情勢の特徴 - 2021年4月前半
●「企業が保有する不動産を売却する動きが広がる。JR各社は保有するホテルやオフィスビルを売却する。新型コロナウイルスの影響が長期化するなか、資産のスリム化や財務負担を軽くしつつ設備投資資金を確保する。世界的な金融緩和で資金が豊富なファンドが買い手となり、売却後も使い続ける形が増える。保有から利用へと、持たざる経営への転換も進み始めている。…不動産売却は新型コロナによる業績悪化が目立つ業界を中心に増えている。みずほ信託銀行系の都市未来総合研究所によると2020年10~12月の事業法人による不動産売却額は2200億円と同期間として13年ぶりの高水準となった。…業績が堅調な企業でも、在宅勤務の定着など新型コロナによる働き方の変化を受けて、本社を売却する例が増えている。リクルートホールディングスや横浜ゴムは本社ビルを売却することを決めた。売却後も賃貸で利用を続ける。企業の売却を支えているのが、買い手となっている不動産ファンドだ。超低金利下で、利回り確保のため不動産投資に乗り出す投資家も多い。不動産を利用することが目的の事業会社と違い、ファンドにとっては売り手の企業が使い続けることが安定した賃料収入につながるメリットがある。」(『日本経済新聞』2021.04.05)
●「政府は個人事業主を登録・識別する番号制度をつくる。補助金の支給や社会保険、税務などの手続きを一元管理できる仕組みを検討する。日本は新型コロナウイルス禍で家計への給付金支給が混乱するなどアナログな行政の限界に直面した。公的支援から漏れがちなフリーランスのような多様な働き方にも対応した新たな番号制度で行政のデジタル化や効率化を急ぐ。…新制度は、2023年10月から消費税の税額票(インボイス)を導入するのに合わせ、課税事業者に13桁の登録番号を割り振る。法人は既存の法人番号を引き続き使い、個人事業主には新しい番号を付与する。」(『日本経済新聞』2021.04.06)
●「20カ国・地域(G20)は7日、財務相・中央銀行総裁会議を開き、米IT(情報技術)企業などへの課税を見直すデジタル課税や法人税の引き下げ競争を防ぐための最低税率について『2021年半ばという期限までの合意を目指す』とした共同声明を採択した。」(『日本経済新聞』2021.04.08)
●「企業の倒産が歴史的な低水準にとどまっている。東京商工リサーチが8日発表した2020年度の倒産件数は19年度比17%減った。1990年度以来、30年ぶりの低水準だ。倒産件数は含まれない休業や廃業は増加基調で、企業経営を取り巻く環境は厳しい。新型コロナウイルス禍に伴う政府や金融機関の資金繰り支援で企業倒産件数は7163件で2年ぶりに減少した。負債総額は1兆2084億円と3年連続で減った。新型コロナ禍の影響が大きかった業種で、倒産が増えた。インバウンドの減少や外出自粛の影響で、宿泊業は前年同期比72%増の127件に急増した。情報通信業(23%減)や製造業(22%減)などは件数が大幅に減少した。営業時間の短縮に伴う政府の協力金もあり、飲食業も7%減った。」(『日本経済新聞』2021.04.09)
●「住宅ローンの返済に窮する人が増えている。金融機関から返済猶予などの救済を受けた人は5万人を超え、東日本大震災の際の5倍に達した。新型コロナウイルスの影響で収入減が広がっているためだ。一方、新規ローンの融資額は伸び続け、一部の住宅価格はバブル期以来の水準に、返済困窮者の増加と新規ローンの膨張が同時に進む構図に陥っている。」(『日本経済新聞』2021.04.09)
●「国土交通省は、2021年度から原則すべてのWTO対象工事(一般工事)で建設キャリアアップシステム(CCUS)のモデル工事を実施する。『「労務費見積り尊重宣言」促進モデル工事』の対象拡大も決めた。技術者の処遇改善に向けた取り組みを積極的に進める建設企業を総合評価や成績評価で加点することで、担い手の確保・育成や賃金上昇の好循環の流れを後押しする。」(『建設通信新聞』2021.04.05)
