情勢の特徴 - 2020年7月後半

経済・財政 行政・公共事業・民営化 労働・福祉 建設産業・経営 まちづくり・住宅・不動産・環境 その他

経済・財政

●「政府は中小企業数の維持を狙った従来目標を見直す。これまで掲げてきた『開業率が廃業率を上回る』との表現を近くまとめる2020年の成長戦略から削る。中小企業は新型コロナウイルス禍で経営環境の厳しさが増している。統廃合を含めて新陳代謝を促し、全体の生産性向上をめざす方針に改める。政府は成長戦略の具体策を記す『フォローアップ』という資料を毎年、策定している。デジタルやインフラなどの項目別に数値目標として成果指標(KPI)を定め、進捗を確かめている。19年の成長戦略の中小企業政策のKPIは①20年までに黒字企業を70万社から140万社に増やす②海外子会社保有率を23年までに15年比1.5倍にする――ことなどが柱だった。『開業率が廃業率を上回る状態にし、それぞれ10%台(英米レベル)になることを目指す』との記述もあった。20年版では廃業率に関する表現を削る。政府関係者は『事実上、廃業の増加を認める方針への転換だ』と解説する。統計のある18年度までは開業率が廃業率より高かった。新型コロナの影響が長引けば20年度以降は逆転する可能性もあるとみている。足元で倒産や廃業は増えている。東京商工リサーチによると、6月の企業倒産は前年同月比6%増の780件だった。新型コロナの感染拡大で飲食や観光関連を中心に経営環境は厳しい。20年の年間倒産件数は7年ぶりに1万件を超えるとの見通しも出ている。」(『日本経済新聞』2020.07.17)
●厚生労働省は17日に2019年の国民生活基礎調査の概況を発表した。同調査は保健、医療、福祉、年金、所得など国民生活にかかわる基礎的な事項について調べるもの。19年の調査結果からは、経済成長を掲げる安倍政権のもと、多くの国民が貧困にあえいでいる姿が浮かび上がってくる。中間的な所得の半分に満たない家庭で暮らす18歳未満の割合『子どもの貧困率』は18年時点で13.5%だった。依然として子どもの7人に1人が貧困状態に置かれている。おとな(18歳以上の者)が2人以上いる世帯の貧困率10.7%に対し、おとな1人で子どもを育てる世帯の貧困率は48.1%に上った。(『しんぶん赤旗』2020.07.21より抜粋。)
●「内閣府は2012年12月から始まった景気回復局面が18年10月に終わり、景気後退に入ったと認定する方針だ。拡大期間は71カ月にとどまり、08年2月まで73カ月続いた『いざなみ景気』の戦後最長記録を更新しなかった。期間中の成長率は過去の回復期を下回り実感の乏しい回復となった。」(『日本経済新聞』2020.07.23)
●「国内産業が新型コロナウイルス感染拡大の影響を受ける中、『建設業』と民間発注者でもある『不動産業』のコロナによる影響が最小限にとどまっていることが、財務省が27日公表した『1-3月期法人企業統計(金融業、保険業を除く)確報値』で浮き彫りになった。全産業の売上高は6月1日の速報値(前年同期比3.5%減)から、確報値は7.5%減と減少幅は2倍以上の落ち込みとなった。一方、建設業や不動産業の売上高は速報値段階から増加率が上昇、確報値が改善した。また建設業が関心を寄せる設備投資額も不動産業は速報値から確報値段階で積み増している。今回の1-3月期法人企業統計は、新型コロナの国内産業・企業に与える影響が強まりつつあることを示した形。全産業の売上高は6月1日に公表した速報値の359兆5572億円から減少し344兆5897億円にとどまった。多くの業種の売上高が速報値段階から減少する中、『建設業』は速報値0.1%減の34兆3291億円から、確報値0.1%増の34兆4019億円と逆に増加した。『不動産業』も同様で速報値段階の17.6%増から、確報値21.1%増と増加幅が拡大した。また、建設市場創出につながる可能性がある企業の設備投資額は、全産業で0.1%増の15兆6949億円と前年同期並みを維持した。業種別では、『不動産業』が28.2%増の1兆3304億円と大幅に投資額を増やしたほか、『建設業』も6.4%増の5927億円と高水準を維持した。ただ、過去のリーマン・ショック後の市場縮小を経験している中小建設業経営者からは、『手持ち工事も積み上がっており、余裕があるように見えるかもしれない。仕事は急激になくなることもある。その時にどう備えるかだ』と警戒感を強める。」(『建設通信新聞』2020.07.30)
