情勢の特徴 - 2015年4月前半

経済・財政 行政・公共事業・民営化 労働・福祉 建設産業・経営 まちづくり・住宅・不動産・環境 その他

経済・財政

●「政府は3日の閣議で安倍晋三首相の経済政策『アベノミクス』を推進するための重要3法案を決定した。農業の競争力強化に向けて農協改革を進めるほか、雇用規制の緩和で働き方を改革する。国家戦略特区では保育所を開設しやすくする。首相が掲げる『岩盤規制の撤廃』のため、今国会で成立させ、成長戦略に弾みをつけたい考えだ。」(『日本経済新聞』2015.04.03)
●「政府・与党は消費税率を例外的に低く抑える軽減税率の対象品目について、生鮮食品だけに限る案など3つの案を軸に検討する方針だ。これまでは8つの案を示していたが、事業者の準備にも配慮し@酒以外の飲食料品A生鮮食品B精米――の3つに絞り込む。2017年4月に予定する消費税率の10%への引き上げと同時の導入を目指す。」(『日本経済新聞』2015.04.07)
●「東京商工リサーチが8日に発表した2014年度の企業倒産状況によると、倒産件数は前年度比9%減の9543件だった。年度としては6年連続で前年を下回り、1990年度(7157件)以来、24年ぶりに1万件を割り込んだ。同社によると、金融機関が中小企業の返済猶予の要請に応じていることや、公共事業の前倒し発注などが影響しているという。…業種別では全10業種中8つで倒産が減った。全体の2割近くを占める建設業は18%減り、24年ぶりに2000件を下回った。不動産業は駆け込み需要の反動減が響いて6年ぶりに増加に転じた。全体の倒産件数が歴史的な低水準にとどまる中で、円安の影響を受けた倒産は大幅に増加した。円安関連倒産は前年と比べて4割膨らんで260件となった。業種別では燃料費高騰のあおりを受けた運輸業が最多の85件だった。」(『日本経済新聞』2015.04.09)
●「2015年度予算が9日、参院本会議で可決、成立した。社会保障費の膨張で歳出総額は96兆3420億円と、過去最高の更新が続く。政府は20年度の財政健全化目標に向けた計画づくりを本格化させるが、焦点の歳出削減の意欲は乏しい。経済成長を損ねずに財政を健全化する道筋は不透明だ。」(『日本経済新聞』2015.04.10)
●「一般会計総額96兆3420億円の2015年度当初予算案は9日、参院予算委員会で締めくくり質疑と採決が行われ、自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立した。国土交通省の公共事業関係費は5兆1767億円。前年度比の伸び率は0.04%増、金額ベースでは20億円の増額となった。十数年続いた公共事業費の削減傾向からの脱却が鮮明になってきた。」(『建設通信新聞』2015.04.10)
●「国土交通省は、15年度予算の配分を決めた。配分対象総額は事業費ベースで7兆5085億500万円(前年度比0.4%減)。緊急除雪対応などに備える保留分を除き7兆4681億6700万円を配分した。官庁営繕費を除く一般公共事業費の配分対象事業費には7兆4743億6900万円(保留額402億3800万円)を計上。水害・土砂災害対策などの防災・減災やインフラ老朽化対策、経済成長に貢献するインフラ整備に優先して配分した。」(『建設工業新聞』2015.04.13)

