情勢の特徴 - 2019年12月後半

経済・財政 行政・公共事業・民営化 労働・福祉 建設産業・経営 まちづくり・住宅・不動産・環境 その他

経済・財政

●「政府は13日の閣議で2019年度補正予算案を決定した。追加歳出は3兆1946円で、財源として建設・国債を2兆1917億円発行する。国土強靭化関係予算として1兆1520億円を確保。相次ぐ自然災害を踏まえ防災・減災、国土強靭化を強力に推進する。国土交通省分は国費ベースで1兆2634億円を計上した。今回の補正予算案は、政府が5日に決定した『安心と成長の未来を拓く総合経済対策』に基づき編成。政策的な追加歳出は4兆4722億円で、既定経費を減額すると総額3兆1946兆円の規模となる。…国交省関係は公共事業費1兆1865億円、非公共事業費769億円の総額1兆2634億円。経済対策のテーマ別では▽災害からの復旧・復興と安全・安心の確保=1兆1252億円▽経済の下振れリスクを乗り越えようとする者への重点支援=103億円▽未来への投資と東京五輪・パラリンピック後も見据えた経済活力の維持・向上=1279億円。」(『建設工業新聞』2019.12.16)
●「政府が年内に決定する2020年度財政投融資計画に対し、国土交通省が1兆6371億円の配分を要求していることが分かった。13日に閣議決定した19年度分の補正額(6123億円)を合わせると2兆2494億円となる見込みだ。物流網強化のための高速道路整備や成田空港の機能強化などを加速する。」(『建設工業新聞』2019.12.16)
●「世界経済フォーラム(WEF)は17日、世界各国の男女平等の度合いをランキングした2019年の『ジェンダー・ギャップ指数』を発表した。調査対象153カ国のうち、日本は121位と前年(110位)から順位を落とし、過去最低となった。女性の政治参画の遅れが響き、先進国では最低水準となっている。指数は経済、政治、教育、健康の4分野で女性の地位を分析し、総合順位を決めている。WEFは、世界全体では女性の政治参画が著しく拡大したと評価する。男女の格差を完全に解消するには99.5年かかると分析するが、108年かかるとした前年より改善した。日本の順位は中国(106位)や韓国(108位)などアジア主要国と比べても低い。項目別にみると、日本は特に政治が144位と前年から19下げた。WEFによると、国会議員に占める女性の割合が日本は約10%と世界で最低水準となっている。安倍政権は女性活躍の推進を揚げるが、政治参画ははかばかしくないと評価された格好だ。経済は115位と2つ上昇したが、依然低い水準にとどまった。女性の管理職やリーダーの少なさや、低収入が響いている。」(『日本経済新聞』2019.12.17)
●「政府は20日、2020年度予算案を閣議決定した。一般会計の歳出総額は19年度当初より1.2%増の102兆6580億円で、当初予算では2年連続で100兆円を突破した。医療・年金などの社会保障費は5.1%増となり、全体を押し上げる。消費税の増税で税収は過去最高を見込むものの、歳出を賄うにはほど遠く、借金頼みの財政運営が続く。…当初予算の歳出総額は8年連続で過去最大を更新した。歳出が膨らむ最大の要因は総額の35%を占める医療や年金などの社会保障費だ。19年度当初に比べ1兆7302億円増の35兆8608億円に達する。高齢化に伴う社会保障費の自然増は4111億円で、消費増税の税収分を活用する教育無償化や低年金者の支援給付金など社会保障の充実に1.7兆円を使う。公共事業関係費は0.8%減の6兆8571億円。20年度は相次ぐ自然災害を受けて18年度から3年間で講じてきた緊急対策の最終年度となる。…19年10月の消費増税に対応する景気下支えの臨時対策に1兆7788億円を費やす。財務省は19年度のやり方を踏襲し、通常分の歳出とは別枠で『臨時・特別の措置』として計上した。…臨時対策の大半を占めるのが災害に備えるインフラ整備で、1兆1432億円を使う。中小店舗を対象にしたキャッシュレス決済時のポイント還元策に2703億円を充てる。…マイナンバーカードの保有者にポイントを付与する新制度に2478億円、一定の条件を満たした住宅の購入者を対象にした『すまい給付金』に1145億円を充てる予定だ。防衛関係費は1.1%増の5兆3133億円で、6年連続で過去最高を更新。…文教・科学振興費は1.5%減の5兆5055億円だった。歳入については、税収が19年度当初比で1.6%増の63兆5130億円を見込む。新規国債の発行額は10年連続で減る。」(『日本経済新聞』2019.12.20)
●「政府は20日、2020年度予算案を決定した。一般会計の総額は102兆6580億円となり、当初予算で過去最大を更新。財源として建設国債を7兆1100億円発行する。公共事業関係費は前年度を528、億円下回る6兆8571億円(前年比0.8%減)を計上。…国土交通省分は一般会計の総額が6兆7363億円(1.8%減)。うち公共事業関係費は災害復旧を含め294億円下回る5兆9368億円(0.5%減)となった。『防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策』の最終年度だが、19年度に重点的に予算を措置したため、やや減少した。相次ぐ自然災害で全国各地に甚大な被害が発生していることを踏まえ、水害などに対処する個別補助制度を設けた。同日の閣議後の記者会見で赤羽一嘉国交相は『特定の事業に対し確実かつ集中的に予算を充てることができる。国と自治体が連携して防災・減災対策を迅速、着実に実施する』と述べた。東日本大震災復興特別会計の国交省所管分は3662億円(20.9%減)、独立行政法人などに充てる財政投融資には総額で2兆4555億円(3.4%増)を計上した。公共事業の施工時期平準化措置として国庫債務負担行為(国債)の活用を継続。2カ年国債は1966億円(19年度当初2099億円)、当該年度の支出がゼロで年度内に発注が行えるゼロ国債は1242億円(同1095億円)を設定した。」(『建設工業新聞』2019.12.23)