●「内閣府は30日、2020年度の経済成長率が物価の動きを除いた実質でマイナス4.5%になるとの試算をまとめた。年初に閣議決定した見通し(プラス1.4%)を大幅に下方修正した。新型コロナウイルス禍による景気の急落を反映した。感染の第2波で海外経済が一段と低迷すれば、さらに0.5ポイント程度下振れするとみている。…内需の柱で国内総生産(GDP)の半分以上を占める個人消費は前年度比4.5%減と見込む。コロナ対策で外出や移動が控えられ、需要が蒸発した。内需のもう一つの柱である設備投資は4.9%減とした。企業業績の悪化や先行きの不透明感から前向きな投資は広がりにくい。6月の日銀短観でも生産・営業用設備に過剰感が高まっていた。住宅投資も9.0%の大幅減を見込む。輸出は17.6%減と、特に厳しい見通しを示した。コロナ前の年初時点では、2.4%増と2年ぶりにプラスに戻る想定だった。欧米の感染の広がりで一転、外需の早期の回復は期待しにくい状況になっている。秋に海外で大規模な感染の第2波が到来した場合、経済成長率がマイナス5%程度まで落ち込むとの参考試算も示した。」(『日本経済新聞』2020.07.31)

行政・公共事業・民営化

●「政府は、17日の民間資金等活用事業推進会議で、PPP/PFI推進アクションプランの2020年改定版を決定した。コンセッション(運営権付与)方式の事業者が実施可能な業務範囲を拡大し、コンセッション事業と明確に関連する建設・製造・改修を認める方向で、内閣府がPFI法改正を検討する。21年の通常国会への改正法案提出を目指す。現行法は、利用料金を徴収する公共施設などの『運営、維持管理、これらに関連する企画』を実施するものとコンセッション方式を位置付けており、建設・製造・改修を含めていない。また、コンセッション方式のガイドラインは維持管理の範囲について、新設や施設などの全面除却による再整備を除く『資本的支出または修繕(増築、大規模修繕を含む)』と定めている。長期間の契約となるコンセッション方式で建設・製造・改修の実施を認めることにより、民間のノウハウを一層活用できるケースがあるとして、アクションプラン改定版で法改正の必要性を示した。」(『建設通信新聞』2020.07.21)
●「中央建設業審議会は20日の総会で、建設工事での適正な工期を確保するために必要な事項を集約した『工期に関する基準』を作成した。公共・民間、元下を問わずすべての工事を対象とし、工期設定や見積もりに当たって発注者と下請けを含む受注者が考慮すべき項目や各者に求められる責務を規定。10月から施行となる著しく短い工期による請負契約の禁止規定に関して判断の際の前提にもなるもので、今回の作成をもって近く勧告する。」(『建設通信新聞』2020.07.21)
●「全国建設業協会(奥村太加典会長)は、都道府県と政令市・県庁所在市の最低制限価格、低入札価格調査の運用状況(6月現在)に関する調査結果をまとめた。中央公共工事契約制度運用連絡協議会(中央公契連)の最新モデル、それと同等以上の自治体は79団体に達し、全体の8割を占めた。前回調査(2019年6月)から2割以上増加している。19年3月に改正した中央公契連の最新モデルは、直接工事費97%、共通仮設費90%、現場管理費90%、一般管理費55%を合算した上で、予定価格の『75-92%』に低入札価格調査基準(調査基準価格)を設定する。47都道府県と51の政令市・県庁所在市を調査対象とした。最新モデル以上の水準は、都道府県が10団体、政令市・県庁所在市が15団体、ともに前回調査から4団体増えている。三重県や愛媛県、青森市、宇都宮市、新潟市などは17年モデル以前(旧モデル)の水準だったが、大きく改善した。各自治体が独自に設定した調査基準価格の設定範囲などを維持しつつ、算定式を最新モデルに切り替えたことなどが要因となっている。