情勢の特徴 - 2019年8月後半
●「人手不足を原因とする倒産が高水準で推移している。2019年1~7月に累計200件を超え、通年では過去最高だった18年を上回る可能性がある。有効求人倍率が約45年ぶりの水準で推移する中、介護など労働集約型のサービス業などの中小企業が人手を確保できない。従業員の退職もあり廃業に追い込まれている。10月以降は各地で最低賃金の引き上げが予定され、経営の重荷になりそうだ。民間信用調査会社の東京商工リサーチによると、求人難や従業員の退職など人手不足による倒産が1~7月は227件で、前年同期と同じペースだ。18年は387件で、集計を始めた13年以降、年間ベースで人手不足に関連した倒産が最も多かった。…特に苦しい状況にあるのがサービス業だ。特別養護老人ホームなど運営の社会福祉法人友愛会(福岡県行橋市)は人件費を吸収できず債務超過に転落した。水道代の滞納や給与遅配などで従業員が相次ぎ離職したため営業が困難になり、6月に福岡地裁行橋支部から破産開始決定を受けた。そのほか東海地方の物流会社なども破産開始決定を受けた。要因別で増加率が最も高かったのが『従業員退職』型だ。中核社員の転職などで事業継続に支障が生じたケースで、2.2倍の25件に達した。従業員の確保が困難で事業継続に支障が生じた『求人難』型は2.1倍の51件、賃金などの上昇により収益が悪化した『人件費高騰』型は21%増の17件だった。件数では『後継者難』型が最も多い。代表者や幹部役員の死亡、引退などを原因とするもので134件だったが前年同期比で24%減った。…産業別では接客対応を中心とするサービス業で23%増の74件で最多だ。次いで建設業(39件)、製造業(27件)、卸売業(23件)、小売業(21件)と続いた。」(『日本経済新聞』2019.08.18)
●「中小企業庁がまとめた下請かけこみ寺事業の実施状況によると、建設業に関する2018年度の相談受付件数は前年度比16.3%増の1814件に上り、事業が始まった08年度以降で最も多かった。…下請かけこみ寺は、全国中小企業振興機関協会と、全国47都道府県にある下請企業振興協会に設置されている。企業間取引に関する中小企業の悩みに対応し、法令違反が疑われる相談があった場合は速やかに国に事案を取り次ぐなど、下請取引の適正化に向けた活動を実施している。18年度の相談受付件数は、22.6%増の8381件で、過去最多を記録した。相談内容の内訳は建設業のほか、下請代金支払遅延等防止法が15.4%増の1151件、その他が26.5%増の5416件だった。建設業の相談受付件数が全体に占める割合は21.6%で、1.2ポイント低下した。」(『建設通信新聞』2019.08.21)
●「国土交通省は28日、2020年度予算の概算要求を発表した。一般会計の国費総額は前年度(臨時・特別の措置を除く通常分)と比べ18.4%増の7兆0101億円。うち公共事業関係費は19.4%増の6兆2699億円と、15年度分から6年連続で6兆円を超える要求になった。社会資本整備を『未来への投資』とし、ストック効果を重視した公共投資により経済成長を図り、経済再生と財政健全化の双方を実現するため必要な公共事業予算の安定的・持続的確保を目指す。」(『建設工業新聞』2019.08.29)
●「内閣府は30日、2019年度の『国民生活に関する世論調査』を公表した。現在の資産や貯蓄について『不満』『やや不満』と答えた人の割合は計54.3%で前年より2.1ポイント増えた。同項目が増えたのは5年ぶりだ。…現在の所得や収入では『満足している』『まあ満足している』と答えた人の割合は計52.3%で0.8ポイント増えた。『不満』『やや不満』は0.8ポイント減の計45.6%だった。所得や収入については3年連続で『満足派』が『不満派』を上回った。…政府への要望を複数回答で聞くと『医療・年金などの社会保障の整備』が2.1ポイント増の66.7%で最も高く、次いで『景気対策』が1.9ポイント増の52.5%だった。年代別では18~39歳でも『社会保障の整備』を挙げた割合が最も多かった。同年代では前年は『景気対策』がトップだった。」(『日本経済新聞』2019.08.31)
●「政府は6月に施行した改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)に基づき施策を総合的に推進するための基本方針(2005年8月閣議決定、14年9月変更)を見直す。9月下旬~10月上旬にも改正基本方針を閣議決定できるよう調整を進める。災害時の緊急対応の充実強化や調査・設計の品質確保といった改正法の趣旨を基本方針に反映する。…改正公共工事品確法に基づく基本方針と運用指針の見直し作業と並行し、同法と共に『新・担い手3法』を構成する改正公共工事入札契約適正化法(入契法)に基づく適正化指針も改正法に沿った見直し作業が進んでいる。」(『建設工業新聞』2019.08.19)
