情勢の特徴 - 2019年6月後半

経済・財政 行政・公共事業・民営化 労働・福祉 建設産業・経営 まちづくり・住宅・不動産・環境 その他

経済・財政

●「10月に予定している消費税率の引き上げを前に、税率が低いうちに買い物をする『駆け込み需要』がまだ見られない。高額な住宅で動きが乏しいだけでなく、自動車などでも店頭での動きは目立たない状況だ。政府が増税後の購入支援を打ち出している効果はあるが、そもそも消費が弱いのではないかと疑う専門家も出てきている。消費税の引き上げにあたり、駆け込みが起きやすいのが住宅の購入だ。消費税がかかるのは建物のみだが、それでも高額なだけに負担は重い。注文住宅では増税から半年前の今年3月末までに工事の契約をすれば、引き渡しが増税後でも旧税率が適用されるという特例があった。14年4月に消費税が上がったときは、特例の締め切りとなる13年7~9月期の住宅投資が前期に比べて実質で3.3%増えた。ところが今年1~3月期は0.6%増。すでに契約した住宅が含まれる4月の新設住宅着工戸数も前月比で6%近く減った。住宅ローンも18年度の新規融資額が前年度より2%減り、2年連続で縮小した。物件価格が高騰して買いにくくなっているとはいえ、前回は増税の1年前から半年前の間に融資額が5%伸びたのとは対照的だ。…駆け込みが乏しいことが消費の弱さを映すとの見方も出てきている。日本経済研究センターが毎月まとめる民間エコノミストによる経済予測『ESPフォーキャスト』によると、18年6月時点では個人消費は増税前の19年7~9月期まで前期比プラスになるとの見通しだった。ところが実際には19年1~3月期の個人消費が前期比でマイナスに転じている。内閣府がまとめ消費者心理を映す指標の消費者態度指数は5月まで8カ月続けて前月を下回った。5月末に実施した内閣府の景気ウオッチャー調査では『連休明けから、最悪の消費状況』(北海道の商店街)などと厳しい声が出ている。」(『日本経済新聞』2019.06.18)
●「日本の上場企業は2018年度に設備投資やM&A(合併・買収)に約52兆円と過去最高の資金を投じた。海外企業の買収が相次ぎ、小売りなどで人手不足に対応するための投資も増えた。中国景気の減速が逆風になるなかでも、将来の成長に向けた投資を優先した。配当などの株主還元もさらに増え、日本企業の財務戦略は資金を『ため込む』から『使う』へとシフトしつつある。資産効率や収益力の改善につながる可能性がある。上場企業約3600社(金融・日本郵政除く)のキャッシュフロー(CF)や資産・負債の動きを分析した。工場や機械の取得・売却、M&Aなどの動きを映す『投資CF』の支出額は51.6兆円と前の年度比で3%増え、3年連続で最高となった。投資CFは趨勢的に増えており、5年前を2割強上回る水準だ。…見逃せないのは18年度は中国景気の減速などが響き、事業活動で得た現金、『営業CF』は59.5兆円と7%減少したことだ。それでも企業は積極的な投資・M&Aで、営業CFの86%を使った計算だ。同比率は5年前より5ポイント上昇した。企業は株主還元も拡充した。配当支払いは11.4兆円と2%増え、自社株の取得(売却を加味したネットの額)も5.4兆円と7割増加した。投資・株主還元を合わせた支出は68.4兆円と過去最高に達し、営業CFを約9兆円上回った。稼いだ以上に資金を使う『攻めの財務』と言える。…この結果、『カネ余り』にはブレーキがかかりつつある。有利子負債が251兆円と4%弱増えた一方で、手元資金は122兆円と1%増にとどまった。手元資金を差し引いた純有利子負債は6%増の129億円と4年ぶりに増加した。」(『日本経済新聞』2019.06.19)
●「財務省の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は19日、『令和時代の財政の在り方に関する建議』(意見書)を麻生太郎財務相に提出した。少子高齢化で膨らむ社会保障費の給付と負担を改革するため、経済成長率などを保守的に見積もった長期の財政推計を基に議論すべきだと訴えた。社会資本整備については、『日本の社会インフラは概成しつつある』というスタンスを堅持。中長期的な視点に立って『質』の改善を図ることを重視している。社会資本整備関連で足元で見られる課題については、防災・減災対策として、ソフト対策の強化が必要だと指摘。また、生産性の高いインフラを整備する上で、既存ストックの有効活用、民間資金・新技術などの活用を推進すべきだとした。整備新幹線に関しては、厳正な費用対効果(B/C)分析を行うとともに、事業費の上振れを起こさない枠組について検討し、こうした事態を招かないための対応方策を求めた。長期的な社会資本整備のあり方を考えるに当たっては、今後の人口減少やインフラの維持・管理コストの増加、コスト削減に役立つ新技術の開発状況といった視点について、先々の見通しを不断に見直しつつ検討することが重要とした。対応方策として、真に必要な事業の厳選、コンパクト・プラス・ネットワーク、インフラの集約化・撤去、効率的な維持管理・更新といった取り組みを提案した。」(『建設通信新聞』2019.06.21)
●「政府は国土強靭対策に充てる公共事業予算を安定的、持続的に確保する方針を固めた。21日の臨時閣議で決定した『経済財政運営と改革の基本方針2019(骨太の方針)』に明記。時限措置として予算を大幅に積み増し進めている。『防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策』(18~20年度)の終了後も、中長期視点で必要な予算を確保する必要があるとの考えを示した。」(『建設工業新聞』2019.06.24)