最新モデルは都道府県が24団体、政令市・県庁所在市が20団体で、群馬県や東京都、神奈川県、愛知県、富山県、兵庫県、奈良県、盛岡市、さいたま市、浜松市、名古屋市、富山市、大津市、和歌山市、鳥取市、広島市などが旧モデルから移行した。最新モデルではないものの、同等の水準は都道府県が7団体、政令市・県庁所在市が3団体、横ばいで推移する。最新モデル以上の自治体数は79団体、全体に占める割合は80.6%だった。前回調査では54団体(55.1%)にとどまっていたため、大きく伸びた。」(『建設通信新聞』2020.07.28)
●「全国の地方自治体が管理するトンネルや橋の8割が老朽化に伴う修繕に着手できていないことが分かった。自治体の3割は土木・建築関係の技術職員が一人もいない。土木予算は縮小傾向で計画的な修繕ができず、損傷が見つかってから手当てするので費用が膨らむ悪循環に陥っている。地域に本当に必要なインフラを選別し、民間との協力で人材を補う改革を急ぐ必要がある。国土交通省の2019年3月末時点の調査によると、全国に1万カ所あるトンネルの4割、72万カ所ある橋の1割が早急に修繕が必要な状態にあった。このうち地方自治体が所管し修繕が必要なトンネルは約3千カ所、橋は約6万カ所ある。ただ修繕に着手しているのは橋で20%、トンネルで24%にとどまる。コンクリートの中の鉄筋があらわになっていても修理ができず放置されているものなど、見た目にも危険な状態にある施設が多い。インフラ修繕には点検や修理を担う人材が必要だが、地方自治体はその不足も深刻。国交省によると全国1741市区町村のうち、土木・建築関係の技術職員が一人もいない自治体は19年4月時点で448と全体の26%に上る。市区町村の土木・建築を担う専門人材は05年に10万5千人いたが、18年には9万人と1割超も減った。」(『日本経済新聞』2020.07.29)

労働・福祉

●「日本建設業連合会(日建連、山内隆司会長)は、週休2日を巡る会員企業の2019年度の取り組み結果をまとめた。1万7227現場のうち、4週6閉所以上の現場は67.3%、4週8閉所以上は26.3%だった。前年と比べ、達成率は5~10ポイント向上したものの、『週休二日実現行動計画』(17~21年度)の中間目標に定めた19年度末までに全現場で4週6閉所以上は達成できなかった。17日に東京都内で開いた理事会で、井上和幸週休二日推進本部長は『各社の努力が着実に実を結んでいるが残念な結果』とした上で、『21年度末の最終目標である4週8閉所の100%達成には各社の一層の努力が必要』と強調。会員各社が17年に策定した週休2日アクションプログラムの更新を求め、さらなる取り組みの推進を呼び掛けた。通期集計は初めてで109社が回答した。19年4月~20年3月の52週を対象に、閉所日数ごとに104日以上は4週8閉所以上、66日未満は4週5閉所未満など五つに分類した。内訳は土木8160現場、建築9067現場。土日閉所が基本だったのは75.7%の1万3038現場に達した。土日閉所を基本とした作業所は4週6閉所以上が71.0%、4週8閉所以上は29.3%。土日閉所を基本としていない作業所は、4週6閉所以上が55.6%、4週8閉所以上は17.0%だった。全事業所を対象とした土木の4週6閉所以上の割合は75.8%、4週8閉所以上は34.0%、建築は4週6閉所以上が59.6%、4週8閉所以上は19.3%だった。」(『建設工業新聞』2020.07.20)
●「日本建設業連合会(山内隆司会長)は、建設キャリアアップシステムのさらなる普及を目的とする『日建連CCUSモデル工事現場』のフォローアップ調査の結果をまとめた。現場単位の登録割合をみると、事業者登録は『8割以上』、技能者登録が『6割以上』に多く分布し、一定水準の成果を上げた。ただ、依然として申請手続きの煩雑さが登録を進める上で障壁となっているため、2次以下を含む下請業者の実態把握に努めながら、申請方法の簡略化などシステム改善への提案に生かす方針だ。」(『建設通信新聞』2020.07.22)