●「政府は27日、改正建設業法および入札契約適正化法(入契法)の施行日を定める政令を閣議決定した。改正公共工事品質確保促進法(品確法)を含めた新・担い手3法として、施工時期の平準化など働き方改革の取り組みを早急に進めるため、『中央建設業審議会(中建審)による工期基準の作成』や『適正化指針への施工時期の平準化の追加』に関する規定をことし9月に先行して施行。著しく短い工期の禁止や建設業許可基準の見直し、技術者の配置合理化などの建設業法の大部分の規定は2020年10月に施行する。技術検定制度の見直しは21年4月に施行し、21年度から新たな技術検定試験をスタートする。」(『建設通信新聞』2019.08.28)
●「国土交通省は、建設キャリアアップシステムを活用した建設技能者の能力評価制度で、レベル2-3に当たる職長・中堅クラスの技能者を対象に行う特別研修の実施スキームを固めた。職長などを対象としたマネジメントスキル向上のための講習を行い、講習を契機に建設キャリアアップカードの取得支援も実施する。能力評価基準が策定された職種から随時、特別講習を開始する予定だ。当面は近く基準が策定される見通しの5-6職種で、レベル2-3のキャリアアップカードの取得者、5万人を目指す。」(『建設通信新聞』2019.08.20)
●「法務省は20日、出入国管理法に基づく2018年の在留資格取り消しが832件あったと発表した。前年の385件から2倍を超える規模に急増し、統計を取り始めた05年以降で最多となった。在留資格別では『留学』が412件となり、最も多かった。…在留資格別では、留学に続いたのは『技能実習』の153件で、3位は偽装結婚を含む『日本人の配偶者等』で80件。…在留資格取り消し増加の背景には、劣悪な労働環境や本来の目的とかけ離れた学校運営があり、政府は対策強化を図っている。法務省は今年3月、実習先から失踪した技能実習生5218人に関する調査結果を公表し、約15%に賃金不払いや時間外労働といった不正行為の疑いがあったことが判明。…就労目的と知りながら留学名目で外国人を受け入れる悪質な学校を排除するため、外国人らに日本語を教える『日本語学校』の設置基準を今年9月から厳格化。生徒に求められる出席率や日本語能力を厳しくし、在籍管理を徹底する。」(『日本経済新聞』2019.08.21)
●「日本型枠工事業協会(三ノ輪賢二会長)は、『週休2日制導入に伴うコストアップと工期との関連性』についての考察をまとめた。それによると週休2日制の導入により目減りする技能工の現状の賃金水準を維持するためには労務費の15%アップは必要とした。また、若者に入職してもらうためには『週休2日制』と『有給休暇』は不可欠であり、そうすると少なくとも15%の技能工不足が生じるため、工期延長が必要になることも指摘した。」(『建設通信新聞』2019.08.21)
●「猛暑日は作業能率が3割以上低下する――。関東鉄筋工事業団体連合会青年部会(大平智彦部会長)は『夏の働き方に関するアンケート』を実施し、その結果をまとめた。まとめによると、夏日(最高気温25度)で通常の94.5%、真夏日(最高気温30度)では84.4%、猛暑日(最高気温35度)になると70.8%と、気温の上昇とともに作業能率が低下するとの結果を得、これまで感覚的に言われてきたことが裏付けられた。アンケートは昨年10月、全国鉄筋工事業協会(岩田正吾会長)の秋季定例会(雇用改善推進会議)で『すべての工事現場において7月から9月のすべての土日を休工する』ことを決議したことを受けて行った。7都県の加盟企業232社調査票を送付し、166社の経営者、職長300人から回答を得た。…アンケートの結果によると、気温が28度を超えるころから休憩回数や休憩時間が増え始め、30度を超えると53.7%、33度を超えると76.3%、35度を超えると93.4%とほとんどの人が回数と時間を増やしている。とくにデッキ上や無風状態での作業において増加している。」(『建設通信新聞』2019.08.21)
