情勢の特徴 - 2021年11月前半

経済・財政 行政・公共事業・民営化 労働・福祉 建設産業・経営 まちづくり・住宅・不動産・環境 その他

経済・財政

●「政府は下請け取引の適正化に向けて、年1万社以上の中小企業をヒアリング調査する。『下請けGメン』と呼ぶ調査員を大幅に増員する。不当な買いたたきの監視を強化する。公正取引委員会とも連携し、悪質な場合は企業名を公表する。『新しい資本主義実現会議』が8日まとめる緊急提言に盛り込む。現在下請けGメンは全国で約120人、年間およそ4000社の下請け中小企業を訪問調査している。提言どおりになれば現在の倍以上の規模になる。賃金や材料費といったコストの増加を下請け企業が適正に転嫁できているか調べる。発注企業が価格交渉に応じているかどうか目を光らせる。」(『日本経済新聞』2021.11.07)
●「コロナ禍で売り上げ・利益は低迷。仕入れ値の著しい上昇で経営ひっ迫の懸念」―。全商連付属・中小商工業研究所は10月18日、「2021年下期(9月)営業動向調査」速報を発表した。21年下期調査の実施時期(8月19日~9月18日)は、国内での新型コロナウイルス感染症が広がり、4度目の緊急事態宣言が発令されていた時期と重なる。「総合経営判断」DI値(「良い」と回答した企業割合から「悪い」と回答した企業割合を差し引いた数値)はマイナス61.2、「売り上げ」マイナス54.4、「利益」マイナス56.5と、各DI値は低迷したままだ。宿泊・飲食業の「売り上げ」「利益」の両DI値は、マイナス90台が3期連続となるなど危機的状況だ。このような経営指標の中で、今期調査の大きな特徴は、原材料等の仕入れ値が著しく上昇していることだ。原材料価格の高騰の背景には、新型コロナウイルスの感染を抑え込んだとされる米国や中国における需要の増加の影響が指摘されている。(『全国商工新聞』2021.11.08より抜粋。)
●「政府は8日、首相官邸で『新しい資本主義実現会議』(議長・岸田文雄首相)の第2回会合を開き、緊急提言をまとめた。成良の果実を賃金の形で分配して次の成長につなげる好循環を目指し、グリーンなど技術への投資を始めとした科学技術立国の推進、企業のダイナミズム復活など、『デジタル田園都市国家構想』の起動、経済安全保障の4つを柱とする『成長戦略』と、『人』への投資を強化する『分配戦略』を示した。緊急提言は、今月中旬に策定する経済対策に反映させる。緊急提言では、新しい資本主義の基本的考え方として、世界各国で持続可能性や『人』を重視する新しい資本主義の構築を目指す動きが進み、日本がこの動きを先導することを目指すとした。その上で、成長の果実を賃金の形で分配し、広く国民の所得水準を伸ばして次の成長を実現する『成長と分配の好循環』の実現に向け、あらゆる政策を総動員すると明記。新しい資本主義を起動するため、最優先で取り組む施策を整理した。経済対策や2021年度補正予算案に反映させる施策だけでなく、法改正や税制改正、22年度予算案で対応する施策も含み、『当面の取り組みの全体像を明らかにした』(内閣官房)。2022年春には、新たな経済社会のビジョンと具体化の方策(実行計画)を策定する。」(『建設通信新聞』2021.11.09)
●「世界に物価高の波が訪れている。新型コロナウイルス禍から2年近く。大規模な金融緩和策は転機を迎え、米国は緩和策の縮小に着手する。利上げに動く国も出てきた。焦点は物価高が供給制約から来る一時的なものなのか、構造的なインフレ圧力なのかだ。需要の鈍さへの懸念は消えず、政策の手綱によっては景気を冷やしかねない。世界経済は難局にさしかかっている。…モノ不足が世界の各地で起きている。経済正常化を目指す中で、物流や労働市場が混乱し、供給が行き届かないのだ。…企業活動でも異例の納期遅れに直面している。IHSマークイット社が調べる米国の『製造業サプライヤー納期指数』は、10月が16.8だった。納期は今夏以降、過去10年で最も遅れている。供給面の制約が引き起こす物価高。9月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比の上昇率が5.4%となった。約13年ぶりの高い伸びが続く。一時的な供給要因であれば、物価は次第に落ち着いてくるはずだ。…一方で、世界を見渡せば構造的なインフレ圧力が頭をもたげつつある。一つはエネルギーだ。世界は脱炭素社会の実現を急ぐが、今はまだ必要な化石燃料の供給が細ってしまい、足りなくなるひずみを生んでいる。原油先物相場は1バレル80ドル前後で推移し、7年ぶりの高値圏にある。原油相場が上がれば、本来は増産に動くのがエネルギー企業だ。だが、将来的に価値を生まない『座礁資産』になることを恐れ、新たな開発や設備投資に尻込みする。…もう一つの構造要因が米中対立による供給網の分断だ。米国が華為技術(ファーウェイ)を締め出したように米中の技術覇権の争いが世界を二分し、グローバル企業の調達戦略を狂わせている。…コロナ前の世界は、景気が良くても物価が上がらない『ディスインフレ』が指摘されていた。人口の増加ペースが鈍化し、需要の伸びはかつての高成長時代ほど見込めない。経済協力開発機構(OECD)によれば、21年の米国の需給ギャップはマイナス0.7%で、供給に対して需要が不足した状態にある。他の先進国も需給ギャップはマイナス5~2%だ。コロナが収束すれば一時的な消費拡大が見込まれる。ただ、世界経済の基調は低インフレや低成長だ。短期の物価高が止まらず、金融の引き締めを急げば、景気を必要以上に冷やしてしまうリスクがある。金融や経済政策のかじ取りは一段と難しくなっている。」(『日本経済新聞』2021.11.10)
●「内閣府が15日発表した2021年7~9月期の国内総生産(GDP)速報値は物価変動の影響を除いた実質の季節調整値で前期比0.8%減、年率換算で3.0%減だった。マイナス成長は2四半期ぶり。新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言などで個人消費が落ち込み、自動車の減産で輸出も伸び悩んだ。年率換算のマイナス幅はQUICKがまとめた7~9月期の民間エコノミスト予測の中心値(年率0.7%減)を大きく上回った。前期比で0.8%減った要因をみると、内需が0.9ポイント分押し下げ、外需が0.1ポイント分押し上げた。GDPの半分以上を占める個人消費は前期比1.1%減と、2四半期ぶりに減少した。自動車の販売減が響いたほか、パソコン需要が一服するなど家電も落ち込み、耐久財は13.1%減で2四半期ぶりに減少した。衣服などの半耐久財も5.0%減だった。サービス消費は0.1%増とほぼ横ばいだった。外出自粛や飲食店での時短営業による消費抑制が続いた。内需のもう一つの柱である設備投資は3.8%減で、2四半期ぶりのマイナスだった。企業の投資意欲は底堅いものの、自動車や生産用機械などが振るわなかった。半導体不足も影響した。住宅投資は2.6%減、公共投資は1.5%減だった。政府消費(政府支出)は1.1%増で2四半期連続のプラスだった。新型コロナのワクチン接種が進み、ワクチンの購入や接種にかかる費用が増えたのが要因だ。外需では輸出が2.1%減り、5四半期ぶりにマイナスに転落した。」(『日本経済新聞』2021.11.15)

