情勢の特徴 - 2019年4月後半
●「国立社会保障・人口問題研究所は19日、2040年までの世帯数の将来推計を公表した。40年には世帯主が75歳以上の世帯が1217万と、全体の4分の1を占める。一人暮らしは全体で1994万人と全世帯の約4割となり、75歳以上の一人暮らしも500万人を超える。高齢の『お一人様』の存在感が高まることで、社会保障や生活インフラは大きな変化を迫られる。…人口が08年をピークに減少するのに続き、世帯数も25年の5411万世帯を境に減少に転じる。一定の世帯人数や世帯数を前提としていた生活インフラは中期的に効率が悪化する恐れがある。電気やガス、水道などは一人暮らしの場合、複数の家族で使うより割高になる。世帯数が減っていけばインフラの維持にかかるコストも重荷になる。生活ゴミの回収の作業が非効率になったり、一人暮らし用アパートの供給が不安定になったりといった懸念もある。…日本社会は長く『夫婦と子ども』という3~4人程度の世帯を『モデル世帯』とし、国はモデル世帯を軸として統計や政策を練ってきた。モデル世帯は80年代には全体の40%を超えていたが、2000年に31.9%まで下がり、40年にはさらに23.3%まで低下する見込みだ。止まらない変化への対応に知恵を絞る必要がある。」(『日本経済新聞』2019.04.20)
●「先進国で中間所得層が縮小し経済成長を妨げかねないとして『各国政府は中間層の支援を強める必要がある』とする報告書を経済協力開発機構(OECD)が公表した。所得の伸びを上回るペースで住宅価格や教育費などが高騰しており、今後ロボットや人工知能(AI)に職を奪われる恐れも強まっているという。OECDは10日公表した報告書で、日本など17カ国で所得(中央値)が2016年までの約20年間で3割伸びる一方、住宅費は約2倍になり、教育費も4割増えたと指摘した。上位10%の高所得者層の所得は約30年間で6割増えたが、下位20~40%の低所得層では3割増にとどまり、格差が拡大している実態が明らかになった。」(『日本経済新聞』2019.04.20)
●「整備したインフラが社会経済の発展や、人々の『豊かさ』に、どのような役割を果たしてきたのか――。建設経済研究所は、19日に公表した『建設経済レポートNo.71』に、その有用性や重要性を分析・考察するための『インフラ・ストック整備水準の評価手法』を収録。多様な効果・効用を広く伝えるための手段として、長期的かつ複合的に評価することの必要性を説く。整備水準に対する評価手法の検討は、整備したインフラが持つ多様な効果・効用を正しく理解することで、広く一般にインフラ・ストックの有用性・重要性を分かりやすく伝えることが狙い。一般的に整備・普及した後に効果・効用を発揮するまで長期間を要するインフラの性質や、歴史的な変遷からも明らかなように社会状況の変化に応じて、求められる性質が多様化・高度化していく点に着目。『長期的』な観点から評価することの必要性を示す中で、多様なインフラの種類や目的に沿って、指標を複合化・合成化するなど『複合的』な視点で評価していくことの重要性を指摘する。」(『建設通信新聞』2019.04.22)
●「政府の2019年度一般会計予算は、101兆4571億円となり、7年連続で過去最高を更新した。当初段階で初めて100兆円を超えた。全国で相次いだ大規模災害を踏まえ、昨年12月に決定した『防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策』(18~20年度)などで構成する特別計上枠『臨時・特別の措置』を設定。公共事業関係費は前年度を9310億円上回る6兆9099億円(前年度比15.6%増)を計上。うち特別計上枠は8503億円。差額が通常分で、前年度を807億円上回る6兆0596億円(1.3%増)を確保した。」(『建設工業新聞』2019.04.23)
●「食品や日用品などを運ぶトラック運賃が大幅に上昇している。主要路線のスポット(随時契約)運賃は4月上旬に比べ5~10%高い。例年より長い大型連休に備え、商品の在庫を積み増したい卸や小売店の輸送需要が伸びている。ドライバー不足も運賃を押し上げた。」(『日本経済新聞』2019.04.26)
