情勢の特徴 - 2024年5月後半

経済・財政 行政・公共事業・民営化 労働・福祉 建設産業・経営 まちづくり・住宅・不動産・環境 その他

経済・財政

●道路貨物運送業の倒産が急増している。民間信用調査会社、東京商工リサーチのまとめでは、4月は30件と前年同月(14件)の2倍超となり、2カ月連続で前年同月を上回った。1~4月の累計では116件と前年同期(83件)より4割近い増加。同期間では14年(108件)以来、10年ぶりに100件台に乗せ、11年以降の最多を更新した。このうち、『後継者難』倒産が10件と前年(3件)の3倍以上に増えた。代表者やドライバーの高齢化が進み、後継者の育成がままならない企業が増加している。また「2024年問題」を背景に、人件費高騰による倒産も5件発生した。燃料費の高騰による「物価高」関連倒産は52件と前年(25件)の2倍のペースで増加した。燃料費をはじめ、あらゆるコストの上昇が運送業者の収益を圧迫している。(『しんぶん赤旗』2024.05.16より抜粋。)
●「景気回復の足取りが鈍い。内閣府が16日発表した1~3月期の国内総生産速報値は、物価変動の影響を除いた実質が前期比で年率換算2.0%減と2四半期ぶりのマイナスになった。自動車の生産停止の影響で設備投資や輸出が減少した。GDPの半分以上を占める個人消費は前期比0.7%減で4四半期連続のマイナスだった。4期連続の減少はリーマン危機に見舞われた2009年1~3月期以来で、さかのぼれる範囲で減少期間として最も長い。…円安や原油高を背景とした物価上昇に賃金の伸びが追いついていない。国内の総合的な物価動向を示すGDPデフレーター前年同期比で3.6%上昇と6四半期適続でプラスだったが、収入の動きを示す雇用者報酬は実質で前期比0.4%減だった。消費に次ぐ民需の柱である設備投資は前期比0.8%減だった。減少は2四半期ぶりとなる。普通乗用車やトラックへの投資が落ち込んだ。人手不足による建設工事や生産の目詰まりも解消されていない。民間の非居住用建築の出来高は2月まで5カ月連続で前年同月割れだ。企業が発注した生産設備などの機械類のうち出荷や受け渡しに至っていない受注残高が2月末で37兆円と過去最高に積み上がる。民間住宅は2.5%減で、住宅メーカーは資材高や人手不足による建築費の高騰で着工件数が減っていると指摘する。内需は民間部門が総崩れで、プラスだったのは公共投資(3.1%増)や政府最終消費(0.2%増)など政府部門だった。外需も弱い。輸出は5.0%減と四半期ぶりに減少。ここも自動車不正が影響した。稼ぎ頭となっている自動車に左右されやすい日本経済の現状を映す。」(『日本経済新聞』2024.05.17)
●「財政制度等審議会(財務大臣の諮問機関)は21日、2025年度予算の概算要求を念頭に、財政運営の進むべき方向に関する基本的な考え方を建議としてまとめ、鈴木俊一財務相に手交した。社会資本整備に関しては、進展している人口減少の動態を見据え、地域の多様性・独自性を踏まえながら、将来世代にも受益が及ぶ事業を一層重点化する必要性を示した。50年には8割の地域で人口が30%以上減り、約2割の地域では無居住化するとの推計に触れ、将来世代の受益を踏まえた社会資本整備を求めたほか、コンパクトなまちづくりを前提とした整備が人口減少社会では必須とし、コンパクト化に向けたインセンティブ(動機付け)や規制的手法などの工夫による居住誘導を求めた。マクロな視点から省庁横断的に、人口減少下での国土のグランドデザインを具体的に描くことを検討すべきとも主張した。」(『建設通信新聞』2024.05.22)