行政・公共事業・民営化

●「東京・世田谷区は区発注工事の入札契約手続きに関連し、総合評価方式の評価項目を見直す。公契約条例に基づく評価の項目に建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録状況などを追加する。CCUSの事業者登録をしていれば2点を付与。併せてワーク・ライフ・バランス(WLB、仕事と家庭の調和)や労働安全衛生などへの取り組み状況も評価項目に入れる。2022年2月以降に発注する案件から試行を始める。」(『建設工業新聞』2021.11.11)
●「総務省は地方公営企業など(一部に地方独立行政法人含む)の2020年度決算をまとめた。下水道事業の改良工事費などが増え、決算規模は前年度に比べ1.5%増の18兆0751億円だった。建設投資額は5.9%増の4兆0431億円となり、16年度以降では最高額となった。企業債を財源とした建設改良費が増え、企業債発行額は1.0%増の2兆3003億円に達した。」(『建設工業新聞』2021.11.12)
●「国土交通省は地方自治体の入札契約制度の改善に向け、地方議会への働き掛けを強める。議会議長の全国組織などに制度改善の必要性を直接訴え、議会承認が必要な手続きの活用などで理解を得たい考えだ。11日には国交省の鎌原宣文不動産・建設経済局建設業課長が全国市議会議長会の会合で、地域の安全・安心を支える建設産業の持続的な発展をテーマに講演。施工時期の平準化やダンピング対策の強化などに理解を求めた。」(『建設工業新聞』2021.11.12)

