情勢の特徴 - 2020年8月後半

経済・財政 行政・公共事業・民営化 労働・福祉 建設産業・経営 まちづくり・住宅・不動産・環境 その他

経済・財政

●「内閣府が17日発表した2020年4~6月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質の季節調整値で1~3月期から7.8%、年率換算で27.8%減った。新型コロナウイルスの感染拡大で、リーマン・ショック後の09年1~3月期の年率17.8%減を超える戦後最大の落ち込みとなった。4~6月期は感染拡大を抑えるため、政府が緊急事態宣言を出し、個人の外出や店舗の営業が制限された。個人消費を中心に経済活動が広く滞り、GDPは統計を遡れる1955年以降でかつてない落ち込みとなった。日本のGDPは消費税率を10%に上げた19年10~12月期から、すでに減少に転じている。東日本大震災を挟む10年10~12月期から11年4~6月期以来となる3期連続のマイナス成長に沈んだ。年率換算の金額は485.1兆円。12年10~12月期以来、7年半ぶりに500兆円を割った。」(『日本経済新聞』2020.08.17)
●「新型コロナウイルスの感染拡大が各国で出生数の減少をもたらす恐れが出てきた。若者が雇用や収入への不安から結婚と出産に慎重になるためで、日米ではそれぞれ2021年の出生数が1割減るとの予測がある。技術革新で経済効率を高められなければ、潜在成長率の低下が避けられない。…すでに11年連続で人口が減る日本も影響は免れそうにない。第一生命経済研究所の熊野英生氏は21年の出生数が10%ほど減ると推計する。19年の出生数は86万人と統計開始後初めて90万人を割り込んだ。推計通りなら80万人の水準を保てない。熊野氏は『非正規雇用の休業と失業などの経済的な制約から、結婚と出産を避ける若者がしばらく増える』と厳しい見方を示している。日本の19年の出生率は1.36と12年ぶりの低水準に沈んだ。厚生労働省幹部は『20~21年はさらに低下する可能性が高い』と話す。すでに婚姻数の急減はデータに表れ始めている。厚労省によると、5月の婚姻数は3万2544件。改元に合わせた『令和婚』の多かった前年同月の9万件超の3分の1の水準に落ち込み、その前の18年5月と比べても3割以上減った。」(『日本経済新聞』2020.08.22)
●全国商工団体連合会(全商連)はこのほど、「第2回新型コロナウイルス影響調査」を実施(6月25日~7月末)の結果を公表した。47都道府県1002人から回答があり、政府の緊急事態宣言解除(5月25日)後も、前年同期比で売り上げが「減っている」との回答が約7割(68.9%)に上るなど、地域経済の悪化に歯止めがかかっていないことが明らかになった。前年同期比で売り上げが減少した事業者のうち、持続化給付金の対象は37.2%、家賃支援給付金の対象は55.8%。このうち、52%がすでに持続化給付金を受け取っているが、48%が何らかの事由でいまだに受け取っていない。また、全回答者の過半数(51.2%)が国・自治体の支援策について「足りない」と答えている。他方、両制度の対象外となっている事業者は約4割(38.3%)に上る。約4割の業者には国の支援が届いていない。(『全国商工新聞』2020.08.31より抜粋。)