●「厚生労働省の中央最低賃金審議会(厚労相の諮問機関)の小委員会は22日、2020年度は最低賃金の目安を示すことを断念した。新型コロナウイルスによる景気低迷で労使の主張が激しく対立し、双方が合意できる水準を見いだせなかった。学識者らによる公益委員は19年度の全国平均901円を維持することが適当との見解を示した。…小委員会は連合や日本商工会議所など労使双方の代表と、有識者による公益委員の3者で構成しているが、協議は難航を極めた。…これまで人手不足などを背景に最低賃金の引き上げに同意してきた経営側は、コロナで景気が低迷するなか、賃上げよりも雇用維持を重視すべきだとして目安の凍結を主張した。新型コロナ関連の解雇・雇い止めは3万5千人を超える見込みで、経営環境の厳しさが続く中で最低賃金を引き上げれば倒産が増えると訴えた。これに対し、労働側は所得の改善で消費を底上げする経済の好循環につなげるために賃上げを継続するよう要求した。感染拡大後にもかかわらず、中小企業は今年春に賃金を平均1.2%アップしていた。『最低賃金だけ凍結するのはおかしい』と訴えた。」(『日本経済新聞』2020.07.23)
●「国土交通省は、全国建設業協会の専務・事務局長会議で、建設キャリアアップシステムの利点をより明確化するため、ゴールドカード技能者を対象とした建退共掛け金の大幅引き上げ、『建設キャリアアップシステム義務化モデル工事』にかかるICカードリーダーの設置費用、現場利用料(カードタッチ費用)の後精算を検討していくことを明らかにした。会合では、全建側が『元請け、下請けに対するシステムのメリットを再整理した上で、財源問題を踏まえ、システムの意義を再確認することが必要』と伝えた。これに対し、国交省はシステムメリットを高める施策として、『ゴールドカード(技能者)の建退共制度の掛け金を450円まで引き上げ、退職金を(他の技能者より)1.5倍ほど多く積み立てる方法を検討したい』と説明した。ただ、法令の改正が必要なため、関係省庁と今後調整していくとみられる。現行の掛け金は一律310円、2021年10月から320円に引き上げられる予定。さらに、建設キャリアアップシステム義務化モデル工事ではカードリーダー設置、カードタッチに伴う費用を発注者(国交省)が負担するが、履行の確実性を確保する上で請負金額とは別枠で設置費用などを計上し、契約締結後も精算できる仕組みを検討すると紹介した。工事内容を踏まえ、技能レベルに応じた技能者の適正配置を分析するシステムの開発も進める。また、システムの利用者(登録)数が増えていけば、使用料金を始めとする『費用負担の考え方も変わってくるのでは』との見通しを示した。」(『建設通信新聞』2020.07.27)
●「国土交通省は2019年10月の公共事業労務費調査に基づく建設業者の社会保険加入状況調査結果をまとめた。3保険(雇用保険、健康保険、厚生年金)にすべて加入している割合は、企業が98%(前年調査97%)、労働者が88%(87%)といずれも上昇。企業、労働者とも下請次数が多くなるほど加入率が低下傾向にあるが、今回は3次下請加入率が企業94%(91%)、労働者89%(86%)と調査開始以降最高水準となった。」(『建設工業新聞』2020.07.29)
●「厚生労働省がまとめた2020年上期(1-6月)の労働災害発生状況(速報、7月7日時点)によると、建設業の死亡者数は、前年同期と比べ12.6%増(13人増)の116人となった。また、建設業の休業4日以上の死傷者数は5851人で0.4%減(24人減)だった。」(『建設通信新聞』2020.07.30)
●「総務省が31日発表した6月の労働力調査によると、完全失業率(季節調整値)は前月比0.1ポイント低下の2.8%だった。改善は7カ月ぶり。新たな求職者が減り、完全失業者数(同)が前月に比べて3万人減った。前年比でみると失業者(原数値)は33万人増え、このうち19万人は勤め先や事業の都合による離職だった。厳しい雇用環境が続いている。リストラによる失業者は41万人で、前年から19万人増えた。増加幅は2010年1月の21万人増以来の水準。就業者数(原数値)は6670万人と、前年同月に比べて77万人減り、3カ月連続の減少だった。正社員の数は30万人増と2カ月ぶりの増加に転じた一方、非正規の数は104万人減と4カ月連続で減った。業種別にみると、建設業、宿泊業・飲食サービス業、生活関連サービス・娯楽業などで就業者の減少が目立つ。工事の一時中断や外出自粛の広がりで消費が増えず、非正規社員を中心に雇用を減らす動きが続いている。総務省は『失業率が改善したが、底打ちしたという認識はない』とした。」(『日本経済新聞』2020.07.31)