行政・公共事業・民営化

●「政府は3月31日の閣議で、昨年3月にまとめた首都直下地震緊急対策推進基本計画を変更、死者や建物の被災を半減する減災目標を決定した。東京都区部の南部を震源する地震が発生した場合の緊急対策区域(1都9県309市区町村)では、死者数約2万3000人、建築物全壊・焼失棟数約61万棟が発生すると予測しているが、今後10年間で住宅耐震や出火防止策を講じ、これを半減させるもの。減災目標を達成するための施策は、@全国の住宅等耐震化を2020年までに95%(08年時点で79%)にするA全国の多数の人が利用する特定建築物耐震化率も同年まで95%(08年80%)B学校、医療施設、防災拠点、官庁施設でも耐震化の完了や促進を目指すC感電ブレーカー等の設置により電気起因の出火防止(木密地域で設置率ゼロ%から今後10年で25%へ)D市町村の災害廃棄物対策として、市町村の処理計画を14年の46%から10年後にほぼすべてにする――など。」(『建設通信新聞』2015.04.01)
●「昨年5月に成立した『担い手3法』が1日、全面施行される。ダンピング対策を強化した改正公共工事入札契約適正化法(入契法)で、すべての公共工事入札で内訳書の提出が義務付けられる。同法に基づき、公共工事では施工体制台帳の提出義務も全工事に拡大される。改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)の運用指針に基づく発注事務もスタート。受注者の『適正利潤』確保が発注者の責務となる。入札金額の内訳書提出は初めて実施する自治体も少なくない。仮に発注者の提出要請に建設業者が応じなければ、『書類不備』として入札が無効になる可能性もある。内訳書の提出は、見積もり能力のない不良・不適格業者や見積もりもせずに安値で受注しようとする業者を排除する効果が期待されている。…担い手3法のうち、1日に全面施行となるのは、改正入契法と改正建設業法の一部を除く規定。公共工事では入札内訳書とともに、従来は下請金額3000万円(建築一式は4500万円)以上の工事で義務付けられていた施工体制台帳の提出もすべての工事で義務化される。これによって発注者は、比較的規模の小さい維持修繕工事の施工体制が把握できるようになり、下請企業の社会保険加入状況なども確認しやすくなる。昨年6月に施行された改正公共工事品確法に規定された『発注者の責務』を果たすための共通ルールとなる運用指針(1月30日決定)に基づく発注関係事務も本格スタート。適正な予定価格設定や歩切りの根絶、低入札価格調査や最低制限価格制度の活用、適切な設計変更などが、発注者が負う責務として求められるようになる。」(『建設工業新聞』2015.04.01)
●「国土交通省は、下水道の工事や設計等委託業務の予定価格を算出する際に使う標準歩掛かり表を1日付で改定した。改築・更新の需要増に対応。設計委託の新たな対象業種として管路の敷設替えや非開削更生の実施設計、耐震診断調査、予防保全手法を踏まえた長寿命化計画策定をそれぞれ追加した。改築・更新に関する工事の歩掛かりへの反映については、工事に必要な人員や資機材など全国的な標準量を調べた上で、17年度にも対象工種に管路の敷設替え工事などを追加する方針だ。」(『建設工業新聞』2015.04.03)
●「大阪府住宅まちづくり部は、14年度に一般競争入札を公告した工事124件のうち15件で社会保険に未加入の下請企業46社を確認し、社会保険担当機関(日本年金機構、厚生労働省大阪労働局)に通報したことを明らかにした。また府で最も多くの工事を発注した都市整備部は同年度の一般競争入札工事827件のうち4件で4社の未加入を確認し、担当機関に通報。府は14年4月以降に入札公告した全建設工事を対象に、すべての下請企業の社会保険加入確認と、担当機関への通報を行っている。」(『建設工業新聞』2015.04.09)
●「東日本建設業保証がまとめた公共工事の動向によると、2014年度計の請負金額は、前年度比1.0%増の8兆6706億円となった。年度後半に発注量が失速し、年度計が前年度割れになる恐れが出ていたものの、微増で踏みとどまった。ただ、請負金額は税込みのため、消費税の引き上げ分(3%)を考慮すると、実質は前年度を割り込んだことになる。14年度の発注者別の請負金額は、国が14.4%減の1兆3193億円、独立行政法人などが17.1%減の8524億円、都道府県が2.5%増の2兆6696億円、市区町村が10.3%増の3兆2100億円、地方公社が19.7%増の893億円、そのほかが25.0%増の5297億円となった。国の減少は、環境省の除染業務が大幅に減少したことが影響した。また、国土交通省東北地方整備局からの請負金額も大幅に減少した。ただ、除染については、環境省の発注量が減少する一方で、都道府県や市区町村からの発注が増えたことから、全体としては前年度並みとなった。」(『建設通信新聞』2015.04.13)
●「首都圏の公共発注機関の間で、過去の施工実績や成績以外の企業努力を重視する入札方式を取り入れる動きが活発だ。改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)の施行などを背景に、若手技術者の起用や難工事の施工実績、建設機械の自社保有、下請への地元企業の活用など地域建設業の存続につながる取り組みを総合評価方式の加点要素とするケースが多い。受注者側からは、新たな発注方式を評価する声と同時に、地域建設業の存続には適正な参加資格設定によるすみ分けが重要との声も出ている。」(『建設工業新聞』2015.04.15)

