の上昇率も縮んでおり、国内の景気は足踏みが続いている。10月の消費支出は1世帯あたり28万8579円だった。実質で見ると、家具・家事用品が前年比14.4%減と大きく落ち込んだ。冷蔵庫やエアコンなどへの支出が減り、消費税が上がった後の落ち込みから抜け出していない。被服・履物は6.9%減、食料は1.4%減と身近な商品への支出も振るわなかった。教養娯楽への支出は5.6%減で、国内パック旅行などが減少した。サービスへの支出は4カ月続けて前年を下回る。」(『日本経済新聞』2014.11.28)

行政・公共事業・民営化

●「国土交通省は17日、国土審議会・水資源開発分科会の調査企画部会(部会長・沖大幹東京大学生産技術研究所教授)を開き、今後の水資源政策のあり方について、答申(原案)をまとめた。大規模淡害や危機的な渇水など、人命や経済活動に深刻な影響を及ぼすあらゆるリスクに柔軟に対処できる『幅を持った社会システムの構築』を提唱。増大する水需要に対応してきた『水資源開発の促進』から、『水の安定的な供給』へとステップアップを図る。」(『建設通信新聞』2014.11.18)
●「自民党PFI調査会(佐田玄一郎会長)は、18日に党本部で開いた会合で、次期通常国会への提出を目指す『官民連携事業推進基本法案(仮称)』のたたき台を提示した。官民が連携する事業の特性を踏まえ、公共施設管理者が、地域の民間事業者の創意工夫、技術、提案が優先的に評価される入札・契約制度を導入・活用するよう努めることなどを明記した。」(『建設工業新聞』2014.11.19)
●「太田昭宏国土交通相は20日、首都高速道路会社が申請していた大規模改修工事の実施を許可した。工事は2028年度に終える予定で、事業費は6262億円。必要な財源確保策として、高速料金の徴収期間を65年まで15年延ばす仕組みを初めて適用する。将来の料金収入を担保に資金調達し、老朽化対策に充てる。」(『日本経済新聞』2014.11.21)
●「数年前に1円や10円などの超安値受注が相次いだ東京都発注の都営住宅基本設計業務で、受注価格が大幅に上昇している。ダンピング対策としてプロポーザル方式を導入した結果、14年度の『戸当たり単価』(基本設計業務の年間総委託額を総戸数で割った金額)は3年前の57倍になった。価格より技術重視の発注方式の効果が明確に表れた形で、設計界からは歓迎の声が上がるが、書類提出の煩雑さを指摘する声もある。」(『建設工業新聞』2014.11.26)

