情勢の特徴 - 2023年12月後半

経済・財政 行政・公共事業・民営化 労働・福祉 建設産業・経営 まちづくり・住宅・不動産・環境 その他

経済・財政

●「一般ドライバーが有償で顧客を送迎する『ライドシェア』が2024年4月に条件付きで利用できるようになる。タクシー会社が運行を管理し、車両が足りていない地域や時間帯に絞って限定解禁する。都市部や観光地の供給不足を補うには不十分との見方が根強い。岸田文雄首相が20日のデジタル行財政改革会議で『全国各地で深刻となっている地域交通の課題を踏まえ、新たな運送サービスを24年4月から開始する』と表明した。タクシー配車アプリの対応車両が70%を超える都市部や観光地で運行を見込んでいる。運賃はタクシーと同じとし、需給に応じて料金が変動するダイナミックプライシング(変動価格制)は採用しない。配車アプリのマッチング率などのデータを基に都市部や観光地でタクシーが不足する地域や時間帯を割り出す。あらかじめ定める基準を超えれば運行を認める方向だ。都市部は朝の通勤時間帯や雨天、大型イベントの開催時などを想定する。観光地では観光客が多い時期を見込む。道路運送法により第2種運転免許を持たない人が有償で客を送迎することは原則できない。新たな制度は普通免許を持つ一般ドライバーが有償で乗客を運ぶ行為を限定的に認める。安全確保のためタクシー会社がドライバーへの教育や車両整備の管理、事故時の責任を負う。タクシー専用車両を一定台数以上保有していれば、一般ドライバーの自家用車を活用できる。」(『日本経済新聞』2023.12.21)
●「政府は21日に公表した2024年度の経済見通しで、バブル景気以来となる3年連続の2%超の物価上昇が続くと予測した。24年度のインフレ率は2.5%と見込んだ。日本経済は脱デフレに向かっているが、賃金上昇や需要面でなお弱さが残る。人手不足による供給制約も持続的な成長の障害になっている。『30年ぶりとなる高水準の賃上げや企業の高い投資意欲、高水準の株価など経済の潮目が明らかに変わってきている』。岸田文雄首相は21日の経済財政諮問会議でこう述べ、来年度に民需主導の経済成長を実現させる意欲を示した。世界的なインフレを起点に、消費者物価指数(CPI、総合ベース)は22年度に前年度比で3.2%上昇した。政府見通しでは23年度に3.0%、24年度も2.5%、それぞれ上昇する。この通り3年間、2%を超す上昇が続けば1989~91年度以来となる。…首相の発言通り内需主導の経済成長が実現すれば、政府がデフレ脱却宣言に踏み切り、日銀もマイナス金利解除など金融政策の方向を大きく転換する可能性がある。ただ現状ではデフレ脱却宣言には踏み込んでいない。デフレ脱却の定義である『物価が持続的に下落する状況を脱し、再びそうした状況に戻る見込みがない』状況が確認されていないからだ。脱デフレで重視する4つの経済指標をみると、CPIは日銀がインフレ目標に掲げる2%を超えて推移する。国内要因の総合的なインフレ動向を示すGDPデフレ一タ―も上昇しており、7~9月期は前年同期比プラス5.3%だった。ともに1995年以降でもっとも高い水準に達する。実体経済や賃金動向を示す指標はまだ力不足だ。平均的な供給力に対する需要をみた需給ギャップをみると、7~9月期の内閣府試算値はマイナス0.6%だった。新型コロナウイルス禍からの回復でマイナス幅は縮小しているが、なお需要不足にある。企業が一定のモノを作るのに必要な賃金をみる単位労働コスト(ユニット・レーバー・コスト)も7~9月期は前年同期比でマイナス0.1%と落ち込んだ。経済成長のスピードに比べ賃金の伸びは鈍い。いずれも、95年以降に経済や物価の環境が良い局面で、何度かプラスを記録したことがある指標だ。このため来春の賃上げ動向が脱デフレの第1の関門になる。同日の諮問会議で内閣府が発表した試算では、24年度の所得増加率は3.8%となり、インフレ率の2.5%を上回るとみる。ただ内訳を見ると経済対策に盛られた定額減税1.3%分の効果が大きい。大企業で大幅な賃上げ宣言が相次いでいるが、雇用の7割を支える中小企業の動向は不透明だ。日本商工会議所の調査では人件費の増加分を『4割以上価格転嫁できた』企業は3割にとどまる。2つめの関門は人手不足に伴う供給制約だ。12月の日銀短観では中小企業の非製造業で雇用人員判断DIが過去最大のマイナスとなった。特にインバウンド(訪日外国人)需要が見込まれる宿泊・飲食サービスや、運輸などで人手不足感が強い。回復する需要を取り込みきれていない可能性がある。」(『日本経済新聞』2023.12.22)
