情勢の特徴 - 2017年1月前半

経済・財政 行政・公共事業・民営化 労働・福祉 建設産業・経営 まちづくり・住宅・不動産・環境 その他

経済・財政

●「総務省は、2017年度の地方財政対策をまとめた。地方財政計画(通常収支分)の規模は前年度比1.0%増の86兆6100億円と見込んだ。東日本大震災分の規模は、復旧・復興事業が27.8%減の1兆2800億円、全国防災事業が27.7%減の947億円。地域の建設企業に影響を与える自治体予算のうち、通常収支分の公共事業費に相当する『投資的経費』は、1.4%増の11兆3600億円と見積もった。投資的経費のうちの単独事業費である現行の『公共施設等最適化事業費』は、長寿命対策などを追加して内容を拡充し、『公共施設等適正管理推進事業費(仮称)』として創設、3500億円を計上した。自治体の建設市場動向(歳出規模)を判断するのに重要なもう1つの『維持補修費』は、3.5%増の1兆2600億円の見込みだ。17年度の自治体全体の公共事業関係分野の歳出見込総額は、通常収支分と東日本大震災分を合わせて約14兆円になるとみられる。」(『建設通信新聞』2017.01.05)
●「政府は上下水道や空港などの運営権を民間に開放するPFI(民間資金を活用した社会資本整備)やPPP(官民パートナーシップ)を推進するため、官民ファンドの民間資金等活用事業推進機構(PFI機構)に対し5年間の減税措置を導入する。年間約9千万円の税負担を軽減し、新たな売却案件を支援しやすくする。PFI機構は2013年10月、民間企業の資金を活用してインフラを整備するために設立した。政府、民間企業がそれぞれ100億円ずつ出資している。民間売却の案件が生じた際、機構が融資することでスムーズに事業を進める役割がある。機構にかかる法人事業税について、課税の対象となる資本金を銀行法における最低資本金である20億円とみなす特例措置を講じる。政府はPPPやPFIなど民間開放の事業規模を22年までに21兆円に増やす目標を掲げている。老朽化したインフラ更新に民間の手法を取り入れ効率的に進めたい考え。空港と比べ上下水道は売却が進んでおらず、分野によって進捗度合いにばらつきがある。機構の財務基盤を強化し、融資案件の増加につなげる。」(『日本経済新聞』2017.01.07)
●「総務省は17年度、地方自治体が公共施設の老朽化対策の財源確保で発行できる地方債を拡充する。17年度の地方債計画で、既存施設の集約・複合化などの財源として発行できる地方債『公共施設最適化事業債』の対象事業を大幅に拡大。名称を『公共施設等適正管理推進事業債』に改めた上で、市町村役場庁舎の建て替えやインフラの長寿命化改修などの財源にも充当できるようにする。」(『建設工業新聞』2017.01.13)
●「2016年に休業、廃業したり解散したりした会社の数が2万9500件を超え、過去最多を更新する見通しとなった。3年ぶりに増加に転じる。後継者難や人手不足など先行きへの不安から、経営が行き詰る前に自主廃業を選ぶケースが増えている。09年以来、8年連続減っている『倒産件数』の統計には表れない中小企業経営の苦境が浮かび上がる。民間調査会社の東京商工リサーチによると休廃業と解散を合わせた件数は前年比で約3000件増える見通し。一方、13日に同社がまとめた全国の倒産件数は前年比4%減の8446件と8年連続で減少した。休廃業・解散件数はこれまで最も多かった13年の2万9351件を超え2万9500件を超える見通しだ。特に増えているのは建設業など人手不足が深刻な業種。大幅な赤字ではないものの、後継者難などから傷が浅いうちに廃業するケースが目立ってきている。」(『日本経済新聞』2017.01.14)