●「民間信用調査会社の帝国データバンクが実施した『女性登用に対する企業の意識調査』によると、建設業の女性管理職割合は9業種のうち最も低い5.0%で、全体平均の7.7%を下回った。2018年との比較では0.3ポイント上昇した。女性の活用・登用による効果では『女性の労働観が変化してきた』と回答する割合が、9業種の中で建設業が最も高かった。調査は7月18~31日に実施。対象企業2万3650社のうち1万0091社(回答率42.7%)から回答を得た。業界別でみると、小売(13.9%)、不動産(12.9%)、サービス(10.1%)の順に女性管理職割合が高く、建設業の次に割合が低いのは運輸・倉庫(5.2%)だった。…女性の活用・登用を進めた効果について聞いたところ、全体では『男女にかかわらず有能な人材を生かせた』(68.0%)が最も多かった。業種別では、『女性の労働観が変化してきた』『従業員同士のコミュニケーションが活発になった』『労働環境が改善した』『男性の労働観が変化してきた』の4項目で建設業の回答割合が最も多かった。」(『日本経済新聞』2019.08.22)
●「厚生労働省が21日に公表した『2018年雇用動向調査』で、18年の建設業の入職者数から離職者数を引いた『入職超過数』が2万2500人だったことが分かった。入職超過数の多さはそれだけ業界の担い手の確保につながる。前年比23.6%増、2年前からは3倍まで入職超過数が増えたのは、入職者の増加とともに離職者数が減少したことも大きな要因。離職率は16職の中で2番目に低い。元・下、行政も巻き込んだ担い手確保・育成の取り組みが、統計からも見え始めた形だ。建設業の18年入職者数は転職者も含め26万5900人。離職者数は24万3400人。離職率(1月1日現在の常用労働者数に対する離職者数の割合)は、9.2%。16職中、『鉱業、採石業、砂利採取業』の6.7%に次いで低い割合となった。…今後の注目は、産業平均と比較して建設業が高い割合となっている『新規学卒者の就職後3年以内の離職率』の動向だ。直近では昨年10月に公表された『新規学卒者の離職状況(15年3月卒業者)』の新規高卒就職者3年以内離職率は39.3%。これに対し建設業は46.7%で、宿泊業・飲食サービス業や小売業に次いで高い割合となっていた。建設業の新規学卒者3年以内の離職率で課題となっているのは、大卒離職率は産業平均を下回っているものの、高卒離職率が高いことだ。…そのため、中小企業団体や専門工事業団体が共同で新入社員研修を行い他社社員との同期意識を強めたり、業界団体がキャリアアップの研修を行うなど、3年以内離職率を減少させる取り組みを強化している。」(『建設通信新聞』2019.08.23)
●「厚生労働省がまとめた2019年1-7月の労働災害発生状況(速報、8月7日時点)によると、建設業の死亡者数は、前年同期と比べ14.1%減(21人減)の128人となった。また、建設業の休業4日以上の死傷者数は7217人で0.9%減(64人減)だった。死亡者数の業種別は土木が47人、建築が61人、そのほかが20人。都道府県別では大阪が12人と最も多く、北海道が10人、埼玉が9人、東京、愛知、兵庫が各8人などとなっている。」(『建設通信新聞』2019.08.26)
●「厚生労働省は27日、公的年金制度の財政検証結果を公表した。経済成長率が最も高いシナリオでも将来の給付水準(所得代替率)は今より16%下がり、成長率の横ばいが続くケースでは3割弱も低下する。60歳まで働いて65歳で年金を受給する今の高齢者と同水準の年金を現在20歳の人がもらうには68歳まで働く必要があるとの試算も示した。年金制度の改革が急務であることが改めて浮き彫りになった。」(『日本経済新聞』2019.08.28)
●「厚生労働省が30日に発表した7月の有効求人倍率(季節調整値)は前月に比べて0.02ポイント低下し、1.59倍だった。3カ月続けて前月を下回った。総務省が同日発表した完全失業率(同)は同0.1ポイント低下し2.2%と、26年9カ月ぶりの低水準だった。雇用情勢は全体では底堅いが、製造業などの一部の業種で採用に慎重な動きが出ている。」(『日本経済新聞』2019.08.30)
●「大手・準大手ゼネコン26社の2020年3月期第1四半期決算が9日までに出そろった。9社の連結売上高が第1四半期決算開示以降で過去最高を記録、4社は連結営業・経常・純利益も過去最高となった。豊富な手持ち工事を消化しながら、着実に利益も確保した企業が多く、堅調さが目立っている。連結売上高・営業利益・経常利益・純利益の全項目が過去最高だったのは、大林組、清水建設、五洋建設、前田建設の4社。連結売上高は、26社中19社が前年同期を上回った。各社とも堅調な建設市場に支えられて豊富な手持ち工事を抱えており、工事の進捗に伴って売上高が積み上がった。労務・資機材費の上昇や競争の激化が利益を圧迫するという懸念もあったが、16社は営業利益も前年同期比増となり、特に戸田建設、東洋建設、青木あすなろ建設、淺沼組、東鉄工業の5社は、3桁の増加率となった。単体の完成工事総利益(粗利)率は、前年同期から大幅に変動した企業が少なく、各社とも10%前後の粗利を安定的に確保できる体制が整ってきた。」(『建設通信新聞』2019.08.16)