行政・公共事業・民営化

●「北海道建設業信用保証、東日本建設業保証、西日本建設業保証は、前払金保証実績に基づく2019年度累計(4-11月)の公共工事動向をまとめた。請負金額は前年同期比7.6%増の11兆3937億6700万円。増加幅は10月までの累計と比べ0.4ポイント増加、依然として堅調に推移している。…発注機関別は国が10.7%増の1兆7769億円、独立行政法人等が9.5%増の1兆3776億3700万円、都道府県が3.9%増の3兆2521億7900万円、市区町村が8.0%増の4兆3126億0900万円、地方公社が6.7%減の1049億9900万円、その他が14.8%増の5694億4000万円だった。」(『建設通信新聞』2019.12.17)
●「改正公共工事品質確保促進法(品確法)に基づく、発注関係事務の共通ルール『運用指針』が年明けに策定されることが分かった。…20年度から市町村を含めたすべての公共発注者に、運用指針に沿った発注関係事務の実施を求める。運用指針は法律上、地方公共団体や事業者などの意見を聞いて国がつくることとされている。これまでに2段階で意見募集を実施し、『発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムのあり方に関する懇談会』などを通じ、学識経験者からの意見聴取も完了。国土交通省などは寄せられた意見を反映させ、運用指針を固める。運用指針は、品確法改正の趣旨を踏まえ、『災害時の緊急対応の強化充実』『働き方改革への対応』『生産性向上への取り組み』『調査・設計の品質確保』の4つのポイントを中心に、近年の取り組み状況と照らして作成している。」(『建設通信新聞』2019.12.17)