行政・公共事業・民営化

●「国土交通省は、ダンピング対策や施工時期の平準化など地方自治体が抱える入札契約に関連した課題を改善するため、市区町村に対する直接的な働きかけに乗り出す。自治体の契約担当者が集まる都道府県の公共工事契約業務連絡協議会(公契連)の場などを活用し、入契調査による各自治体の現状分析をベースに取り組みの改善を促す。都道府県・政令市レベルでは適正化が進んできた入札契約の取り組みについて、市区町村にも直接的にアプローチにすることで自治体へのさらなる浸透を目指す。」(『建設通信新聞』2020.08.24)
●「公共発注機関で社会保険加入対策が着実に進んでいることが、国土交通省などの調査で明らかになった。2019年11月時点で、元請業者を社会保険加入業者に限定する取り組みを『実施していない』のは対象1932団体の26.8%に当たる517団体(前回〈18年8月〉547団体)。下請業者の場合は931団体(1078団体)が未実施だった。」(『建設工業新聞』2020.08.24)
●「国土交通省は25日、直近の新規感染者数が全国的に増加傾向にあることなどを踏まえ、『建設業における新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン』を改訂して公表した。一部地域で感染拡大のスピードが増していることを受けて厚生労働省が改訂した、職場の感染拡大防止のためのチェックリストや職場での集団感染事例などを反映。建設業で3密(密閉・密集・密接)が生じやすいと考えられる建築工事の現場やオフィスでの感染例が確認されていることから、改めて改訂ガイドラインに基づき対策の徹底を要請している。」(『建設通信新聞』2020.08.26)