労働・福祉

●「厚生労働省は3月31日、7月1日に施行する建設工事現場の足場からの墜落事故防止措置を強化する改正労働安全衛生規則(安衛則)の施行について、都道府県労働局に通知した。合わせて、足場の組み立てなどの作業に就く労働者に義務付ける特別教育の適用・運用も労働局に通知した。改正安衛則通知では、安全帯を安全に取り付ける設備について、具体的に『要件を満たすよう設計し、設置した手すり、手すり枠、親綱』と明記した。また、足場の一方の側面のみであっても手すりを設けるなど労働者が墜落する危険を低減させる措置を、『優先的に講ずるよう指導』とし、手すり先行工法を労働局や労基署の指導事項に位置付けた。」(『建設通信新聞』2015.04.01)
●「環境省は3月31日、福島第1原発事故に伴い福島県内で15年度に行う直轄除染工事の積算体系を見直した。10職種の設計労務単価を昨年4月の前回改定時より平均で4.7%引き上げ、国土交通省が15年度から適用する直轄土木工事の積算基準に準じて受注企業の本社経費を算出する一般管理費等率と、外注経費を含めた現場管理費率もそれぞれ引き上げた。4月1日以降に入札を公告する除染工事に適用する。同省は15年度予算案に除染事業費として4153億円を計上している。新たな積算体系は、原発周辺を中心に国が指定する『除染特別地域』で行う工事に適用する。…一般管理費等率は、工事原価に応じて従来の7.22%〜14.38%から7.41%〜20.29%に、現場管理費率は従来の29.51%〜40.50%から31.27%〜51.14%に引き上げた。」(『建設工業新聞』2015.04.01)
●「首都圏の自治体で、公共工事の受注者に対して技能労働者への一定以上の賃金支払いを義務付ける『公契約条例』を制定する動きが目立ってきた。東京・世田谷区と埼玉県草加市が1日から発注工事に適用。千葉県我孫子市も同日に条例を施行し、10月1日の契約分の案件から適用を開始する。各自治体は建設業の技能労働者不足に伴い、今後急増するインフラの維持管理や更新需要への対応が困難になることを懸念し、技能労働者の処遇改善を急いでいる。人材不足などによる入札不調の増加も、一連の取り組みを後押ししている。」(『建設工業新聞』2015.04.01)
●「環境省は、1日から適用を始めた除染特別地域内の直轄除染等工事で使う設計労務単価が各職種で上昇したことを踏まえ、技能労働者の賃金を引き上げるよう、日本建設業連合会と全国建設業協会の2団体に対し文書で要請した。両団体には、技能労働者の賃金引き上げなどの処遇改善を通じ、若年層の除染事業への入職促進に向けて、会員企業に対し適切な対応を講じるよう周知徹底を求めた。」(『建設通信新聞』2015.04.02)