労働・福祉

●「日本建設業連合会の週休2日推進本部(井上和幸本部長)は、週休2日実現行動計画に基づく2019年度上期フォローアップ報告書をまとめた。現場単位で4週6閉所以上が約7割を達成。そのうち4週8閉所以上も3割に上り、いずれも前年同期の調査結果から増加した。ただ、民間工事が中心となる建築は公共発注が大半を占める土木と比べ取り組みが遅れており、同計画の中間目標に掲げる『19年度末までに4週6閉所以上実現』に向け、より一層の発注者理解が求められる。今回の調査結果によると、4週6閉所以上が前年同期比で約9ポイント増の68.5%。4週8閉所以上も約6ポイント増の30.0%と伸びた。また、『土日閉所を基本とした作業所』では4週6閉所以上が71.4%、4週8閉所以上が32.9%まで上昇し、『土日閉所を基本としない作業所』よりそれぞれ12ポイント上回っている。工種別では、土木の4週6閉所以上が約8ポイント増の74.4%、4週8閉所以上も約8ポイント増の36.7%、建築の4週6閉所以上が約10ポイント増の63.2%、4週8閉所以上が約5ポイント増の23.9%。」(『建設通信新聞』2019.12.18)
●東京都内で普通の生活をするには時給1642~1772円が必要という最低生計費調査結果を18日、東京地評と東京春闘共闘会議が発表した。この調査は全労連・国民春闘共闘委員会の呼びかけで全国で取り組まれているもので、東京単独の調査は初めて。最低賃金が今年10月まで単独最下位だった鹿児島でも1590円程度が必要という結果が出ており、全国で1500円以上に引き上げ、全国一律に改める必要性が浮き彫りになった。東京では3238人分の調査データ(若年単身者411人)をもとに、新宿、世田谷、北の3区に住む25歳単身者を想定。生活必需品を積み上げたところ、他県よりも家賃負担が重く、税金込みで月額24万6362~26万5786円、年額295万6344~318万9432円が必要という試算結果になった。(『しんぶん赤旗』2019.12.19より抜粋。)
●「国土交通省は、建設キャリアアップシステムとマイナンパーカードの連携に向けた検討に着手する。マイナンバー制度については政府全体として普及と利活用を促進する方針が決定しており、建設キャリアアップシステムのほか、厚生労働省の技能講習修了データベースや法務省の入国管理データベースなども連携に向けた調整が進められている。オンライン上で行政機関などが保有する自身の情報を確認できるマイナポータルを中心に各種システムが連携することによって利便性を向上させ、マイナンバー制度の普及につなげる狙いもある。」(『建設通信新聞』2019.12.20)
●「厚生労働省は兼業や副業を手掛ける人が勤務中の事故などで働けなくなった場合に、本業の賃金と通算して労災保険を給付する仕組みを整える。いまは事故の起きた勤務先の賃金分しか補償していない。長時間労働を原因にした労災の認定基準も複数の職場の労働時間を合算する仕組みに改める。働き方が多様化するなか、労災を認定しやすくし、雇用のセーフティーネットを強化する。厚労省は23日開いた労働政策審議会の部会で労災保険制度の見直し案を示し、了承された。2020年の通常国会に改正法案の提出をめざす。…現在の仕組みでは、例えば月収20万円のA社と同15万円のB社を掛け持ちし、B社の仕事中に事故に遭って休業した場合、B社の15万円分のみを前提に労災の給付額を算出する。制度改正後は月収35万円が基準となるため、副業をする人への補償が手厚くなる。通勤災害の場合も同じように賃金を合算して給付額を決める。…長時間労働を原因とする労災の認定基準についても、複数の勤め先の労働時間を合算する仕組みに変える。」(『日本経済新聞』2019.12.23)
