情勢の特徴 - 2021年3月前半
●「菅義偉首相は3日夜、東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県に発令している新型コロナウイルスの緊急事態宣言を延長すると表明した。7日までの期限を2週間程度延ばす考えを示した。政府は5日に宣言の延長を決定する。…今後の解除の判断については『病床が逼迫しているところがあるので、そうした指標が50%以下になって、ベクトルが下に行くことが大事だと思っている』と説明した。政府は宣言解除の目安として、感染状況を示す6指標が最も深刻な『ステージ4』から脱却することを掲げていた。都の病床使用率は2月11日を最後にステージ4から脱却した。ステージ4の指標が残っていた千葉県も、病床使用率や療養者数が2日時点でステージ3に改善し、1都3県の6指標は全てステージ3以下になっていた。首都圏は指標上では解除が可能な水準になったものの、繁華街を中心に人出が増えていた。都では2月中旬から新規感染者が200~300人台の日が続き、減少ペースが鈍化していた。首都圏の知事の間からは宣言の解除を懸念する声があがり、東京都を中心に2週間程度の延長を政府に求める案があった。…宣言を延長する1都3県では、引き続き飲食店の営業時間を午後8時までとし、不要不急の外出自粛を求める。大規模なイベントは5千人を上限とし、収容率は50%までに制限する。」(『日本経済新聞』2021.03.04)
●「新型コロナウイルス禍で中小企業の補助金頼みが強まっている。民間推計によると、資本金1000万円以上1億円未満の中小が受けた持続化給付金や雇用調整助成金などの政府補助金は2020年10~12月期に少なくとも6000億円規模だったとみられる。補助金が経常利益の1割を占めるいびつな収益構造になっている。財務省の法人企業統計では、政府補助金は仕入れ割引や為替差益、不動産賃貸料などとともに『その他の営業外収益』に入る。その他の営業外収益は金融と保険業を除く全体で20年10~12月期に4兆2483億円と前年同期比5.3%増えた。大企業は減り、中小が42.4%増の2兆2120億円に膨らんだ。中小の増加額は6581億円に上る。中小の四半期のその他の営業外収益はこれまで1兆5000億円前後で推移してきた。20年7~9月期に2兆2032億円となり、遡れる1954年以降で初めて2兆円を超えた。日本総合研究所の西岡慎一氏は『10~12月期の増加は持続化給付金などの補助金による押し上げがほとんどだろう』とみる。実際に中小の宿泊業のその他の営業外収益が前年同期の4.6倍、飲食サービス業が4.3倍になるなど、コロナ禍の打撃が深刻で補助金の受給が多いとみられる業種で急増している。」(『日本経済新聞』2021.03.09)
●「新型コロナウイルスの感染長期化で子どもの貧困が深刻になってきた。与野党からひとり親世帯への現金給付といった支援策を政府に要請する声がある。自民党内では省庁横断で取り組むための『子ども家庭庁』の創設案が浮かぶ。コロナ前の2018年に中間的な所得の半分に満たない家庭で暮らす18歳未満の割合『子どもの貧困率』は13.5%だった。とくにひとり親世帯では48.1%で、経済協力開発機構(OECD)諸国の中で最も高いレベルにあるとされる。コロナ禍で環境は一層厳しくなる。国連児童基金(ユニセフ)は日本を含む先進国で少なくとも今後5年間は子どもの貧困がコロナ前を上回る水準が続くと予想する。独立行政法人の労働政策研究・研修機構の昨年11月末時点の調査で、ひとり親世帯は年末への暮らし向きで『苦しい』が6割だった。直近1カ月で必要な食料が買えないことが『あった』が35.6%に上った。」(『日本経済新聞』2021.03.09)