労働・福祉

●「389人が選ばれた14年度の優秀施工者国土交通大臣顕彰(建設マスター)で、女性の建設マスターが過去最多の5人誕生した。今回から団体に割り当てられた枠を超えても優秀な女性を推薦できるようになり、その中から造園工、とび工、鉄筋工と2人の電工が選ばれた。ものづくりの最前線に従事し、優れた技能・技術で後進の指導にも責献する人たちに与えられる建設マスターに女性がどんどん増えていけば、これから『けんせつ小町』を目指す若い女性たちの目榛にもなりそうだ。」(『建設工業新聞』2014.11.18)
●「国土交通省は、民間建築工事を施工する建設会社の社会保険加入状況に関する実態調査を行う。…現場ごとに、元請業者と施工体制台帳に記載されたすべての下請業者の加入状況を把握する。調査結果は、官民でつくる社会保険未加入対策推進協議会で共有。加入促進の追加策を盛り込む協議会の申し合わせ内容の検討に役立てる。…各現場の元請とすべての下請を対象に健康保険、年金保険、雇用保険の作業員の加入状況を人数で回答してもらう。昨年9月に推進協の申し合わせで一斉活用が始まった標準見積書などを活用して法定福利費を内訳明示した見積書の提出状況や、内訳明示が行われていない場合の理由も聞く。建設業退職金共済制度の活用状況も調べる。国交省は毎年度の公共工事労務費調査を通じ、公共工事を施工する企業の加入状況を把握してきた。事業者単位で17年度に建設業許可業者の加入率100%、労働者単位で製造業相当の加入率目標を達成するには、民間工事の施工業者を含めた全体像を把握することが必要と判断した。」(『建設工業新聞』2014.11.19)
●「日本建設業連合会の中村満義会長、山内隆司副会長・建築本部長、宮本洋一副会長・土木本部長は、20日の理事会後に会見し、労賃引き上げや社会保険加入促進に引き続き注力する考えを示した。中村会長は、4月にまとめた『建設技能労働者の人材確保・育成に関する提言』の取り組み状況について、『各専門部会で実現のための検討を進めている。来年2月に予定している各社の取り組み状況に関するフォローアップアンケートの結果を踏まえてさらに活動を加速したい』と取り組みのパワーアップを考えていることを明かした。」(『建設通信新聞』2014.11.21)
●「建殻コンサルタンツ協会(建コン協、大島一哉会長)は、会員428社を対象に行った技術者実態調査の結果をまとめた。人材不足が深刻化する中で、各社が雇用する技術者の人数や年齢構成などを調査。回答した174社の技術者総数は4月1日時点で合計2万0801人で、年齢構成は40代が7260人と34.9%を占めて最も多く、20代と30代を合計した6980人を上回った。建コン協は『いびつな年齢構成は将来、大きな問題になる』(大島会長)と危機感を募らせている。…技術者総数の内訳は男性1万9221人、女性1580人で、女性技術者の割合は7.6%と10%に満たなかった。男性技術者の年齢構成を見ると20代2268人、30代3697人、40代6817人、50代4408人、60代2031人と40代が突出して多い。コンサル各社は1990年代後半、政府が景気対策などで公共事業予算を積み増ししたことを背景に採用人数を大幡に拡大。その後の予算縮小や市場環境の悪化を受け急激に採用を手控えたことが、いびつな年齢構成を招いた。…公共事業予算の減少に伴い、コンサル業務の発注量も減少傾向にあったが、東日本大震災の復旧・復興や既存インフラの老朽化対策、相次ぐ自然災害への対応などでここ数年は業務発注量が急増。これに伴い技術者の負担も増えており、長時間労働の是正や職場環境の改善が以前にして大きな課題になっている。」(『建設工業新聞』2014.11.21)
●「厚生労働省が21日にまとめた2014年1−10月(速報、11月7日時点)の労働災害発生状況によると、休業4日以上の建設業の死傷者数は、1万2909人と、前年同期と比べ1.6%増(203人増)となった。うち死亡者数は299人で19.6%増(49人増)だった。建設業の死亡者数は、依然として2桁増の伸び率を示していることから、過去の労災状況から推測すると、14年1年間の死亡者数は、2年ぶりに前年を上回る可能性が高くなった。3年連続して前年を上回っている死傷者数も、前年同期比の伸び率が現時点でも1%台のため、4年連続して前年を上回る状況にあるといえる。」(『建設通信新聞』2014.11.25)
●「建設業に従事する“一人親方”の労災保険への特別加入者数が年々増加している。厚生労働省がまとめた『中小事業主等特別加入状況』によると、2013年度末の建設業の一人親方の特別加入者数は40万6223人(速報値)で、前年度より2.3%増えた。国土交通省の社会保険未加入対策の推進によって技能労働者の一人親方化が進んだためとの声がある一方で、いままで不明確だった技能労働者の位置付けの明確化が進んだとの見方もある。」(『建設通信新聞』2014.11.27)
●「建設業で支払われた月額平均給与が、全産業平均の伸び率を超えて増え続けている。厚生労働省が公表した14年度上半期(4〜9月)の毎月勤労統計調査から日刊建設工業新聞が集計したところ、全産業の現金給与額の平均が前年同期比1.1%増の31万5396円だったのに対し、建設業は2.0%増の37万5601円だった。賞与(ボーナス)に当たる『特別に支払われた給与』が増えたのが主因。基本給などの部分も上昇している。」(『建設工業新聞』2014.11.27)