●「国土交通省は建設業退職金共済制度(建退共制度)の改善の方向性を示した。現行の証紙・書面管理方式では技術者一人一人への証紙の確実な交付、貼付に限界があるとした上で、建設キャルアアップシステム(CCUS)を活用した電子申請化を目指す。CCUSに蓄積された就業実績を利用して手続きを電子化・簡素化し、労働者の掛け金を退職時に漏れなく給付する環境を整えたい考えだ。…公共工事の積算基準には建退共制度に基づく事業主負担額を含んでいるが、元請が購入した証紙が下請の労働者まで十分に交付されていない例や、元請が下請に辞退届の提出を強いる例などもある。一方、民間工事には普及していない。国交省は優秀な担い手確保の観点から公共工事、民間工事を問わず建退共制度のさらなる活用の推進と退職金の確実な支給の徹底を図る方針。建退共は掛け金納付の新方式として電子申請の導入を準備しており、CCUSとも連携予定だ。」(『建設工業新聞』2019.12.23)
●民間や公務の建設関連労組でつくる生活関連公共事業推進連絡会議(生公連)は18日、10月に東日本を縦断し、広範囲に死傷者や家屋の損壊、床上・床下浸水をもたらした台風19号の被害に対する声明を発表した。声明は、東日本大震災以降も度重なる災害が発生しているが、いまだ防災体制は十分でないと指摘。国が河川の氾濫を現地で確認していたにもかかわらず「氾濫発生情報」を出せなかったことからも明らかだとし、背景に国と自治体が進めてきた「行政改革」や公務員減らしがあることをあげている。50年や100年に一度という災害が毎年のように発生しているいま、災害対策は「想定外」では済まされないと強調。災害からの復旧・復興を地域で支える建設業及び建設関連業を再生・持続させ、大規模公共事業中心から事前防災、環境保全、維持管理がしっかりと行える政策に転換することを求めている。(『しんぶん赤旗』2019.12.23より抜粋。)
●「国土交通省は、建設分野における特定技能外国人の適正な就労監理を目的とした対応策を公表した。23日付けで国際建設技能振興機構(FITS)を適正就労監理機関として定めるとともに、FITSと建設技能人材機構(JAC)が実施できる受入外国人への支援業務の内容を明示した。両機構が関与することで失踪や不法就労を未然に防ぎ、受入企業にとっては『一部支援を活用してもらうことで、受入費用を抑えることができる』(同省・労働資材対策室)といったメリットがある。」(『建設通信新聞』2019.12.24)
●「国土交通省は、社会保険加入や働き方改革などの規制逃れを目的とした“社員の一人親方化”への実効性のある抑制策を議論する新たな検討会の設置を決めた。実質的に労働者として働いているにもかかわらず、規制・負担を逃れるために一人親方として使用する企業に対する実効性のある対策検討を行う。検討会には学識経験者、業界団体、行政関係者が参加し、各職種ごとの実態を把握した上で、具体的な抑制策を示す方針だ。」(『建設通信新聞』2019.12.25)
●「日本型枠工事業協会(三野輪賢二会長)は、全国の型枠工事業者を対象とした2019年度雇用実態調査の報告書をまとめた。調査は会員外12社を含む226社(所属技能者数9671人)から回答を得た。調査によると、型枠大工、型枠解体工とも賃金は、15年度から同水準で推移しており、7年連続で引き上げてきた公共工事設計労務単価が技能工レベルまで浸透していないといえる実態が明らかになった。社会保険加入率は大幅に改善したが、原資となる法定福利費の確保については依然として一部の発注者、元請企業から理解を得られず、加入継続が危ぶまれる。日本型枠では契約単価のアップと安定化とともに、法定福利費を確保する仕組みの制度化を行政機関に要望していく考えだ。標準日給の全国平均では、型枠大工の職長が1万6477円、技能工が1万3972円で、若干の増減はあるものの、ここ数年は同様の数値で推移している。…型枠解体工(全国平均)も職長が1万5428円、職人が1万3289円で、全国平均、地域別とも、傾向は型枠大工とほぼ同様となっている。技能者の給与支払いは『日給月給制』が6ポイント増の51%で最多。一方、月給制は2ポイント減の23%と低下した。」(『建設通信新聞』2019.12.27)