●「帝国データバンクが8日発表した2019年上半期(1~6月)の建設業の倒産件数は前年同期比4.3%減の685件だった。上半期としては3年連続で前年同期を下回った。政府が推進する国土強靭化対策や、都市部で相次ぐ民間再開発などを列挙し、倒産件数全体の押し下げに大きく影響していると分析。今後も底堅い受注動向を見込む半面、人手不足の影響などによる採算悪化のリスクも指摘している。…全国の負債総額は9.1%増の684億6300万円となり、6年ぶりに前年同期を上回った。人手不足を要因とする倒産件数も77.8%増の32件と増えており、3年連続で増加となった。帝国データバンクによると、倒産件数の減少が一部で底を打つなど変化の兆しも見られるという。」(『建設工業新聞』2019.08.19)
●「国土交通省は、2019年度の建設投資見通しを公表した。総額(名目値)は、前年度の見込み額(60兆8800億円)との比較で3.4%増の62兆9400億円。近年、増加を続けている政府投資と、堅調に推移する民間投資を背景に、5年連続の増加となる。安定的かつ持続的に増加する流れを堅持していく見通しだ。政府投資は前年度比4.5%増の21兆6300億円、民間投資は2.8%増の41兆3100億円。民間投資の内訳は住宅建築投資が2.8%増の17兆3900億円、非住宅建築投資と土木投資を合わせた民間非住宅建設投資が3.6%増の17兆7000億円、リフォーム・リニューアル投資が0.6%増の6兆2200億円と推計している。」(『建設通信新聞』2019.08.20)
●「国土交通省が発表した建設工事受注動態統計調査によると、2019年度第1四半期(4~6月)の受注総額は前年同期比4.0%減の18兆6865億円となった。元請受注高は9.5%減の11兆9355億円で、うち公共工事は10.2%増の3兆5182億円、民間工事は15.8%減の8兆4172億円。公共工事が増加したものの、民間工事の大幅な減少が響いた。」(『建設工業新聞』2019.08.20)
●「中小企業庁が中小企業を対象として2018年度に実施した『長時間労働につながる商慣行』をテーマとするアンケートの結果によると、繁忙期が発生すると回答した建設業の割合は93%で、全体を2割上回ることが分かった。中企庁は、行政が主要取引先の建設業で長時間労働を是正するためには、市町村における公共事業発注の平準化が重要と判断。市町村の契約・調達実務者向けに働き方改革の説明会を9月以降に開催するなど、国土交通省、総務省と連携し、17年度に約14兆4000億円の官公需実績がある地方公共団体向けの取り組みを強化する。民間調査会社が保有するモニター企業から選定した中小企業7642社を対象にインターネットによるアンケートを行い、33.2%の2537社から回答を得た。回答があった企業のうち建設業は64社で、回答した会社数の2.5%となっている。繁忙期の発生割合は全産業が71%だった。…繁忙期が発生する要因として、建設業、技術サービス業ともに仕事が年末・年度末に集中することを挙げており、『年末・年度末に竣工する物件が多い』(建設業)、『官公庁から測量・調査・設計などの業務を受注しているが、6月に受注しても発注者側の工程が不明確なため、11月ぐらいまで業務に取りかかれない』 (技術サービス業)との意見があった。納期が短い受注の発生割合は、建設業が71%で、全体を11ポイント上回っている。短納期の要因として、元請企業の働き方改革による納期のしわ寄せを指摘した建設業からは、『取引先の大企業の時短対応で丸投げが増えた』との意見があった。」(『建設通信新聞』2019.08.22)