行政・公共事業・民営化

●「地方自治体の工事発注で予定価格を『設計価格と同額』とする団体が増加していることが、国土交通、総務両省の調査で分かった。16年12月時点で、全自治体の約9割に当たる1598団体(予定含む)となり、前回調査(16年2月)から70団体増えた。設計金額の端数を切り捨てて予定価格を作る『端数処理』などを行っている自治体が減少。全自治体で歩切りが廃止されることも確認した。」(『建設工業新聞』2017.01.06)
●「東日本大震災の復興を支えてきた『復興CM(コンストラクション・マネジメント)方式』の検証作業が本格化することになりそうだ。国土交通省は、通常方式とは異なる復興CMの契約の仕組みや手続きの流れ、発注者が抱える課題の解決に、どう役立ってきたかなど、導入の効果を整理。今後の活用に向けた検討に入る。平常時における適用の可能性も探っていく方針だ。」(『建設通信新聞』2017.01.10)
●「東京都は10日、今後10年間の公共インフラの維持更新に向けた『都有施設総合管理方針(仮称)』の素案をまとめた。素案によると、昨年3月末時点で建ててから50年以上経過しているのは、道路の橋梁部では34%に達した。庁舎や都立学校、都営住宅など公共建築物は3%だった。インフラは耐用年数が50年程度とされるケースが多い。都内では1970年代にできた建物が目立ち、築30年以上の割合は公共建築物では4割超だった。道路の橋梁部が7割、地下鉄のトンネルも5割近くに上る。都は計画的に維持管理や修繕、更新をし、施設の長寿命化や性能向上を進める考えだ。」(『日本経済新聞』2017.01.11)
●「東京都世田谷区は、区公契約条例に基づき、2017年度から労働報酬下限額を改定する。予定価格3000万円以上の工事請負契約を対象に、技能熟練者については従来どおり公共工事設計労務単価の85%相当額(1時間当たり)とし、見習い・手元等の労働者、年金等受給による賃金調整労働者は軽作業員比70%に改定。従来は一律だった労務報酬額下限額を技能の熟度に応じて定めた。これ以外の労働者や、委託など予定価格2000万円以上の工事契約以外の契約についても、70円引き上げ1020円(同)にする。2月上旬に告示し、4月1日から適用を開始する。」(『建設通信新聞』2017.01.11)
●「国土交通省は、2016年度における地域維持型契約方式の導入状況をまとめた。全国47都道府県のうち、導入済みは22道府県。業務内容(件数、契約金額別)で多いのは、462件(契約金額166億9600万円)の『道路等維持管理』や、103件(同164億8300万円)の『除雪』などとなっている。地域社会における社会資本の維持管理に資する方式(地域維持型契約方式)は、災害時の応急対策や除雪、修繕、パトロールといった地域のインフラ維持管理を複数年契約の導入や一括発注、共同受注など地域企業による包括的な体制で実施する方式を指す。個別に発注する従来方式に比べて、ロットの大型化による効率性や人材・機材の有効活用といった効果が期待される方式だ。件数、契約金額が多い『道路等維持管理』と『除雪』の契約期間をみていくと、2年以上の工期が全体の6割以上を占める道路等維持管理に対して、除雪は1年未満の契約が多い。1件当たりの平均契約額をみると、約3600万円となっている道路等維持管理に対して、除雪はその約4倍となる1億6000万円となっている。」(『建設通信新聞』2017.01.13)
●「東日本建設業保証がまとめた公共工事の動向によると、2016年度第3四半期(16年4-12月累計)の請負金額は前年同期比1.6%増の6兆9612億円となり、過去10年間で14年度に次ぐ2番目の高水準だった。地区別では、関東、甲信越、北陸が増加。都道府県別では管内23都県のうち、14都県が増加し、前年同期の4都県を大幅に上回った。」(『建設通信新聞』2017.01.13)

労働・福祉

●「建設業振興基金(内田俊一理事長)は、『建設やキャリアアップシステム』の開発業務を調達する手続きに着手する。システム本体の開発や保守をはじめ、システムに関連する五つの業務の委託先予定者を選定するための一般競争入札を10日付で公告する。提案内容と価格の両面から評価する総合評価方式で2月下旬にも各業務の受託者を選定。今秋の運用開始に向けた具体的作業に入る。公告する業務は、▽『本体開発・運用保守・関連業務調整支援業務』および『入退場管理システム・安全管理システム・就業履歴登録システム連携認定業務』▽就業履歴登録機能開発業務▽コールセンター・ヘルプデスク対応業務▽申請・受付業務▽カード発行・送付業務。公告後、事前申し込み制の説明会を16日に開催。参加表明を18日まで受け付けた上で、31日までに入札に必要な技術提案書と見積書を提出するよう求める。委託先選定に当たっては、有識者や振興基金への出えん団体の代表などで構成する選定評価委員会を設け、建設産業全体で利用する横断的なインフラの調達として、公正性、透明性、客観性を確保する。」(『建設工業新聞』2017.01.10)