●「公正取引委員会は大企業による下請けいじめの規制を強化する。円安や原材料の高騰などで物価上昇が続くのを踏まえ、価格の据え置きを強いる行為が下請法上の実質的な『買いたたき』にあたると明記する方向で法改正を検討する。現在の下請法では一方的な値下げを取り締まると規定している。公取委は2022年の運用基準で、価格交渉をせず取引価格を据え置く場合の買いたたきの定義を示した。さらに規制を明確化するため、25年にも下請法を改正して条文への明記を検討する。近く自民党の中小企業・小規模事業者政策調査会などが提言をまとめる。公取委は提言を踏まえて中小企業の関係者らと話し合う会合を設ける。」(『日本経済新聞』2024.05.23)
●全商連付属・中小商工業研究所は4月25日、2024年上期(3月)営業動向調査の結果を公表した。消費税インボイス(適格請求書)制度が昨年10月に実施されたことを受け、今期から消費税に関する調査項目を一新。インボイス実施後、初の調査でもあり、消費税の納税義務の有無や、インボイスの登録状況と影響なども聞いた。年間売上高1千万円超のインボイス発行事業者(課税業者)の51.1%が「経理や記帳など実務が増えた」と答えた。同1千万円以下のインボイス発行事業者(課税業者)の45.1%が「消費税を納税できるか心配になった」と回答。免税事業者の7.5%が「廃業を考えざるを得ない」としている。免税事業者で「課税業者との取引で影響があった」(20.8%)を選んだ業者に、どのような影響があったか聞いたところ、インボイスの未登録を理由として、「課税業者が一方的に値引き・単価を引き下げてきた」(29.7%)、「課税業者が一方的に発注を減らしてきた」(8.1%)、「牒税業者が一方的に取引を停止してきた」(10.8%)、「課税業者が、価格引き下げや取引停止などを引き合いにインボイス登録をするよう一方的に通告をしてきた」(13.5%)など、インボイス制度が独占禁止法に抵触しかねない行為を招いている実態が明らかになった。(『全国商工新聞』2024.05.27より抜粋。)
●「政府による新型コロナウイルス禍の手厚い中小企業の支援策が6月に終わるのを控え、実際の資金繰りが平時に戻りつつある。借金返済を信用保証協会が肩代わりする代位弁済は45%増え、全体に占める割合はコロナ禍前の水準に近づいている。倒産予備軍の多さを示す先行指標で、新陳代謝が進む可能性がある。」(『日本経済新聞』2024.05.28)
●「公正取引委員会は28日、2023年度の独占禁止法違反の処理状況を発表した。優越的地位の乱用に該当する恐れがある行為への注意は前年度此12件増の67件で、09年度以降最多となった。公取委は『インボイス(適格請求書)制度の実施に関連した行為が多く見られた』としている。」(『日本経済新聞』2024.05.29)