建設産業・経営

●「道路舗装7社の2015年3月期第2四半期(4−9月)決算(単体)が出そろった。完成工事総利益(粗利)率は、非開示の大林道路を除く5社が前年同期実績を上回り、限りのある工事消化能力を考慮しながら、採算性を重視した選別受注が効果を挙げている。…受注高は4社が増加した。NIPPOは前年同期比8.3%増となり、舗装土木の減少分を好調な建築が補った。舗装土木は民間が好調な一方、官公庁は前年同期にあった大型工事の反動減で減少した。売上高は、大成ロテック、東亜道路工業、世紀東急工業が減少し、4社が増加した。…利益面では、5社が営業利益、経常利益、純利益を伸ばした。」(『建設通信新聞』2014.11.17)
●「大手・準大手ゼネコン22社の2015年3月期第2四半期(4−9月)決算が出そろった。単体の受注高は13社が増え、うち土木は、東京外かく環状道路(外環道)やダムなどの大型案件が寄与し、大幅に受注を伸ばした社が多かった。一方の建築は、消費増税に伴う反動減が鮮明となった。この特殊要因から前年同期比で減少している社が多いものの、『例年と比べ受注額の水準自体は悪くない』という声も聞こえる。…完成工事総利益(工事粗利)率は16社が改善し、その平均は6.9%で、うち土木が9.9%、建築が4.9%だった。土木は11社が10%以上と高い水準を記録した。建築の粗利率は依然として回復途上といえ、総じて緩やかな回復基調にはあるものの、前期に引き続き苦戦している社もある。ただ、各社とも『低採算工事の影響はかなり減少した』とするなど、回復基調の局面に入っていることは間違いなさそうだ。」(『建設通信新聞』2014.11.17)
●「国内の合板メーカーが国産材を使ったコンクリート型枠用合板事業に力を入れ始めた。型枠用市場は約95%が南洋材を使う輸入品だが、国産品も品質が向上してきた。住宅建設需要の減少により、国産の主力品である床や壁の下地材の販売が低迷している。合板メーカー各社は国産の型枠用を新たな収益源に育てる。…型枠用の主力はマレーシア産など南洋材を使った輸入品だ。表面が滑らかで加工しやすいため長く使われてきた。国産の杉は節が多く強度も弱いため、コンクリートを固める際に表面がいびつになり、型枠用に向かないとされていた。合板業界は人工林で一番多い杉にこだわっていたが、最近は強度の高いヒノキや松を使うようになった。合板の表面にかける塗装も何重にも施し、表面が滑らかになった。…戦後に大量に植林して成長した森林は適切に管理・保全されていない場合もある。国産品を有効利用する必要がある。…合板メーカーが型枠用に重点を置くのは、国内市場が縮小するとみているからだ。合板業界はこれまで住宅の床や壁の下地に使う構造用合板に力を入れてきた。ただ、消費増税後の住宅着工の落ち込みに加え、『中長期的にも人口の減少や少子高齢化で新設の住宅着工は右肩下がりになる』(セイホク)との見方は多い。輸入品(塗装)の問屋卸価格(東京地区)は1枚1400円前後で、国産は同1250〜1300円。1年前はほぼ同価格だったが、足元は円安で輸入品が値上がりしており、国産の販売には追い風だ。」(『日本経済新聞』2014.11.19)
●「不動産大手の2015年3月期第2四半期(4−9月)連結決算が出そろった。前期の反動減などから4社が経常減益となったが、オフィス市況の改善傾向が続くことなどから、15年3月期では全社が増収を見込む。…都心を中心とした不動産市況は良好で、空室率では三菱地所が地所単体のビル事業4.7%、三井不動産のオフィス・商業施設4.6%、東急不動産のオフィスビル・商業施設が2.0%と低水準を維持している。」(『建設通信新聞』2014.11.19)