●「新年度の重点事業は災害対策がトップ――。日本経済新聞社が2019年度の都道府県予算(一般会計)を調査・集計したところ、頻発する災害からの復旧や、被害を最小に抑える防災・減災に事業費を手厚く配分する姿が浮かんだ。1年後に迫る東京五輪・パラリンピック関連の支出も目立つ。歳入面では堅調な企業業績を反映し、法人税を中心に多くの自治体が拡大を見込む。…公共事業費を中心とする投資的経費は36都府県で11.1%増えた。09年度以降では東日本大震災の影響で膨らんだ12年度の12.9%増に次ぐ高い水準だ。重点配分事業(3つまで複数選択)を聞いたところ、45都道府県が回答。『防災・減災・復興』を選んだ自治体が21と最も多かった。政府はインフラ整備を中心とした防災のための緊急対策費として、20年度までに約7兆円を投じる。」(『日本経済新聞』2019.04.29)
●「国土交通省は公共交通機関に対し、曜日や時間帯によって運賃を変えることを認める検討に入った。旅客が多い時は高くし、少ない時は低くできるようにする。まずはタクシーの迎車料金やハイヤーなど法人向けサービスでの導入を探る。硬直的だった運賃を柔軟に設定できるようにし、運営会社の収益拡大を後押しする。利用者側にも安い時を狙って乗るといった選択肢が生まれる。需要と供給の状況に合わせて価格を変動させる『ダイナミックプライシング(DP)』と呼ばれる仕組みの導入を検討する。運営会社からみると需要の多い時期や曜日、時間帯は高くすることで収益を拡大できる。需要の少ない時に低くすれば利用を喚起できる。これまでホテルの宿泊料金や航空運賃で使われてきた。消費者にとっては需要が多い時期に負担が増すが、利用希望者が減って予約しやすくなるメリットもある。日時にこだわらなければ安い時を選ぶこともできる。公共交通機関に導入する場合、固定された料金に慣れた利用者にとって負担が分かりにくくなる問題がある。変動の上下幅をどの程度にするのかも検討が必要だ。国交省は社会実験などを通じ、利用者にとって受け入れやすい分野を見極めた上で解禁していく方針だ。」(『日本経済新聞』2019.04.29)
●「石井啓一国土交通相は19日の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)に臨時議員として出席し、社会資本整備の重点方針を発表した。引き続き安定的・持続的な公共投資に努め、防災・減災対策やインフラ老朽化対策を推進する。政府が昨年12月に決定した『防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策』(2018~20年度)が着実に進められるよう、20年度予算の確保を訴えた。…今後の社会資本整備で重点化する個別施策のテーマには、▽生産性を向上させるインフラの集中整備▽防災・減災対策、インフラ老朽化対策▽ソサエティー5.0(超スマート社会)の実現▽社会資本整備分野における多様な連携推進―の4点を列挙した。」(『建設工業新聞』2019.04.22)
●「厚生労働省は会社員らが入る厚生年金について、一定額以上の収入などがある場合、70歳以上も加入して保険料の支払いを義務付ける検討に入る。現在は70歳末満としている保険料の納付期間が長くなるため、受給できる年金額は増える。健康寿命は延び続けており、将来に備えて長い期間働く高齢者が増える可能性がある。厚労省は今年、公的年金制度の健全性を確認する5年に1度の検証作業を実施する。6月をめどに厚生年金の加入期間を延長した場合の年金額の変化を試算した結果を公表し、その後に本格議論に入る。…現行制度では月額賃金が8.8万円以上の人が厚生年金への加入が義務付けられている。一度リタイアした後に再び働き始めた場合も、改めて厚生年金に加入して保険料を支払う必要がある。厚労省の試算によると、現行制度では会社員の夫と専業主婦のモデル世帯では、夫が65歳まで働いて夫婦2人が65歳から年金を受け取る場合で月22.8万円もらえる。これに対し、天が70歳まで平均的な賃金で保険料を納付し続けると、70歳以降の年金額は月23.6万円と月額8千円増える。…ただし厚生年金の保険料を毎月負担すれば手取り額は減ってしまう。直近の手取り額を重視し、厚生年金の保険料を負担に感じる人も出てきそうだ。健康寿命が長くなり、働く高齢者は増えている。総務省の18年の労働力調査によると、70~74歳の役員を除いた雇用者は129万人おり、75歳以上も53万人いる。内閣府の調査では仕事をしている高齢者の約4割が『働けるうちはいつまでも』と答える。長生きに備えて、健康のうちは一定時間以上働く高齢者にとっては、加入期間の延長によるメリットは大きくなる。一方で、働いて一定の収入がある高齢者の年金を減らす『在職老齢年金』という制度がある。一部の人が年金額を減らさないために労働時間を抑制している側面もあり、見直しが検討課題だ。」(『日本経済新聞』2019.04.16)
