情勢の特徴 - 2017年1月後半

経済・財政 行政・公共事業・民営化 労働・福祉 建設産業・経営 まちづくり・住宅・不動産・環境 その他

経済・財政

●「政府が20日招集の通常国会に2017年度予算案を提出したことで、一般会計の公共事業費は、土木分野の『公共事業関係費』が5兆9763億円、船舶建造費なども含む建築分野の『その他施設費』が6193億円で、土木分野と建築分野を合わせた『公共事業費』の総額が6兆5956億円となることが分かった。また、公共事業関係費のうち、経常部門歳出分や出資金分、貸付金分の6848億円を差し引き、空港燃料税による空港整備事業費や電波利用料による施設整備費などの特定財源見合わせを加えた、『投資部門』でみた公共事業費は、公共事業関係費5兆8979億円、その他施設費6358億円の計6兆5337億円となった。」(『建設通信新聞』2017.01.23)
●「東京都は25日、2017年度予算案を発表した。一般会計の歳出合計は前年度比0.8%減の6兆9540億円、うち政策的経費となる一般歳出の総額は0.6%減の5兆0642億円で、ともに5年ぶりに前年度を下回った。投資的経費は、武蔵野の森総合スポーツ施設(仮称)の事業進捗や20年東京五輪選手村の用地所管換経費の減少などにより、13年ぶりにマイナスとなる2.1%減の1兆0736億円。特別会計と公営企業を合わせた全会計の合計は4.4%減の13兆0542億円となった。」(『建設通信新聞』2017.01.26)

