情勢の特徴 - 2023年12月前半

経済・財政 行政・公共事業・民営化 労働・福祉 建設産業・経営 まちづくり・住宅・不動産・環境 その他

経済・財政

●「11月29日に成立した政府の2023年度補正予算のうち、国土交通省分の予算額の地方整備局や地方自治体などへの配分が公表された。配分額は事業費ベースで総額5兆9815億円。省エネ住宅購入を補助する『子育てエコホーム支援事業』の関係費を除いた額は1兆9178億円で、うち1兆5726億円を『防災・減災、国土強靭化の推進(国土強靭化緊急対応分を含む)』に充てる。配分額の内訳は直轄事業6885億円。補助事業1兆2293億円(子育てエコホーム支援事業関係を除く)となる。」(『建設工業新聞』2023.12.01)
●財務省が1日に発表した2023年7~9月期の法人企業統計によると、資本金10億円以上の大企業(金融・保険業を含む全産業)の内部留保は527.7兆円と過去最大を更新した。前年同期にくらべ22.3兆円(4.4%)の増加だった。第2次安倍晋三政権が発足した12年7~9月期からの伸び率をみると、内部留保は1.64倍と急拡大する一方、労働者1人あたりの賃金は1.12倍にとどまる。12年7~9月期から23年7~9月期に消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)は15.1%の上昇と賃金の上昇率を上回る。実質的には賃金が減少したことになる。役員報酬の賃金の上昇率を上回る1.33倍だった。(『しんぶん赤旗』2023.12.02より抜粋。)
●「内閣府が8日発表した7~9月期の国内総生産(GDP)改定値は物価変動の影響を除いた実質の季節調整値が前期比0.7%減、年換算で2.9%減だった。11月の速報値(前期比0.5%減、年率2.1%減)から下方修正した。個人消費などが弱含み、4四半期ぶりのマイナス成長となった。」(『日本経済新聞』2023.12.08)
●東京商工リサーチが8日発表した11月の企業倒産件数(負担額1000万円以上)は前年同月から38.9%増の807件で、20カ月続けて前年水準を上回った。物価高や人手不足の影響が深刻で、サービス業を中心に事業継続を断念するケースが目立った。(『しんぶん赤旗』2023.12.09より抜粋。)
●「複数の荷主の貨物を集めて運ぶ混載トラック(特積み)運賃の上昇が鈍い。主要路線である東京-大阪間の上昇率は1%にとどまる。燃料費の上昇や、運転手不足が懸念される『2024年問題』を踏まえ、運送会社は値上げを急ぐか、輸送需要の弱さが交渉のネックとなっている。特積みの東京-大阪間は12月中旬現在、100キログラム当たり2875円程度。運賃は2022年度に2%上昇し、2850円程度となった。23年度に入ってさらに1%上がったが、上昇の勢いは鈍っている。運送会社は22年以降、荷主との値上げ交渉を進めてきた。軽油の価格は原油高の影響で高止まりしている。コスト変動を運賃に反映する『サーチャージ制度』を導入していない荷主に、基本運賃の引き上げを求める必要があるためだ。24年4月には働き方改革関連法が運送業に適用され、運転手の時間外労働は年960時間に制限される。勤務時間短縮による給与減を理由とした離職を防いだり、新たな運転手を雇ったりするため、賃金水準の低さを改める必要がある。」(『日本経済新聞』2023.12.13)
●「自民・公明両党は14日、2024年度の与党税制改正大綱をまとめた。1人当たり4万円の所得税などの定額減税に加え、企業に賃上げを促す税制の強化や投資減税の創設などを盛り込んだ。少子化対策として子育て世帯や若い夫婦を税制面から支える内容とした。大綱には中長期を念頭に『法人税率の引き上げも視野に入れた検討が必要だ』と記した。個人や企業向けの負担軽減策の一方で財源を確保する重要性にも触れた。防衛力強化のための増税を始める時期については明示を見送った。所得税3万円と住民税1万円の定額減税は24年6月に実施する。所得制限を設け、年収2000万円超は除外した。減税は納税者本人に加えて配偶者を含めた扶養家族も対象とする。夫婦と子ども2人の4世帯なら計16万円の減税になる。企業の賃上げを後押しする税制では給与総額を前年度から7%以上増やした大企業向けの税優遇枠をつくる。3%前後で推移する物価上昇率を超える賃上げを促す。子育て支援などに積極的な企業に税額控除を上乗せする措置も設ける。中小企業も税優遇を受けやすくする。優遇を受けられる基準を満たす賃上げをしたものの、赤字で納税しない企業向けに『繰越控除措置』を新設する。税額控除分を5年間を限度に黒字になった決算期に持ち越して使えるようにする。」(『日本経済新聞』2023.12.15)