建設産業・経営

●「中央建設業審議会は、12日の総会で2020年4月から施行される改正民法に対応した『標準請負契約約款』(標準約款)の改定内容をまとめた。年内に改正標準約款についてその実施を勧告し、民法施行にあわせて適用を開始する。建設業法の改正に伴う一部措置については20年10月から運用する。…4月からワーキンググループを設置して進めてきた改定作業で中心的に議論してきた、工事請負代金債権の譲渡を制限する特約については、公共、民間いずれも譲渡を禁止する規定を継続。ただし、譲渡によって受け取った金銭をその工事の材料費や下請代金の支払いに充てる場合の譲渡は認めるとした。公共約款では、原則として債権譲渡を禁止し、譲渡した場合は解除事由に当たると規定。ただし、前払金の使用や部分払いによってもその工事の施工に必要な資金が不足することを受注者が発注者に説明した場合、発注者は債権譲渡を承諾しなければならないとする。受注者には資金の使途を明らかにする義務を課し、その工事以外に使用した時などは解除の対象となる。 民間約款などでは、相手方の承諾を得た場合は債権譲渡を可能とすると規定。譲渡で得た資金は公共約款と同様にその工事の施工以外の使用を禁止する。承諾を得ずに行う譲渡や譲渡資金の工事外使用については、解除事由に当たる。…引き渡された工事目的物が契約不適合だった場合に履行追完、損害賠償、代金減額の請求や、契約の解除を行うことができる担保期間は、原則2年間。設備機器などについては1年とする。」(『建設通信新聞』2019.12.16)
●「レオパレス21のアパートで施工不良が相次ぎ見つかった問題を巡り、国土交通省が同社の建築士数人を建築士法に基づき行政処分する方針を固めたことが19日、分かった。一連の問題で処分が出るのは初めて。20日にも公表する。施工監理を怠り不正を見過ごしたとして、建築士の資格を取り消す。」(『日本経済新聞』2019.12.20)
●「民間信用調査会社の帝国データバンクがまとめた『主要上場建設会社57社の受注・業績動向調査』(2019年度第2四半期)によると、売上総利益率が前年同期からほぼ横ばいの0.1ポイント増となり、受注高合計は前年同期に比べ2桁減になったことが分かった。 単体受注高が判明したのは57社中41社。受注高合計は前年同期比13.5%減の4兆9519億5600万円となり3年連続で減少した。41社のうち28社で受注高が減少した。2020年東京五輪・パラリンピックの関連工事などが一巡し受注高の減少につながった。増加した13社の受注増加率は官公庁受注を伸ばした大本組が前年同期比41.0%増と最も高かった。…官公庁工事と民間工事の受注高の内訳が判明したのは31社。官公庁、民間ともに3年連続で減少した。官公庁工事の受注高は前年同期比20.1%減の8165億2900万円。民間工事の受注高は同7.9%減の2兆9857億5900万円だった。57社の売上高合計は連結ベースで前年同期比6.5%増の8兆2437億4200万円。増収は39社。」(『建設工業新聞』2019.12.25)
●「日本建設業連合会(山内隆司会長)は、会員企業96者を対象とした2019年4-11月まで(19年度累計)の受注調査の結果を発表した。受注総額は11月単月が前年同月比1.2%減の1兆0327億7300万円とほぼ横ばい。累計額の減少幅は若干改善し、前年同期比7.2%減の8兆1315億4400万円となった。受注総額(累計)の内訳は国内が8.3%減の7兆7123億5600万円、海外が19.1%増の4191億8800万円。海外は11月単月が4.2倍増の1608億7500万円で、累計はプラスに転じた。アジアの空港、鉄道工事が寄与している。国内(同)は、民間が7.8%減の5兆8405億8700万円で、うち製造業が3.4%減の1兆3887億5300万円、非製造業が9.0%減の4兆4518億3400万円。非製造業は11月単月で2割弱減少している。官公庁は10.3%減の1兆8386億7000万円。内訳は国の機関が14.3%減の1兆1195億5300万円、地方の機関が3.2%減の7191億1700万円、その他は18.8%増の330億9900万円。11月単月では国の機関が若干増加した一方、地方の機関は3割以上減少している。」(『建設通信新聞』2019.12.27)