●「国土交通省は、発注者が適正な積算に基づく設計書金額の一部を控除して予定価格とする『歩切り』が、16市町村で行われているおそれがあることを明らかにした。限定的な団体数ではあるが、歩切りは明らかな法令違反であるとともに、ダンピング(過度な安値受注)対策の徹底へ官民が歩調をあわせて進む中で、同省は事態を重視する。改めて“歩切りの根絶”に向け、該当する自治体に対して個別に働き掛けを行い、速やかな対策を講じていく。」(『建設通信新聞』2021.04.07)
●「国土交通省は、公共工事でのCM方式の活用実態調査の結果を公表した。『全国規模で建築、土木まとめた調査は初めて』(同省不動産・建設経済局建設業課入札制度企画指導室)としている。調査からは、建築事業で人口10万人未満や建築職員数10人以下など小規模な自治体での活用が広がっていることが判明。主に復興事業で活用されてきた土木事業では、復興事業での採用を機に新設・維持など他の事業でも採用するケースが多いことが分かった。」(『建設通信新聞』2021.04.08)
●「国土交通省は、地方自治体のダンピング(過度な安値受注)対策の強化に向けた具体的な取り組みを決めた。低入札価格調査制度の運用徹底や、低入札価格を下回る受注への施工確保措置の採用促進などを個別自治体に焦点を当てて改善を促す。2020年度から開始した都道府県の公共工事契約業務連絡協議会(公契連)との連携を緊密にし、適正な予定価格の設定に向けた取り組みも推進する。」(『建設通信新聞』2021.04.08)
●「日本建設業連合会(山内隆司会長)は、建設キャリアアップシステム(CCUS)の2023年度黒字化(単年度)に向け、『最低限達成すべき数値目標』と、さらに『上乗せして目指す数値目標』の2種類の数値目標を新たに設定した。最低限の数値目標であっても23年度時点の技能者登録率は4割、事業者登録率を8割とし、カードタッチ数も20年度比で8倍増とした。上乗せの数値目標はさらに高い水準で、システム標準化へ建設業全体をけん引する姿勢をより明確に打ち出した。」(『建設通信新聞』2021.04.01)
●「国土交通省と厚生労働省は、建設業退職金共済制度の掛金が労働者に確実に行き渡るよう制度を改善した。対象労働者への十分な掛金充当がなされていないなどの課題を踏まえ、事業者や元請けの履行報告を厳格化するとともに、公共発注者による確認を徹底する。…中小企業退職金共済法の改正によって従来の証紙貼付方式に加え、電子申請方式による掛金納付が可能となった。元請けが工事ごとに証紙貼付方式か電子申請方式を選択し、その工事のすべての下請けは同じ方式で実施する。運用見直し後の貼付方式では、従前から元請けが提出している掛金収納書を、新たに整備した掛金収納書提出用台紙に貼り付けて提出する。台紙には共済証紙購入の根拠となる考え方(対象労働者、就業日数など)や、建設キャリアアップシステム(CCUS)登録情報などを記載する。施工中は元請けが証紙交付の都度、工事別共済証紙受払簿に記録する。これまで共済証紙受払簿は通年で作成してきたが、履行状況を適切に把握するため工事ごとにも作成する。工事別共済証紙受払簿は21年度から順次導入し、22年度から全面適用する。工事完成後は元請けが工事ごとに対象労働者数、延べ就労日数、建退共の掛金充当日数をまとめた掛金充当実績総括表を作成。工事別共済証紙受払簿とともに発注機関に提示する。3月から本格運用が開始された電子申請方式では、証紙交付の必要はないことから、施工中の工事別共済証紙受払簿の作成は不要となるほか、CCUSに蓄積される入退場記録などの情報を取り込むことで、効率的に就労状況報告ができる。CCUS利用状況が高い場合には、発注者に対して簡易な方法による履行確認を認めている。いずれの方式でも、著しく不適切な処理を行っていると公共発注機関が把握した場合、必要に応じて許可行政庁に通知し指導・助言・勧告などの措置を講じる。」(『建設工業新聞』2021.04.02)