●「東京都鉄筋業協同組合(東鉄協、館岡正一理事長)は、会員企業を対象に社会保険加入に必要な法定福利費を内訳明示した標準見積書の活用状況を調べたアンケート結果をまとめた。9〜10月に元請企業に提出した見積書のうち、標準見積書が使われたのは418件中225件で、提出された標準見積書を元請企業(ゼネコン)が受理したのは145件、元請に社会保険料の事業主負担分が認められたのは29件(8社)だった。7〜8月の前回調査に比べ、受理件数(72件)、事業主負担分件数(19件・8社)ともに増加。標準見積書活用に前向きな元請が少数ながら出てきたようだ。」(『建設工業新聞』2014.11.20)
●「首都圏を中心に、建設工事に欠かせないダンプトラックの不足を懸念する声が出ている。工事量の増加にダンプの数が追い付かなくなるとの不安だ。運転手の高齢化も進み、労働環境の劣悪さから若手の減少も続く。首都圏ではこれから、東京外かく環状道路都内区間やリニア中央新幹線、2020年東京五輪関連の施設整備など大規模工事がめじろ押し。関係者の間には、現場でダンプの奪い合いが始まると危惧する声もある。…国土交通省の資料によると、全国のダンプの台数は、ピークの07年には17万1800台(営業用6万5607台、自家用10万6193台)あったが、11年には16万3477台(営業用6万3132台、自家用10万0345台)に減った。台数が減っても工事が少なければ問題はなかったが、東日本大震災の復興工事や、経済対策で公共工事や民間工事が増えた影響でひっ迫感が強まった。ダンプ運転手の高齢化も深刻だ。ダンプ労働者が加盟する全日本建設交運一般労働組合(建交労)全国ダンプ部会(廣瀬肇事務局長)が13年12月〜14年1月に行ったアンケートによると、運転手の年齢で最も多かったのが60代の40.6%、次いで50代の27.6%。70代以上も9.2%あった。一方、20〜30代はわずか3.8%にとどまる。燃料代などの経費を差し引いた昨年の純所得の平均は283万円。日給制や歩合制の事業所が多く、賃金も変動しやすい。業界を所管する国交省は女性活用も含めた入職促進策を進めているが、就労環境が厳しいため、状況の好転はすぐには期待できないのが実情だ。公共工事の設計労務単価では建設ダンプ関係の単価も工事と同様に引き上げられたものの、廣瀬事務局長は『実際に単価が上がったという回答は27.8%。変化がないという回答が64.2%もあり、引き上げの浸透が不十分』とみる。需要が増加していることから、『いったん廃業した事業者が再開する例も皆無ではないが、状況は厳しい。業界の構造的な問題が大きい』と指摘している。」(『建設工業新聞』2014.11.20)
●「大手・準大手ゼネコンが、東南アジアを中心に海外受注を伸ばしている。各社が発表した14年4〜9月期決算によると、上場大手4社のうち清水建設はシンガポールで大型の病院新築工事を受注したことがけん引し、連結ベースで前年同期から倍増となる1098億円を超える受注高を計上。五洋建設もシンガポールで大規模な土木・建築工事を相次いで受注し、単体の海外受注高が約1896億円と、好調だった前年同期の約4倍に達した。14年4〜9月期の大手4社の海外受注高は、連結ベースで大林組が1471億円(前年同期比43.9%減)、鹿島が952億円(31.3%減)、清水建設が1098億円(114.0%増)。単体ベースでの実績を公表している大成建設は437億円(228.7%増)だった。」(『建設工業新聞』2014.11.26)

