情勢の特徴 - 2015年12月後半

経済・財政 行政・公共事業・民営化 労働・福祉 建設産業・経営 まちづくり・住宅・不動産・環境 その他

経済・財政

●「米連邦準備理事会(FRB)は16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を年0〜0.25%から同0.25〜0.50%に引き上げることを決めた。引き上げ幅は年0.25%で、17日実施する。利上げは2006年6月以来、9年半ぶり。未曽有の金融危機に対処した米金融史上例のない大規模緩和は終幕を迎え、世界的なマネーの流れを変える転換点となりそうだ。」(『日本経済新聞』2015.12.17)
●「9月の関東・東北豪雨を受けて推進する災害復旧事業や全国的な緊急防災対策などの裏付けとなる政府の15年度補正予算案で、国土交通省関係の概要が16日明らかになった。総額は国費ベースで4736億円。うち地方自治体の緊急防災対策支援などを行う『災害復旧・防災減災事業への対応』に3611億円、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の整備などを推進する『1億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策』に436億円をそれぞれ充てる。…災害復旧・防災減災事業への対応では、15年に起きた関東・東北豪雨をはじめ台風や豪雨で被害を受けた公共土木施設の災害復旧などに870億円を投じる。 今後、自然災害リスクが高い地域で優先的に進める重要インフラ施設の緊急防災対策にも予算を計上した。内訳は、河川742億円、道路710億円、港湾130億円、空港31億円、鉄道21億円、航路標識11億円。道路の緊急防災対策では災害時でもネットワークを確保できるようにする代替路の整備を推進する。さらに自治体による水害・土砂災害対策などの緊急防災対策も進むよう、防災・安全交付金に997億円を充てる。政府が11月に決定した1億総括躍社会の実現に向けた緊急対策関連では、子育てを行いやすい3世代同居に対応する良質な木造住宅の整備などに63億円、サ高住の整備に対する補助制度の拡充などに189億円、公的賃貸住宅団地のバリアフリー改修などに98億円をそれぞれ充てる。 急増する訪日外国人旅行客の受け入れ環境の整備にも予算を重点配分。港湾での大型クルーズ船対応ターミナルの整備などに44億円を投じる。補正予算で進める公共事業の発注平準化措置として、当該年度の支出がゼロになる国庫債務負担行為(ゼロ国債)を活用して年度内の発注契約を進める。ゼロ国債には事業費ベースで2960億円を見込む。」(『建設工業新聞』2015.12.17)
●厚生労働省などは18日、可処分所得の中央値の半分を下回る世帯の割合を示す「相対的貧困率」の分析結果を発表した。貧困率悪化の要因は、若い母子家庭や65歳以上の高齢者世帯の生活苦だと示した。この結果は、「格差に関する議論が高まっている」ことを受け、厚労省の「国民生活基礎調査」と総務省の「全国消費実態調査」を分析したもの。相対的貧困率は生活調査では16.1%で、1985年に調査を始めて以来最高。消費調査では10.1%で、どちらも上昇傾向だ。(『しんぶん赤旗』2015.12.19より抜粋。)
●「政府は24日、2016年度予算案を閣議決定した。国の予算の基本的規範を示す一般会計の歳出総額は96兆7218億円と4年連続で過去最高を更新した。安倍晋三首相が掲げる「1億総活躍」の関連政策もあり、社会保障費が膨らむ。来年夏の参院選を控えて公共事業費を4年連続で増やすほか、中国の台頭を意識して外交・防衛費も手厚くする。税収は25年ぶりの高水準を見込むが、歳出の切り込みはほぼ手つかずで財政健全化に課題を残している。…総額は15年度当初予算に比べて0.4%多い。12年度予算にあった年金の国庫負担をめぐる会計上の影響を除いた場合、09年度予算から8年連続で過去最高を更新する。 医療や介護などの社会保障費は31兆9738億円で15年度当初と比べ4412億円多い。… 公共事業費は5兆9737億円と15年度当初に比べて26億円増やす。増額は4年連続だが増加率は2年連続の0.04%。…税収は57兆6040億円と実績ベースでバブル崩壊直後の1991年度以来、25年ぶりの高水準になる見通し。経済成長で法人税収や所得税収が伸びると見込んでいるためだ。この結果、新しい借金となる新規国債の発行額は34兆4320億円と6.6%減る。…政策経費を税収でどれぐらい賄えているかを示す基礎収支の赤字は10兆8199億円と2.6兆円減る。」(『日本経済新聞』2015.12.24)
●「政府が24日発表した2016年度予算案は、急増する海外からの旅行者や貨物を受け入れるため首都圏の空港・港湾の機能強化に向けた事業費の増額が目立った。20年東京五輪や国際競争力の強化に対応する。都心部の渋滞解消や物流の効率化につながる環状道路の整備を急ぐ。9月に発生した関東・東北豪雨を踏まえ、洪水被害の軽減策にも力を入れる。 首都圏空港の施設整備費は、15年度予算比63%増収547億円を計上した。20年五輪をにらみ外国人観光客らの受け入れ体制を拡充。羽田、成田の両空港の年間発着枠を14年度末の約75万回から20年までに約8万回増やし拡大する。…京浜港(東京・横浜・川崎の3港)など国際コンテナ戦略港湾の機能強化には9%増の747億円を盛り込んだ。…首都高速中央環状線、東京外かく環状道路(外環道)、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の3環状道路(3環道)を含む三大都市圏の道路整備などには6%増の3170億円を充てる。…茨城県の鬼怒川が決壊するなど甚大な被害をもたらした関東・東北豪雨を受け、河川の防災対策も強化する。水害が発生した地域での再度の災害を防ぐ対策には16%増の478億円を充てる。あらかじめ被害を軽減させるため、浸水想定区域の指定やタイムライン(防災行動計画)の策定も進める。老朽化が進行する国の直轄道路やトンネルの維持修繕には8%増の3202億円を投じる。橋やトンネルの点検や修繕で安全性を高める。首都直下地震への備えとして堤防の整備を進めるほか、東京湾では船舶に災害情報を伝える一元的な交通管制システムも築く。」(『日本経済新聞』2015.12.25)
●「国や地域の生産性の高さの目安となる『1人当たり名目国内総生産(GDP)』で、2014年に日本は先進国が加盟する経済協力開発機構(OECD)の34カ国中20位だったことが分かった。イスラエルに初めて抜かれて前年の19位から順位を1つ下げ、遡れる1970年以来の最低に転落した。各国・地域のGDPをドルに換算して比べるため、円安・ドル高も響いている。」(『日本経済新聞』2015.12.26)