行政・公共事業・民営化

●「政府の2023年度補正予算が11月29日の参院本会議で成立したことを受け、国土交通省は総務省と連名で地方自治体に今後の公共工事の適正な入札・契約と円滑な事業執行を呼び掛ける文書を発出した。猛暑日なども考慮した適正な工期設定や、入札契約手続きや工事関係書類の簡素化・電子化など、24年4月に適用する時間外労働の罰則付き上限規制に対する発注側の対応として有効な取り組みに重点を置き要請した。」(『建設工業新聞』2023.12.01)
●「国土交通省は1日付で、下請け契約・下請け代金支払いの適正化や施工管理の徹底などを要請する文書を建設業団体に通知した。2024年4月から時間外労働の上限規制が建設業に適用されることを踏まえ。中央建設業審議会が作成・勧告した『工期に関する基準』を参照しながら、工程遅延のしわ寄せが後工程に生じないよう受注者が工程管理に努めることを新たに盛り込んだ。」(『建設通信新聞』2023.12.05)
●「国発注の公共工事で、着工後に人件費単価や物価の伸びを上回って増額する事例が頻発している。日本経済新聞の調べでは、計画から10年以上過ぎた工事382件のうち42%で計5.2兆円増えていた。国の計画が甘く、追加工事や工期延長が目立つ。増額に伴う変更契約は受発注者の交渉で決まり、外部からは見えにくい。増額のルールや検証の仕組みが必要だ。工事の発注は競争入札で決まるが、変更契約は事実上の随意契約で、値決めやコスト管理がずさんになりやすい。日経は2021年度時点で継続中のダムや道路などの工事について、計画当初と21年度の事業費が分かる資料を国土交通省から入手。計画から10年以上の大型案件を分析した。増額していたのは全体の77%にあたる294件で、増額幅は6.5兆円だった。382件全体の費用は当初計画比26%増の31.2兆円に膨らんでいた。このうち人件費単価や資材費の上昇の範囲に収まる増額は135件で、物価高要因の増額はやむを得ないと考えられている。問題は物価高を超えた増額の多さだ。調査では159件に上り、当初計画の2倍以上に増えた工事も30件あった。背景には国の見通しの甘さがある。」(『日本経済新聞』2023.12.06)
●「国土交通省の調査によると、公共工事の予定価格の積算時に使用する資材単価を最新の物価資料に基づき毎月更新している都道府県が1日時点で44団体となった。建設資材の価格高騰が顕在化し始めた1年半前胃から29団体増加。国交省の働き掛けや地元業界の要望も受ける形で、実勢価格を踏まえた単価更新への意識が自治体レベルで広く浸透したと言えそうだ。」(『建設工業新聞』2023.12.07)
●「国土交通省は2024年6月1日から建設発生土の処理経路の確認を元請業者に義務付けるのを前に、仮置き場となるストックヤードの運営事業者の国への登録を一層促進する。同省は全国に1000カ所以上のストックヤードが存在すると見込んでいるが、12月1日時点の登録数は218事業者の計322カ所に過ぎない。元請には登録ストックヤードの利用で最終搬出先までの確認を不要とするインセンティブを用意。業務負担が軽減するとして、建設会社を通じた登録制度の積極的な周知を呼び掛ける。」(『建設工業新聞』2023.12.08)
●「国土交通省は12日、2022年度の直轄工事等契約関係資料を公表した。本省や地方整備局など全発注機関を集計対象とした直轄工事全体の契約実績は、件数が前年同比7.8%減の1万2453件、金額が0.8%減の2兆0392億円だった。件数、金額ともに2年連続で減少している。平均落札率は0.47ポイント上昇の93.0%だった。建設コンサルタント関係業務等は、件数、金額ともに減り、右肩上がりだった金額が7年ぶりに減少へ転じている。」(『建設通信新聞』2023.12.13)
●「国土交通省直轄工事の2022年度スライド条項適用状況(確定値)が明らかになった。スライド変更契約を22年度に締結した件数は直轄工事全体で939件(増額スライド937件、減額スライド2件)、スライド額の合計はプラス67億円だった。急激な資材価格の高騰によって受注者から変更請求が多数あり、件数は前年度比4.2倍、スライド額は2.2倍の大幅増となった。件数の8割近くを8地方整備局(港湾空港関係を除く)が占める。国交省が12日に公表した22年度直轄工事等契約関係資料で判明した。8月に明らかになっていた速報値から20件増えている。スライド変更契約を締結した939件は、直轄工事全体の22年度契約件数1万2453件の7.5%に当たる。件数とスライド額のスライド条項種別内訳は、全体が33件(2.2倍)でプラス3億円(4.4倍)、単品が280件(10.0倍)のプラス19億円(8.9倍)、インフレが626件(3.5倍)のプラス45億円(1.6倍)。減額スライドの2件はどちらも単品スライドの適用で、スライド額の合計はマイナス1億円未満となっている。」(『建設通信新聞』2023.12.13)