●「経済産業省は、発注側の大企業が下請けの中小企業と適正に取引する方針などを企業の代表者名で表明する『パートナーシップ構築宣言』の取り組み状況に関する調査結果をまとめた。価格協議については回答したほぼ全ての宣言企業が8割以上の下請け企業に応じていた。価格転嫁率に関しても昨年に続き大半の宣言企業で4割以上の価格転嫁を受け入れていた。」(『建設通信新聞』2023.12.22)
●「政府は22日、一般会計総額112兆717億円の2024年度予算案を決定した。23年度から予備費を4兆円減らしたが予算規模の縮小はおよそ2兆円どまりと実質的に増額で、抑制に踏み込めていない。固定費に近い社会保障と国債費は歳出の58%を占めて過去最大となり、成長分野に回す余地は狭まっている。歳入の不足を補うため34兆9490億円の国債を新たに発行する。当初予算段階での年度発行額としては3年連続で減る。歳入に占める割合は31.2%で、借金に頼る構造に変わりはない。一般会計の総額は23年度の114兆3812億円から2兆3100億円ほど減少する。前年度比でマイナスになるのは12年ぶりだが、過去2番目の規模で、2年連続で110兆円台となる。…医療や介護、年金にかかる社会保障費は37兆7193億円で、高齢化で2.3%の増加となった。国債の返済や利払いにあてる国債費は、想定金利を1.1%から1.9%に引き上げることなどにより7%増の27兆90億円を盛った。いずれも過去最高を更新した。双方の合計額は64.7兆円と、歳出に占める割合は57.8%と過去最も高くなった。」(『日本経済新聞』2023.12.23)
●「政府は22日、2024年度予算案を閣議決定した。一般会計は前年度比2.0%減のl12兆0717億円。12年ぶりに減少したが、過去最大だった23年度に次ぐ規模となった。公共事業関係費は0.04%増の6兆0828億円だった。24年1月開会の次期通常国会に提出し、23年度内の成立を目指す。…公共事業関係費の府省別は、国土交通省関係5兆2901億円、農林水産省関係6986億円、経済産業省関係22億円、環境省関係495億円、内閣府関係424億円。国交省関係と農水省関係はそれぞれ0.04%増、経産省関係、環境省関係、内閣府関係は横ばいだった。…公共事業関係費のうち、国土強靭化関係予算は4兆0330億円。7月に閣議決定した新たな国土強靭化基本計画に関連した事業の重点化によって1.6%増えた。国土強靭化に向け、ハード整備と、新技術による線状降水帯の予測などソフト対策を一体的に展開するとしている。」(『建設通信新聞』2023.12.25)
●「2023年の全国の企業倒産件数は約8500件と前年比3割強増え、8年ぶりの高い水準になりそうだ。新型コロナウイルス禍での金融支援が急拡大した反動が出た。倒産がコロナ前の『平時』に近づくなか、焦点は企業の資金繰り支援から新陳代謝を促す事業再生や生産性向上策に移る。東京商工リサーチによると、倒産(負債額1000万円以上)の直近ピークはリーマン危機時の08年で1万5646件。1990年からコロナ前の19年までは年平均1万3000件台だった。これまでは危機時の支援策が倒産件数の減少につながってきた。09年に金融機関に返済猶予や延長を求める『中小企業金融円滑化法』が成立。13年に失効したが、金融機関は柔軟な融資姿勢を維持して倒産を防いだ。コロナ禍の20年春に始まった実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)により、倒産はさらに減少した。21年は6030件と1964年以来の低水準となり、22年も6000件台だった。『平時と比べて年1500~2000件ほどの倒産が抑え込まれた」(東京商工リサーチ情報本部長の友田信男氏)ゼロゼロ融資は一定期間の元本の返済と利子の支払いを免除し、経営が行き詰まっていた企業も生き残れた。元本の据え置き期間を3年としていた企業が多い。今年7月には民間金融機関で同融資を利用した約5万社の猶予期間が終わった。…23年の企業倒産による負債総額は約2.5兆円と、前年比1割弱の増加にとどまる見通しだ。1件当たりの平均負債額は約3億円と、バブル経済崩壊後の1991年(約8億円)やリーマン危機の09年(4.5億円)と比べて中小規模の倒産が目立つ。『2024年間題』も重荷となる。4月から建設業と物流業を対象に時間外労働の上限規制が設けられる。ぎりぎりの人数で対応していた企業は行き詰まる恐れがある。一方、サービス業を中心に人手不足はなお深刻だ。倒産増が失業者の増加を招く悪循環には陥っていない。11月の完全失業率は前月と同水準の2.5%だった。雇用の受け皿は多く、1年以上の長期失業者は減少傾向にある。脱デフレへ経済が正常化するなか、今後は企業の新陳代謝をどう促すかが焦点になる。」(『日本経済新聞』2023.12.27)