●厚生労働省が3日発表した2月の毎月勤労統計調査(速報)によると、物価上昇を加味した実質賃金指数は前年同月比2.0%減となった。下落は22カ月連続。賃金の上昇が、安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」による物価上昇に追いついていないことが改めて示された。(『しんぶん赤旗』2015.04.04より抜粋。)
●「都道府県における土木・建築部門の職員数の減少に歯止めがかかった。総務省が3月に公表した2014年4月1日時点の定員管理調査によると、都道府県の土木・建築部門(一般行政部門)に所属する職員数は前年比0.5%増の4万8489人となった。一般行政職に占める土木・建築部門の職員の割合も、13年から2年連続で増加している。インフラの維持管理や防災・減災対策などで自治体の職員数不足が叫ばれる中、徐々に改善に向けた動きが広がりつつある。ただ、増加したのは47都道府県中19都府県で増加率の大きい宮城、岩手、福島、大阪、東京の都府県がけん引している格好だ。政令市と市区町村は依然減少が続いている。」(『建設通信新聞』2015.04.06)
●「オフィスビルなどの工事を発注する不動産会社の間で、工事現場で働く技能労働者の社会保険加入を促進しようという動きが出てきた。一部の大手デベロッパーは、工事発注先のゼネコンに対し、社会保険の加入費用となる法定福利費を内訳明示した見積書を提出するよう依頼している。従来の見積もりでは『一式』で計上されていた費用を『見える化』することで、技能労働者の社会保険加入原資が現場管理費(現場経費)に含まれていることを明確化させる狙いだ。」(『建設工業新聞』2015.04.08)
●「日本建設躯体工事業団体連合会(日本躯体、才賀清二郎会長)は8日、鳶・土工事従事者の処遇改善に向けた提言を発表した。賃金が高水準にある鳶工でも年収は全産業平均より70万円以上低く、従事者全体の賃金の底上げが必要だと強調。工事の品質を左右するコンクリート打設についての公的資格を創設し、土工職の賃金や地位の向上を図ることも提案した。元請のゼネコン団体や国土交通省などに提言書を提出し、意見交換を求める。」(『建設工業新聞』2015.04.09)
●「国土交通省は、民間建築工事に限定して初めて実施した社会保険加入状況実態調査の確報版を公表した。日本建設業連合会の会員企業など上位クラスが手掛ける現場では、全体的に公共工事とほぼ同等の加入率になっていることが判明した。国交省ではこれまでに、民間発注者側にも法定福利費の確保について理解と協力を要請。4月1日には『社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン』を改訂し、元請企業による下請企業の指導徹底などを打ち出しており、引き続き民間分野の加入状況も注視していく方針だ。」(『建設通信新聞』2015.04.13)