労働・福祉

●「建設政策研究所(松丸和夫理事長)は2日、『公契約条例の現状と課題を考える』と題したシンポジウムを東京都内で開いた。公契約条例の適用によって重層下請構造が解消されたなど成果を報告。一方、正確な職種確認などが課題に上がった。コーディネーターの長谷部康幸氏(全建総連賃金対策部、元千代田区公契約審議会委員)は公契約条例が現在、全国85自治体(賃金条項型29、理念型56)に広がっていると紹介。東京都多摩市の小学校改修など条例対象工事の施工体制確認の結果を例示し『建築、土木を問わず大半の工事が2次下請までにとどまっており、重層下請の解消につながっている。現場労働者の最低賃金を定めた効果が現れている』と分析した。御﨑誠人東京土建一般労働組合専従常任執行委員は今後の課題として『現状の運用は多くの作業員が設計労務単価が設定されている51職種のうち2番目に単価が低い「軽作業員」と位置付けられてしまう傾向にある。建設キャリアアップシステム(CCUS)と連動し、正確な職種実態を反映させていくことが必要』と指摘した。北海道で公契約条例制定運動に関わる川村雅則北海学園大学教授は『建設工事だけでなく、清掃業務や指定管理者制度などに視野を広げ、地域経済の底上げ効果をアピールしていきたい』と述べた。」(『建設工業新聞』2023.12.05)
●「建設政策研究所(理事長・松丸和夫中央大学教授)は2日、東京都新宿区のけんせつプラザ東京で通常総会を開き、2024年度活動方針などを決めた。役員改選では松丸理事長を再選した。松丸理事長は『公契約条例の制定が広がっている。条例制定の効果を検証することが求められている。研究所への期待に応え積極的に事業を進めていきたい』とあいさつした。」(『建設工業新聞』2023.12.05)
●「厚生労働省が11月28日にまとめた2023年の『賃金引き上げなどの実態に関する調査』結果によると、建設業は、常用労働者1人当たり平均賃金の改定額(引き上げ額、見込みを含む)が1万2752円のアップで、改定率(伸び率)は前年比3.8%の伸びとなった。改定率は前年を1.5ポイント上回っている。主要15業種の中で改定額は3番目位に高く、改定率は『鉱業、採石業、砂利採取業』『情報通信業』『宿泊業、飲食サービス業』に次ぐ4番目だった。全産業平均の改定額は9437円の引き上げで、改定率は前年を1.3ポイント上回る3.2%増だった。コロナ禍からの経済回復が押し上げの要因となった。引き上げ額(改定額)、改定率のいずれも、比較可能な1999年以降で最大の伸びとなった。『医療、福祉』を除く14業種で、賃上げの改定率が前年を上回っている。」(『建設通信新聞』2023.12.06)