●総務省が9日発表した1月の家計調査によると、1世帯(2人以上)当たりの消費支出は26万7760円となり、物価変動の影響を除いた実質で前年同月比6.1%減少した。マイナスは2カ月連続。下げ幅は昨年12月の0.6%減から拡大した。新型コロナウイルス感染拡大を受けた緊急事態宣言の再発令が響き、外食や教養娯楽などが大幅に減少した。…品目別にみると、飲酒代は90.8%減と前回宣言時の2020年4月(90.3%減)以上に落ち込んだほか、食事代も36.3%の大幅減。宣言発令地域を中心に、政府や自治体が飲食店に営業時間短縮を要請していることが響いた。教養娯楽サービスでは、パック旅行費が90.5%減、宿泊料は56.0%減。映画・演劇等入場料や遊園地入場・乗り物代も大きく落ち込んだ。交通費関連では航空運賃が94.4%、鉄道運賃が70.8%それぞれ減少した。一方で、「巣ごもり需要」で電気洗濯機などの家庭用耐久財は31.2%増。うち冷暖房用器具は90.7%増加した。自動車の購入も30.3%増えた。(『しんぶん赤旗』2021.03.10より抜粋。)
●「国土交通省は昨年10月の建設業法改正を受け、施工体制台帳作成に当たっての指針を作った。施工体制台帳に追記する場合の監理技術者補佐の記入方法や添付する作業員名簿の作成例の明示、書面の電子的取り扱いなど、対応で留意すべき点をまとめた。2日付で地方整備局や都道府県、政令市などの関係部局、民間発注者団体、建設業者団体に通知。適切な運用を働き掛けていく。」(『建設工業新聞』2021.03.03)
●「東京都江戸川区は、建設工事や業務委託などの公共調達に『労働報酬下限額』を設定する。一定水準の賃金確保を含めた労働環境の整備、持続可能な公共調達などを狙いとしている。区は今後、『江戸川区公共調達基本条例(公契約条例)』の改正案をまとめ、6月にも区議会に提出する予定だ。適用範囲は、予定価格が1億8000万円以上の工事請負契約、予定価格4000万円以上の業務委託契約のほか、指定管理協定なども含む。新たに設定する労働報酬下限額は、労働者に支払われる報酬の最低額を1時間単位または1日単位で定める。工事請負契約、業務委託契約などの種類に応じて設定する方針で、具体的な額などは今後設置予定の『(仮称)江戸川区労働報酬等審議会』の意見を踏まえ、区長が決定・告示する。対象となる労働者の範囲は、受注者や受注関係者に雇用され、契約業務に従事する労働者で、労働者派遣法に基づく派遣労働者のほか、受注者との請負契約により自らが労務提供する者、いわゆる『一人親方』なども含まれる。工事請負契約の現場代理人や主任技術者、監理技術者などの現場技術者は対象外となる。受注企業の役員、業務に直接従事しない事務員、材料製造者なども対象外だ。」(『建設通信新聞』2021.03.09)
●「宮城県は、上工下水一体官民連携運営事業(みやぎ型管理運営方式)の運営権者選定に伴う公募型プロポーザルを実施した結果、応募した3グループの中からメタウォーターグループ(代表企業・メタウォーター)を優先交渉権者に特定した。提案額は1304億7899万9999円(税別)、改築費用は259億9851万4770円(同)。次点はみやぎアクアイノベーション(同・前田建設工業)だった。今後6月議会の議決を経てSPC(特定目的会社)と契約を結ぶ。2022年4月の事業開始を目指す。事業期間は42年3月末までの20年間。最長5年間延長できる。」(『建設通信新聞』2021.03.15)
●「国土交通省の調査によると、建設キャリアアップシステム(CCUS)に登録している企業に対して、33都道府県が入札契約制度などでの加点評価の導入に向けた検討を進めていることが分かった。既に導入を決めている11県を加えると、9割超の44団体が評価導入へ動き出したことになる。また、全国の建設業協会のうち、17協会が直轄CランクでのCCUS活用推奨モデル工事の実施に賛同していることも明らかにした。地域工事でのCCUS活用促進に向けた機運が高まっている。」(『建設通信新聞』2021.03.01)
●「建設業振興基金は、建設キャリアアップシステム(CCUS)に4月から導入する技能者の2段階登録申請の手続きを明らかにした。4月1日の申し込みから、基本情報の登録のみでカードを発行する『簡略型登録』と、保有資格情報などを登録する『詳細型登録』の選択方式となる。また同日から、CCUSの未登録事業者を事業者名で施工体制登録できる機能を実装する。上位下請事業者が未登録の場合、下位下請事業者に所属する技能者の就業履歴が適切に登録できない問題に対応する。(『建設通信新聞』2021.03.02)