建設産業・経営

●「安倍晋三首相は1日、日本建設業連合会(中村満義会長)を災害対策基本法に基づく『指定公共機関』に指定した。建設業団体の指定は初めて。建設業による災害時の応急・復旧活動の公益性が法的に認められたもので、大規模災害時には政府を中心とした救助・応急復旧活動の一員として役割を果たす責務を負う。今後、災害時には都道府県・市町村からの応急・復旧活動要請も含めて国土交通省地方整備局からの指示を日建連が受け、日建連から会員に活動場所などを連絡する体制となり、対応できる体制整備を進める。」(『建設通信新聞』2015.04.02)
●「東京都中心部で生コンクリートの需要が堅調だ。東京・築地市場の移転先である豊洲の新市場や再開発向けに出荷が伸びているためで、2014年度の出荷量は13年度を2%上回った。全国の出荷量が前年割れの見込みになるなか、需要好調が目立っている。東京中心部とその他の地域で生コンの需要に格差が広がっている。千代田区や中央区など都中心部に生コンを販売する東京地区生コンクリート協同組合(東京・中央)によると、14年度の生コン出荷量は317万7000立方メートルだった。13年度を2%上回った。…豊洲の新市場向け出荷が堅調だった。豊洲市場向けには昨年春から今年秋までに47万立方メートルの出荷を見込むが、今年3月までに22万立方メートルを出荷した。千代田区や港区のオフィス・住宅の複合施設向け出荷も伸びた。…生コン需要は東京では堅調だが全国レベルでは振るわない。全国生コンクリート工業組合連合会(東京・中央)によると、14年度の全国の生コン出荷量は13年度比4%減の9500万立方メートル程度に落ち込んだもようだ。四国、中国、九州など地方で災害復旧事業が一巡したのが響いた。」(『日本経済新聞』2015.04.03)
●「経済産業省中小企業庁がまとめた1−3月期の中小企業景況調査によると、建設業の業況判断DI(好転から悪化を引いた指数)は、前期(2014年10−12月)から1.3ポイント悪化のマイナス9.8と、4期続けてマイナスのDIとなった。業種別の『総合工事業』はマイナス13.7となり、前期から2.5ポイント悪化した。『職別・設備工事業』もマイナス7.1と0.9ポイント悪化し、マイナス幅が拡大している。…建設業の経営上の問題点は、6期連続して『材料価格の上昇』が1位。次いで『民間需要の停滞』『官公需要の停滞』『従業員の確保難』『請負単価の低下・上昇難』の順。…建設業は、4−6月期の業況判断もさらに悪化し、4.5ポイント低下のマイナス14.3と、DIのマイナス幅が広がると見通す。」(『建設通信新聞』2015.04.08)
●「東京商工リサーチがまとめた14年度の建設業の倒産(負債1000万円以上の企業倒産)は、前年度比17.8%減の1872件と年度としては6年連続で減少し、1990年度(1579件)以来、24年ぶりに2000件を下回る低水準となった。負債総額は2416億7800万円(前年度比69.2%減)と2年ぶりに前年度を下回り、過去20年で最少。前年度に2件あった負債100億円以上の大型倒産も14年度はゼロに終わった。同社は、公共事業の拡大などを背景に、建設業の倒産が急増する要因は当面見当たらないとしている。金融機関が中小企業の貸付条件の変更要請に応じていることも倒産の抑制につながっているという。ただ、労務費や資材費の上昇の影響で収益改善が進んでいない業者が多いとの声もあることから、特に小規模企業の動向を注視する必要もあるとしている。」(『建設工業新聞』2015.04.09)
●「建設技能労働者の社会保険加入促進策の一つとして運用されている加入原資の法定福利費を内訳明示した見積書。専門工事業の中には、法定福利費の別枠確保など一定の成果が出ているところがある一方、『形骸化しつつある』(専門工事業団体幹部)と運用に悩むところもあるなど足並みがそろっていない。加入に同意しない労働者がいたり、会計処理が負担になったりするケースもあり、業種によってもばらつきが出始めているようだ。」(『建設工業新聞』2015.04.13)
●「国土交通省は、社会保険未加入対策として建設工事で導入している法定福利費を内訳明示した見積書の活用状況をまとめた。民間建築工事(新築)430現場の元請・下請企業を対象に行った調査では、『すべての下請契約で内訳明示した見積書を提出するよう指導している』と答えたのは14.6%にとどまり、『特に指導していない』が56.5%に上った。一方、8割以上の現場が見積書通りに法定福利費を支払うと回答。下請企業が見積書に計上すれば、法定福利費が適正に支払われることがあらためて浮き彫りになった。」(『建設工業新聞』2015.04.13)