建設産業・経営

●「大和ハウス工業は地方で大規模物流施設を整備する。北海道や富山県の工業団地などで今後3年で1千億円程度を投じて約20拠点を開発する。インターネット通販の拡大などもあり、地方でも保冷機能付きなど高機能倉庫の需要が高まっている。外資系物流大手が都心部を中心に事業を進める中、先行して地方の需要を開拓する。…地方には旧型の倉庫が多く、配送拠点の統合や地震対策などで移転・統合への需要は高い。都心部のように大型倉庫を1社で埋める需要はなく、2千~5干平方メートル程度と中小規模の倉庫の引き合いが強い。大和ハウスは大規模な物流施設を建設した上で小割にして貸し出す『マルチテナント型』の倉庫を増やす。新型倉庫では魚を加工したり、スーパーで売る総菜を調理したりするスペースを設けるなど、地域ごとの需要に応じた機能を提供する。都心部だけでなく、機能性の高い物流拠点を全国くまなく配置することで、全国チェーンの流通企業などの倉庫需要を取り込む。…大和ハウスは都心部の物流施設にも力を入れるが、住宅や商業施設の建設で全国に張るネットワークも強力な武器だ。土地情報を集め、地方での需要をくみ取るノウハウを持つ。」(『日本経済新聞』2017.01.06)
●「国土交通省の中央建設業審議会・社会資本整備審議会産業分科会建設部会『基本問題小委員会』が、昨年6月にまとめた中間とりまとめ(提言)に盛り込まれていた対応策がほぼそろった。“継続検討”に位置付けられたものなど、中長期的な視点での検討を必要とする事項は、10年先を見据えた産業政策を導く『建設産業政策会議』における議論へと検討の舞台を移す。速やかに実施すべき事項に位置づけられていたのは『監理技術制度運用マニュアル』の改定を軸にした施工体制における監理技術者の役割の明確化や、実質的に施工しない企業の施工体制からの排除(一括下請負の判断基準の明確化)など。民間工事における請負契約の適正化を図る基本的な枠組みとして、昨年7月に策定した『民間建設工事の適正な品質を確保するための指針(民間工事指針)』を皮切りに、建設工事における一括下請負の判断基準の明確化(昨年10月に通知を発出)、『監理技術者制度運用マニュアル』の改正など、昨年12月までにほぼすべての項目で必要な対策を完了した。結果として、基礎ぐい問題への対応を目的にした『基本問題小委員会』の議論に一定の対応を図った形となる。多岐にわたる取り組み事項の目玉となるのが、民間工事における発注者・元請等の請負契約の適正化だ。工事の施工で想定されるリスク負担への考え方や協議の進め方など、円滑な施工を促す関係者間での事前協議の枠組みを『民間建設工事の適正な品質を確保するための指針(民間工事指針)』して策定。起こり得るリスクに対して受発注者間で事前に話し合っておく『事前協議』の徹底を推奨する。これに商社や代理店など製品や資材の販売のみを行う実質的に施工に携わらない企業を施工体制から排除する仕組みとして、これまで曖昧となっていた『実質的関与』の解釈を明確化した点もポイントの1つ。一括下請負の禁止を徹底することで改めて不要な重層構造の回避を促す。」(『建設通信新聞』2017.01.11)
●「国土交通省は、地域を支える中小・中堅の建設企業を対象に、専門家によるアドバイスや課題解決への活動経費の助成といった包括的な支援を行う。産業再生へのキーワードとなっている『生産性の向上』にターゲットを絞って地域企業の取り組みを後押しする方針だ。『建設産業生産性向上支援事業』として、2017年度予算案に5600万円を計上した。同事業は、17年度予算における新規プロジェクトという位置付け。担い手の確保・育成や生産性の向上をターゲットに中小・中堅企業など複数の企業で結成するグループの取り組みを支援してきた、これまでの地域建設産業活性化支援事業を引き継ぐ“後継事業”となる見通しだ。支援の内容は、建設業に精通した専門家が課題解決の必要性に問題意識を持つ中小・中堅企業にアドバイスを送る『相談支援』と課題解決の参考となるモデル性の高い活動を行う企業グループに活動経費の一部を助成(1件当たり100万円程度)する『重点支援』の2つのメニューで構成。好事例の水平展開によって産業全体の生産性の底上げを狙う。」(『建設通信新聞』2017.01.11)
●「国土交通省が実施した16年度下請取引等実態調査で、回答が建設業法上不適正な場合に是正指導の対象となる調査項目のうち、約8割で適正回答率が上昇した。ただ、適正回答率が5割程度にとどまっている項目もあり、同省は調査結果を基に指導票を送付し、是正措置を講じるよう要請。必要に応じて許可行政庁の立ち入り検査なども実施する。…建設業法の順守状況を見ると、是正指導の対象となる30の調査項目のうち、23項目が前年度調査より改善した。適正回答率が高まった項目は『施工体制台帳の添付書類(民間工事)』(前年度比7.0ポイント上昇)、『同(公共工事)』(5.4ポイント上昇)、『追加・変更等の契約締結』(2.9ポイント上昇)など。一方、下がったのは『施工体制台帳の整備(民間工事)』(3.3ポイント低下)、『注文者から支払いを受けてからの支払い期間』(2.8ポイント低下)、『追加・変更契約の時期』(0.1ポイント低下)の3項目だった。」(『建設工業新聞』2017.01.13)