●「自民党の一億総活躍推進本部は、希望者が週休3日で働くことができる選択的週休3日制の普及について、4月中に政府への中間提言をまとめる。中間提言を踏まえ、政府は対応の検討に着手する方針だ。」(『日本経済新聞』2021.04.07)
●「厚生労働省は8日、新型コロナウイルスの影響で解雇・雇い止めされた人が見込みを含めて7日時点で10万425人となったと明らかにした。業種別では製造業が最も多かった。2020年2月の集計開始から約1年2カ月で10万人を超えた。」(『日本経済新聞』2021.04.08)
●「国土交通省が実施した2020年度下請取引等実態調査で、技能労働者の賃金水準を引き上げる動きが停滞していることが分かった。『引き上げた(予定含む)』の回答が前年同比4.6ポイント低下し79.3%。調査を始めた13年度以降初めて回答率が下がった。引き上げない理由では『経営の先行きが不透明で引き上げに踏み切れない』が半数を占めた。…前年度比で低下したものの、『引き上げた』との回答は約8割に上る。その理由(複数回答可)としては、『周りの実勢価格が上がり、引き上げなければ必要な労働者が確保できない』(20年度47.3%)や『若者の入職促進など業界全体の発展に必要』(39.1%)との声が寄せられた。」(『建設工業新聞』2021.04.09)
●「政府は13日、国家公務員の定年を現在の60歳から段階的に65歳に引き上げる国家公務員法改正案を閣議決定した。少子高齢化に伴う労働力人口の減少に備え、知識や経験を持つ職員を活用する。今国会に提出して成立をめざす。…国家公務員の一般職の定年を2023年4月から2年ごとに1歳ずつ引き上げ、31年度に65歳とする。60歳に達すると原則として管理職から外す『役職定年制』を取り入れて、人事の高齢化を防ぐ。60歳以降の給与は当分の間、それまでの給与の7割とする。定年が65歳となる31年度までに賃金カーブがなだらかになるよう、40~50代を中心に給与水準を見直す。制度変更に合わせて能力や実績に基づく人事評価制度を徹底する。60歳以上の職員が短時間勤務を選べる仕組みも導入して多様な働き方を後押しする。」(『日本経済新聞』2021.04.14)
●「日本建設業連合会(日建連)建築生産委員会(蔦田守弘委員長)の設備部会総合施工専門部会は、設備工事の実態調査報告書をまとめた。会員26社を対象に調査した。分離発注を除く一括工事完成工事高に占める設備工事高の割合は2019年度は26.3%(18年度25.9%)と若干増加した。全技術者に占める設備技術者の割合は15.51%(15.21%)。直近10年で最高値となった。」(『建設工業新聞』2021.04.09)
●「国土交通省が実施した2020年度下請取引等実態調査で、法定福利費を内訳明示した見積書(標準見積書)の活用効果が表れていることが分かった。下請負人に対し提示を働き掛けている元請負人は69.2%(19年度64.8%)、提出している下請負人は72.9%(68.9%)と上昇。提示したことで『法定福利費を含む見積もり金額全額が支払われる契約となった』との回答が79.9%(76.8%)と伸長した。」(『建設工業新聞』2021.04.09)
●「ゼネコン各社が研究開発投資に積極的な姿勢を続けている。日本建設業連合会(日建連、山内隆司会長)が63社を対象に実施した2020年度アンケートによると、調査に回答した41社のうち32社が前年度と同額以上の研究開発費を投じていた。研究開発費の増額は14年度から7年連続。研究開発費20億円以上の社が年々増加し、20年度は16年度の約2倍の13社となった。」(『建設工業新聞』2021.04.13)
●「全国中小建設業協会(全中建、土志田領司会長)が会員企業を対象に実施した入札契約制度に関する実態調査によると、国と都道府県、市町村の工事で積算基準が『適正でない』と考えている企業の割合は全体の6割を超えた。発注者に対し労務・資材費の見直しを求める意見が多く寄せられた。技能労働者の賃金水準の引き上げに向け、国土交通省は全中建ら建設4団体と、2021年に『おおむね2%以上』の賃金上昇率を目指す目標を掲げる。発注者側の姿勢が問われそうだ。」(『建設工業新聞』2021.04.14)