行政・公共事業・民営化

●「国土交通省は、大規模災害発生時の災害査定の手続きを事前ルール化し、2017年度の発生災害から実施することを決めた。災害査定の効率化(簡素化)について事前にルールを設けることで測量・設計業務の必要期間を大幅に短縮し、被災施設の早期復旧・被災地の早期復興を支援する。…今後、予測される南海トラフ地震や首都直下地震、スーパー台風などに備え、より迅速に災害査定の効率化の具体的な内容を決定する必要がある。事前ルール化では災害を2つのカテゴリーに分類し、▽机上査定限度額の引き上げ▽採択保留額の引き上げ▽設計図書の簡素化――について、ルール化する。」(『建設通信新聞』2017.01.16)
●「東日本大震災の復興を支えてきた『復興CM(コンストラクション・マネジメント)方式』の検証作業が大詰めを迎えている。国土交通省は16日に第3回の『東日本復興CM方式の検証と今後の活用に向けた研究会』(座長・大森文彦弁護士・東洋大教授)を開催。検証・評価のポイントとして、ツールごとの導入メリットなどを整理した。3月に最終となる第4回の開催を予定。年度内をめどに報告書をまとめる。焦点となるのは、工期短縮への要請や遅延リスクの回避あるいは発注者のマンパワー不足やノウハウの補完といった復興事業に求められる特有のニーズに、復興CM方式の特徴であるCMR(コンストラクション・マネジャー)による『マネジメント』の活用や、実費に報酬を加算して支払う『コストプラスフィー契約』の導入がどう有効に機能したのかといった点だ。」(『建設通信新聞』2017.01.18)
●「国土交通省は、河川管理の高度化を目的にした取り組みとして『クラウド型・メンテナンスフリー水位計』の開発に乗り出す。18日に省内で開発チームの結成に向けたピッチイベントを開催。東建エンジニアリング・東京建設コンサルタントJⅤや応用地質、日本工営といった建設企業や通信系企業など計20者(社)が保有する技術のプレゼンテーションを行った。対象のクラウド型・メンテナンスフリー水位計の開発は、初期投資や維持管理に要するコストが普及への足かせとなっている、これまでの課題を解決するプロジェクト。長期間にわたってメンテナンスの必要がない(無給電で5年以上稼働できる)ことや、小型で設置しやすい点などが特徴となる。」(『建設通信新聞』2017.01.19)
●「東日本、中日本、西日本の高速道路3社による『高速道路リニューアルプロジェクト(大規模更新・大規模修繕事業)』が2017年度に本格的に展開する中で、インターチェンジ(IC)間を1つの工区としたり、複数の橋梁を一括するなど大規模ロットによる工事発注や、『基本契約方式』に代表される新しい契約方式が拡大する見通しだ。安全性や品質の向上、確実な事業進捗が狙い。中日本、西日本高速道路会社に次いで、東日本高速道路会社でも大規模ロッ卜による工事発注を検討しているほか、新たな契約方式の導入も視野に入れている。」(『建設通信新聞』2017.01.20)
●「経済産業省は19日、20日招集の通常国会に同省関連で5法案の提出を予定していることを明らかにした。このうち、中小建設産業の企業の資金繰りに影響があるとみられる『信用保険法等改正案』は、3月上旬に閣議決定し、国会への提出を目指す。信用保険法等改正案は、信用補完制度(信用保証制度)を通じて、中小企業の経営改善や生産性向上を促進することが目的。信用保険法、信用保証協会法、競争力強化法、承継円滑化法を束ねて改正する。…経産省関連ではこのほか、原賠機構法改正案、『地域経済牽引事業計画』承認制度を創設する地域未来投資促進法案、外為法改正案、化審法改正案を国会に提出する予定。」(『建設通信新聞』2017.01.20)
●「国土交通省は、今後、発注の本格化が見込まれる熊本地震からの復旧・復興工事の加速化を目的に『復興係数』を導入する。県発注工事における不調・不落の発生や、ダンプトラックの不足による作業効率の低下など、施工体制の確保に不安を抱えている被災地の現状から、新たな対策が必要と判断した。間接工事費に“復興補正”を施すことで、適切な予定価格の設定につなげる。熊本県内で行われる建設工事(県内工事)を対象に2月1日から適用する。ダンプトラックの不足などで日当たり作業量が低下している現状から、土工の日当たり標準作業量を補正(標準作業量×0.8)する『復興歩掛』を導入。熊本版の復興係数として、すべての土木工事を対象に営繕費や運搬費などの『共通仮設費』と、労務管理費や安全訓練費などの『現場管理費』をそれぞれ通常の1.1倍に割り増す。」(『建設通信新聞』2017.01.24)
●「国土交通省は、新たな水資源開発基本計画の策定に向けた検討を開始した。国土審議会に諮問し、24日から水資源開発分科会の調査企画部会で検討を開始した。新たな計画では、近年増加する大規模災害や急速に進行する水インフラの老朽化などへの対応も視野に入れ、リスク管理型の水の安定供給を目指す。」(『建設通信新聞』2017.01.25)
●「国土交通省は、担い手確保に関する入札契約段階での取り組みとして、ワーク・ライフ・バランス(WLB)の推進や、若手技術者の確保・育成に取り組む。総合評価落札方式の目的である品質の確保に取り組む一方、政策課題である『担い手の確保』を強く意識した対応を図っていく方針だ。取り組みの1つであるWLBの推進は、2016年度の後半から試行を開始した女性活躍推進法に基づく『えるぼし認定』など、法令に基づく認定を受けた企業を『ワーク・ライフ・バランス等を推進する企業』として評価する取り組みが焦点となる。WLBの推進を企業評価に組み込むことで、誰もが働きやすい現場づくりを目指す。直轄工事における率先行動として『えるぼし認定』や、次世代育成支援対策推進法の『くるみん認定』、若者雇用促進法の『ユースエール認定』といった関連制度における認定取得の有無を総合評価落札方式における段階的選抜方式の評価(1次審査)に使う。16年度から一部の工事で導入。18年度までに一般土木や建築、港湾土木のAランク工事のうち、WTO(世界貿易機関)の対象工事に全面的に導入する方針を打ち出しているが、17年度から各地方整備局にその取り組み拡大を促す。」(『建設通信新聞』2017.01.25)
●「国土交通省は総合評価方式の入札で、応札者の技術評価点の差が縮まっている状況が指摘されている『技術提案評価型(S型)』について、17年度から改善策を実施する。点差の付きにくい評価テーマへの対応策として、競争参加者の多くが同じ技術を提案し、現場での有効性や評価が高い技術は標準化する。対策を進めても点差が付きにくい場合は、技術提案のテーマに設定しないことも視野に議論する。」(『建設工業新聞』2017.01.25)