●「国土交通省は、『社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン』の改訂案をまとめた。施工体制台帳への作業員名簿の添付が10月に義務化されることに伴い、元請企業は情報の真正性が厳格に担保されている建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録情報を活用し、システムの閲覧画面などで作業員の社会保険加入状況を確認することを原則とする。改正建設業法の施行にあわせて、10月1日から適用する。改訂案のパブリックコメントを30日に始めた。8月29日まで意見を募集する。」(『建設通信新聞』2020.07.31)

建設産業・経営

●「ナカノフドー建設が15日に2020年3月期決算を発表し、主要ゼネコン27社の決算が出そろった。連結ベースでは前期から繰り越した豊富な手持ち工事を順調に消化し22社が増収となった。6月22日に21年3月期業績予想を追加で公表した東亜建設工業を含め、新型コロナウイルスの影響を考慮した通期業績予想を公表しているのは15社。西松建設と東洋建設、ピーエス三菱の3社はコロナ禍を織り込まない数値を公表し、大林組など9社は開示を先送りしている。連結売上高は大林組、大豊建設、青木あすなろ建設、東鉄工業、フジタ(単体)の5社、営業利益は五洋建設、戸田建設、西松建設、東鉄工業の4社が過去最高を更新した。業績の先行指標となる単体受注高は22社が前期を下回った。」(『建設工業新聞』2020.07.16)
●「全国建設業協会(奥村太加典会長)が傘下の47都道府県建設業協会を対象に1日から実施している、『建設キャリアアップシステム財源対策に関する意向確認』が30日に回答期限を迎える。一部の協会は既に利用料金の引き上げ、開発経費の追加負担を『条件付きで賛同する』方針を表明しているが、各協会の考え方と31日に開かれる建設キャリアアップシステム運営協議会の運営委員会で提示される新たな財源対策(料金引き上げ案と具体的な負担額)を踏まえ、全建がどういった方向にかじを切るかに注目が集まる。意向確認の内容をみると、利用料金の引き上げは選択肢が『賛同する』『条件付きで賛同する』『賛同しない』の3つで、条件付きで賛同する場合は具体的な条件を記載するスペースを設置。条件例(引き上げ後の収支状況を定期的にチェックすべき、収支状況を勘案し、利用料金などの引き上げを検討すべき、技能者登録料の引き上げは反対)も示している。一方、開発経費の追加負担は『賛同する』『賛同しない』の2択となっている。」(『建設通信新聞』2020.07.29)
●「日本建設業連合会(山内隆司会長)は、会員企業95社を対象とした2020年度第1四半期(4-6月)の受注調査結果をまとめた。受注総額は前年同期比13.3%減の2兆3476億8900万円。直近で最も低かった12年第1四半期(2兆1800億円)に次ぐ水準となっている。新型コロナウイルス感染症に伴う国内の民間案件の手控えが尾を引いているが、先行きが不透明な中で影響の長期化が懸念される。受注総額を国内外別にみると、国内は11.9%減の2兆3220億1300万円。うち、民間は21.4%減の1兆5526億5100万円(製造業48.5%減の2850億9000万円、非製造業10.9%減の1兆2675億6100万円)と大きく落ち込んだ。…一方、官公庁は15.4%増の7523億9800万円と堅調で、受注総額を下支えする。内訳は国の機関が5.9%増の4236億1300万円、地方の機関が30.5%増の3287億8500万円、その他が約3倍増の169億6400万円となっている。海外は64.3%減の256億7600万円だった。」(『建設通信新聞』2020.07.29)