労働・福祉

●厚生労働省は17日、コロナ禍で増えているテレワーグに関する学者・研究者らによる検討会を発足させた。労働時間管理や作業環境、健康管理などについて検討し、労務管理指針を見直す。テレワークについては厚労省の指針で、長時間労働防止のために、「時間外・休日・深夜労働の原則禁止」とすることを明記。検討会では、政府の規制改革実施計画で「所定時間内の労働を深夜に行うことまで原則禁止と誤解を与えかねない」と見直しを求めていることが紹介された。また、現行指針ではテレワークをしていても携帯電話で連絡などがとれる場合は「事業場外みなし労働時間制」は適用できないとしている。みなし労働時間制は、何時間働いてもあらかじめ決められた時間だけ働いたとみなす制度で、長時間労働を招く危険性が指摘されている。検討会では、この指針についても、「携帯電話を持っていても活用できる条件を示す」ことが示された。テレワークにみなし時間制が導入されれば長時間労働しても、みなし時間以外は賃金が払われなくなる。委員からは「生産性の面からは過度な労務管理がないほうが良い」「テレワークで働く概念が変われば、行政の指導監督のあり方にも影響する」との意見が出される一方、「仕事をまかせて時間管理をしなくなれば労働者性はなくなり、労働法の保護もない働き方と変わらなくなる」との意見が出された。(『しんぶん赤旗』2020.08.18より抜粋。)
●「国土交通省は、建設キャリアアップシステムに蓄積されるデータを、現場の生産性向上につなげる具体的な仕組みの検討に着手する。建設キャリアアップシステムのデータベースから各種統計の算出や発注者による閲覧、専門工事会社の見える化評価などに有用な情報を効率的に抽出するための調査・検討、サーバーなどの環境構築を進める。今後さらに蓄積されていくデータを多方面に連携できるようにすることで、将来的な利活用の可能性を広げる。…さらなる利活用策として国交省は、効率的な現場管理や建設産業全体の生産性向上につなげるため、蓄積されているデータを効率よく抽出・整理し、統計情報などとして活用するための企画提案の募集を開始した。現状の蓄積方法の仕組みを調査した上で、技能者情報や事業者情報、現場情報を整理・編集・変換し、利活用する方法の提案と機能提供に必要なサーバーなどの環境構築を求めている。具体的な活用方法としては、技能者、事業者、現場に関する統計情報の算出・表示、現場稼働率の把握などを想定する。現場管理の効率化の観点からは、建設キャリアアップシステムの情報を発注者が閲覧可能にするための調査・検討も行う。国直轄を始め、建設キャリアアップシステムの活用を促すための工事発注が全国で進んでいるが、その履行実績については元請けが集計し、発注者に報告しているのが現状だ。発注者自身が必要な情報を確認できる仕組みを構築すれば、受発注者双方の事務効率化、書類削減の効果が期待できる。」(『建設通信新聞』2020.08.19)
●「厚生労働省は2020年春闘の主要企業の妥結状況をまとめた。定期昇給を含む賃上げの平均妥結額(賞与除く)は、前年と比べ504円減の6286円となった。賃上げ率は0.18ポイント低下の2.00%で2年連続で上昇ペースが鈍化した。産業別で見ると、建設の平均妥結額は70円減の7206円。賃上げ率は0.06ポイント低下の2.21%だった。」(『建設工業新聞』2020.08.19)
●「47都道府県の2020年度の最低賃金額が21日、出そろった。新型コロナウイルスの感染拡大による景気低迷で国は引き上げの目安の提示を見送っていたが、40県が1~3円引き上げる。北海道や東京都、広島県などは据え置く。全国の加重平均の時給は現在より1円増えて902円になる。」(『日本経済新聞』2020.08.22)