行政・公共事業・民営化

●「国土交通省の直轄工事における2018年度の週休2日工事の実績が分かった。直轄土木工事の実施件数は前年度比で約3倍増となる3129件。同省官房技術調査課は『(18年度から導入した)労務費と機械経費(賃料)の補正が伸びた要因』と施策の効果が確実に現れていると分析する。19年度はこれまで工事の性質から週休2日の対象となっていなかった、維持工事での交代制の試行も予定しており、週休2日工事のさらなる伸展が見込まれる。18年度の直轄工事における週休2日工事の実績は、対象工事の公告件数が17年度の3841件から6485件となり、1.7倍の増加。災害復旧や維持工事、工期に制約がある工事を除くすべての工事を対象とし、適用範囲を大幅に広げた。実施件数も17年度の1106件から3129件(前年度比2.8倍)と大きく増加している。公告件数に対する実施率は48.2%とほぼ半数の工事で取り組みが見られた。…さらなる週休2日工事の推進に向け、今年度からは労働者単位で休日を確保する交代制の導入を図る。現場閉所が困難な工事においても週休2日の確保を促すため、『週休2日交代制モデル工事』を試行する。対象は土日・祝日に作業が必要となる通年維持工事や社会的要請により休日確保が困難な災害復旧工事。維持工事は複数年契約を含む契約済み工事も対象となる。」(『建設通信新聞』2019.06.21)
●「建設業のルールが大きく変わる。建設業界にとって今国会の最重要法案となった建設業法・入札契約適正化法(入契法)と、公共工事品質確保促進法(品確法)の改正法が成立し、『新・担い手3法』の制定に至った。働き方改革や生産性向上、災害への対応など建設業を取り巻く課題に対応した制度改善が図られることになるが、建設企業やそこで働く労働者、あるいは発注者にはどういった影響が出るのか。法改正で何が起こるのか今後の動きをまとめた。建設業の働き方改革を進める上で、大きな障害となってきたのは工期の壁だ。十分な工期が確保されないことで、休日取得の妨げや長時間に及ぶ残業につながる。そこで、改正建設業法では、著しく短い工期での契約締結を禁止する規定を新設した。工事の発注者に対しては、勧告制度を設ける。著しく短い工期での請負契約を締結した発注者に対しては国土交通相または都道府県知事が必要な勧告を行うことができる。勧告に従わない場合はその発注者を公表することで、確実な改善を促す。…公共工事については、適切な工期設定と施工時期の平準化を発注者の責務として規定し、そのための措置を努力義務化した。今回、法的な後ろ盾ができたことで、自治体は債務負担行為の活用などで財務部局や議会の承認を得やすくなる。…現行の請負金額が3500万円(建築一式は7000万円)以上の工事については、現場ごとに監理技術者の専任が必要という規定を改め、一定の実務経験と知識を持つ『技士補』を専任で配置することで複数現場の兼務を可能とする。新設する技士補は技術検定試験を再編し、その第1次検定の合格者に付与することを想定する。主任技術者の配置要件の合理化も施す。例えば、1次下請けが1年以上の指導監督的な実務経験を持つ主任技術者を専任で配置する場合に、下位下請け(2次下請け)の主任技術者の配置を不要とすることができる『専門工事一括管理施工制度』を創設。…建設業許可については『社保加入』『経営管理責任体制』『事業継承』の3点について見直した。下請けの建設企業含め社会保険加入を徹底させるため、社会保険の未加入企業に許可・更新を認めない仕組みを設ける。経営の安定性の観点から求めていた『建設業経営に関し5年以上の経験者が役員にいること』の規定は廃止する。事業者全体として適切な経営体制(経営能力)があるかどうかを判断する。合併や事業譲渡などで新たに許可を取り直すことなく、円滑に事業承継できる仕組みも構築する。…近年、相次いでいる大規模な災害に備え、発注者と建設業者団体の双方に災害協定の締結など新たな責務を課す。発注者には改正品確法において、緊急性に応じた随意契約、指名競争入札などの適切な選択や労災補償に必要な費用の予定価格への反映、見積もり徴集の活用を求める。建設業者団体には建設業法で、復旧工事の施工業者と自治体などとの連絡調整、資機材や建設機械の調達に関する調整など必要な措置の実施を努力義務化した。改正品確法は14日に公布され、同日施行された。建設業法と入札契約適正化法(入契法)の改正法は、2020年秋(技術検定の見直しは21年春)から施行する。」(『建設通信新聞』2019.06.27)