労働・福祉

●「建設アスベスト(石綿)訴訟の判決で、国の責任を認める司法判断の確定を受け、労働者でない一人親方などを安全衛生法令の保護対象に位置付けることなどについて、建設産業界が慎重な対応を求めていることが1日に明らかとなった。建設事業者に対して自ら雇用する労働者以外の者に、安全衛生対策の措置義務を負わせる法令改正は、建設事業者の責任範囲を大幅に拡大させ、建設現場での安全衛生管理に多大な影響を及ぼす可能性があることから、『時間をかけた丁寧な検討が不可欠』とし、『建設現場の実情を十分に踏まえた上で慎重に決定していくべき』と厚生労働省に求めた。」(『建設通信新聞』2021.11.02)
●「全国鉄筋工事業協会(全鉄筋、岩田正吾会長)は、2021年度就労人口調査結果をまとめた。外国人就労者数は7647人で、前年度に比べ4.9%増加した。全就業者数に対する外国人の占める割合は18.2%で、前年度に比べほぼ横ばいだった。おおむね5人に1人が外国人となった。外国人特定技能者数は613人で、外国人就労者数全体の8.0%を占めた。」(『建設工業新聞』2021.11.02)
●建設現場でのアスベスト(石綿)使用をめぐる訴訟で、屋外で屋根工事に携わっていた男性作業員の遺族1人を含む原告33人と国が4日、大阪地裁(本田能久裁判長)で和解した。原告側代理人によると、国との基本合意に基づき、屋外作業貝の和解が成立するのは全国初。今後、各地での和解にも影響を与える可能性がある。最高裁は5月、屋内作業員に対する国の責任を認めたが、屋外作業員については、石綿粉じん濃度の測定結果が屋内作業を大きく下回るとして、救済対象外としていた。(『しんぶん赤旗』2021.11.06より抜粋。)
●「政府は8日、新型コロナウイルス対応で強化していた水際対策を緩和した。1月から原則停止していた技能実習や特定技能などの外国人就労者の新規入国を認める。建設分野では所管省庁である国土交通省による審査を経て、入国できる。ワクチンを接種済みの日本人の帰国者や外国人の再入国者の行動制限期間も短縮する。…技能実習生などの長期間の滞在者は、入国前に企業などの受入責任者が業所管省庁に申請する必要がある。審査期間は1カ月程度を見込み、審査通過後にビザを取得する。入国後は受入責任者の管理の下で14日間の待機し、陰性であることを確認した上で待機が解除となる。日本政府が認めるワクチンを接種済みであれば待機期間は10日間に短縮される。政府が設定した1日当たりの入国者総数3500人の上限は当面変更せず、その枠内で新規入国を認めるとしている。」(『建設通信新聞』2021.11.09)
●「建設キャリアアップシステム(CCUS)の現場利用を促進し、技能者の処遇や働き方の改善につなげようと関係者が知恵を絞っている。国土交通省はCCUSによる現場入場の記録を週休2日工事などに活用し、技能者の休暇取得に役立てる方策を検討中。CCUS登録技能者の技能レベルに応じ、手当の支給額を段階的に設定する方法を検討する大手ゼネコンも複数ある。企業独白の先駆的な取り組みの水平展開も期待されている。」(『建設工業新聞』2021.11.09)
●「厚生労働省の調査によると、建設業の2021年夏季賞与(ボーナス)は前年比3.2%減の49万5958円(1人当たり平均)だった。全16産業の平均(前年比0.8%減)を2.4ポイント下回った。金額は全産業中7番目の高水準で、全産業平均(38万0268円)より11万円以上高かった。調査は5人以上が働く事業所を対象に実施した。21年6~8月の『特別に支払われた給与』のうち、賞与として支給された給与を特別集計した。建設業ではボーナスを支給した事業所数が事業所総数に占める割合を示す『支給事業所数割合』は、前年より2.5ポイント低い66.0%(全産業平均65.1%)だった。」(『建設工業新聞』2021.11.15)