●「全建総連(吉田三男中央執行委員長)は熊本県内に建設している木造応急仮設住宅の現場で、建設キャリアアップシステム(CCUS)のモデル事業を始めた。工事に従事する建築大工がカードを所持しカードリーダーで入退場履歴を管理。職人の出面管理で効果を検証する。…モデル事業は、2020年7月豪雨の被災者向けに県が全国木造建設事業協会(全木協、大野年司理事長)に要請し建設する応急仮設住宅の現場で実施している。15団地517戸の中から人吉市の市有地が建設地の『(仮称)人吉市下原田第一仮設団地』(18戸)に就業履歴登録アプリケーション『建レコ』を搭載したカードリーダーを設置。カードを取得した約20人の建築大工の入退場履歴を管理する。現場で職人の出面管理は手作業で記録するのが一般的。モデル現場ではカードリーダーへのタッチも並行して行うことで、入退場管理でのCCUSの有効性を検証する。9月には別の現場にスマートフォンで入退場管理を行える『EasyPass』も設置。計約100人の建築大工を対象にCCUSで入退場を管理する。全木協は、全建総連とJBN(全国工務店協会)が11年9月に立ち上げた。今回の応急仮設住宅の現場では、主幹事工務店を務めるエバーフィールド(熊本市南区、久原英司社長)と全建総連が労働協約を締結。組合員の一人親方を労働者として供給している。日当は一律2万6000円に設定。モデル事業での検証を経て来年度以降の応急仮設住宅建設では、能力評価に応じて▽2万3000円程度(レベル1)▽2万6000円(レベル2)▽2万9000円程度(レベル3)▽3万2000円程度(レベル4)―と賃金に差を設ける方針だ。」(『建設工業新聞』2020.08.25)
●「国土交通省は、社会保険加入・働き方改革規制逃れを目的とした一人親方化対策、一人親方の処遇改善対策等に関して実効性ある施策を検討するため『建設業の一人親方問題に関する検討会』を設置し、今年度内をめどに、中間取りまとめを行い、下請指導ガイドラインに反映する。…検討会には、学識者と元請団体、一人親方の多い職種の専門工事業団体などが参加し、社会保険加入や働き方改革などの規制逃れを目的とした“偽装一人親方化”への対策を検討する。今年度内に検討結果をまとめ、下請指導ガイドラインに反映するなど実効性ある措置を講じる。…検討会の座長は蟹澤宏剛芝浦工業大教授。検討の焦点となるのは偽装一人親方への対応方針だ。社会保険加入や働き方改革などの規制逃れを目的として、社員(労働者)を一人親方(個人事業主)として働かせることは、年金受給額等において本人の処遇が悪くなるだけでなく、適切な法定福利費を支払わない企業が競争上優位になるなど懸念事項は多い。実効性のある偽装一人親方対策を打ち出すため、検討会では、各職種(団体)における偽装一人親方に対する認識や現状、対策などを確認した上で、『偽装一人親方』と『適法な一人親方』の定義付けを検討する。定義付けによる線引きを基に、偽装一人親方として仕事をさせている企業に対する措置や自らを偽装一人親方と認識できていない技能者本人への対処、現場での確認作業に建設キャリアアップシステムを活用する方策などをまとめるとともに、適法な一人親方の処遇改善についても検討する。」(『建設通信新聞』2020.08.26)
●新型コロナウイルスの感染拡大の影響で職場を解雇された非正規雇用労働者が2万人を超えた。…集計によると新型コロナウイルスの感染拡大に起因する解雇や雇い止めにあった非正規雇用労働者は2万625人で14日現在の集計にくらベ1863人増加した。正社員を含めた労働者全体では4万8206人で2566人増加した。(『しんぶん赤旗』2020.08.26より抜粋。)
●「厚生労働大臣の諮問機関である労働政策審議会の部会は26日、建設業退職金共済制度の退職金額に関する予定運用利回りを現行の3.0%から1.3%に引き下げるとともに、掛金日額を10円引き上げて320円とすることが適当との意見をまとめた。予定運用利回りに対応するシステム改修の準備期間などを確保するため、2021年10月をめどに実施することが適当としている。」(『建設通信新聞』2020.08.27)
●「日本建設業連合会(山内隆司会長)は、建設キャリアアップシステムの財源対策として、国土交通省から要請されていた開発費用の追加負担に応じることを決めた。具体的な負担額は、全体額(16億円)の半分に当たる8億円。ただ、持続可能なシステム運営を実現するため、各建設業団体で技能者・事業者登録数やカードタッチ数の数値目標を設定し、業界を挙げてシステム定着への推進体制を構築することなどの出捐条件を付帯する。」(『建設通信新聞』2020.08.31)