行政・公共事業・民営化

●「建築設計・工事監理の契約時に報酬を算定するための指標となる『業務報酬基準』の改定案が、15日に国土交通省が開いた中央建築士審査会で同意を得た。これで改定に先立つ事前手続きをすべて終え、2024年1月の新基準の公布・施行がほぼ確実となった。同時に運用のガイドラインも公表する。報酬算定に用いる略算表の業務量を全部で21の建物類型のうち14類型で見直す。複雑な難易度を持つ建築物に対応するため難易度係数の掛け合わせを可能にするなど新たな仕組みも導入する。」(『建設工業新聞』2023.12.18)
●「国士交通省は、地方自治体向けの補助事業として、2024年度に上下水道一体効率化・基盤強化推進事業を創設する。厚生労働省の水道整備・管理行政が下水道を所管する国交省に24年4月から移管されることを機に、施設の老朽化や耐震化など共通課題を抱える上下水道の一体的な基盤強化を支援し、事業実施の効率化を図る。初年度の予算額には30億円を措置する。斉藤鉄夫国土交通相が19日、鈴木俊一財務相と折衝し、同事業の創設が認められた。政府が近く閣議決定する24年度予算案に新規計上する。具体的な補助対象事業は、▽上下水道一体での効率的な事業実施に向けた計画策定支援▽上下水道一体でのウォーターPPP(官民連携)の取り組み推進▽新技術の活用による上下水道一体の業務効率化推進――の三つ。耐震化事業など水道と下水道の一体的な計画策定を支援することで、地方自治体は一括施工が可能になり、事業実施の効率化が期待できる。ウォーターPPPでは、維持管理・更新を上下水道一体でマネジメントする取り組みをサポートする。ポンプ設備にIoT(モノのインターネット)のセンサーを設置して一括での維持管理を実施するなど、新技術の活用も後押しする。」(『建設通信新聞』2023.12.20)
●「政府がインフラの維持管理の取り組み状況や課題を把握するため、個別の施設管理者に対して行った調査によると、維持管理の予算や体制が不足していると回答した割合は約8割に上り、インフラメンテナンスを進める上で2点が大きな課題となっていることが改めて浮き彫りとなった。効率化に向けた複数・広域・多分野での維持管理については、コスト削減効果やメリットの明確化を求める声も多いため、各管理者に対する丁寧な説明が必要になるとしている。」(『建設通信新聞』2023.12.21)
●「国土交通省は2022年度に直轄工事で適用したスライド条項の実績をまとめた。スライド条項の種類別に見ると、適用件数とスライド額の合計(減額スライドを含む)は、全体スライド33件・2億6349万円(21年度15件・6027万円)、単品スライド280件・19億2225万円(28件・2億1702万円)、インフレスライド626件・45億2829万円(178件・27億7307万円)だった。」(『建設工業新聞』2023.12.21)
●「国土交通省と総務省は26日、入札契約適正化法(入契法)などに基づく2023年度入契調査の結果を発表した。工期設定に当たって公共工事従事者の休日を考慮している発注者の割合は、国、特殊法人等、都道府県、政令市が100%になった一方で、市区町村が6割弱にとどまり、市区町村の対応遅れが鮮明になった。一部の市区町村は24年4月から建設業に時間外労働の上限規制が適用されることを知らなかった。」(『建設通信新聞』2023.12.27)