●「技能実習に代わる外国人受け入れの新制度『育成就労』について、建設産業専門団体連合会(建専連、岩田正吾会長)と日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)が5日に開かれた自民党の外国人労働者等特別委員会でヒアリングを受け、おおむね賛同する意見を表明した。担い手不足が深刻化する中で人材確保を明確に打ち出し、キャリアパスを描けるような新制度の創設を両団体ともに評価。一方、新制度で容認する本人意向の転籍では、企業の先行投資分の負担の仕組みの明確化などを要望した。」(『建設工業新聞』2023.12.06)
●「厚生労働省は13日、『個人事業者等に対する安全衛生対策のあり方に関する検討会』の報告書を基に、『個人事業者等の健康管理に関するガイドライン』(仮称)策定に向けた基本的な考え方(骨子)をまとめた。ガイドラインには、建設業での一人親方など個人事業者が健康に働けるよう個人事業者自身の取り組み、個人事業者に仕事を注文する注文者や仕事を管理する者の取り組みと配慮事項などを示す。今後、ガイドライン案を作成し、一般意見を募った上で、2024年3月中の策定を目指す。」(『建設通信新聞』2023.12.14)
●「建設政策研究所(理事長・松丸和夫中央大学教授)らが主催する第29回『全国建設研究・交流集会』が10、11両日、福島県いわき市で開かれた。『中小事業者の課題解決に向けて』をテーマに分科会も開催。10月に導入された『適格請求書等保存方式(インボイス制度)』への対応や、働き方改革について意見交換した。会員の約3割を中小建設事業者が占める全国商工団体連合会(全商連)の牧伸人常任理事は『中小事業者の運動により2026年9月までの経過措置として「2割特例」「8割控除」が導入されたが、建設事業者の周知度がまだ低いのが現状だ。取引先との交渉に活用してほしい。インボイス制度は優越的地位の濫用の恐れなど問題が多く、国会議員による「インボイス問題検討・超党派議員連盟」も設けられた。動向を注視している』と報告した。…特定社会保険労務士の松浦洋一郎氏は『人事労務関係書類の整備が厚生労働省の「人材開発支援助成金」を受給する条件にもなっている』と指摘。中小建設事業者が36協定の締結や人事労務管理の適正化を積極的に進めることが、人材確保に不可欠と強調した。」(『建設工業新聞』2023.12.14)