●「国土交通省は、重点施策の数値目標を盛り込んだ第5次社会資本整備重点計画の素案をまとめた。2020年度末に1級の全109水系と2級の12水系でまとまった流域治水プロジェクトは、策定数の目標を25年度に約550水系とする。高速道路の暫定2車線区間を4車線化する優先整備区間の事業着手率は、19年度の約13%から25年度に約47%まで高める。」(『建設通信新聞』2021.04.01)
●「国土交通省は6日、『無電柱化推進のあり方検討委員会』の第5回会合を開き、次期無電柱化推進計画の案を提示した。計画期間を2021-25年度の5年間とし、最終年度までに約4000キロメートルで道路の無電柱化着手を目指す。パブリックコメントを今後実施し、5月ごろに計画を決定する。」(『建設通信新聞』2021.04.07)
●「国土交通省が発表した2月の建築着工統計調査報告によると、新設住宅着工戸数は前年同月比3.7%減の6万0764戸となり、20カ月連続で減少した。マンションなど分譲住宅の下落が影響し、直近10年間で最低戸数となっている。…利用関係別に詳細を見ると、持家は4.3%増の2万0390戸で、4カ月連続の増加となった。貸家は0.4%減の2万2556戸で30カ月連続の減少。分譲住宅は14.6%減の1万7398戸で15カ月ぶりの増加となった前月から再び減少に転じた。分譲住宅のうちマンションは27.5%減の6779戸、戸建て住宅は4.0%減の1万0470戸だった。」(『建設通信新聞』2021.04.08)
●「オフィスビル仲介大手の三鬼商事(東京・中央)が8日発表した3月の東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の空室率は5.42%で、2月から0.18ポイント上昇した。13カ月連続で上昇し、空室が多くなった目安とされる5%を2カ月連続で上回った。新型コロナウイルス禍に伴う在宅勤務の広がりで企業のオフィス縮小が続き、空室率の増加や賃料の下落は当面続くとみられる。5区で空室率が最も高いのは港区で7.3%だった。2月に比べ0.42ポイント上がった。募集を残したまま竣工した物件や、既存オフィスの解約が影響した。渋谷区は2月比0.06ポイント低い5.49%。渋谷区はコロナ拡大の初期は空室率の上昇が目立ったが、足元では解約の動きは鈍化している。都心5区の平均月額募集賃料は3.3平方メートルあたり2万1541円となり、2月比0.56%(121円)下がった。空室増加が賃料の下げ圧力となっているほか、企業のオフィス縮小のあおりで築年数が経過した物件が市場に出てきた影響もある。下落は8カ月連続となった。」(『日本経済新聞』2021.04.09)
●「住宅生産団体連合会と不動産協会は8日、総合資源エネルギー調査会(経済産業大臣の諮問機関)の省エネルギー小委員会で、2050年カーボンニュートラル(CN)に向けた住宅と建築物の省エネ対策について、意見を表明した。住団連は、国土交通省などによるパックキャスティング型ロードマップの策定に協力する姿勢を示すとともに、住宅業界としても省エネ対策のロードマップを作成する考えを明らかにした。…住団連は、建築物省エネ法の改正を見据えて住宅の省エネ基準適合義務化に向けた準備を進めることや、既存住宅の省エネ性能向上に関する提案力強化などに取り組む姿勢を示した。その上で、▽住宅事業者が省エネ計算を実施可能になるための体制整備と支援▽長期優良住宅の認定取得に関する賃貸共同住宅のインセンティブ拡充▽既存住宅の省エネ改修に関する適切な評価体制の整備と支援――を国に要望した。」(『建設通信新聞』2021.04.12)