行政・公共事業・民営化

●「国土交通省は15日、2014年度における工事と建設コンサルタント関係業務の契約件数や金額、落札率といった契約実績を掲載した『直轄工事等契約関係資料』を公表した。各部局を統合した全体の工事件数は前年度比19%減の1万4270件、契約金額は17%減となる2兆0621億円。落札率は92.43%だった。全体的な流れとして直近5年間の落札率は上昇傾向にあるという。」(『建設通信新聞』2015.12.16)
●「文部科学省は、2016年度に公立学校施設の建築単価を引き上げる。資材費と労務費の上昇に対応し、RC造の小中学校校舎で15年度単価と比べ2.2%引き上げる。16年度予算案で認められた。建築単価の引き上げは3年連続となる。」(『建設通信新聞』2015.12.28)
●「東日本大震災の被災地で行われる公共建築工事に用いる揚重機(クレーン)の費用が、被災地以外と比べて高くなっている現状が国土交通省の調査で明らかになった。昨年から今年にかけて、被災地と被災地以外の現場をサンプル的に取り上げ、積算に用いる共通仮設費や現場管理費で構成する共通費の実態調査を行い比較した。被災地では、現場数に対し、必要な日数を確保できるクレーンが不足していることが費用が高くなる主な要因となっているようだ。調査結果を踏まえて国交省は、共通仮設費に計上するクレーン費用について、個別事情を勘案して積み上げることが重要と指摘。そのために、実勢価格や現場実態を的確に反映した予定価格を設定することが可能な各種方式をパッケージ化した積算手法である『営繕積算方式』の普及促進に引き続き取り組んでいく。」(『建設工業新聞』2015.12.28)