●「新たな在留資格『特定技能』の創設に伴う建設分野における外国人材の受け入れへ、日本建設業連合や全国建設業協会など元請団体と日本左官業組合連合会や全国鉄筋工事業協会などの専門工事業団体で組織し、オール建設業界で協働する新法人『一般社団法人建設技能人材機構』(才賀清二郎理事長)が4月1日に発足した。…総会では、特定技能外国人の受け入れの前提となる共通ルール『特定技能外国人の適切かつ円滑な受入れの実現に向けた建設業界共通行動規範』を策定。特定技能外国人の受け入れの前提として、来日準備や入国に関連して不当に高い金銭的負担を求める者、実勢水準以下の低賃金で雇い競争環境を不当に歪める者、反社会的勢力との一切の関係を遮断することや生産性の向上、国内人材の確保に向けた取り組み(適正な賃金水準の確保、社会保険の加入の徹底、長時間労働の是正、女性・若年者の就業促進など)を最大限推進すること、労働関係法令その他の法令順守などを明記した。」(『建設通信新聞』2019.04.16)
●「日本型枠工事業協会(三野輪賢二会長)は、『建設キャリアアップシステム(CCUS)』に関する会員企業へのアンケート結果をまとめた。会員660社に対し2月末時点の事業者・技能者の登録状況を調査、37都道県257社から回答を得た。回答企業の半数近くが事業者登録を完了しており、CCUSに前向きに対応している。一方で、登録申請作業の繁雑さと申請から登録・ID付与まで時間を要することや蓄積された情報がどのように活用されるか、企業評価によりどのようなメリットがあるかはっきりしていないことなど、さらに2次下請以降の事業者登録と技能者登録を課題として挙げる。」(『建設通信新聞』2019.04.16)
●「経団連は新卒の学生の就職活動について、通年採用を広げていくことで大学側と合意した。春の一括採用に偏った慣行を見直す。能力を重視した採用の動きが強まるなか、大学を卒業した後での選考など複数の方式による採用へ移る。自由な採用活動が広がる契機となり、横並びの一括採用と年功序列を象徴とする日本型の雇用慣行が大きく変わりそうだ。経団連と、就職問題懇談会などの大学側が22日に開く協議会で報告書をまとめ、通年採用を進める方針を示す。これを政府が人材育成のあり方を議論している未来投資会議での議論に反映させる見通しだ。2022年春入社から順次、通年採用を広げていく方針だ。…経団連と大学側は、右肩上がりの高度経済成長期に適していた新卒一括採用は時代に合わなくなってきたとの認識を共有した。報告書では『新卒一括採用に加え、(ITなどの専門技術を重視した)ジョブ型採用も含め、学生個人の意志に応じた複線的で多様な採用形態に秩序をもって移行すべきだ』と明記する。通年採用が広がる中で、春に一定の数の学生をまとめて選考する方式も併存しそうだ。新入社員を計画的に確保したい企業も多いためだ。一方で今の就活は事実上、早期化が進んでいる。大学側には学業への影響への懸念が強い。このため経団連と大学は学業の成果を重視する方針も強調する。」(『日本経済新聞』2019.04.19)
●「日本建設業連合会(山内隆司会長)は18日の理事会で、適正、円滑な特定技能外国人受け入れに向けた枠組みに加えた独自の“上乗せ措置”として、『建設分野の特定技能外国人 安全安心受入宣言』と具体的な取り組み方針を決めた。『不法就労の排除』『現場の安全確保』『安心して働ける労働環境確保』を3本柱として運用し、より高いレベルで安全・安心な環境を確保することで『優秀な外国人に選ばれる建設現場』の実現を目指す。今後、外国人技能実習生や外国人建設就労者に対応した取り組みも検討する。」(『建設通信新聞』2019.04.19)