労働・福祉

●「厚生労働省は2022年度にアスベスト(石綿)による労災認定受けた労働者が所属していた1133事業場を公表した。うち新規公表は860事業場。全体の過半に当たる725事業場(新規公表649事業場)を建設業が占めた。今回公表した建設業の認定状況を業種別に見ると、『建築事業』が519事業場で最も多かった。次いで『既設建築物設備工事業』150事業場、『機械装置の組み立てまたは据え付けの事業』が18事業場、『その他の建設事業』が38事業場となった。建設業を含めた労災保険の特別加入制度の対象となる一人親方の石綿ばく露による労災は78事業場で認定された。」(『建設工業新聞』2023.12.18)
●「国土交通省は25日、『安全衛生対策項目の確認表及び標準見積書に関するワーキンググループ(WG)』の第5回会合を開き、請負代金の内訳として安全衛生経費を明示するための標準見積書について、日本型枠工事業協会と日本左官業組合連合会がまとめた案を示した。WGが標準見積書の検討に当たって先行工種に位置付けている型枠と左官で、異なる安全衛生経費積算方法を採用している。」(『建設通信新聞』2023.12.26)
●「日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)は会員企業の現場を対象に、週休2日の取り組み状況をまとめた。2023年度上半期実績によると、1万3236現場のうち4週8閉所以上を達成したのは49.4%となり、前年同期に比べ4.2ポイント上昇した。23年度に初めて『4週8閉所推進の活動強化期間』と位置付けた7~9月の実績も確認したところ、上半期全体の実績をさらに3.7ポイント上回る53.1%だった。調査は週休2日実現行動計画のフォローアップの一環で、104社が回答した。各現場の閉所状況を『4週5閉所未満』から『4週8閉所以上』までの五つに分類した。工種別の現場数は土木が6773現場、建築が6463現場。土木の現場では4週8閉所以上が前年同期に比べ5.4ポイント高い62.6%となり、上半期として18年度の調査開始から初めて6割を超えた。夏季の活動強化期間実績は上半期実績から4.0ポイント高い66.6%。国土交通省の直轄工事を中心に発注者の理解や施策が進んでいると見ている。建築は4週8閉所以上が35.6%となり、前年同期比で1.3ポイントの増加。夏季の活動強化期間実績も上半期実績から4.0ポイント高い39.6%にとどまるなど、民間発注者が大部分を占める建築工事では現場閉所が思うように進んでいないのが実情だ。」(『建設工業新聞』2023.12.26)

建設産業・経営

●「任天堂創業家の資産運用会社『ヤマウチ・ナンバーテン・ファミリー・オフィス(YFO)』は20日、東洋建設に対するTOB(株式公開買い付け)提案を取り下げると発表した。2022年5月に買収する方針を明らかにしてから交渉を続けていたが、TOBの前提としていた会社側の同意を得られなかった。1年半の対立に幕を下ろすことになる。」(『日本経済新聞』2023.12.21)
●「鹿島は自社や複数の下請け工事会社が現場に持ち込む建材・資材を共同で運ぶ取り組みを始める。ヤマトホールディングス(HD)子会社と組み、運送会社と下請け会社の仲介システムを導入し、混載しやすくする。工事現場に出入りするトラックを1割減らす。時間外労働の上限規制適用で運転手不足が懸念される『物流の2024年問題』に対応する。ヤマトHD子会社のヤマトシステム開発(東京・江東)とシステムを共同開発した。運送会社にトラックの空き情報を登録してもらい、下請け会社が混載可能なトラックを見つけやすくする。システムにチャット機能をつけ、運送会社と下請け会社間で詳細を詰めやすいようにする。鉄筋施工会社が鉄筋を運ぶトラックに、コンクリート施工会社の型枠パネルも積むといった使われ方を想定する。運送会社にとってはトラックの積載量が増え、トラック1台あたりの収益も上がる。12月に神奈川県内の工事現場で運用を開始した。鹿島がシステムの費用を負担し、2024年以降に全国の現場に順次広げる。今後マッチングシステムの自動化にも取り組み、将来的には他の建設会社へのシステム提供も目指す。」(『日本経済新聞』2023.12.25)