●「建設経済研究所と経済調査会は30日、最新の建設投資見通しを発表した。2020年度の投資総額(名目値)は新型コロナウイルスの影響などを追加し、5月の前回調査から1兆0400億円減の59兆7100億円(前年度比3.4%減)と下方修正。今回初めて推計した21年度分は56兆2500億円(5.8%減)となり、直近では15年度(56兆6468億円)の水準まで落ち込むとした。20年度の政府建設投資は前回と変わらず22兆4800億円(2.8%増)。21年度については防災・減災、国土強靭化3か年計画などの臨時・特別的措置、東日本大震災復興特別会計といった部分の減少を見据え、18兆5700億円(17.4%減)と推計した。建設経済研の担当者は『復興、五輪関連といった(投資増の)主役が抜けるほか、本年度の補正予算などを含め、来年度の公共投資の動向が見えていないため、現時点では大幅減となっている』と分析。新たなリスクが顕在化しない限り、21年度分の推計値は『(不透明部分の)上積みはあっても、さらに落ち込むことはないだろう』とみている。20年度の民間住宅投資は消費増税やコロナ禍の影響で、前回から7000億円減の15兆円(10.2%減)。21年度は15兆5000億円(3.3%増)を見込む。新設住宅着工戸数は20年度79.3万戸(10.2%減)、21年度は82.5万戸(4.0%増)と予測。80万戸を下回れば、リーマンショック後の09年度(77.5万戸)以来となる。」(『建設工業新聞』2020.07.31)

まちづくり・住宅・不動産・環境

●「国土交通省は全国で相次ぐ豪雨や土砂災害を踏まえ、地方自治体が取り組む防災街づくりを強力に後押しする。水害対策と連携した街づくりの方向性や目標設定の方法、河川整備や宅地のかさ上げなど想定される対策メニューを指針としてまとめる。8月にもモデル自治体を複数選定し、取り組みを支援しながら指針の内容を検討する。2021年3月に指針を策定し、河川管理者や自治体に通知する予定だ。」(『建設工業新聞』2020.07.17)
●「政府は17日、東日本大震災からの復興事業で2021年度以降の取り組みを決定した。21~25年度の5年間を『第2期復興・創生期間』と位置付け、事業規模を約1.6兆円と見込む。原発事故の影響で遅れる福島県内の復興を加速。県東部の浜通り地域に計画する国際教育研究拠点の整備や県外からの移住促進などを実施する。宮城と岩手両県の地震・津波被災地域でも地方創生の取り組みを進める。政府は昨年12月に決定した復興・創生期間(16~20年度)後の基本方針で、21~25年度の事業規模を1兆円台半ばと明記。これを具体化し、今回の復興の取り組みでは1.6兆円程度とした。財源は政府が保有する日本郵政の株式売却で得られる配当金収入や、20年度末までの復旧・復興事業予算で未執行分などを充てる。」(『建設工業新聞』2020.07.20)
●「豪雨被害にあった九州の避難所で段ボールベッドの活用が進んでいる。床に直接横たわるよりも体への負担やほこりを吸い込むリスクが少なく、新型コロナウイルスの感染対策にも有効とされる。避難所の環境改善に一役買っているが、自治体や避難者への周知不足や設置の遅れが課題となっている。…床に布団や毛布を敷いて雑魚寝する光景は過去の災害で多く見られたが、床に付着した飛沫に触れるリスクや、窮屈な姿勢を続けることで起きる『エコノミークラス症候群』の危険性が指摘されていた。段ボールベッドは一定のスペースを確保できるため体を動かしやすく、床面からも30センチほどの高さを保てる。段ボールベッドは東日本大震災を契機に考案された。2013年に佐賀県が全国段ボール工業組合連合会の地域組織と全国初の協定を結び、災害時に地元企業から提供される仕組みができた。内閣府が簡易ベッドの活用を盛り込んだ避難所運営指針を公表した16年を境に導入が広がり、7月10日時点で56自治体が協定を締結している。」(『日本経済新聞』2020.07.25)