●「政府は13日、東京電力福島第1原子力発電所の敷地内にたまる処理水を海洋放出の形で処分すると決めた。2年後をめどに実施する。大量のタンクが廃炉作業の妨げになりかねない状況だった。海水のモニタリングや農水産業の風評被害対策を強化する。…福島第1原発は2011年3月の東日本大震災の津波で炉心溶融事故を起こし、高濃度の放射性物質に汚染された水が発生している。東電が専用装置で主な放射性物質を取り除いてタンクにためる。処理水は装置で除去できない放射性物質のトリチウム(三重水素)を含む。トリチウムを含む水の海洋放出は国内外の原発でも実施している。基本方針によると、放出前に処理水を海水で100倍以上に希釈し、国の基準値の40分1程度、世界保健機関(WTO)の飲料水水質ガイドラインの7分1程度にトリチウムの濃度を薄める。1年間に放出するトリチウムの量が事故前の福島第1原発で設定していた目安を下回るようにする。政府と東電は漁場や海水浴場などでトリチウムのモニタリングを強化する。海水サンプルの採取や検査に農林水産業者や地元自治体の関係者が加わる。海洋環境の専門家らでつくる会議も立ち上げ、モニタリングの確認や助言をしてもらう。国際原子力機関(IAEA)は海洋放出について『科学的に妥当で環境影響はない』との見解を示している。ただ、消費者が放出を受けて周辺の農林水産物を避けるといった風評被害が生じる可能性もある。政府と東電は、福島県と近隣県の水産業などが国内外の主要消費地で販路を広げられるように支援する。風評被害が起きた場合は、東電が被害の実態に見合った賠償を迅速かつ適切に実施することも基本方針に盛った。政府は風評被害対策などのための関係閣僚会議を新たに設け、週内にも初会合を開く。海洋放出後の水産業などの影響を確認し、必要な対策を検討する。」(『日本経済新聞』2021.04.13)
●「国土交通省はこのほど、建築物リフォーム・リニューアル調査の令和2年度第3四半期受注分を公表した。同期の建築物リフォーム・リニューアル工事の受注高の合計は2兆5966億円で、対前年同期比で14.4%減少した。そのうち、住宅に係る工事は8822億円で同3.7%増加した。オフィスビル、学校、工場などの非住宅建築物に係る工事の受注高は1兆7144億円で同21.5%の減少となった。」(『日本住宅新聞』2021.04.15)
●「米アマゾン・ドット・コムが南部アラバマ州で運営する物流施設で労働組合結成の是非を問う従業員投票があり、反対多数で否決した。労組結成を主導した小売り産業の労組『RWDSU』は投票結果に異議を申し立てる方針で、最終決着にはさらに時間がかかる見通しだ。アマゾンが9日の声明で明らかにした。労働者の投票総数3215票のうち、反対票が過半数を超え、労組結成は否決された。同施設では約6000人が働いており、投票率は55%だった。従業員投票を管轄した全米労働関係委員会(NLRB)が9日までに集計した有効票のうち反対は1798票、賛成は738票だった。同社の労組結成は格差是正をめざす動きとして注目されていた。アマゾンの広報担当者は同日『従業員の声が最終的な結果に反映されたことをうれしく思う』と歓迎する声明を発表。労働者の待遇改善に取り組む姿勢を強調し『お互いに対抗するのではなく、よりよい協力関係を築ける』と呼びかけた。一方、活動を主導したRWDSU幹部は『労働者の声が法の下で公正に耳を傾けられるまで休むことはない』とツイッターに投稿した。アマゾンが従業員の投票に干渉したとして、NLRBに不服を申し立てる考えを示した。アマゾンは『事実ではない』としている。2~3月に郵送で行われた従業員投票の期間中は、トイレの個室にまで労組結成に反対票を投じるよう呼びかける張り紙を掲げた経営側の手法が注目された。バイデン米大統領はアマゾンを名指ししなかったが、2月末に公開した映像の中で従業員らの意思を尊重するよう促していた。」(『日本経済新聞』2021.04.10)
●「バイデン米大統領は14日の演説で『米史上最長の戦争を終える時だ』と語り、アフガニスタン駐留米軍を9月までに撤収させると表明した。中国に触れて『我々は厳しい競争に対処するため米国の競争力(の向上)を支援すべきだ』と強調し、安全保障政策の重点をテロとの戦いから中国対応へ移す姿勢を鮮明にした。」(『日本経済新聞』2021.04.15)