●「女性の非正規雇用が厳しくなる『女性不況』が鮮明になっている。民間調査によると、統計上は失業者や休業者に入らない女性の実質的失業者が2月時点で100万人を超えた。政府による2度目の緊急事態宣言の前である2020年12月時点から14%増えた。政府は支援策の拡充へ検討を始める。総務省が2日発表した1月の労働力調査によると、非正規で働く女性は前年同期比68万人減った。11カ月連続の減少で、減少数は男性(22万人減)を大きく上回っている。正社員は増えており、新型コロナウイルス禍は外食や旅行といった女性の多い対人サービスの非正規雇用を直撃している。民間調査をみると、公式統計より厳しい女性雇用の姿が浮かぶ。野村総合研究所は、パート・アルバイト従業員のうち、『シフト勤務が5割以上減少』かつ『休業手当を受け取れていない』人を『実質的失業者』と定義して調査した。その結果、2月時点で女性の実質的失業者数は103万人。20年12月時点の90万人から13万人増えた。人口減少が続く日本にとって、『コロナ後』の経済成長力の底上げを考えれば、女性の労働市場への参加を促すことが欠かせない。政府はコロナ禍で女性を中心に厳しさを増す非正規雇用の対策に乗り出すため、政府内に専門の対策会議を設ける検討を始めた。厚生労働省などが具体案を練り、今春にも基本方針をまとめる見通しだ。すでに失業状態になってしまった人たちを雇用する企業を支援したり、生活に困窮する層への給付金を拡充したりする案が検討課題となる。職業訓練を受けやすくし、人材需要のある産業への移動も促す。」(『日本経済新聞』2021.03.03)
●「国土交通省は9日、建設業の一人親方問題に関する検討会の第4回会合を開き、対応策(中間取りまとめ)案を示した。実態は雇用労働者であるにもかかわらず、一人親方として仕事をさせている企業を選定しないことなどを盛り込み、下請指導ガイドラインを改訂する。また、労働者側から一元的に相談を受け付けられるよう、建設業界団体に相談窓口を設置することを提案した。会議の冒頭、同省の美濃芳郎官房審議官は『一人親方という働き方やその技能を否定するものではない』とした上で、『一方、適正でないと考えられる一人親方の犠牲の下にコストを合理化して利益を享受する不適切な事業活動は許容されるべきでない』と断言。『中間取りまとめは出発点、スタートラインである。建設業界として強い危機感と共通認識をもってあるべき姿、方向を目指していくことが必要だ』と述べた。中間取りまとめ案では、適正一人親方の目安として、10年程度以上の実務経験と建設キャリアアップシステム(CCUS)でレベル3相当以上の技量を持っていることを示した。目安に加えて、安全衛生に関する知識を習得していることなどが適正と考えられる一人親方の例であるとして、下請指導ガイドラインに追記する。反対に適正でないと考えられる一人親方の具体例もガイドラインに明記する。10年程度以上の実務経験やCCUSでレベル3相当以上の技量がない10-20代の技術者や就業時間、作業内容に具体的な指揮を受けている技能者は労働者として扱うべきだと整理し、雇用契約の締結など各種法令順守の徹底を求める。作業員名簿上は社員(雇用)としていながら、雇用契約は締結しておらず社会保険にも加入していない一人親方は偽装の可能性があることから、元請企業が技能者本人や下請企業に実態確認し、対応を指導するよう要請する。明らかに実態が雇用労働者であるにもかかわらず、一人親方として仕事をさせている企業は法令を順守していない恐れがあるため、下請企業として選定しないとする規定を設ける。技能者側に対しては、自身の働き方や技術力、法令知識の診断をベースとした適切な就業形態の選択を促していく。国が2021年度中に適正一人親方の目安や自己診断チェックリスト、労働者と一人親方の処遇の違いなどをまとめたリーフレットを発行して周知を図る。」(『建設通信新聞』2021.03.11)
●全国建設労働組合総連合(全建総連)東京都連合会は11日、コロナ禍から建設中小零細事業者の経営と国民生活を守る要請署名およそ2万人分を内閣府に提出した。同署名は、建設産業には景気悪化の影響が他業種より遅れて現れると指摘。持続化給付金、家賃支援給付金の再給付や新築・リフォーム工事への支援、建設労働者へのPCR検査体制強化、消費税の5%への減税などを求めている。(『しんぶん赤旗』2021.03.12より抜粋。)