まちづくり・住宅・不動産・環境

●東京電力福島第1原発事故にともなう廃炉・賠償費用などが総額21.5兆円に倍増する―。経済産業省がこんな試算を示した。安倍政権はこれらの負担を国民に押し付ける方針。1月開会の通常国会でも大問題になる。21.5兆円の内訳は、賠償(7.9兆円)、廃炉(8兆円)、除染(4兆円)、中間貯蔵施設(1.6兆円)。原発事故の賠償費用はこれまで、東電や、原発を持つ電力各社が電気料金に上乗せする形で負担してきた。しかし政府は新たに閣議決定(2016年12月20日)で、原発の電気を用いない「新電力」の消費者にも負担させることを決めた。賠償費用のうち2兆4千億円は事故前に積み立てておくべき「過去分」だったとする珍妙な理屈を持ち出し、原発がない沖縄県以外のすべての消費者に負担を求める。この「過去分」は送配電網の利用料の「託送料金」に上乗せして消費者に負担させる。廃炉費用は、東電が自力で工面するという建前であったが、これも消費者に負担させる。政府は、東電が送電事業の合理化で浮かした資金を廃炉費用にあてることを決めた。本来は託送料金の値下げで消費者に還元きれる分を流用する。除染費用は、国が「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」で引き受けた東電株1兆円分の売却益でまかなう計画だ。そのためには東電の株価を現在の数倍にする必要がある。経産省は東電株の株価を上げるため、柏崎刈羽原発の再稼働や、他の電力会社との原子力共同事業立ち上げなどを東電に求めている。除染廃棄物を一時的におさめる中間貯蔵施設の建設は国の「エネルギー対策特別会計」を使う。財源は電気料金にかかる「電源開発促進税」。消費者から徴収している。(『しんぶん赤旗 日曜版』2017.01.01・08より抜粋。)
●2012年12月に天井板が落下し9人が犠牲となった中央自動車道の笹子トンネル上り線で、落下した区間の天井板とトラックが接触する事故が、12年の崩落事故までに少なくとも2回発生し、トンネルを管理する中日本高速道路が適切な対応をとらなかったことが事故につながった疑いがあることが6日、技術者や大学教授らでつくるグループの調査でわかった。トラックの接触と12年の崩落事故との因果関係を指摘するのは「笹子トンネルの真相を探る会」。同会は、事故の原因究明を求め、関係者の刑事告発などを進めています。 中日本高速道路が作成した資料によると、トラックが接触して上りトンネルの天井板を損傷させた事故は明らかになっているもので3回。このうち2回は、大事故で約140メートルにわたり崩落した区間の天井板に接触していた。08年6月の接触では、路面から天井板まで高さ4.7メートルの同トンネルに、4.95メートルの高さオーバーのトラックが通行。3キロにわたって天井板と接触していた。民営化を翌月に控えた2005年9月下旬には4地点で計540メートルにわたって接触した痕が見つかった。同会のメンバーで大阪経済大学の西山豊教授は「05年時点で、崩落した区間の天井板が接触しているのは、当時すでに天井板をつり下げるアンカーボルトが脱落し、天井板が下がっていた可能性がある」と指摘する。同会は10トン車が時速70キロで接触したと仮定。試算したところ、天井板へ垂直に5トンから10トンの衝撃荷重がかかったと考えられる。この接触事故に対し、中日本の対応は、いずれの接触事故でも「天井板の剥離箇所のたたき落としで対応」(同社資料)しており、傷ついた部分を除去しただけにとどまった。天井板上部の状況を確認しなかった。当時の対応について中日本は「現在、山梨県警の捜査中であるため、答えは発し控えたい」と本紙の取材に答えた。(『しんぶん赤旗』2017.01.07より抜粋。)