労働・福祉

●「非正規社員が同じ会社で5年以上働けば、雇用期間を無期限にできる『無期転換ルール』について、厚生労働省が対策に乗り出す。権利発生の直前に企業が雇い止めをする問題が起きているためだ。安定就労を促すために導入したが、企業側の取り組みが不十分なため、対象者への通知義務づけや悪質な雇い止めの防止などを検討する。…改正労働契約法で2013年4月から制度が始まり、5年たった18年4月から労働者が申し込む権利が生じ始めた。厚労省によると、権利が発生する1日前に契約更新しないと通知する『適用逃れ』の報告が増えているという。こうした行為は是正する必要があるとして雇い止めの実態調査に乗り出した。今秋までに結果をとりまとめ、対応策を検討する。」(『日本経済新聞』2019.06.16)
●「日本塗装工業会(北原正会長は)、14日に横浜市のホテルキャメロットジャパンで開いた第96回全国支部長会で、国土交通省との協議に先立ち、執行部がたたき台として作成した技能者(建築塗装、鋼橋塗装)の能力評価基準(案)を示し、意見を募った。7月ごろに国土交通省からヒアリングを受ける予定。国交省は2019年度内に34職種の基準策定を目指している。」(『建設通信新聞』2019.06.18)
●「勤労者退職金共済機構の建設業退職金共済事業本部(建退共、稗田昭人本部長)は18日に東京都内で運営委員会・評議員会を開き、建退共制度の掛け金日額の見直しを提案した。同機構の財務改善に向け、予定運用利回りを引き下げても退職金の水準を維持するため、掛け金日額の引き上げなどを検討する。掛け金日額の引き上げが決まると2003年以来となる。新しい予定運用利回りと合わせて11月に方針を固める予定だ。現在の掛け金納付は事業主が1枚310円の証紙を金融機関などで購入し、労働者の就労実績に応じ手帳に貼付する。証紙の枚数を通算して労働者に退職金が支払われる。会合では、現行の予定運用利回り(3.0%)を維持した場合と引き下げた場合の財務状況について、シミュレーション結果を示した。建退共は▽2.0%を超える水準では建退共の財務状況の悪化は不可避▽1.7%以上2.0%以下の水準では財務状況の悪化は軽減される▽1.6%以下の水準では累積剰余金が増加する可能性がある―などと説明。」(『建設工業新聞』2019.06.19)
●「日本建設業連合会(山内隆司会長)は、会員企業の協力会社の状況を中心とした建設キャリアアップシステムに関する調査結果をまとめた。協力会社組織所属企業の事業者登録は4割、技能者登録は3割となっている。全現場登録数(会員以外も含む)に占める会員の現場は9割を超えている。19日の理事会後会見で山内会長は調査結果について、『いまの状況ではスタートダッシュとして褒められるものではない』とし、さらなる普及促進に向けて『ねじを巻いていきたい』と力を込めた。日建連は今後、2次以下の取引会社の事業者登録や会員による現場登録の底上げなどを積極的に推進する。」(『建設通信新聞』2019.06.20)
●「日本建設業連合会(山内隆司会長)は、2017年12月に策定した『週休二日実現行動計画』に基づく、18年度下期のフォローアップ結果をまとめた。災害復旧など特別な理由がある『適用困難事業所』を除く『対象事業所』では、計画の中間目標(19年度末)に設定している『4週6閉所以上』を58.1%が達成し、4週8閉所以上は21.7%だった。長期休暇が多い上期との1現場当たりの平均閉所日数の差は『1.6日』にとどまり、日建連は『閉所活動自体は進展していると言える』としている。」(『建設通信新聞』2019.06.24)
●「厚生労働省は27日、自営業者らが入る国民年金について、保険料の納付率が2018年度は68.1%だったと発表した。日本年金機構の徴収強化などで前年度に比べ1.8ポイント上昇した。改善は7年連続。ただ、低所得などで保険料を免除・猶予されている人は納付率の計算から除外されている。免除・猶予を含めた実質的な納付率は40.7%にとどまる。…納付率は1996年度までは全体で80%を超えていた。非正規労働者の増加に伴って下がり続け、11年度に58.6%と過去最低となった。納付率は徴収業務を担う年金機構が納付の呼びかけ強化や強制徴収の対象になる年収の引き下げ実施で改善はしているが、依然として低水準だ。」(『日本経済新聞』2019.06.27)
●首都圏1都7県にある厚生労働省労働局が労働基準法違反の疑いのある計1963事業場に対して行った重点監督で、69%にあたる1352事業場で法令違反があったことが分かった。…違法な時間外労働を行っていたのは8都県の計693事業場(全体の35%)で、うち380事業場(同19%)は「過労死ライン」とされる月80時間以上の時間外労働を行っていた。賃金不払い残業があったのは8都県で103事業場(5%)、過重労働による健康障害を防止する措置が未実施だったのは228事業場(12%)だった。(『しんぶん赤旗』2019.06.27より抜粋。)