労働・福祉

●「厚生労働省がまとめた2015年1−11月の労働災害発生状況(速報、12月7日時点)によると、建設業の休業4日以上の死傷者数は、前年同期と比べ9.7%減(1394人減)の1万2954人となった。うち死亡者数は291人と、9.1%減(29人減)だった。死亡者数は過去最少だった13年の同期と比べても5人減となっている。…建設業の死傷者事故別人数は、『墜落・転落』が4514人と最も多く34.8%を占める。『はさまれ・巻き込まれ』は1466人、『飛来・落下』が1297人、『転倒』が1274人、『切れ・こすれ』が1163人などとなっている。」(『建設通信新聞』2015.12.17)
●「全国建設労働組合総連合(全建総連)は、賃金実態調査(2015年5−7月)の結果をまとめた。業界を挙げての技能労働者の処遇改善、若年入職者の確保に向けた動きなどを一定程度反映しているとする一方、賃金の上昇は職種や就労先、地域などによって大きな隔たりがあり、引き続き適正な賃金獲得のため運動を強化する必要があるとした。特に若年層や子育て世代の賃金改善が重要な課題と指摘している。…大工職(常用・手間請)のゼネコンの野丁場の現場における平均賃金は1万4601円で昨年より746円、4.86%減少した。社会保険加入に伴う負担の可能性も考えられるが、詳細な分析が求められるとした。一方、大工職(一人親方)のゼネコンの野丁場の現場では昨年より894円、5.73%増加し1万6483円となった。…職種別では、首都圏(東京、埼玉、千葉、神奈川の1郡3県)と、それ以外の地域で賃金格差があり、躯体職種のうち、左官と鉄筋工の賃金が首都圏で減少したのに対し、首都圏以外では微増ではあるものの上昇傾向が続いている。年齢別の平均賃金の推移と設計労務単価が大幅に改定されてから3年分の賃金上昇率をグラフに重ねると、首都圏より首都圏以外で伸び率が大きく、いずれも40−50歳台の熟練者を中心とした賃金の上昇で、若年層の入職促進につながるような賃金改善には至っていない。また首都圏では60歳台での賃金上昇率が比較的高く、技能者確保が比較的高齢な層まで及んでいることが考えられる。」(『建設通信新聞』2015.12.17)
●「日本建設業連合会(中村満義会長)の『建設キャリアシステム推進本部』が、国土交通省が検討している技能者の就労履歴を蓄積するシステムに対する提案内容を固めたことで、『建設技能労働者の経験が蓄積されるシステムの構築に向けた官民コンソーシアム』での議論が今後、一層加速するとみられる。ただ、日建連の提案では、保有資格が任意登録情報となるなど、今後、登録情報をどう技能者の処遇改善・資質向上につなげるかが課題となりそうだ。」(『建設通信新聞』2015.12.24)
●「雇用情勢は改善しているのに、消費への波及は弱い。25日発表された11月の有効求人倍率(季節調整値)は1.25倍(前月比0.01ポイント増)と1992年1月以来23年10カ月ぶりの高水準だった。…ただ雇用を巡る状況は23年前とは異なる。労働力人口でみると男性は4%減少する一方、女性は6%増えた。人口が減るなかで新たな労働力は女性や高齢者が中心だ。求人が増え、失業率も3.3%と約20年ぶりの低さなのに消費が増えないのは、賃金が低い業種や雇用形態で働く人が増えているからだ。23年前と比べると、非正規労働者の比率は2割から4割近くにまで上昇した。…正社員の求人そのものもまだ少ない。11月の有効求人倍率はパート労働者が1.61倍という高い水準なのに対し、正社員は0.79倍にとどまる。」(『日本経済新聞』2015.12.26)