建設産業・経営

●「東日本建設業保証は、企業の経営実態を分析した『建設業の財務統計指標(2020年度決算分析)』を10月29日に発表した。収益の総合指標にしている総資本経常利益率は6.09%(前年度5.33%)に上昇。現在と同じ分析方法を導入した06年度以降で過去最高となる。白己資本比率や1人当たり付加価値も過去最高を更新した。決算分析は前払金保証を扱った企業などの経営実態を把達する目的で行っている。20年度版の対象は20年4月~21年3月に本決算を迎えた東日本にある企業のうち2万1829社。経常利益を総資本で割った総資本経常利益率は、業種別では電気が7.65%と最も高く、建築が3.85%と最も低い。売上高別では、10億円以上30億円未満が7.37%で最高、1億円未満が3.90%で最低。都県別では長野が8.17%と最も高く、新潟が4.32%と最も低かった。財務の健全性を示す自己資本比率は、東日本全体の平均で39.10%(37.53%)に上昇した。業種別では電気が50.25%と最も高く、最低は33.25%の建築。売上高別では1億円以上が40%を超える一方、1億円未満は19.00%と低い。労働生産性の代表指標になる1人当たり付加価値は、業種別で最高が土木建築の1271万円で、最低が管の998万円。売上高別では、30億円以上が1977万円、1億円未満は706万円となっている。」(『建設工業新聞』2021.11.01)
●「家電量販最大手のヤマダホールディングス(HD)が連結売上高2兆円に再挑戦する。住宅や家具などの非家電分野も成長の基軸に据え、今後3年で非家電が売り場の半分を占める大型店を中心に出店ペースを3倍に拡大。注文住宅の受注棟数も最大2倍強にする計画だ。電子商取引(EC)との価格競争が厳しい家電依存から脱却する。」(『日本経済新聞』2021.11.04)
●「建設現場の生産性向上を目指す技術開発で、企業間連携の枠組みを構築する動きが活発になってきた。施工ロボットやIoT(モノのインターネット)分野の技術連携でゼネコン16社がコンソーシアムを設立。国土交通省は人工知能(AI)による自律施工を目指す産学官の協議会を近く立ち上げる。前者は『建築』、後者は『土木』と主眼に置くフィールドは異なるが、技術開発の基幹部分を『協調領域』として確立するという目的は共通する。競争領域とのすみ分けを明確化し、効率的な技術開発につなげられるかが鍵となる。」(『建設工業新聞』2021.11.08)
●「上場大手ゼネコン4社の2022年3月期第2四半期の決算が出そろった。連結では、3社が増収、全社が減益となった。数年前から始まっていた受注競争激化の影響や原材料高に伴う資材価格上昇の影響を受け、各社とも完成工事総利益(粗利)率を大きく落とした。業績を大幅に下方修正した大林組を除き、影響はおおむね期初の予想の範囲内に収まっているものの、今後は受注段磨で資材価格の動向を見極めつつ、原価低減や生産性向上を進めるといった慎重なハンドリングが求められている。」(『建設通信新聞』2021.11.10)
●「国土交通省は12日、2021年度上期(4-9月)の建設工事受注動態統計調査報告を公表した。受注高は前年同期比8.0%増の54兆0832億円。前年同期に新型コロナウイルス感染症の影響を受けて大幅に減少した製造業や運輸業など民間から受注が復調し、全体の受注額を押し上げた。一方、前年に民間受注の下落を下支えした公共からの受注は微減となった。受注高の内訳は、元請受注高が8.5%増の34兆9682億円、下請受注高が7.2%増の19兆1150億円。元請受注高のうち、公共機関からの受注は2.2%減の10兆8142億円、民間などからの受注は14.0%増の24兆1539億円だった。」(『建設通信新聞』2021.11.15)