●東京電力ホールディングス(HD)は18日、新たな在留資格「特定技能」の外国人労働者を福島第1原発の廃炉作業などに受け入れる方針を明らかにした。同原発では高い放射線量のもとで危険な作業が多くあり、作業員が不足している。このため外国人で補うのが目的とみられる。日本語能力の不足で十分な意思疎通ができなければ、事故などにつながる恐れもあり、人権問題だと批判の声が出ている。…東電は14業種のうち、主に「建設」が廃炉の関連作業に該当すると説明。「電気・電子情報関連産業」「ビルクリーニング」「産業機械製造」「外食」なども対象になるとみている。放射線量の高い区域での勤務も想定している。東電によると、福島第1の廃炉作業では開発途上国への技能・技術の移転を目的とする外国人技能実習生の受け入れが認められていなかった。法務省が「国際責献ではない」と判断していたことが理由だ。今回の「特定技能」の外国人労働者の受け入れについては、同省から「問題ない」との回答を得ているという。(『しんぶん赤旗』2019.04.20より抜粋。)
●「建設経済研究所は、2030年度までの建設技術者数と技能者数の需給ギャップを推計した。経済再生が実現しながら、人材の供給がより現実的なケースの場合、最大で技術者は約7万6000人、技能者は約56万人不足すると試算。一方で、25年までに生産性を2割向上させるという国土交通省の目標が実現すれば不足はほぼ解消されるとする。今後の技術者・技能者不足を回避するためには担い手の確保はもとより、生産性の向上への取り組みが不可欠であることを裏付ける結果となった。」(『建設通信新聞』2019.04.22)
●「国土交通省は、来年4月に施行される改正民法への対応に乗り出す。16日に中央建設業審議会『建設工事標準請負契約約款改正ワーキンググループ』(座長・大森文彦弁護士、東洋大教授)を設置。地方自治体など建設工事の発注者にとって、契約書のひな型となっている『標準請負契約約款』(標準約款)の見直しへ、実務レベルでの検討をスタートさせた。検討事項として、土地工作物(建物)の請負は、仮に深刻な瑕疵があっても、注文者による契約解除を認めない旧635条の制限規定の削除や、目的物に瑕疵があった場合に請負人が負う担保責任のあり方(例外的な取り扱いの廃止)などに着目。民法の改正内容と建設工事の請負契約で想定される影響・リスクを実務レベルで照らし合わせながら、約款の改正に落とし込んでいく。…国や自治体、政府系機関(電力、ガス、鉄道などの民間企業を含む)が発注する工事を対象とする『公共工事榛準請負契約約款』を中心に検討を進める中で、必要に応じて『民間建設工事標準請負契約約款(甲)』『同(乙)』『建設工事標準下請契約約款」を見直す。今秋をめどに改正(案)を本体である中央建設業審議会に提示。来年4月の施行から逆算して、12月にも『標準請負契約約款』を作成、その実施を勧告する見通し。」(『建設通信新聞』2019.04.17)
●「国土交通省は、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)/CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)の原則活用に向け、環境整備を進める。『規格・技術の一元化』や『適用事業の拡大』などを目的に中長期的な目標を設定。運用拡大に向けたロードマップを基に、年度内に新しい3次元(3D)データ利活用方針を取りまとめる考えだ。」(『建設工業新聞』2019.04.24)
●「群馬県建設業協会(青柳剛会長)は24日、2018年度道路除雪業務に関するアンケート結果を発表した。昨冬に降雪量が少なかった影響で、国、群馬県、市町村から請け負った道路除雪作業の18年度収入が過去3カ年平均より減った企業は89.5%を占めた。また、除雪作業を担当する社員や機械を維持するには、19.3%が現状の委託料では不十分と答えた。群馬建協は『道路除雪は1社でもやめると厳しくなる』と、ぎりぎりの状態で地域の除雪体制が維持されていると指摘。降雪量にかかわらずに除雪体制を整えることができる経費の確保、少雪に伴う経費の増減が経営に影響しないような限界工事量の確保、待機時間の計上方法改善、除雪機械貸与の拡充の必要性を訴えている。」(『建設通信新聞』2019.04.25)