建設産業・経営

●「国土交通省は16日、改正建設業法で新設した業種区分『解体工事』の技術要件などの細目を規定した改正施行規則(省令)や関係告示を公表した。施行規則では、解体工事業の一般建設業の営業所専任技術者や主任技術者になれる要件として、土木施工管理技士や建築施工管理技士の1級・2級、技術士(建設部門、総合技術監理部門)、とび技能士の1級・2級の合格者といった資格保有を規定。これらと別に登録技術検定として申請した資格が認められれば同等に扱うとしており、『解体工事施工技士』を対象に想定している。」(『建設工業新聞』2015.12.17)
●「日本建設業連合会(日建連)は、杭工事の施工管理データ流用問題を受けて検討してきた『既製コンクリート杭施工管理指針案』をまとめた。会員企業が必ず講じる『必須事項』21項目と『推奨事項』4項目を記載。必須事項として、杭ごとの施工報告の即日提出、下請業者の杭工事管理者を特定の有資格者・講習修了者に限定、設計図書からの支持層深度分布の確認などを盛り込んだ。22日の理事会で決定し、会員企業139社に日建連の標準ルールとして運用してもらう。」(『建設工業新聞』2015.12.22)
●「日本建設業連合会(日建連、中村満義会長)は22日の理事会で、土木、建築両部門の生産性をさらに高めるため『生産性向上推進本部』を設置することを決めた。3月に策定した『建設業の長期ビジョン』で、生産性向上によって35万人相当の労働力を確保する方針を打ち出しており、達成に向けた基本方針、工程などを検討。両部門の共通事項として▽重層下請構造の改善▽技能者の社員化▽技能と経験を蓄積するシステム▽女性の活躍に伴う生産工程の見直し―にも取り組む。…土木、建築両部門の検討課題のうち共通事項では、重層下請構造の改善として、下請を原則2次以内(設備工事は3次まで)とする方針を盛り込んだ『建設技能労働者の人材確保・育成に関する提言』(14年4月策定)を念頭に必要な方策を議論。技能者の社員化では、雇用安定をテーマに多能工化の拡大、下請企業による社員化目標の設定、優先発注や発注平準化といった下請に対する元請の支援措置を詰める。技能と経験蓄積システムでは、技能・経験に応じた人材配置、入退場管理の効率化を検討する。土木部門では、国交省が打ち出した生産性向上の取り組み「i−Construction」の推進、コンクリート工の効率化、情報通信技術(ICT)の活用、業務の効率化、施工時期の平準化が柱。…建築部門では、設計・施工一貫方式の普及促進、施工BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)とICTの活用、生産情報の前倒し利用、構造体断面の均整化、PCa化、仮設の低減、工法の乾式化、技能者の多能工化、自動化・機械化などに取り組む。週休2日の実現に役立つ『適正工期算定プログラム』の作成や、民間建築工事の入札段階での設計図書の不備解消も急ぐ。」(『建設工業新聞』2015.12.24)