行政・公共事業・民営化

●「17日に衆院国土交通委員会で行われた建設業法・入札契約適正化法(入契法)改正案の審議は、価格転嫁協議の円滑化を目的とした請負契約の新ルールに関しても、質問が上がった。国土交通省は、請負契約締結前の注文者への通知を受注者に義務付ける資材価格高騰のリスク情報について、受注者が把握している範囲内の情報を対象とする方向とし、必要な通知方法を施行までに整備するガイドラインで定める方針を示した。」(『建設通信新聞』2024.05.20)
●「衆院国土交通委員会が22日に開かれ、政府提出の建設業法・入札契約適正化法(入契法)改正案に関する野党の質疑が行われた。公共工事標準請負契約約款で定める公共工事の請負代金額変更方法が、取引事業者全体のパートナーシップ構築を目指す建設業法改正案の趣旨に合っていないとの指摘を受け、斉藤鉄夫国土交通相は公共工事標準請負契約約款の見直しを検討する姿勢を示した。改正案の採決も行われ、全会一致で原案どおり可決した。衆院本会議で今後審議される。」(『建設通信新聞』2024.05.23)
●「公共工事品質確保促進法(品確法)・入札契約適正化法(入契法)・測量法の改正案が、22日の衆院国士交通委員会に議員立法として提出され、国交委の提出法案とすることが全会一致で決まった。衆院本会議で今後審議される。担い手の休日・賃金確保や地域建設業の維持などに主眼を置いた内容で、政府提出法案として国会で審議されている建設業法・入契法改正案との同時成立を目指す。…3法改正案の柱は、▽担い手確保のための働き方改革・処遇改善▽地域建設業などの維持に向けた環境整備▽新技術の活用などによる生産性向上▽公共工事の発注体制強化――の四つ。」(『建設通信新聞』2024.05.23)
●「国土交通省は建築関係のさまざまな行政事続きをトータルでデジタル化する枠組みを年度内につくる。建築士事務所登録の電子申請受け付けシステムは1月以降、都道府県単位で導入可否を判断する形で運用を順次開始している。建築確認の電子申請受け付けシステムと、一般公開用の建築士・建築士事務所のウェブ閲覧システムは2025年4月に運用を開始する予定だ。まずはベースとなるシステムを一通りそろえ、さらなる機能の拡張や関連手続きとのデータ連携を引き続き進める。」(『建設工業新聞』2024.05.29)
●「国土交通省は、資源有効利用促進法の改正省令が完全施行になる6月1日を前に、盛土規制法の施行に併せて創設したストックヤード運営事業者登録制度の登録状況を29日時点でまとめた。登録済みは878カ所で、香川県を除く46都道府県に1カ所以上存在している。6月1日以降に請負契約を結び、資源有効利用促進法に基づく再生資源利用促進計画・再生資源利用計画を作成する建設工事の元請けは、現場から運び出した建設発生土の最終搬出先までを自ら確認する義務を負うが、例外として現場から登録ストックヤードに搬出する場合は確認不要になる。」(『建設通信新聞』2024.05.31)