建設産業・経営

●「主要ゼネコン26社の2020年4~6月期決算が7日までに出そろった。21年3月期の業績予想は、5月時点で未定としていた10社のうちフジタを除く9社が開示した。連結ベースの通期予想は約3分の2を占める18社が、前期に対し減収営業減益を見込む。東京五輪の関連需要などが一巡し、施工の端境期に入っていることなどが要因。国内での新型コロナウイルスの影響は現時点は限定的との見方が強いものの、製造業など多くの産業で業績悪化が顕著になっており、設備投資や開発プロジェクトの延期・中止を懸念する声もある。」(『建設工業新聞』2020.08.17)
●「新型コロナウイルス感染症拡大に伴う経済・景気の急速な悪化と低迷を示す企業倒産件数で、『建設業』は倒産抑制業種の筆頭として踏ん張っている。東京商工リサーチが公表した7月の全国企業倒産(負債額1000万円以上)で、建設業は4月から4カ月連続の前年同月比滅少となった。コロナ禍でも倒産を4カ月連続で抑制できた業種は10業種中、建設業だけ。ただ一方で、建設市場の先行きに影響を与える企業の設備投資は、9年ぶりのマイナスに転じるとの金融機関の分析もあり、不透明感が強まっているのも事実だ。」(『建設通信新聞』2020.08.21)
●「全国建設業協会(全建、奥村太加典会長)傘下の都道府県建設業協会による国や地方自治体との災害協定などの締結が進んでいる。全建のまとめによると、6月時点で地域の連合会などを含む50の協会が合計299件の協定を締結していた。21協会が各知事から指定地方公共機関に指定され、17協会が防災会議委員に選ばれている。災害が頻発する中で地域建設業の役割が一段と重要性を高めている。全建は2015年、国から災害対策基本法に基づく指定公共機関に指定された。大規模災害が発生した場合、災害対応に従事する被災地域の建設業協会から被災状況などの情報を収集し、関係機関に報告する。被害が広範にわたる場合は、被災した地域外の協会員の応援出動が可能かどうか把握し、関係機関に伝達するといった全国のネットワークを駆使して迅速に災害対応に当たる。…地域建設業がカバーするのは、自然災害の応急・復旧活動だけではない。各建協の会員企業は公共機関と防疫協定を締結している。豚コレラが発生した地域では、殺処分された豚や汚染物などを埋却する構の掘削や消石灰の散布、埋め戻しなどの作業に従事する。災害対応をはじめ、地域の守り手として地域建設業が機能を維持するためには経営基盤の安定化や担い手の確保が欠かせない。全建は、公共事業予算の持続的、安定的な確保を要望。本年度に最終年度を迎える『防災・減災、国士強靭化のための3か年緊急対策』終了後も予算を安定的に確保するよう提言・要望活動に力を入れる。」(『建設工業新聞』2020.08.24)
●「鹿島は24日、押昧至一社長名で、サプライチェーンの取引先や価値創造を図る事業者との連携・共存共栄を進めるための『パートナーシップ構築宣言』を公表した。宣言では、直接の取引先を通じて、その先の取引先に働き掛ける取り組みによってサプライチェーン全体の付加価値向上を目指し、既存の取引関係や企業規模などを超えた連携で取引先との共存共栄の構築を目指す考えを示した。取引先のテレワーク導入やBCP(事業継続計画)策定の助言などの支援も進める。日本建設業連合会の『下請取引適正化と適正な受注活動の徹底に向けた自主行動計画』を踏まえ、適正取引を実行しつつ、協力会社などに対して適正取引の普及啓発と人材育成支援に努める。取引に当たっては、下請中小企業振興法の『振興基準』を順守する。価格決定には、不合理な原価低減を要請せず、国土交通省の『建設業法令遵守ガイドライン』に基づく適正な手順を徹底し、対等な関係の橋築と公正・透明な取引を実現する。取引対価の決定を含む契約は、建設業法を始めとする関連法令に従い、着工前に書面契約を結ぶ。下請代金の現金払と手形払の併用では、現金比率を高め、労務費相当分の現金払を徹底する。取引先も働き方改革に対応できるよう、下請けに対して適正なコスト負担を伴わない短納期発注や急な仕様変更は実施しない。災害時は、下請けに一方的な負担を押し付けず、事業再開時もできる限り取引関係の継続に配慮する。技術者・技能者の処遇改善、働きやすい作業環境と職場づくりを進めて魅力ある建設業を目指す。次世代の担い手確保に向け、身体的な負担の大きい作業や危険作業などの機械化・ロボット化などで生産性向上と安全・安心な作業環境を実現したい考えだ。」(『建設通信新聞』2020.08.25)
●「2019年12月からロボット施工・IoT(モノのインターネット)分野をターゲットに技術連携を進める鹿島と竹中工務店の取り組みに、清水建設が参画する可能性が出てきた。…実現すれば、大手ゼネコンの協働・共創に一層の広がりが出ることになる。鹿島と竹中工務店による技術連携は、建設産業が直面する担い手不足への対応(働き方改革)と、それに付随して積極的な展開が求められる建設現場の省力化・効率化(生産性の向上)といった社会課題の解決が狙い。これまで個社ごとにオリジナルの技術開発を進めてきたが、それほど差別化されていなかったロボット施工やIoT分野を対象に、技術連携の横串を刺す『建設RX(ロボティクス・トランスフォーメーション)プロジェクト』チームを立ち上げて、新たな技術開発の推進や開発済み技術の相互利用に着手している。」(『建設通信新聞』2020.08.26)