まちづくり・住宅・不動産・環境

●「横浜市のマンションが傾いた問題で、支持層と呼ばれる固い地盤に届いていないとされる基礎杭の状態を確認する再調査が行われることが15日、分かった。建設工事の元請けだった三井住友建設と、下請けで杭打ち工事を担当した旭化成建材(東京・千代田)が実施する。マンションの住民側と調整を進めており、年明けにも着手する。」(『日本経済新聞』2015.12.16)
●「河川堤防の決壊による大規模浸水被害が起きた9月の関東・東北豪雨を教訓に、政府は来年6月までに作る次期(16年度版)国土強靭化行動計画(アクションプラン)で豪雨災害対策を強化する方針を固めた。計画の優先・重点施策を決める際に行う大規模災害への国土の脆弱性評価で、豪雨災害が起こりやすい地域の特性や水害の種別、被害の様相などを新たに追加。特に海抜ゼロメートル地帯を含む人口集積地域の対策を強化する。」(『建設工業新聞』2015.12.16)
●「JR東海は18日、2027年の開業を目指すリニア中央新幹線で、南アルブスを貫くトンネル工事に本格着手した。来年秋にはトンネル本体の掘削を開始する予定で、工期は25年までの10年間に及ぶ。…山梨、静岡、長野の3県にまたがる同トンネルは全長25キロメートルで、山岳トンネルとしては世界有数の長さ。地表からの深さを示す『土かぶり』は最大で1400メートルに達する。この日、本格着工した山梨工区(約7.7キロメートル)は大成建設、佐藤工業、銭高組による共同企業体(JV)が施工する。」(『日本経済新聞』2015.12.18)
●「国土交通省は中古住宅市場の活性化に向けて、取引の透明性を高める。物件情報をやりとりする業者向けのシステムで詳細な取引情報を開示するよう義務付け、虚偽には罰則も適用する。売却依頼を受けた業者による物件の囲い込みを防ぎ、売買を促す。中古住宅の品質への不安を拭うため専門家による住宅の診断を普及させる法改正も検討する。欧米に見劣りする中古住宅の有効利用を進めるとともに、高齢化で増え続ける空き家の流通も後押しする。…日本で中古住宅の売買は取引全体の約1割にとどまる。米英の約9割に劣り、中古住宅の評価が低い一因となっている。国交省は売買てこ入れには情報開示が不可欠と判断。全国の不動産会社が物件情報を登録するシステムの開示事項を1月から拡充する。」(『日本経済新聞』2015.12.21)
●「杭打ち工事のデータ改ざん問題を受け、国土交通省は20日までに、杭打ちの施工に関する業者向けの指針を策定する方針を固めた。元請けによる立ち会いや施工データの定期報告などをルール化し、各社に徹底するよう促す。元請けと下請けの役割分担や責任を明確化し、改ざんなどの不正を防ぐのが狙いだ。杭打ち工事をめぐっては元請けに対し、下請けの指導・監督を義務付けているが、具体的な方法などは決まっていない。指針では▽下請けは杭工事の進捗に応じて定期的に元請けに施工データなどを報告する▽杭を打ち込む固い地盤(支持層)の深さが特定しにくい場合などは元請けは現場に立ち会って施工状況を確認する――などのルールを示す。」(『日本経済新聞』2015.12.21)
●「2020年東京五輪・パラリンピックのメーン会場となる新国立競技場の整備計画で、政府は22日、設計・施工の公募に応じた2陣営の『A案』『B案』のうち、大成建設などのグループの『A案』が選定されたことを明らかにした。デザインは建築家の隈研吾氏が手掛けた。旧計画の白紙撤回から約5カ月を経て、宙に浮いていた競技場建設が再び動き出す。…大成建設などの案では、新競技場の総整備費は1489億円。観客席は3層構造で五輪時は約6万8千席となる。デザインは隈氏が担当。『木と緑のスタジアム』をテーマに、木材と鉄骨を組み合わせた屋根や張り出した『軒ひさし』で日本らしさを表現した。16年1月の契約締結後、設計に着手。同年12月に着工し、19年11月末の完成を予定している。」(『日本経済新聞』2015.12.22)
●「福島県が東京電力福島第1原子力発電所事故の避難指示区域外から避難する『自主避難者』への住宅無償提供を2016年度末で打ち切る方針をめぐり、同県は25日、17年度以降も避難を続ける低所得世帯や母子避難世帯に、家賃月6万円を目安に1年目は2分の1(月最大3万円)、2年目は3分の1(同2万円)を補助すると発表した。」(『日本経済新聞』2015.12.25)
●「政府は大型マンションや団地の建て替えに必要な所有者の合意の数を、現在の8割以上から3分の2へと引き下げる。都市部でのマンションや商業施設の建設といった再開発の際に、税優遇などを受けられる制度も拡充する。景気への波及効果が大きい民間の建設投資を促し、経済成長へとつなげる。…区分所有法や建て替え円滑化法などのマンション建て替え法制では、所有者の8割以上の合意を必要としている。マンションを解体して更地を売却し、別の場所に住み替える場合は、民法に基づき全員の合意が必要となる。特に高齢者が多く住む物件などでは、資金の確保が難しいことなどから必要な賛同数を得るのが難しかった。政府は都市再生法の改正で、市町村などの自治体が再開発事業と位置付けることを条件に、所有者の3分の2が合意すれば建て替えられるようにする。主に都市部の大型団地などでの活用を見込んでいるが、小規模の建て替え案件でも自治体が認めれば適用される。…今後、建て替えを迫られる団地やマンションは全国的に急増する。国土交通省によると、築45年超の団地は現在、全国で291あるが、2025年には約5倍の約1500、35年には3000弱に達する見通し。現在約38万戸が空き家となっている分譲マンションも、古くなると空き家率が高まる傾向があるため、建て替え需要も拡大するとの見方がある。」(『日本経済新聞』2015.12.27)
●「東日本大震災と東京電力福島第1原子力発電所事故が原因の体調悪化などで亡くなる『震災関連死』と認定された人が、福島県で28日までに2千人を超えた。県が公表した。 28日現在で2007人に上る。福島県では原発事故から4年9カ月以上たつ今も約10万1千人が県内外に避難しており、県は『避難の長期化で、心や体への負担が増えているのが原因ではないか。被災者の見守りや健康維持への取り組みを強化したい』としている。復興庁によると、震災関連死は岩手県が455人、宮城県が918人(いずれも9月末現在)で、被災3県の中でも福島県が突出している。福島県の集計では県内の死者・行方不明者は計3835人。そのうち関連死が半数以上を占め、地震や津波による直接死を上回っている。」(『日本経済新聞』2015.12.29)

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