まちづくり・住宅・不動産・環境

●「国土交通省は10月29日、2021年度上期(4-9月)の建築着工統計調査報告を発表した。新設住宅着工戸数は前年同期比7.6%増の44万5674戸となった。直近10年間の同期間で比較すると、上から7番目の水準と高くはないが、新型コロナウイルス感染症の影響が直撃した前年同期からの反動増が見て取れる結果となった。利用関係別でみると、持家が13.3%増の14万8745戸、貸家が8.6%増の16万9918戸、分譲住宅が0.9%増の12万4057戸。分譲住宅のうち、マンションは11.3%減の5万1580戸、一戸建ては11.8%増の7万1576戸となっている。マンションは前年の大規模物件の反動減などを理由に直近10年間で最低の水準を記録。一戸建ては販売の好調を受けて昨年末から土地の仕入れを増やしていたことが、上期の着工増につながった。」(『建設通信新聞』2021.11.01)
●「国土交通省は木造建築物の普及拡大に向けた制度改正の方向性をまとめた。中大規模木造は防火性能の確保を前提に、設計の自由度を高める新たな設計手法を導入する考え。小規模木造には簡易な構造計算を認めるといった規制緩和措置を講じる方針だ。早ければ次期通常国会に建築物省エネ法と建築基準法の改正法案を提出する。社会資本整備審議会(社整審、国交相の諮問機関)に設けた建築分科会と建築環境部会、建築基準制度部会の合同会議を10月29日にウェブで開いて報告した。来年1月に新制度の在り方を国交相に答申する。」(『建設工業新聞』2021.11.02)
●「第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)は1日から首脳級会合を開き、本格的な討議に入った。温暖化ガス削減の国際枠組み『パリ協定』の達成へ2030年目標を実現する道筋を描けるかが焦点だ。地球の気温上昇を産業革命前より1.5度以内に抑える努力目標を実現するには、世界で10年比で温暖化ガスを45%削減する必要がある。しかし現状では16%増える。先進国と新興・途上国が対立を乗り越えて協調できるかが問われている。米バイデン大統領は首脳級会合で『この10年が決定的に重要になる』と演説した。議長国・英国のジョンソン英首相も『世界の破滅の日まであと1分しかない。すぐに行動せねばならない』と訴えた。背景には現状の温暖化ガスの排出削減の取り組みが力不足という危機感がある。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、気温上昇を2度未満にするには30年時点の温暖化ガス排出量を10年比25%減、1.5度以内に抑えるには45%減にする必要があると説明する。しかし、国連の分析では各国の現状の目標を足し合わせても30年時点で16%増となる。1.5度目標の達成は『ほど遠い』(条約事務局)。」(『日本経済新聞』2021.11.03)
●「新型コロナウイルス禍を背景にしたオフィス需要の停滞が一段と目立ってきた。日本経済新聞社が実施した2021年下期のオフィスビル賃貸料調査では、東京の新築・既存ビルの水準は横ばいか低下だった。企業業績の悪化の影響に加え、在宅勤務の定着に伴うオフィス見直しの機運も高まったためだ。賃料の下がり具合には地域ごとの濃淡も出てきた。オフィスビル賃貸料調査によると、21年下期の東京の既存ビル(築後1年以上)の賃料を示す指数(1985年2月=100)で、前年同期より4.56ポイント低い154.77。新築ビル(築後1年未満)は167.39と前年同期と横ばいだった。21年上期と比べると、既存も新築もともに低下した。」(『日本経済新聞』2021.11.04)
●「政府は、災害時に避難所の運営を担う専門知識を持った人材を育てるため、2022年度からボランティアの研修に試験的に取り組む。マンパワーに限界のある被災自治体に代わって避難所の居住性向止や衛生管理に当たり、災害関連死を防ぐ。修了した人をデータベースに登録し、被災地に派遣することも目指す。避難所は市町村が開設するが、職員は災害対応に追われ、十分な人手を充てるのは難しいのが現状だ。運営には、物資の円滑な配布やプライバシーの確保、高齢者の体調把握などノウハウが必要で、対応可能なボランティアも限られている。育成を目指す人材は、避難所に常駐して運営を支援する『リーダー』、複数の避難所を回って助言する『アドバイザー』、行政や福祉、医療の専門家と調整し課題を解決する『コーディネーター』の3類型。」(『日本経済新聞』2021.11.04)

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