まちづくり・住宅・不動産・環境

●「国土交通省がまとめた6月の新設住宅着工戸数は、前年同月比12.8%減の7万1101戸と、12カ月連続で減少した。持ち家、貸家、分譲住宅すべてで減少。内訳は、持ち家が16.7%減の2万3650戸、貸家が13.0%減の2万6666戸、分譲住宅が7.7%減の2万189戸。分譲のうち、マンションは2.0%減の8422戸、一戸建ては11.0%減の1万1658戸だった。着工戸数が12カ月連続で減少したのは、前回の消費税率引き上げ時(2014年4月)の14年3月~15年2月以来となる。」(『建設工業新聞』2020.08.18)
●「国土交通省は、6月公布のマンション管理適正化法で創設された『マンション管理計画認定制度』について、適正に管理されたマンションであることを地方自治体が認める認定基準の素案をまとめた。修繕の資金計画や管理組合の運営状況などに関する16項目を確認する。認定は5年ごとの更新となる。…マンション管理計画の認定は、マンション管理適正化推進計画を作成した市区(町村部は都道府県)が事務主体となる。マンション管理組合などの管理者から管理計画の申請を受け付け、計画が基準に合致しているマンションを認定する。申請に当たっては、集会で決議していることを必須とする。管理計画は、▽修繕その他の管理の方法▽修繕その他の管理に係る資金計画▽管理組合の運営状況――などを記載事項とする。合わせて、長期修繕計画、修繕積立金の残高証明書、総会・理事会議事録、管理規約などを添付書類に求める考え。」(『建設通信新聞』2020.08.19)
●「コロナ禍で働き方を見直す動きが広がるなか、オフィス需要量の減退感が足元で強まってきた。在宅勤務の拡大や業績の悪化に伴うコスト削減が相まって、賃料が高い東京都心で空室面積が4カ月で7割増えた。今後オフィスを縮小する考えを持つ企業は拡張したい企業を上回った。賃貸オフィス市場は空前の活況からの転換局面を迎えた。」(『日本経済新聞』2020.08.21)
●「国土交通省のまとめによると、2019年に発生した水害の被害額(暫定値)は全国で2兆1476億円となり、1年間の津波以外の水害としては1961年の統計開始以降で最大となった。1兆円を超えるのは2年連続。大雨で全国142カ所の河川堤防が決壊し、静岡県や関東甲信地方、東北地方を中心に甚大な被害をもたらした東日本台風が、全体の8割を占めている。東日本台風の被害額は約1兆8600億円で、単一の水害としては過去最大。これまでの最大は、1年間の被害額が04年の約2兆200億円、単一の水害が18年7月に発生した豪雨の約1兆2150億円だった。19年の被害額は、一般資産等被害額が約1兆5939億円、公共土木施設被害額が約5233億円、公益事業等被害額が約304億円の内訳。被災建物棟数は、全壊・流失3376棟、半壊1万7792棟、床上浸水2万7509棟、床下浸水5万229棟の計9万8906棟だった。浸水区域面積は8万700ヘクタールで、宅地・その他が2万1937ヘクタール、農地が5万8763ヘクタールの内訳となっている。」(『建設通信新聞』2020.08.24)
●「赤羽一嘉国土交通相は28日の閣議後会見で、熊本県の蒲島郁夫知事が中止した川辺川ダムの建設計画を、2020年7月豪雨で氾濫した球磨川水系の治水対策の選択肢に加える考えを表明したのを受け『最善の対策を講じるという決意の表れと推測する』と述べた。被災地の早期復旧・復興にも力を尽くす方針。『スピード感を持ってハード・ソフトが一体となった抜本的な治水対策を検討していく』と語った。国交省は対策立案に向け九州地方整備局、熊本県、流域12市町村で構成する検証委員会の初会合を25日に開き、今回豪雨時の河川水位や流量などの分析を開始した。川辺川ダムの計画は、蒲島知事が流域市町村の意向を受けて08年に白紙撤回を表明。09年に当時の民主党政権が建設中止を決めた。以来11年間、国と県は『ダムによらない治水』を模索してきた。だが蒲島知事は検証委で示された仮に川辺川ダムがあった場合の被害軽減効果の想定などを踏まえ方針を転換。26日の記者会見で、治水対策を検討するに当たり、同ダムの建設も『選択肢の一つだ』との考えを表明した。」(『建設工業新聞』2020.08.31)

その他