●「国土交通省は複数の棟で構成された団地型の分譲マンションの老朽化に対応するため、敷地を分割して売却しやすくする新制度を設ける方針だ。今は1棟だけを切り出して売る場合でも団地の所有者全員の同意が必要だが、この要件を緩める。跡地に店舗や保育所を誘致して団地としての魅力を高めるなど、多様な再生手法を選択できるようにする。空き家になっている部屋の所有者は売却で現金化しやすくなる。…団地の全棟を一括で建て替える場合、全所有者の5分の4以上、かつ各棟の所有者の3分の2以上の賛成が必要だ。合意形成のハードルが高くあまり進んでいない。このため国交省は団地再生の新たな手法として敷地の一部を売却しやすくする。現状では分割・売却は対象となる棟の所有者だけではなく団地全員の同意がいるのでほとんど実施されていない。そこで同意の要件を緩めた新制度をつくる。一部の棟を建て替える場合に必要な『団地全体の所有者の4分の3以上、かつ売却対象の棟の所有者の5分の4以上』との要件などを参考に具体案を詰める。2020年の通常国会に必要な法改正案の提出を目指す。」(『日本経済新聞』2019.08.19)
●「マンション販売の不振が強まっている。不動産経済研究所(東京・新宿)が19日発表した7月の首都圏のマンション発売戸数は、前年同月比35%減の1932戸と7カ月連続で減少した。7月として発売戸数が2000戸を下回るのは1976年(1571戸)以来43年ぶり。物件価格の高止まりで購入を検討する人が減り、販売会社も売り出し戸数を減らした。 7月として73年の調査開始以降、過去3番目の低水準となった。同研究所は2019年7月の発売戸数を3000戸と見込んでいたが、大きく下回った。」(『日本経済新聞』2019.08.20)
●「全国の都市部で高まるタワーマンション人気をよそに、神戸市は2020年7月に中心部で建設を禁じるなど二重三重の規制に乗り出す。市内人口が減少する中で街全体の持続的発展に腐心しており、郊外の過疎化を招きかねないタワマンの林立を許さない構えだ。…市中心部のJR三ノ宮駅周辺22.6ヘクタールで新築を禁止。その外に広がる山陽新幹線・新神戸駅やJR神戸駅などを含む292ヘクタールでは住宅の容積率を最大900%から400%に減じ、建設を事実上不可能にする。そのほかのエリアなら建設を認めるが、修繕管理体制が行き届いた優良物件のみに絞りたい考え。21年度にも管理組合の運営状況や修繕積み立て計画を審査、認証する全国初の制度をつくる。」(『日本経済新聞』2019.08.22)
●「2020年東京五輪・パラリンピック大会組織委員会と政府などは22日、大会期間中に東京都内で首都高速道路の日中の通行料を引き上げる方針を固めた。26日に都内で開く関係者会議で正式に決定する。大会期間中に首都高が渋滞して選手の移動などに影響がないよう、日中の利用料金を都内で1000円上乗せする。」(『日本経済新聞』2019.08.23)
●「横浜市の林文子市長は22日の記者会見で、カジノを含むIR(統合型リゾート)施設の誘致を正式に表明した。これまで誘致については『白紙』の立場だったが、他自治体の動向などを受けて『誘致』にかじを切った。観光の国際競争力強化や地域経済振興など、将来的な財政波及効果を検討し判断した。候補地には中区の山下ふ頭を挙げた。」(『建設工業新聞』2019.08.23)
●「プレハブ建築協会(プレ協、芳井敬一会長)がまとめた『プレハブ住宅完工戸数・生産能力調査』によると、2018年度の総戸数は前年度比5.5%減の15万0858戸となった。2連続で減少した。新設住宅着工戸数に対するプレハブ住宅の割合は15.8%。前年度と比べ1.1ポイント下がった。生産能力は工場数が10工場増えて140工場、戸数が6902戸増えて29万7903戸となった。…構造別で完工戸数をみると、木質系住宅が1万8786戸(前年度比0%増)、鉄鋼系住宅が12万1815戸(8.2%減)、コンクリート系住宅が1万0257戸(25.6%増)。コンクリート系の中高層住宅が大きく伸びたものの、鉄鋼系住宅の減少が響いた。長期優良住宅の戸数は、全戸数の27.1%に当たる4万0875戸(0.9%減)だった。ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の戸数は、1万9699戸(前年度比15.7%増)。一戸建て住宅のZEH率は、前年度と比べ5.0ポイント上昇し37.6%となった。」(『建設工業新聞』2019.08.26)
●「東京電力ホールディング(HD)は26日、柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)の6、7号機が再稼働となった場合に、現在停止中の1~5号機の一部の廃炉を検討する考えを明らかにした。…廃炉は6、7号機の再稼働が前提で、『再稼働した後5年以内』に原子炉1基以上を対象にするという。東電HDが同原発の廃炉に言及したのは初めて。」(『建設工業新聞』2019.08.27)