労働・福祉

●「厚生労働省は、2017年度予算案に、都道府県労働局が進める、建設業の『魅力ある職場づくり』を実現することで若年労働者などの確保・定着につなげる雇用管理改善促進事業の経費として約4億3000万円を計上した。社会保険労務士や中小企業診断士などの雇用管理アドバイザーが建設企業を個別訪問して、コンサルテイングを実施し、実際に労働者の確保・定着に役立つ雇用管理制度を改善したり、制度を導入してもらう。」(『建設通信新聞』2017.01.16)
●「国土交通省は15年4月に開始した外国人建設就労者受け入れ事業町最新状況をまとめた。16年12月末時点で受け入れ人数は1213人(11月末1065人)。12月の1カ月で147人を受け入れ、単月では過去最多となった。特定監理団体の認定数は129団体で、各団体と受け入れ企業が共同で策定し認定された適正監理計画は511計画に達した。16年度末までに累計1900人程度が入国する予定だ。同事業は、東京五輪が開催される2020年度までの建設需要の一時的な急増に対応する時限措置。日本の建設現場で3年間の技能実習を終えた外国人に2~3年の特別な在留資格を与え、日本の建設現場に即戦力として受け入れる。」(『建設工業新聞』2017.01.16)
●「建設業での労働災害による2016年(1-12月)の死亡者数、死傷者数がともに15年の確定値を下回り、過去最少を更新する可能性が高まっている。厚生労働省が16日にまとめた16年の労働災害発生状況(速報、1月10日時点)によると、建設業での死亡者数は、前年同期比(前年同時点比)10.6%減(33人減)の277人と、2年続けて減った。死亡者数が327人(確定値)と最も少ない15年同時点での速報値が310人だったことからも、16年の死亡者数(確定値)は過去最少を更新し、300人を下回るとみられる。また、休業4日以上の死傷者数は、前年同時点比3.4%減(484人減)の1万3775人と3年連続して減少。死傷者数も近年の確定値までの推移を踏まえると、15年の1万5584人を下回り、16年の確定値は1万4000人台になる可能性がでてきた。」(『建設通信新聞』2017.01.17)
●「国土交通省が検討している建設分野の外国人材を教育・訓練するプログラムの構築に向けた取り組みが本格化してきた。16日のミャンマーを皮切りにべトナムとフィリピンで現地企業も交えた国別ワーキンググループ(WG)が始動。作成作業と同時並行でプログラム案を使った人材育成も支援し、実践を通じて効果や課題などを把握する。3月までに成案を作り、公開する。」(『建設工業新聞』2017.01.17)
●「日本建設産業職員労働組合協議会(日建協、田中宏幸議長)は20日、2017年賃金交渉の基本構想を発表した。『あるべき賃金水準』として示している『日建協個別賃金水準』 (14年度版)の実現に向け、月例賃金のさらなる改善にこだわる。一時金については前年実績以上を目指す。統一スケジュールは、3月23目を要求提出日、4月6日を指定回答日に設定し、『仕事も処遇も確かなものに!』をキャッチコピーとした。日建協個別賃金水準(14年度版)では、組合員大卒正規入社35歳の基準内賃金(配偶者と子ども2人の4人世帯)を標準ラインで39万2800円、先行ラインで46万0800円、必要ラインで36万6200円としている。建設業界は、ゆるやかな回復基調が続いており、収益面でも多くの企業が改善し、全体として堅調な状態が続いている。一方、日建協としては、需要の増加などによって厳しい労働環境で働きつつ、処遇改善は道半ばの状態という認識で、『報われ感』を感じられる建設産業を目指し、連帯して賃金水準の向上に取り組む。特に、日建協個別賃金水準は、安心して働き続けられる賃金水準の指標であり、月例賃金の充実にこだわった取り組みを進める。」(『建設通信新聞』2017.01.23)
●「建設業の長時間労働の是正に向けた取り組みが本格化する。政府が進める働き方改革で労働時間の短縮は柱の一つ。建設業は就業規則で定める時間内の実労働時間が長い上、法律上の時間外労働の上限規定が適用除外となっている。建設業特有の労働慣行なども踏まえて、長時間労働をどう是正するか。これまで以上に踏み込んだ検討が求められる。国土交通省は26日に開く建設産業政策会議で『建設業の働き方』をテーマに設定。この中で、長時間労働の是正が重要な議題の一つになる見通しだ。」(『建設工業新聞』2017.01.26)
●「型枠大工の高齢化に歯止めがかかりつつあるようだが、5人に1人は60歳以上で、50歳以上が4割強を占めている。また、40歳代が24%を占める現状からも高齢化の実情はしばらく続きそうだ。日本型枠工事業協会(三野輪賢二会長)がまとめた型枠大工雇用実態調査報告書で明らかになった。調査は2010年から実施、今回で7回目となる。調査日は16年8月31日。回答企業は223社で前年を22社下回った。調査結果によると、型枠大工は1万2598人(職長3179人、技能工9419人)で、1社平均56.5人と調査以来最も多く、前年の51.8人から約9ポイント増加し、減少に歯止めがかかった格好だ。年齢構成でも、30歳未満は前年の13%から2ポイント増えた一方、55歳以上は35%から32%へ3ポイント減少し、高齢化もわずかだが改善されつつある。しかし依然として50歳以上55歳未満が11%を占め、さらに40歳代が4人に1人の現状と平均年齢も前回調査の47歳からほぼ変動していないことから、10年先を見通すと若年者雇用の促進に一層の企業努力が必要だ。」(『建設通信新聞』2017.01.31)