まちづくり・住宅・不動産・環境

●「不動産経済研究所(東京・新宿)が17日発表した10月の首都圏マンション発売戸数は前年同月比10.9%減の3125戸で、9カ月連続で前年実績を下回った。契約率は63.3%と好不調のメドの7割を2カ月ぶりに割り込んだ。特例措置による駆け込み需要の反動減は9月までだったが、建設費の上昇による価格の高騰で消費者の購入意欲は引き続き低調だった。…昨年は9月末までに購入契約を結べば、引き渡しが今年4月を過ぎても5%の消費税率で買えたため、大量の駆け込み需要が発生。今年の9月まではその反動減も見込まれていた。駆け込み需要の影響がない10月の販売動向に関心が集まったが、回復にはつながらなかった。1〜10月の1戸当たりの平均販売価格は5054万円と前年同期と比べると4.3%高い。バブル崩壊直後の1992年(5066万円)以来の高水準となっている。」(『日本経済新聞』2014.11.18)
●「国土交通省は17日、昨年12月に施行された交通政策基本法に基づいて作る基本計画(14〜20年度)の最終案をまとめた。高齢化の進展や国内外からの来訪者が増える2020年東京五輪をにらみ、交通施設のバリアフリー化と耐震整備の目標値を設定。駅などすべての交通旅客ターミナルを完全バリアフリー化するほか、東京都内などの駅に設置するホームドアの数を現在より4割増やす。東京都心などの主要鉄道路線の完全耐震化も目指す。」(『建設工業新聞』2014.11.18)
●「東日本大震災で被災し、沿岸部の運休が続くJR山田線(岩手県)の復旧計画が足踏みしている。JR東日本は1月、第三セクター・三陸鉄道へ運行を移管する条件で施設を元に戻すと表明したが、赤字を懸念する沿線自治体との協議は長期化。その間も人口減少は続き、再生の展望が描きにくくなっている。同線の運休区間は、津波で線路や橋が流失した宮古−釜石間の55.4キロ。JRは当初、バス高速輸送システム(BRT)での仮復旧を提案したが、沿線市町は拒否。打開策としてJRが示したのが三セク化だった。2月には復旧費の約7割、140億円の負担や人材支援、10年分の赤字補?として5億円の援助を提示した。…しかし、地元では『支援額の根拠が不透明』との声が収まらず、8月の沿線首長会議では移管の是非を棚上げし、条件整備を続けることにした。運休区間は震災直前の乗客数がJR発足時の4割、1日約700人に落ち込んでいた。地元の試算では、仮にJRが復旧させても最大480人ほどにしかならない。…被災した駅周辺は多くが地盤工事中で、地元住民は離れた仮設住宅などに暮らす。自治体は『鉄道の復旧が決まらなければ、住民も戻って来られない』と気をもむが、沿線の大槌町は推計人口が震災直前から2割以上も減り、あるJR関係者は『復旧しても乗客数の維持すら難しい』と話す。」(『日本経済新聞』2014.11.19)
●「東京都中央卸売市場は15年度予算要求で豊洲新市場(江東区)の建設費に14年度予算要求の約6倍となる2308億5800万円を計上した。15年度は新市場の工事が本格化することに加え、本体工事に付随する設備工事を新規で発注することなどが大幅増の要因。豊洲新市場整備費とは別に、現在の築地市場の解体に向けた設計費も計上している(金額は非公表)。 15年度の予算要求に計上した全市場施設の整備費2401億9300万円のうち、豊洲新市場整備費がその96%を占める。」(『建設工業新聞』2014.11.19)
●「東京都は19日、2020年東京五輪に向けて建設する競技場など11施設の建設費が総額2553億円になるとの試算を発表した。13年1月の国際オリンピック委員会(IOC)への立候補ファイル提出時よりも約1000億円増額した。建設物価の上昇や工事内容の変更などが増額要因とみられる。IOCに大会基本計画を提出する15年2月までに建設費縮減に向けた検討を進める。…都では、IOCに立候補ファイルを提出した13年1月時点で、競技場の新設や東京国際展示場の増築に要する費用の総額を1538億円と試算。しかし、五輪開催決定後に建設資材費や人件費が上昇し、競技場の工事内容の変更なども加わり、総額が4584億円まで膨れあがった。都は、今年6月から施設整備費の縮減に向けて計画の見直しに着手。バドミントンの会場となる『夢の島ユース・プラザ・アリーナA・B』 (江東区)と、セーリングの会場となる『若洲オリンピックマリーナ』(同)は新設を中止し、他の競技場は客席数の縮減などを行った結果、再検討前の額より約2000億円も少ない2553億円まで削減した。」(『建設工業新聞』2014.11.20)
●「中古マンション価格が上昇している。不動産調査の東京カンテイ(東京・品川)が20日発表した首都圏の10月平均価格(70平方メートル換算)は前年同月比1.0%上昇し2848万円だった。1〜10月平均は2013年平均に比べ約2%高く、通年でも3年ぶりに値上がりしそうだ。建設費の上昇で新築が値上がりし割安な中古に人気が出ている。東日本不動産流通機構(東京・千代田)のまとめでも、10月の首都圏の平均価格は前年同月を上回っている。上昇をけん引しているのは都心部の高額の物件だ。」(『日本経済新聞』2014.11.21)
●「大手電力5社は停止している再生可能エネルギーの買い取り手続きを再開する方針だ。太陽光発電設備からの送電を中断する制度の拡大など供給制限の仕組みを入れることを条件とする。まず九州電力が年内にも受け入れ再開の方針を表明する。再開で再生エネ事業者は新規参入の道が開くが、参入条件はこれまでより厳しくなる。」(『日本経済新聞』2014.11.23)
●「国土交通省はコンテナ貨物など国際物流の拠点となる大規模港湾に出資し、直接経営に参画する。第1号として、28日に阪神港(神戸港、大阪港)の運営会社への出資を決める。出資比率は3割超で筆頭株主となる見通しだ。港湾運営を地方自治体に任せてきた政策を転換し、国主導で大規模港湾を整備する韓国やシンガポールなどに対抗する。」(『日本経済新聞』2014.11.28)

その他