建設産業・経営

●「大成建設は11月30日付で、首都圏を中心に建築を手掛ける佐藤秀(東京都新宿区、村野忠男社長)の全株式を取得し、完全子会社化した。同社は高級住宅や伝統建築、斬新なデザイナーズマンション、オフィスビルなどを手掛け、高い技術力に定評がある。両社の営業基盤・経営資源を活用してシナジーを最大化し、企業価値のさらなる向上を図る。」(『建設通信新聞』2023.12.04)
●「低価格戸建て分譲を手がける『パワービルダー』各社の在庫効率が悪化している。オープンハウスグループの2023年9月期の棚卸し資産回転日数は約190日と需要が活況だった21年9月期から約40日延び、過去5年間で最長となった。住宅価格上昇や金利高で消費者が購入に慎重になり、販売が振るわない。採算悪化の懸念から株価も低迷している。国土交通省によると、10月の分譲戸建ての新設着工戸数は前年比8.8%減の1万1368戸と12カ月連続で前年を下回った。値ごろ感から中間層の需要を取り込んできたが、失速が鮮明だ。リモートワーク需要の一服も影響しているようだ。…販売の伸び悩みから、パワービルダー各社は在庫を抱えてから売るまでの時間が長くなっている。3月期企業の飯田グループホールディングスとケイアイスター不動産を9月期に換算し、9月期企業のオープンHとともに棚卸し資産回転日数を算出したところ、23年9月期は3社とも長くなった。オープンHが前の期比約2日増の約190日、飯田GHDが約34日増の約201日、ケイアイ不が約20日増の約220日だった。」(『日本経済新聞』2023.12.07)
●「民間の建設工事費用が上昇している。建設物価調査会(東京・中央)が11日発表した東京地区の11月の建築費指数(工事原価)は、マンションやオフィスビルなど主要4分野すべてで最高を更新した。生コンクリートなど資材価格の上昇は一服感が出ているものの、人手不足を背景に工事現場での労働コストの増加に歯止めがかからない。同調査会は建屋の組み立てや、電気や空調など設備の導入、現場作業員の人件費などすべての工事費用を指数化した建築費指数(工事原価)を毎月算出し、公表している。11月の東京地区の建築費指数(速報値、2015年=100)はマンション(鉄筋コンクリート造)が前月比0.2%高い126.3と4カ月連続で最高を更新した。オフィスビル(鉄骨造)は0.5%高い128.5、工場(同)は0.6%高い128.2、住宅(木造)は0.2%高い133.2とそれぞれ最高値だった。マンション、オフィスビル、工場はいずれも前年同月比5%前後上昇している。住宅(木造)が2.6%高だった。」(『日本経済新聞』2023.12.12)
●「東洋建設は14日、大株主である任天堂創業家の資産運用会社『ヤマウチ・ナンバーテン・ファミリー・オフィス(YFO)』から受けていたTOB(株式公開買い付け)提案に反対することを決めたと発表した。東洋建設は6月に開いた株主総会後にYFOが提案した取締役が過半を占めるようになっている。その状況で取締役会が大株主であるYFOの提案に反対するという異例の展開となった。」(『日本経済新聞』2023.12.15)
●「全国中小建設業協会(土志田領司会長)が新たに立ち上げた『人事採用・定着支援部会』が始動した。13日に東京都千代田区のKKRホテル東京で初会合を開き、若者をはじめとする担い手確保に向けた攻めの方策などに関する議論をスタートさせた。全中建が採用をメインテーマとする会議体を設置するのは初めて。開会に当たり、土志田会長は『特にここ最近は、担い手不足の危機感を肌で感じるようになった。新卒採用も難しくなってきている。建設業では来年4月から残業規制が始まり、本当に生き残れるか不安もあるが、逆に建設業が新3K(給与・休暇・希望)に変わっていく大きなチャンスである。部会はまずは手探りでも、皆さん育ててもらい、ここから建設業が永続的に発展していくための見本を発信できればうれしく思う』とあいさつした。同部会の上部組織に当たる建設業振興対策委員会の小野徹委員長(全中建副会長)は『当初は女性部会の設置を考えていたが、男女を問わず、若手の採用に一番苦労しているという点を踏まえ、この部会を立ち上げることにした』と経緯を説明。『これまでは担い手不足や時間外労働規制におびえ、どちらかというと守りの姿勢だったが、これからはもっとアクティブに、ポジティブに人材採用に取り組んでいきたい。全国で、われわれ建設業が雇用の中心を担っていることは紛れもない』と強調した。」(『建設通信新聞』2023.12.15)