まちづくり・住宅・不動産・環境

●「政府は18日、総合的な防衛力の強化に向けた関係閣僚会議を持ち回りで開催し、有事に備えて自衛隊などが利用できるよう必要な整備を行う空港・港湾の具体箇所を示す『運用・整備方針』を2023年度末をめどに策定することを決めた。民生と軍事の両用化を図る『特定利用空港・港湾』は、自衛隊や海上保安庁の艦船・航空機が有事、平時とも円滑に利用できるよう空港の滑走路延長やエプロン整備、港湾の岸壁・航路整備などを進める。南西諸島の空港・港湾を中心に選ぶ。特定利用空港・港湾の指定に当たっては、防衛省や国土交通省自衛隊とインフラ管理者との間で『円滑な利用に関する枠組み』を設ける。インフラ管理者には平時から訓練などで円滑に利用できるよう対応を求める。具体的な運用方法は関係者間で連絡・調整体制を構築し意見を交わす。運用・整備方針には円滑な利用に関する枠組みに関する調整が整った特定利用空港・港湾の具体名称を示すとともに、運用や整備の基本的な方針を示す。」(『建設通信新聞』2023.12.20)
●「政府は19日、2025年大阪・関西万博の会場建設費や『日本政府館』整備など、開催に直接関係する国費負担分1647億円を盛り込んだ万博費用の『全体像』を公表した。国や地元の大阪府・市、民間が負担する会場周辺のインフラ整備費なども明らかにした。万博費用を巡っては、会場建設費を2350億円に増額する見通しとなったことを受け、岸田文雄首相が先の臨時国会で『全体像を透明性を持って示す』と答弁していた。白見英子万博担当相が19日の閣議後記者会見で精査結果を説明した。また、齋藤健経済産業相は同日の閣議後記者会見で、国や日本国際博覧会協会の予算執行を厳格にチェックする有識者委員会の設置を発表した。万博に直接関係する国費のうち、最も多いのは会場建設費の783億円。大阪府・市、経済界も同額ずつ負担し、総額2350億円を賄う。このほかの国費は、日本館建設360億円、途上国出展支援など240億円、会場内安全確保199億円、機運醸成費用38億円。機運醸成費用は、今後の状況によって国費を投入する可能性がある。」(『建設通信新聞』2023.12.20)
●「政府の中央防災会議(会長・岸田文雄首相)は、首都直下地震の防災対策を検討する下部組織のワーキンググループ(WG)を立ち上げる。2015年3月策定の『首都直下地震緊急対策推進基本計画』と政府業務継続計画の見直しに向け、防災対策の進捗(しんちょく)確認や被害想定の見直し、新たな防災対策の検討を行う。24年12月までに検討成果をまとめる予定。中央防災会議が防災対策実行会議を持ち回りで19日に開催し、WGの設置を決定した。」(『建設工業新聞』2023.12.20)
●「沖縄県の米軍普天間基地(宜野湾市)の名護市辺野古への移設問題で、政府が県に代わり設計変更を承認する『代執行』に踏み切った。地盤の改良工事が可能となり、2030年代半ば以降の完成に向けて動き出す。新たに埋め立てる海域は地盤が軟弱で、予定通り進むかは予断を許さない。国土交通省は28日、防衛省沖縄防衛局に設計変更の申請を承認する書類を交付した。福岡高裁那覇支部が20日の判決で、県に25日までに承認するよう命令。県側が拒否したため、地方自治法に基づき初めて代執行した。」(『日本経済新聞』2023.12.29)

その他