●「日立製作所は、ガス導管や下水道管などの地中埋設インフラを効率的に保守管理するデジタルプラットフォームを構築した。高感度・低電力センサーによって、地中配管などのデータを収集し、デジタル技術を活用することで、地中埋設インフラの保守作業の高度化・効率化を実現する。その第1弾として、同プラットフォームを使い、水道管の漏水エリアを高精度で瞬時に特定するシステムを開発した。今後、実用化に向け実証実験を進めるとともに、センサーの量産体制を整え、19年度下期から実験的に先行サービスの提供を始め、20年度から本格的に水道事業者向けにサービスを提供する。また、漏水検知サービスに加え、1、2年程度で管路状態監視と管路更新計画支援のサービスを拡張する予定。…開発した漏水検知システムは、高感度・低電力センサーが漏水特有の振動を検知し、漏水エリアを高い精度で瞬時に特定する。調査員が漏水の有無を巡回して調べる必要がなく、調査範囲が漏水エリアに限定され、漏水水道管を特定する時間や労力が大幅に削減する。…センサーは300メートル間隔で設置し、漏水による微弱な振動を検知する内蔵バッテリーだけで5年以上稼働し、広範囲にわたり漏水を日々検知できる。また、漏水による振動を検知する高度データ分析技術を開発。自動車などよる振動ノイズ除去をセンサーで処理することで、通信負荷を低減してデータの収集・分析ができる。」(『建設通信新聞』2019.04.26)
●「環境省は16日、2017年度に国内で排出された温室効果ガスの総量(確報値)が、二酸化炭素(CO₂)換算で前年度比1.2%減の12億9200万トンだったと発表した。1990年度の調査開始以来初めてとなる4年連続の減少。主な減少要因に太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギーの導入拡大と、原子力発電所の再稼働による非化石燃料の割合増加を挙げる。国内でのCO₂排出総量のうち建設業分は2.9%増の768万トンと、3年ぶりに増加した。環境省は『2020年東京五輪関連や都市再開発といった全国的な建設需要の拡大と、前年度と比べ気温がやや低かったことに伴う化石燃料使用の増加が影響しているのではないか」(地球環境局総務課低炭素社会推進室)と増加要因を分析する。…政府は地球温暖化対策の国際枠組み『パリ協定』で、国内の温室効果ガス排出量を30年度に近年で最も総排出量が多かった13年度比で26%削減する目標を揚げる。17年度は13年度比で8.4%減となった。」(『建設工業新聞』2019.04.17)
●「森ビルは16日、2019年から5年間を対象とした東京23区のオフィスビル市場動向について、調査結果を発表した。延べ1万平方メートル以上で見た今後5年間の供給量の平均は、例年と同水準になると予測。23年に述べ10万平方メートル以上の物件の供給量と割合が過去最大になる見通しで、物件の大型化が進む。エリア別にみると、20~23年に港、中央。千代田の都心3区での供給量が全体の7割以上を占めるとした。」(『建設工業新聞』2019.04.17)
●「不動産経済研究所(東京・新宿)が17日に発表した2018年度の首都圏の新築マンション発売戸数は17年度比微減の3万6651戸となった。人気の都心部はマンション用地が不足し供給が減ったほか、販売価格の高騰で需要が減退した。消費増税を前にした駆け込み需要は盛り上がらなかった。…発売戸数が落ち込んだ要因は、地価上昇などによる物件価格の高騰に加え、『人気エリアの用地取得が年々厳しくなっている』(松田忠司主任研究員)ことによる用地不足が大きい。18年度の平均価格は17年度比小幅高の5926万円と、1990年度以来の高水準だった。都心・駅近という好立地の物件供給が市場をけん引した。ただ、この水準まで値上がりすると平均的な収入のサラリーマンらには手が届かなくなる。主な購入層は富裕層や高収入の共働き世帯に限られてきた。」(『日本経済新聞』2019.04.18)
●「10月の消費税率10%への引き上げを巡り、注文住宅を税率8%のまま建てられる特例措置の期限が3月末で切れた。現時点で大きな需要の増加はみられず、増税前の駆け込み消費の“第一波”は小幅にとどまったもようだ。高額商品の車の売れ行きも現時点では平年並みだが、夏のボーナス時期など10月に近づいてくれば駆け込みの動きが出るとの見方もある。」(『日本経済新聞』2019.04.21)
●「2017年に全国で発生した水害の被害総額が約5360億円に達したことが、国土交通省の調査で分かった。前年比で700億円増加した。過去5年間で最も多く、10年間では2番目に高い水準となった。…被害額の過半を九州北部豪雨(約1904億円)と台風21号(約1499億円)が占めた。…被害総額の内訳は一般資産など約1790億円、公共土木施設約3320億円、公益事業など約250億円。被災建物は2万9431棟に上った。うち全壊・流失が437棟、半壊2137棟。浸水は床上8348棟、床下1万8509棟だった。浸水区域面積は約2万1931ヘクタール(宅地など3661ヘクタール、農地1万8270ヘクタール)に及んだ。」(『建設工業新聞』2019.04.22)