労働・福祉

●「建設業法と公共工事入札契約適正化法(入契法)の一括改正案で新たに導入する労務費の見積もり・契約規制について、国土交通省は『著しく低い労務費』に該当するかどうか判断する水準を明示せず運用する方針を示した。具体的な数値として明示されれば、価格交渉の場面で下限に張り付くような労務費の妥結を誘発する恐れがあるため。契約当事者の予見可能性を高める観点でも、違反行為の事例集を作成するなど一定の目安を設定する方向で今後検討する。」(『建設工業新聞』2024.05.20)
●「建設産業専門団体連合会(岩田正吾会長)は、正会員団体の所属企業を対象に2018年度から年1回実施している『働き方改革における週休2日制、専門工事業の適正な評価に関する調査』の23年度結果をまとめた。新規調査項目の『正社員の平均年間残業時間』は、建設業に4月から適用された時間外労働の上限親制の原則を超過する年360時間以上が技能者、技術者ともに1割を占めた。」(『建設通信新聞』2024.05.22)
●「厚生労働省が23日に公表した2023年度の毎月勤労統計調査(確報、従業員5人以上)によると、基本給と残業代などを合わせた現金給与総額(名目賃金)に物価の変動を反映させた実質賃金は、前年度比2.2%減となった。賃金の伸びを物価上昇が上回り、2年連続のマイナスとなった。落ち込み幅は、消費税増税の影響で物価が上昇した14年度の2.9%減以来、9年ぶりの大きさとなる。23年度の月間現金給与総額は、労働者1人当たりの平均で1.3%増の33万2533円だった。内訳は、基本給が中心の『所定内給与』が1.3%増、残業代を含む『所定外給与』が0.3%減。賞与など『特別に支払われた給与』は1.6%増だった。建設業の23年度の月間現金給与総額は、0.1%増の43万3106円だった。うち建設業の一般労働者は横ばいの45万1870円、パートタイム労働者が1.0%減の12万9116円。」(『建設通信新聞』2024.05.24)
●「建設キャリアアップシステム(CCUS)に登録し、能力評価も実施済みの技能者を抱える専門工事企業が7割になっていることが、建設産業専門団体連合会による正会員団体所属企業への調査で分かった。公共工事が主体の企業と民間工事を主体とする企業で、結果に大差はなかった。…『全員実施完了』が46.2%、『一部実施完了』が26.2%となり、この二つを合わせると72.4%の専門工事企業が能力評価を受けた技能者を抱えている。このほかは、『現在申請中』が2.2%、『実施していない』が22.5%、『未定、その他』が2.9%だった。」(『建設通信新聞』2024.05.27)
●「日本型枠工事業協会(日本型枠、三野輪賢二会長)は、型枠解体工を対象とした登録基幹技能者制度の創設に乗り出した。既に国土交通省などと調整を進め、『登録型枠解体基幹技能者制度制定委員会』の初会合を先月に実施。制度創設のロードマップ案によると、受講資格要件や講習カリキユラムを年内に決定し、来年9月の講習、同12月の能力評価の開始をそれぞれ予定している。」(『建設工業新聞』2024.05.27)
●「厚生労働省は27日、労働災害統計の死亡災害発生状況には含まれない建設業での『一人親方』の死亡者数が、2023年(1-12月)は前年比17人増の53人だったと明らかにした。労働者扱いとはならない中小事業主や役員、家族従事者も含めた『一人親方など』の23年死亡者数は8人増の80人だった。労働者災害補償保険特別の不明を含む未加入者の死亡者は、前年と比べ『一人親方など』で5人増の27人となった。未加入者でなくなった一人親方は、8人増の16人と前年から倍増した。ただ、災害報告が義務付けられていないため、未加入者の災害そのものが増えたのか、23年の災害発生状況が前年よりも多く都道府県労働局・労働基準監督署が把捏できたのかは不明だ。23年の一人親方の死亡者数53人を事故別に見ると、『墜落・転落』が全体の62.2%を占める33人と突出して多かった。ほかは『はさまれ・巻き込まれ』『崩壊・倒壊』『有害物などとの接触』で各3人が亡くなっている。…また、死亡者のうち 労働者災害補償保険特別加入者は37人、不明を含む未加入者が16人だった。加入者の元請・下請別は元請けが1人、下請けが25人、不明が11人。未加入者は元請けが6人、下請けが9人、不明が1人となっている。『自社』は加入者、未加入者ともゼロ人だった。」(『建設通信新聞』2024.05.28)
●「技能者としての高い能力や豊富な経験を持つ登録基幹技能者と職長への金銭的な処遇として、『賃金単価の増額』を実施する専門工事企業が増えていることが、建設産業専門団体連合会による正会員団体所属企業への調査で分かった。一方、金銭的処遇の一手段である『ボーナスの上乗せ』は登録基幹技能者、職長ともに回答割合が低下し、職長では『毎月の手当支給』も下がった。建専連は、これらの結果を『一時的な報酬から継続的な待遇への移行を示唆している可能性がある』と受け止めている。」(『建設通信新聞』2024.05.30)