●「少子高齢化等に伴い、建設業に従事する職人の減少が指摘されている。今後も工務店をはじめとする住宅業界の従事者が地域の守り手として安定的に事業を実施し、地域の安全・安心を担うためには賃金や待遇面を向上し、若年層の入職を増やす取り組みが欠かせない。こうした中、全建総連とNPO法人建設政策研究所は『2020年全建総連賃金実態調査』を行い、このほど結果を公表した。それによると、2020年の大工の全国平均日額賃金は『常用・手間請』が1万5316円(日給月給と月固定給の平均)で前年比662円(4.3%)減、『一人親方』は1万5781円で同523円(3.3%)減となった。過去5年を見ると、平均日額賃金は『常用・手間請』が2016年から、『一人親方』では2017年から連続して増加傾向にあったが、今回一転し、減少に転じたことが分かった。」(『日本住宅新聞』2021.03.15)
●「日本建設業連合会(山内隆司会長)は、会員企業95社を対象とした受注調査結果を発表した。2020年度累計(20年4月-21年1月)は、前年同期比5.6%減の10兆0646億4300万円。1月単月が1兆円を超えて過去10年で3番目に高かったことから、減少幅が縮小した。ただ、20年2、3月が高水準だったため、日建連の担当者は『コロナ禍で期ずれしていた案件が今後発注されたとしても、19年度通期(15兆円)には及ばないだろう』とし、『逆に20年度累計の減少幅は再び拡大していく』とみている。国内は2.2%減の9兆8835億3700万円で、堅調な官公庁(25.8%増の3兆0750億5600万円)が低調な民間(11.2%減の6兆7746億5700万円)を下支えする。」(『建設通信新聞』2021.03.01)
●「リニア中央新幹線の建設工事を巡る談合事件で、独占禁止法違反(不当な取引制限)罪に問われた大成建設と鹿島の元幹部2人、法人としての両社の判決公判が1日、東京地裁であり、楡井英夫裁判長はいずれも有罪を言い渡した。大成建設元常務執行役員、大川孝被告(70)と鹿島元専任部長、大沢一郎被告(63)が懲役1年6月、執行猶予3年(求刑懲役2年)、法人としての大成建設と鹿島は罰金2億5000万円(同罰金3億円)。起訴内容を認めた法人としての大林組、清水建設は有罪が確定している。」(『日本経済新聞』2021.03.02)
●「建設業の生産性向上、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する上でBIM/CIMは一翼を担うとされるが、地域建設企業はその必要性をあまり感じていないようだ。全国建設業協会(奥村太加典会長)が傘下団体の会員企業を対象に実施したアンケートでは、建設生産システムをより効率化させる観点からBIM/CIMを肯定的に捉える向きがある一方、関連設備の導入コスト、専門人材の育成といった従来の課題に加え、地方自治体の対応が鈍いことなどを背景に、静観する姿勢が依然として大半を占めている。」(『建設通信新聞』2021.03.05)
●「全国建設業協会(全建、奥村太加典会長)が実施した会員企業の倒産状況調査によると、2020年の倒産数は40件で、前年より15件減少しだ。直近10年では18年(41件)に次ぐ低水準となった。コロナ禍で受注環境が悪化し企業経営へのダメージが危惧される中、金融機関は実質無利子・無担保の新型コロナ対応融資を実施。持続化給付金など国を挙げた支援策が企業の資金繰りを支え、倒産抑制につながったと見られる。」(『建設工業新聞』2021.03.12)
●「日本建設業連合会(日建連、山内隆司会長)の会員企業が2019年度に受注した国内建築工事のうち、設計・施工一貫方式での受注は金額ベースで52.8%だった。前年度の50.7%から2.1ポイント上昇した。同方式での受注が半数を超えるのは4年連続となる。各社が設計関連の有資格者を増やしている。」(『建設工業新聞』2021.03.15)