●「政府は、最先端技術を積極的に活用した新たな都市づくりの推進に力を入れる方針だ。19日の経済財政諮問会議で安倍晋三首相は『Society5.0を実現するに当たっては、産業活動や国民生活だけでなく、社会基盤やインフラのあり方もまた変えていく必要がある』と指摘。民間議員からも『ICTやAI(人工知能)を利活用したデータ駆動型のインフラ整備を通じて、予防保全を徹底し、必要となる社会資本の維持管理・後進を大幅に効率化していくことが重要であるとともに、インフラデータの民間活用を通じて、新たな産業を生み出していくべきである』と主張した。」(『建設通信新聞』2019.04.23)
●「政府は22日、6月までに決定する2019年度『国土強靭化年次計画2019』の素案をまとめた。18年7月豪雨など過去1年間に全国で発生した大規模自然災害を踏まえ、防災・減災対策により重点を置く。19年度計画から国土強靭化全体への影響度が特に大きい施策を抽出。定量的に正確性や客観性が高い進捗管理を可能とする『ベンチマーク指標』を設定する。19年度計画は新たな試みとして、重要業績指標(KPI)を設定する個別施策の中から特に重要度が高い施策を抽出し、ベンチマーク指標を設定する。国土強靭化の取り組みについて、特に大きな災害リスクや課題に応じた進捗管理を行いやすくする。素案では30のハード施策、23のソフト施策にベンチマーク指標を設定する。」(『建設工業新聞』2019.04.23)
●政府は23日、地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」に基づいて策定する長期戦略案を示した。原発を「安定的に進めていく」として、再稼働など原発推進を鮮明にしている。パリ協定は、世界の平均気温上昇を産業革命前から2度未満にし、努力目標として上昇を1.5度に抑えることを明記。今世紀後半に温室効果ガス排出を実質ゼロにすることを目指している。各国は2020年までに長期戦略を国連に提出する必要がある。政府案は、今月2日にまとめられた政府の有識者懇談会の提言を受けたもの。提言では原子力について「技術的選択肢」の一つに挙げ、「原子力の活用についての議論が必要」と述べていた。 しかし政府案では、「原子力の利用を安定的に進めていく」と明記。原発と石炭を重要なベースロード電源と位置づけた安倍政権のエネルギー基本計画に基づき、再稼働などの課題に責任ある取り組みを進めていくと原発推進の姿勢を改めて示した。(『しんぶん赤旗』2019.04.25より抜粋。)
●「国土交通省は24日、不動産業の中長期的な方向性を示す『新・不動産業ビジョン2030~令和時代の「不動産最適活用」に向けて~』を公表した。豊かな住生活と人々の交流の場を支え、日本の持続的成長を実現する産業を目指すべき将来像として掲げ、将来像を実現するための官民共通の目標を設定。民間が新技術活用や人材確保、行政が市場環境整備や政策展開をそれぞれ担うことで、国内不動産市場の継続的発展を目指す。不動産業の中長期ビジョンは、1992年の『新不動産業ビジョン』策定以来、27年ぶりとなる。少子高齢化・人口減少の進展、空き地・空き家などの遊休不動産の増加、既存ストックの老朽化、グローバル化の進展、自然災害の脅威といった社会経済情勢の変化を踏まえて、今後10年間で不動産業が目指すべき将来像を設定した。」(『建設通信新聞』2019.04.26)
●「総務省が26日発表した2018年10月時点の住宅・土地統計調査によると、国内の住宅総数に占める空き家の割合は過去最高の13.6%だった。地方を中心に人口減少などで空き家が増え、戸数も最多の846万戸に上った。東京や大阪などでも空き家率は1割を超えており、再開発に影を落としている地域もある。…空き家の数は13年より26万戸増え、全体に占める割合は0.1ポイント高まった。住宅総数も179万戸多い6242万戸と過去最多を更新した。住宅総数、空き家数、空き家率とも伸び率は落ちてきたものの、右肩上がりは続く。空き家のうち347万戸は、賃貸や売却用以外で長期間、不在の住宅や取り壊し予定の住宅だった。賃貸用は431万戸、売却用は29万戸、別荘などの『二次的住宅』は38万戸だった。」(『日本経済新聞』2019.04.27)