建設産業・経営

●「人口減少と高齢化を背景に建設産業にとって最重要課題となっている『担い手の確保・育成』と、労働力人口の減少という難題への対応策として求められる産業全体の『生産性の向上』。国土交通省は、この両者を包含した『働き方改革』に向き合う。26日に第3回『建設産業政策会議』(座長・石原邦夫東京海上日動火災保険相談役)を開催。10年後の建設産業が目指すべき『働き方』の方向性を提示した。」(『建設通信新聞』2017.01.27)
●「建設経済研究所と経済調査会は27日、2017年度の建設投資見通し(名目)を発表した。建設投資は前年度比0.7%減の51兆8100億円。16年度補正予算や17年度予算案の内容を踏まえて、昨年10月に発表した予測から6000億円余りを上方修正した。昨年に引き続き減少になっているものの、全体として回復基調が継続しているとの見方は変えていない。17年度の建設投資全体の見通しは、前年度比2.4%増の52兆1900億円と推計した16年度の見通しから0.7%の微減となる。前年度の増加から再び微減となるが、10年度を底とした回復基調は継続しているとみている。政府建設投資は前年度比0.8%減の21兆7700億円と予測。『復興・創生期間』へと移行した東日本大震災復興特別会計にかかる政府建設投資で増加を見込んでおり、昨年12月に閣議決定した17年度予算案の内容を踏まえて、一般会計は横ばい、地方単独事業費は前年度比3.6%増として事業費を推計した。内訳は土木投資が0.5%減の19兆1500億円、建築投資が3.3%減の2兆6200億円。16年度からは減少するものの、政府建設投資全体としては20兆円を超す手堅い水準を継続している。」(『建設通信新聞』2017.01.30)

まちづくり・住宅・不動産・環境

●「東京都は14日に公表した豊洲市場(江東区)の9回目の地下水モニタリング調査結果がこれまでと桁違いに悪化したため、調査やり直しを決めた。201の測定地点のうち高濃度の有害物質が検出された約30カ所を再調査する。9回目と8回目までとで調査の条件や担当会社が変わったことが影響したかなどを調べ、3月にも結果を公表する。」(『日本経済新聞』2017.01.17)
●「20日午後9時50分ごろ、関西電力高浜原子力発電所(福井県高浜町)で、アーム部分の長さが約112メートルのクレーンが倒れ、2号機の原子炉補助建屋と使用済み燃料などを保管する燃料取り扱い建屋の外壁が一部壊れた。クレーンは安全対策工事に使われていた。関電によると、周辺環境への影響はなく、けが人もいない。福井地方気象台によると、20日夕から21日未明にかけ暴風警報が出ており、関電によると、高浜原発構内に2ヵ所ある風力計は事故当時、毎秒14メートルと15メートルを計測していた。関電の原発で同様の事故は初めてという。」(『日本経済新聞』2017.01.21)
●「昨年11月に福岡市のJR博多駅付近で発生した道路陥没の原因究明や再発防止策などを検討するため、国土交通省が所管の土木研究所に設置した第三者委員会の2回目の会合が21日に東京都内で開かれた。追加調査の結果を踏まえ、事故発生のメカニズムと要因について議論。都市NATMの設計・施工に対する留意点や、類似現場での再発防止策を盛り込んだ報告書をまとめることを確認した。市の要請を受けて設置した『福岡市地下鉄七隈繰延伸工事現場における道路陥没に関する検討委員会』(委員長・西村和夫首都大学東京副学長兼都市環境学部教授)は同日の会合で、事故発生の推定に向けた議論や設計・施工に関する問題点の検討などを行った。追加のボーリング調査の途中経過などを基に、委員会では事故発生のメカニズムを3ケース、要因を10ケースに整理した。西村委員長は会合後の記者会見で、『メカニズム、要因ともおおむね妥当だが、追加調査の結果などを踏まえ、検討を進める。ケースの数が増えたり、減ったりすることもある』とした上で、『事故が単純な一つのメカニズム、要因で起こるとは考えにくい。3回目の会合である程度絞り込んでいくが、複合的なメカニズム、複合的な要因となるだろう』との見解を示した。」(『建設工業新聞』2017.01.24)
●「福島第1原発事故で福島県内に飛散した高濃度放射性物質を含む土砂が農業用ため池の底に堆積している問題で、被災市町村による除染作業がようやく本格化してきた。これまでに汚染土砂の堆積が確認された約700カ所のうち、昨秋ごろから約60カ所で工事がほぼ一斉にスタートした。主に財政支援を担う国と技術支援を担う県は、17年度から工事量が大幅に増えるとみている。ため池の除染は、福島復興再生特別措置法に基づいて市町村が実施主体となって行う。復興庁の福島再生加速化交付金で設計・調査費の全額、国の補助で工事費の75%を賄える。さらに、工事費の残り25%に交付税を充てることが認められているため、市町村の負担は実質ゼロになる。」(『建設工業新聞』2017.01.30)

その他