まちづくり・住宅・不動産・環境

●「経済産業省は9月の台風15号による鉄塔や電柱の損壊被害を受け、再発防止策などを中間報告書案としてまとめた。鉄塔の技術基準を見直し、地域の実情を踏まえた基準風速の適用などを規定する。電柱は樹木の事前伐採に加え、無電柱化の推進も対策の柱に据える。月内に経産省の別の有識者会議に報告するとともに、引き続き必要な項目を議論する。」(『建設工業新聞』2019.12.18)
●「東京電力福島第1原子力発電所事故で全町避難が唯一続く福島県双葉町のJR常磐線双葉駅周辺など一部地区について、国が2020年3月4日に避難指示を解除する方向で地元と最終調整していることが20日までに分かった。地元関係者が明らかにした。第1原発は双葉町と、今年4月に避難指示が一部で解除された大熊町に立地。県内で全域避難が続く自治体は双葉町だけだった。解除は限定的な地域が対象ですぐに住民帰還が始まるわけではないが、双葉町の復興に向けた第一歩となる。」(『日本経済新聞』2019.12.20)
●「政府は19日、復興推進会議を開き、復興庁の設置期間を10年延長することなどを盛り込んだ『復興・創生期間後における東日本大震災からの復興の基本方針』の案を了承した。20日にも閣議決定する。復興庁設置法など関係する法律の改正案を次期通常国会に提出する。…地震・津波被災地域は、2021-25年度の5年間で残された事業に全力を挙げて取り組む。原子力災害被災地域は、21-30年度の当面10年間は本格的な復興・再生に向けた取り組みを実施し、5年目の25年度に事業全体のあり方を見直す。事業規模は、21-25年度の当面5年間で1兆円台半ばを試算し、11-20年度の10年間と合わせると32兆円台後半になると見込んだ。」(『建設通信新聞』2019.12.20)
●「日本経済新聞が直近の国勢調査を分析したところ、郊外の宅地開発が止まらず、2015年までの10年間で大阪府に匹敵する面積の居住地区が生まれたことがわかった。かたや都心部では空き家増加などで人口密度が薄まっている。…国勢調査には国土を約500メートル四方で区切り、その人口を地理情報とともに集計したデータがある。日経新聞は住民が50人以上となった地区を『新たな居住地区』と定義。日建設計総合研究所(東京・千代田)と共同で05年と15年を比べると、街は拡散していた。10年間で生まれた居住地区の総面積は1773平方キロメートルに達した。大阪府ひとつ分、東京23区の3つ分に迫る広さだ。2割は100人以上、3%は500人以上が住む。新たな居住地区が最大だったのは茨城県つくば市の約12平方キロメートル。05年のつくばエクスプレス開通で、沿線の田畑が住宅街に変わった。…新たな居住地区は全国1386市区町村で発生し、43市町でその面積が5平方キロメートルを超えた。上位15位のうち、つくば市、新潟県長岡市、浜松市など7市はコンパクトシティー計画を持つ。それなのに郊外開発が止まらないのは住民を増やしたいからだ。本来規制すべき郊外で住宅を建てやすくする条例を持つ自治体もあり、農地や丘陵地の宅地転換が進む。宅地が郊外に広がると市街地の荒廃につながりやすい。大阪市は深刻だ。18年10月時点の空き家比率は全国平均の13.6%に対し、同市は17.1%。地方都市でも市街地の空き家が目立つ。人口減時代に適した街をつくるには、一度緩めた規制を元に戻すべきだとの指摘は多い。そのうえで規制とは異なる発想も必要になる。」(『日本経済新聞』2019.12.27)

その他