まちづくり・住宅・不動産・環境

●「生活道路や通学路での交通事故を減らすため、国土交通省は今夏までに自動車の走行速度を抑える車道構造の指針を作る。路面にでこぼこをつけたり、ポールを置いて道幅を一部狭くしたりすると運転手が減速することが実験で分かっており、自治体向けに効果的な設置場所や方法を示す。住民の理解も得て、導入を広げる考えだ。国交省が交通事故防止のために普及を目指すのは、構造物によって意図的に車が走りにくい環境をつくる手法だ。路面の一部を盛り上げると、高速で通過した場合に揺れの衝撃を感じるため、運転手はスピードを落とす。ポールを設置して道幅を一部狭くしたり、小刻みなカーブを作ったりするものもあり、同様の効果がある。」(『日本経済新聞』2015.04.02)
●「リニア中央新幹線(品川〜名古屋間)のトンネル工事などがWTO(世界貿易機関)対象になるケースが今後でてくる。東海旅客鉄道(JR東海)が長大山岳トンネル『中央アルプストンネル』を含む一部区間の施工を鉄道建設・運輸施設整備支援機構に委託。これにより政府調達協定に該当する場合、同機構からWTO対象工事として発注されることになる。」(『建設通信新聞』2015.04.03)
●「14年度(14年4月〜15年3月)に東京23区内で公表された延べ床面積1万平方メートル以上の大規模建築物の建設計画は前年度比2件減の98件となった。件数は減少したものの、全体の総延べ床面積は402万1135平方メートルと前年度(344万7909平方メートル)を16.6%上回った。下半期(14年10月〜15年3月)に入ってから、国家戦略特区の特定事業や東京五輪の関連施設など2020年までの竣工を目指した建設計画が相次ぎ、全体規模を押し上げた。今後1〜2年は同様に着工を急ぐプロジェクトが増えるとみられ、都心部の建設需要は活況となりそうだ。」(『建設工業新聞』2015.04.03)
●「住宅メーカーが老朽化した木造住宅密集地域での建て替えに力を入れる。住友林業は狭い場所でも工事しやすい新工法の4階建て住宅を開発。積水ハウスや大成建設も相談会や担当者を増やす。東京や大阪に多い同地域は直下型大地震などで甚大な被害を受ける危険性が高く、国は2020年度までの解消を急ぐ。東京五輪を控え、再開発機運が高まるなか、安全で暮らしやすい街づくりを後押しする試みになる。国土交通省の推計では、地震による倒壊や延焼の危険性が著しく高い密集市街地にある住宅は全国で46万戸以上に達する。国は20年度までに特に危険な木造住宅密集地域をなくす方針だ。木造住宅が密集する地域は東京都内だけで約1万6000ヘクタール(都試算)と23区の総面積の4分の1にあたる。関連市場は住宅部分だけでも3000億〜4000億円規模になるとみられる。」(『日本経済新聞』2015.04.04)
●「(一社)住宅リフォーム推進協議会は3月25日、平成26年度の住宅リフォーム事例調査の結果を公表した。25年度に比べ、若年層で中古住宅を購入してリフォームするケースが大きく増加。30代以下では、戸建で32.6%、マンションでは68.4%の取得方法が“中古住宅購入”だった。特に戸建は、25年度の22.5%から1割以上の増加。戸建でも中古住宅を購入するというパターンが定着しつつあり、中古住宅流通に際してのリフォームニーズも拡大していることが伺える。住宅を取得してからリフォームを行うまでの居住期間は、中古住宅購入の場合、戸建45.8%、マンション50.9%が“0年”と回答。購入から入居の前後でリフォームをするケースが約半数を占めた。」(『日本住宅新聞』2015.04.05)
●「国土交通省が昨年9月に設置したサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の整備等のあり方に関する検討会(座長・高橋紘士高齢者住宅財団理事長)は7日、4回目の会合を開き、検討成果の中間取りまとめを行った。サ高住が市街化区域外や医療機関などへのアクセスが悪い地域に立地する傾向が見られることから、立地を適正化するため、サ高住を整備する際の補助金や税・低利融資といった支援を行う際、市町村が示す供給方針やまちづくりに適合するものに重点化する方向を打ち出した。」(『建設工業新聞』2015.04.08)

その他