建設産業・経営

●「大和ハウス工業は18日、国の認定を取得していない基礎を使った賃貸アパートや戸建て住宅が、新たに約1900棟見つかったと発表した。不適切物件は従来の公表数から倍増し、約4千棟になった。…4月に不適切な物件2000棟超があると公表したが、対象物件を抽出する方法に不備があったという。再調査した結果、不適切物件は合計で3955棟になった。新たに判明した物件の所有者や入居者には18日から説明を始めた。不適切な基礎を使った住宅のうち、4月の公表分は第三者機関が全棟の安全性を確認した。新たに判明した分については8割超が社内で安全を確認済みで、今後、第三者機関を含め全棟の確認を急ぐ。基本的に引っ越しや建て替えは必要ないとの姿勢だが、希望があれば転居費用などの補償に応じるという。大和ハウスは18日、不適切住宅問題に対する外部調査委員会の最終報告書も発表した。報告書は大和ハウスが『(国の)認定制度の在り方について、あまりにもうかつに集団的な誤信を起こした』と指摘し、法令順守体制の再構築などを提言した。報告書はまず、法令順守体制の不備を指摘した。2000年に改正建築基準法が施行され、事前に認定を受ければ一定の審査が省略される制度が始まった。大和ハウスでも新制度に関する研修は実施したが『設計者全員に理解させるという大事な目的を達成するための効果的な運用』がされなかったという。社内のコミュニケーション不足も問題の一因になった。建築現場で従来使ってきた基礎を新制度下でも使うには、新たに型式の適合認定を申請する必要があるが、大和ハウスはしていなかった。現場では従来方式が使えなくなるとは想定もしていなかったと報告書は指摘した。…不祥事が相次ぐ背景にあるのが、急成長のひずみだ。19年3月期に連結売上高が初めて4兆円を突破し、10年前の2倍以上に拡大した。祖業の住宅に加え、インターネット通販向け物流施設の建設などに業容を広げた。一方、住宅事業での不適切施工の発覚は14年以降で4度目だ。芳井社長は社内風土が不祥事の遠因になった可能性について『それはないと断言できる』としたが、企業規模の拡大にチェック体制の整備が追い付いていなかったのは明白だ。…同社は18日、法令順守や品質保証を推進する社長直轄の部署を10月にも設置すると表明した。従業員に国の認定制度を理解させるための検定も導入する。まずは後手に回ってきた企業統治の改善を急ぐ。」(『日本経済新聞』2019.06.19)
●「重層下請構造を最大の特徴とする建設産業界の構造が、相次ぐ施策によって大きな転換期に差し掛かっている中、産業界の主役たちに疲労感が漂い始めている。企業数ベースで建設産業界の9割以上を占める中小企業の元請けと下請けにとって、自らが対峠するさまざまな取り組みは、『新たな時代の新たな業界と建設企業になるためには必要不可欠』との認識で一致している。ただ取り組むべき対象が拡大し、内容も複雑化していることで、これまで構造転換を主張してきた中小企業ほど、取り組み疲れ、換言すれば若干の改革息切れ感が出始めている。建設産業界は、安倍政権の人口減少と高齢化という2つの課題対応に先駆ける形で、2012年11月、5年間の社会保険未加入対策をスタートさせた。この時、元請けと下請けは行政と発注者には社会保険未加入企業排除を、自らには社会保険加入促進を課すなど構図はシンプルだった。しかしその後、安倍政権が建設産業界を含む各産業の成長シナリオの実現へさまざまな政策メニューを打ち出したことで、構造転換に向けた取り組みのギアが一気に上がることになる。その代表が、産業の成長と持続につながる技術革新を柱にした『生産性向上』と、多様性と生産年齢人口減少に対応する『働き方改革』だ。一気に切り替えられたギアをさらに加速させたのが、4月からスタートした『外国人材の受入れ拡大』と『建設キャリアアップシステム』の本格運用だ。外国人材の受け入れでは、受け入れる企業が受入計画を作成し国交相の審査・認定を受けなければならないほか、受入対象職種ごとに業界団体が日本入国前の海外試験を行わなければならない。建設キャリアアップについても、各職種団体は4段階評価のうち、知恵の出しどころでもある2段階分を含めた能力評価基準案の作成が求められている。…急激に動き出した担い手確保や生産性向上といった新たな時代における建設産業の成長シナリオには、企業規模や業種を問わず異論はなく、現実に取り組みが進む。しかし、これまで先頭に立ってきた中小企業の一部には、あまりにも対応することが急激に増加したことによる若干の改革疲れがあるのも事実のようだ。」(『建設通信新聞』2019.06.26)
●「日本建設業連合会(山内隆司会長)がまとめた会員96社の5月の受注総額は、大型工事の反動などにより、前年同月比19.8%減の7622億8300万円と大幅に落ち込んだ。…受注総額の内訳は、国内が22.4%減の7251億9800万円、海外は137.1%増の370億8500万円だった。」(『建設通信新聞』2019.06.27)