建設産業・経営

●「大手・準大手ゼネコン26社の2024年3月期決算が15日までに出そろった。約9割の23社が連結売上高で前年同期を上回り、8社が過去最高となった。国内建設市場が活況であることに加え、建設単価の上昇が高水準の背景にある。本業のもうけを示す営業利益は、増益17社、減益9社だった。資機材価格の高騰の影響からは脱しつつあるものの、労務費の上昇や電気、空調など設備サブコンの確保といった課題が浮かび上がってきた。」(『建設通信新聞』2024.05.16)
●「国土交通省は、2023年度末時点の建設業許可業者数をまとめた。全国で47万9383者となり、前年度末に比べて0.9%増えた。2年ぶりに増えたが、2023年度は5年間の許可有効期間満了に伴って更新期を迎える業者数が少ない“谷”の年で、未更新によって許可を失効した業者の減少が許可業者数増加の主因と国交省はみる。新規に許可を取得した業者数は2年連続の低水準となっている。ピークだった1999年度末に比べると、許可業者数は20.2%減っている。」(『建設通信新聞』2024.05.16)
●「国土交通省など公共機関が発注する建築工事で、現場の実態と図面の乖離(かいり)といった設計図書の不備が受注者の負担となっている。日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)の調査によると、半数の現場で設計図書に不備があったことが分かった。4月から時間外労働の上限規制が適用されている中、設計図書の完成度が低いまま発注されると現場(受注者)の負担が増し、時間外労働の一因になりかねない。日建連は公共発注機関に対し、設計図書の適正化を求めていく。」(『建設工業新聞』2024.05.17)
●「スムーズな事業執行、施工現場での時間外労働抑制という観点からも取り組みが急がれる設計変更協議の円滑化。手続きに要する書類の削減・簡素化が急務となる中、本来発注者がつくるべき書類を多くの現場で受注者が肩代わりしている実態が、日本建設業連合会(宮本洋一会長)の会員調査から明らかになった。修正図面などの作成に当たり、発注者から指示があった現場は約3割で、受注者の意思によるものも3割近くあった。日建連は、書類作成における受発注者の役割分担の明確化などを強く訴える方針だ。」(『建設通信新聞』2024.05.21)
●「ビルの建て替え工事が先送りになるケースが相次いでいる。資材の価格指数が過去最高を記録し、人手不足も相まって建設事業者は採算性の高い工事に人手を優先して回している状況だ。足元の国内建設受注額は過去20年間で最高額だが、資材高と人手不足で今後は受注量の減少が見込まれる。旺盛な建設需要に応えられなければ、都市計画に影響が出る。」(『日本経済新聞』2024.05.23)
●「日本建設業連合会(宮本洋一会長)は、技術提案の検討や技術審査に要する受発注者双方の負担軽減を目的に、一括審査方式の活用拡大を国土交通省に要望する。また、近畿地方整備局が実施している入札期間中に配置予定技術者が拘束されない仕組みの他整備局への展開も求める。一括審査方式は、参加資格要件などを共通化できる複数工事の発注が同時期に予定される場合に、競争参加申込者からの技術資料の提出を一つのみとし、技術審査・評価をまとめて行う方式。工事の支出負担行為担当官や種別、等級区分、入開札日、技術提案テーマなどが同一といった一定の条件がそろう必要があるが、日建連会員クラスがターゲットとする規模の工事では、適用件数が頭打ちまたは減少傾向にあるという。」(『建設通信新聞』2024.05.23)
●「日本建設業連合会(宮本洋一会長)は、国土交通省に対し、より技術力を重視した総合評価方式への改善提案を行う。一部の地方整備局では、技術提案評価の複数社による同率1位が発生するなど、評価点に差が付かずに技術評価が形骸化していると指摘。その場合、調査基準価格を上回るわずかな入札価格の差によって落札決定されていることを踏まえ、段階的な価格評価点の導入などを働き掛ける。」(『建設通信新聞』2024.05.24)
●「課税事業者になっている専門工事企業の取引先に免税事業者がいる割合が、建設産業専門団体連合会が2023年10月のインボイス制度開始後に実施した調査で7割となり、制度(消費税の適格請求書等保存方式)開始前の22年度調査に比べて2割近く上昇した。取引先に課税事業者への転換を求めず、免税事業者のまま取引を続ける方針の課税事業者も増えている。同制度の買い手向け経過措置が背景にあるとみられる。23年度調査で、取引事業者数に対する免税事業者数の割合は、『8割以上』が13.7%、『5-7割程度』が5.5%、『2-4割程度』が12.9%、『1割以下』が36.7%だった。これらを合わせると、68.8%の課税事業者の取引先に免税事業者がいることになり、その割合は前年度に比べて16.8ポイント上昇した。」(『建設通信新聞』2024.05.24)
●「建設経済研究所は、全国的に業務展開している主要な建設会社40社の2024年3月期(23年度)決算を分析した結果をまとめた。受注高と売上高は全階層(大手、準大手、中堅)で好調だった一方、本業のもうけを示す営業利益が前年度に比べて減少し、全体の売上高営業利益率は14年度以来の低水準だった。大手の営業利益が大幅に減少している。」(『建設通信新聞』2024.05.31)