まちづくり・住宅・不動産・環境

●「国内高級ホテルが訪日富裕層を狙って新規開業を増やす。客室の大半を外国人客で埋めることを想定する。パレスホテルはホテル数を2030年までに2.5倍にする。帝国ホテルは30年ぶりの新規ホテルを開く。政府は1人あたりの訪日旅行消費額の引き上げを目指すが、高級宿泊施設は不足している。高価格帯のホテルも訪日客を取り込むための投資に動く。」(『日本経済新聞』2023.12.04)
●「国土交通省は直轄河川の流下能力の向上に向けて、放水路といった河川の地下空間の活用策を検討する外部有識者会議の意見をまとめた。河川や都市、トンネルなど各分野の専門家からの提言を集約。地下河川の施工性を高めるための課題や、地下の活用方針を定める法定計画の必要性を示した。意見は省内の関係部署や各地方整備局で共有し、今後の治水施策の検討に役立てる。」(『建設工業新聞』2023.12.04)
●「消費者物価指数(CPI)上では横ばい傾向が続いた家賃に上昇圧力がかかっている。東京都区部の家賃は11月、約9年ぶりの高い水準となった。都市部を中心に賃貸住宅の需要が高まっているほか、資金も流入。簡単に上がらないとされていた家賃が動き始めた。『明らかに2~3年前と比べ上がっている』(東京都内の不動産仲介業担当者)。都区部の、一般的な賃貸住宅の家賃を示す『民営家賃』は11月に前年同月比で0.1%上がった。全国ベースでは横ばい傾向が続くが、都区部は上昇している。都市部の募集賃料をみるとその傾向は際立つ。不動産調査会社の東京カンテイ(東京・品川)によると、東京23区の分譲マンションの家賃は8月以降、前年同月比11~12%上昇した。上昇率は3カ月連続で2ケタ台をつけた。過去15年超遡ってもみられなかった大きさで、23年1~6月の平均(5%台)を大きく上回る。首都圏は10月で前年同月比8%、近畿圏では5%の上昇率だ。」(『日本経済新聞』2023.12.08)
●「斉藤鉄夫国土交通相は8日、リニア中央新幹線の事業主体であるJR東海の丹羽俊介社長に対し、国土交通省のリニア中央新幹線静岡工区有識者会議が7日にまとめた報告書に基づいて、同工区トンネル掘削工事の環境保全対策を適切に実施するよう要請した。今回の取りまとめにより、トンネル掘削工事の着手を認めていない静岡県が懸念を示していた『水資源』と『環境保全』の両議論が国側で終了したことになる。県の対応が注目される。丹羽社長が8日に国交省を訪れて面会した場で、斉藤国交相は『報告書を踏まえた対策にJR東海としてしっかり取り組むよう求める』と環境保全対策の適切な実施を要請し、『国交省としても、報告書に基づいた取り組みが行われているかを継続的に注視していく』と述べた。丹羽社長は『環境保全に関する課題の解決に向けて、静岡県、静岡市など関係の方々と双方向のコミュニケーションを図りつつ、環境保全措置、モニタリングなどに全力で取り組む』と返答した。」(『建設通信新聞』2023.12.11)
●「環境省は20日、福島第1原発事故に伴う帰還困難区域のうち、『特定帰還居住区域』で初弾の除染や家屋などの解体工事に着手する。対象は同区域の初弾として指定した福島県大熊、双葉両町の一部地域。同省は2020年代に意向を持つ住民が全員帰還できるように、今後も同区域の除染など避難指示の解除に向けた準備を着実に進める方針だ。8日の閣議後会見で伊藤信太郎環境相が明らかにした。伊藤環境相は『特定帰還居住区域での最初の取り組みである、福島の復興・再生のさらなる前進に向けた重要な一歩だ』と強調した。」(『建設工業新聞』2023.12.11)
●「不動産調査会社の東京カンテイ(東京・品川)がまとめた11月の小規模新築戸建て住宅の平均希望売り出し価格は、東京23区が1戸当たり7273万円だった。前月に比べ5.1%高く、2カ月ぶりに7000万円台に上昇した。一部で1億円を超える高額物件が売り出され、全体の平均を押し上げた。調査は敷地面積50平方メートル以上100平方メートル未満の新築木造一戸建て(土地含む)について、最寄り駅まで徒歩で30分以内またはバスで20分以内の物件を対象とした。首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)が0.6%高の5290万円だった。このうち、23区外も含めた東京都全体は4.0%高の6503万円、神奈川県は2.0%安の4623万円、埼玉県は0.8%安の4448万円、千葉県は0.6%安の4334万円だった。」(『日本経済新聞』2023.12.12)

その他