まちづくり・住宅・不動産・環境

●「大阪北部地震の発生から18日で1年が経過する。ブロック塀が倒壌し下敷きになった児童が死亡した被害を契機に、全国でブロック塀の安全対策が進んでいる。国土交通省の調査結果によると、4月1日時点で778自治体が対策費に充てる財政支援制度を用意。当面は1月に施行された建築物耐震改修促進法の改正政令に基づき、避難路沿いにある一定規模以上の古いブロック塀を対象に耐震診断の早期完了を目指している。大阪北部地震では、大阪府高槻市の公立小学校に設置されたブロック塀が倒壊し、登校中の児童が下敷きになって死亡した。国交省は18年度補正予算や19年度予算で官民のブロック塀安全対策に充てる財政支援制度を拡充。防災・安全交付金に専用支援メニューを設けるなどした。こうした国の動きや自治体独自の判断に伴い、4月1日時点で市町村を中心とする778自治体が耐震診断費や改修・撤去費などを補助する財政支援制度を整備。新たに財政支援制度を考えている自治体もあるという。」(『建設工業新聞』2019.06.18)
●「2020年東京五輪・パラリンピックの会場として、東京都は計約1375億円を投じ6つの新施設を整備する。大会後も『レガシー(遺産)』として活用する計画だが、維持管理の負担は重い。大会後に採算が合うのは1施設のみで、残り5施設は年間計約11億円の赤字が発生する見通し。住民らに広く活用されるかどうかがカギになる。東京・お台場から車で10分ほどの埋め立て地に完成したボートやカヌーの会場『海の森水上競技場』(東京臨海部)。…既存の運河を全長2キロメートル、幅200メートルのコースとして活用し、2千人収容の観客席を設けた。本番時には仮設席を加えて最大1万6千人が収容可能となる。整備費は308億円。当初の見積もりは約1千億円だったが、客席の屋根を縮小するなどして圧縮した。大会後は主にボートの国際大会や練習場などとして活用する計画だ。…水門の管理コストなどが重く、年間の赤字額は約1億6千万円に上ると試算されている。葛西臨海公園(東京・江戸川)の隣地では73億円を投じた『カヌー・スラロームセンター』が7月から利用を開始する。全長200メートルに及ぶ国内初の人工コースで、毎秒12トンの水を大型ポンプで高さ約4.5メートルまでくみ上げて急流を作る。大会後はラフティングなどができるレクリエーション施設としても活用する計画だが、年間の収入は1億、6400万円にとどまり、約1億9千万円の赤字になると試算されている。整備費が567億円に上る競泳会場『東京アクアティクスセンター』(江東)は20年2月に完成する予定。大会後も『競泳ワールドカップ』や『アジア水泳選手権』などで年間100万人の来場を見込む。それでも設備保守の業務委託費や光熱水費などがかさみ、年間で約6億4千万円の赤字になるという。4月に完成した『夢の島公園アーチェリー場』(江東)、6月にも完成予定の『大井ホッケー競技場』(品川、大田)は、それぞれ年間1170万円、9200万円の赤字となる見通しだ。12月に完成予定のバレーボールの会場『有明アリーナ』(江東)だけは、収益性の高いコンサート会場などに利用できることから年間3億5600万円の黒字が見込まれている。