まちづくり・住宅・不動産・環境

●「国土交通省の有識者会議は16日、能登半島地震を踏まえた今後の道路政策に関する緊急提言の骨子案を示した。能登半島の骨格となる道路ネットワーク計画の再構築や、道の駅の防災機能の強化などを盛り込んだ。被災自治体や業界団体の意見も取り入れながら、6月にも最終的な提言をまとめる。」(『建設工業新聞』2024.05.17)
●「内閣官房は20日、国土強靭化推進会議(議長・小林潔司京都大学名誉教授)の会合を東京都内で開き、国土強靭化年次計画2024の素案を示した。流域治水など35施策の推進方針を示すとともに、政府の『防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策』の4年目となる2024年度の事業規模を約3.06兆円(国費約1.52兆円)と算定した。5か年の事業規模約15兆円(7兆円台半ば)のうち、4年で83%が執行されることになる。年次計画は基本計画に基づき、国を挙げて取り組む1年間の防災・減災、強靭化の取り組みなどが示される。素案によると2024は▽国土強靭化の取り組み▽各施策の推進方針等▽5か年加速化対策の進捗管理―で構成する。」(『建設工業新聞』2024.05.21)
●「国土交通省は放置空き家の市場流通を後押しするため、不動産業者が受け取る仲介手数料の上限額を18万円から30万円へ引き上げる。売却額400万円以下の空き家に適用する特例制度の対象を同800万円以下に広げる。現行制度は400万円以下で状態が悪い物件を『低廉な空き家』と定義し、特例で仲介手数料を最大18万円と宅地建物取引業法が定める一般的な空き物件の上限よりも高く設定している。近く同法の告示改正によって対象を拡大し、上限額も引き上げる。たとえば200万円の物件の場合、現行法で仲介手数料は最大10万円。特例を適用すると上限額は18万円で、告示の改正後は30万円に上がる。戸建てか共同住宅かにかかわらず適用する。現行制度では特例手数料の請求を売り主に限っていたが、買い主にも請求できるようにする。空き家を賃貸物件として仲介した場合の手数料も見直す。一般的な空き室の場合、受け取れるのは貸主と借り主の合計で賃料の最大1カ月分となっている。長期にわたって使われていなかったような空き家は特例で貸主から1カ月分、追加で取れるようにする。」(『日本経済新聞』2024.05.22)
●「国土交通省と消防庁は、能登半島地震による石川県輪島市の大規模火災を踏まえ、火災予防や消防活動など今後の対策に関する方向性案示した。まちづくり分野では都市構造の不燃化や密集市街地の整備改善、老朽木造家屋の耐震化に向けた取り組みを進めていく。28日に開いた『輪島市大規模火災を踏まえた消防防災対策のあり方に関する検討会』の第3回に示した。前回会合で引き続き検討が必要としていた論点に関する取り組みの方向性も盛り込んだ。」(『建設通信新聞』2024.05.29)
●「東京都区部の自治体で、マンションなどの事業者に家族で住める広さの確保を求める動きが広がっている。23区のうち18区は対応を責務付ける条例を制定。規制のなかった豊島区は10月から、一定規模以上の物件を対象に設置を促す。背景には全国で最も低い出生率と、他地域からの人口流入に依存する構図への危機感がある。」(『日本経済新聞』2024.05.31)

その他