●「国土交通省は2月26日、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、住宅の省エネルギー基準適合率を向上させるため、追加的な規制措置の導入を検討する方針を打ち出した。3月中旬をめどに閣議決定する次期住生活基本計画(全国計画)の基本的施策に盛り込む。同日開催の社会資本整備審議会住宅宅地分科会に、計画の最終案を提示した。追加的な規制措置の導入検討は、8項目設定する政策目標の一つである『脱炭素社会に向けた住宅循環システムの構築と良質な住宅ストックの形成』の基本的施策に盛り込む。河野太郎行政改革担当相直轄のタスクフォースが24日、すべての住宅・建築物を対象とした省エネ基準適合義務化を提言したことを踏まえた対応。国交省が1月の前回会合に示した計画案と比較すると、成果目標には5項目を追加した。デジタルトランスフォーメーション推進計画を策定・実行した大手住宅事業者の割合を25年に100%。住まいの出水対策に取り組む市区町村の割合を25年に5割とする。一定の断熱性能を有し、遮音対策も講じられた民間賃貸住宅の割合を30年に2割まで高める。公的賃貸住宅(100戸以上)の地域拠点施設併設率は、30年におおむね4割とする。住宅性能に関する情報が明示された住宅の既存住宅流通に占める割合を30年に50%とする。」(『建設通信新聞』2021.03.01)
●「国土交通省の有識者会議は4日、東日本大震災の被災地で実施された市街地復興事業の検証結果や、今後の教訓を大筋でまとめた。将来的な人口減少のトレンドを踏まえ、持続可能な事業規模を設定する必要があるなどと、市街地復興事業のノウハウを整理。今後の復興まちづくりに当たっては、まちの将来像を平時から検討しておくことが被災時に復興計画を作成する上で素地になり得ると指摘した。3月末までにまとめる。…東日本大震災の市街地復興事業で造成した宅地の戸数は、防災集団移転促進事業が8374戸、土地区画整理事業が9358戸。宅地活用率は2020年末現在、防災集団移転促進事業が96.4%、土地区画整理事業が68%となっている。こうした結果から、住まいの再建、市街地の安全性向上、新たな拠点の創出、コンパクトなまちづくり、既存集落のコミュニティー維持・形成などに寄与したと、市街地復興事業の成果を整理した。一方で、時間とともに被災者の意向が変化し、造成した土地の未利用問題が顕在化していることを課題に指摘。被災者の意向変化を前提に、工区の分割や複数事業の組み合わせによって柔軟に実施することが、今後の市街地復興事業で必要になるとの考えを示した。また、事業終了後もエリアマネジメントを継続する取り組みが有効としている。東日本大震災の教訓には、被災後の復興まちづくりを考えながら立地適正化計画などを活用し、持続可能な将来のまちづくりを検討することが重要と指摘している。」(『建設通信新聞』2021.03.05)
●「政府は2021年度以降の東日本大震災からの復興に関する碁本方針を改定した。9日の閣議で決定した。福島第1原発の廃炉・汚染水対策では、適切な時期に政府が責任を持って結論を出すと約束。福島県の浜通り地域で計画する国際教育研究拠点を『創造的復興の中核拠点』に位置付けると明記した。昨年6月に成立した復興庁設置法や福島特別措置法などの改正内容なども反映させた。」(『建設工業新聞』2021.03.10)
●「国土交通省は住宅の省エネルギー性能を年間の光熱費の目安に換算し表示する仕組みを2022年度にも設ける。これまで断熱性能を示すUA値(外皮平均熱貫流率)などで省エネ性能が表示されていたが、消費者がよりわかりやすく判断できるようにする。住宅の広さや想定される居住人数、燃料の単価などをもとに目安の光熱費を算出する。省エネ性能を分かりやすく数値で示すことで消費者が省エネ住宅を選ぶように誘導する狙いがある。まず新築マンションや新築戸建てでの導入を検討する。中古住宅は前提となる条件が異なることが多く、どういった計算方法が可能か今後検討する。」(『日本経済新聞』2021.03.11)
●「オフィスビル仲介大手の三鬼商事(東京・中央)が11日発表した2月の東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の空室率は1月と比べ0.42ポイント高い5.24%になった。オフィスの空室が多くなった目安とされる5%台を付けるのは2015年6月以来5年8カ月ぶり。過去最低だった20年2月の1.49%から、わずか1年で急速に上昇した。」(『日本経済新聞』2021.03.12)