ただ、都はコンサート運営などのノウハウが十分ではないため、民間企業へ運営権を25年間94億円で売却する。都の担当者は『自治体のスポーツ施設は収益ではなく住民へのサービスが目的。多くの人に安く使ってもらうことが重要だ』と強調する。とはいえ、十分活用されないまま赤字を生み続ければ『負の遺産』と批判を受ける可能性もある。」(『日本経済新聞』2019.06.22)
●「中古の戸建て住宅価格が下がっている。東京カンテイ(東京・品川)によると5月の平均希望売り出し価格は首都圏で前月比0.2%安い3219万円だった。マイナスは3ヵ月連続で最も高価な東京都の下落幅が大きく首都圏の平均も押し上げた。」(『日本経済新聞』2019.06.22)
●「国土交通省が設置した有識者会議は、大規模災害で落橋や盛り土区間の崩壊といった道路被害が多発しているのを踏まえ、対策の提言案をまとめた。経済性を優先していた道路の整備水準を災害対応重視に転換する方向性を打ち出した。道路構造令といった設計基準を見直す必要があると指摘。道路の近接地で発生する斜面崩壊や河川増水など、外的要因で道路の通行機能が低下する場合の対応策も検討するべきだとした。提言案では、道路が災害により一定程度欠損することを前提に、通行機能が確保できる設計基準に切り替えるよう求めた。全国の高速道路や国道などを対象に災害発生リスクの高い地域を絞り込む。片側2車線道路の路肩を拡幅しておき、一部欠損した場合に片側の車線で大型車の対面通行を可能にする。片側4車線道路の原則化も提示するとともに、緊急車両の運行時間短縮や一般車両の待避に使用する緊急入退出路の設置なども挙げた。…提言案は地方道を含め、道路の災害への耐性の評価手法を充実することも求めた。斜面災害や河川氾濫による冠水、倒木など外的なリスクを踏まえた危険箇所の特定や評価、公表について、他分野のインフラ管理者の手法を参考にしながら、土木工学など幅広い分野の学識者と連携し検討するべきだとした。」(『建設工業新聞』2019.06.25)
●「アジア新興国の官民が脱プラスチックの動きを加速している。タイ政府は2022年までに主要な使い捨てプラ製品の使用を禁止する方針で、インドネシアも19年末までにスーパーのレジ袋使用を禁じる検討を始めた。プラスチックごみへの世界的な関心が高まるなか、取り組みの加速で、環境を重視する姿勢を国際社会や.投資家にアピールする狙いだ。…プラスチックは加工しやすく衛生的なため、食品の容器として広く使われる。国連によると、世界では1950年以降、83億トンのプラスチックが生産され、うち60%がごみとして埋め立てられたり、海に投棄されたりしたという。…経済成長を重視するアジア新興国にとって、これまで環境問題は必ずしも優先課題ではなかった。ただ、地球環境の破壊が将来の経済や社会に深刻な影響をもたらすとの認識が広まった。グローバル化を意識し、環境や社会への配慮を重視する『ESG投資』への対応が急務になっている。」(『日本経済新聞』2019.06.26)

その他