●「群馬県高崎市が、適切な管理が行われていない空き家の管理、解体、活用に助成金を出す『空き家緊急総合対策事業』の利用件数(申請ベース)が昨年12月28日までに累計639件となり、順調に伸びている。市によると、利用者のほぼ4分の3が解体工事に助成金を活用している。家屋を撤去すると固定資産税が数倍になることが空き家解体が進まない一因ともいわれるが、解体の潜在ニーズが高いことを示す結果にもなっている。同市は空き家対策の先進自治体の一つで、ニーズに応じた8種類の助成制度を設けているのが特徴。市内の住宅の空き家率は16.6%(13年度総務省住宅土地統計調査推計値)と全国平均を上回っていることから、14年6月に独自の緊急総合対策事業に着手した。市によると、助成金を活用して住宅を解体した敷地のうち3割程度はそのままの状態だが、敷地内に新たな住宅が建設されるケースが増えているほか、空き地の売買も活発化するなど、街の活性化や再生にも役立っているという。市としても固定資産税収入のアップにつながっている。市は『家屋の老朽化が著しく、助成制度があるうちに解体しておきたいという利用者が多いようだ』とみる。」(『建設工業新聞』2017.01.10)
●「厚生労働省は、2016年7月1日時点で吹き付けアスベスト(石綿)が飛散してばく露する恐れがある病院が、全国で16病院あることを公表した。また、建築物などに張り付けられたアスベストを含有する断熱材、保湿材、耐火被覆材の病院における使用実態調査を初めて実施した結果、同時点でアスベストばく露の恐れがある病院が147病院あることが分かった。厚労省は、ばく露の恐れが判明した病院に対して早急なアスベスト除去を行うよう、都道府県などに対し病院への指導を要請した。分析調査中の病院に対しては、確実に調査を終えるよう指導している。病院における吹き付けアスベスト使用実態調査は、4回目のフォローアップ調査で、前回の12年3月調査からアスベストがばく露する恐れのある病院は17病院減った。また、アスベストの有無を分析調査中の病院も、前回調査から35病院減の16病院あった。今回公表した調査結果は、1996年度以前に竣工した全国の6590病院を対象に、12年3月以降のアスベスト使用実態調査の進捗状況をまとめている。熊本県内の病院は、熊本地震の影響を踏まえ調査対象外とした。」(『建設通信新聞』2017.01.12)
●「昨年改正された宅建業法で、宅建業者は中古住宅売買の際にインスペクション(建物状況調査)結果を重要事項として説明することとされた。国交省はインスペクションが適正に実施されるためには『一定の講習や受講者の管理が必要不可欠』として、平成30年春の改正宅建業法の施行に向けて、新たに国の登録を受けた講習機関が講義と修了考査を実施する『既存住宅状況調査技術者(仮称)講習制度』を創設する予定だ。」(『日本住宅新聞』2017.01.15)

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