●「外部からわかりにくいマンション管理の状況に『お墨付き』を与える制度が相次いでいる。管理組合の活動や修繕資金計画の健全性などを、自治体や企業が診断し、一定以上の水準なら認定する。手入れが行き届いていることが資産価値につながるとの期待がある。行政は認定により適切な管理を促し、地域のトラブルを防ぐことを目指す。6月に『改正マンション管理適正化法』が成立した。柱は、マンションの管理計画を自治体が『適切』と認定する制度の創設だ。もとになるのは管理組合の運営状況や修繕資金計画。認定されればマンション管理に『お墨付き』を得られるともいえる。2022年までに認定制度を始める。背景にあるのは、マンションの老朽化問題だ。築40年以上のマンションは19年末時点で全国に約92万戸。10年後に約214万戸に増える。竣工から時間がたつと、管理や修繕が行き届かないマンションでは外壁が崩落したり、空室が増えて犯罪の温床になったりする恐れがある。そうなれば周辺地域にも悪影響が及ぶ。自治体がマンション管理を診断するのはそのためだ。公的な認定制度で適切な管理を促し、老朽マンション発のトラブルを防ぐ。」(『日本経済新聞』2020.07.27)
●「政府は、災害の危険が切迫している場合に自治体が出す避難情報のうち『避難勧告』を廃止して『避難指示』に一本化する方針を固めた。これまで避難勧告を出していたタイミングで避難指示を発表することになる。近年、大規模な豪雨災害が相次ぐなか避難を促す情報をより分かりやすく整理し、住民の逃げ遅れを防ぐ。災害対策基本法が規定する避難勧告・指示の見直しは1961年の同法制定以来初めて。政府は今後、内閣府の作業部会で見直し案を取りまとめ、21年の通常国会に災害対策基本法の改正案提出を目指す。5段階の警戒レベルに基づく現在の制度では、災害発生の危険が高まった『レベル3』の段階で自治体が『避難準備・高齢者等避難開始』を出し、高齢者など避難に時間がかかる住民は避難を開始する。雨が強まるなどして『レベル4』に相当する状況になると、自治体は避難にかかる時間を考慮して『避難勧告』を発表し、対象地区の住民はすぐに避難を始める必要がある。さらに災害発生が切迫した場合は『避難指示(緊急)』を出し、重ねて避難を促す。避難勧告と避難指示はともにレベル4相当とされ違いが分かりにくいと指摘されていた。国が2019年の台風19号で人的被害があった市町村の住民約3千人を対象に行ったアンケート調査で、避難勧告・指示の内容を両方正しく認識していたのは17.7%にとどまった。避難を開始すべきタイミングを本来の避難勧告ではなく避難指示と誤解している人も25.4%に上った。」(『日本経済新聞』2020.07.27)
●「頻発する豪雨災害を受けて厳格化した新基準に沿って見直す必要がある洪水のハザードマップについて、全国主要市区の約4割で改定が終わっていないことが日本経済新聞の調査で分かった。水害が激甚化する中で対応が遅れ、住民の避難などに支障を来す恐れがある。活用に向けた周知も課題となる。水防法は主要河川を管理する国や都道府県に浸水想定区域の指定を求めている。市区町村はこれを基にハザードマップを作成、住民避難や防災対策に生かす。浸水想定区域がある市町村はマップ作成が義務付けられる。作成の前提となる降雨の想定規模は従来『100~150年に1度程度』だったが、近年は想定を超す豪雨が多発している。このため2015年に水防法が改正され、基準が『千年に1度程度』の『想定しうる最大規模の降雨』に改められた。日本経済新聞は今回の一連の豪雨を受け、東京23区と道府県庁所在市、政令市の計74市区を対象にハザードマップの見直しの進捗を調べた。その結果、改定済みは44市区で、残り30市区は改定が終わっていなかった。うち9自治体では域内の対象河川全てで作業が完了せず、旧基準のものを使い続けている。見直しが進まない背景には、都道府県による浸水想定区域の指定作業の遅れがある。改定が完了していない30市区のうち16市区は、都道府県が新たな浸水想定区域の指定を終えていないことが原因となっていた。」(『日本経済新聞』2020.07.28)

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