情勢の特徴 - 2024年9月前半
●「国土交通省は8月30日、2024年度建設投資見通しを発表した。物価変動を含む名目値の総額は、前年度見込みに比べて2.7%増の73兆0200億円とした。70兆円を超えるのは2年連続。22年度第2次補正予算に比べて1割増の2.2兆円を公共事業関係費に計上した23年度補正予算の執行が、24年度に見込まれることなどから、増加すると雁計した。内訳は、政府建設投資が3.7%増の26兆2100億円、民間建設投資が2.2%増の46兆8100億円。構成比率は、政府36%、民間64%としている。」(『建設通信新聞』2024.09.02)
●「防衛省は2025年度予算の概算要求で、前年度比10.5%増の8兆5389億円を計上した。5年間で総事業費約4兆円を投じる『施設の強靭化』に35.8%増の8571億円を要求。既存施設の更新に3255億円、部隊新編・新規装備品導入などによる施設整備等に3923億円を求めた。老朽施設の耐震化や防護性能の向上、陸上・海上・航空の各自衛隊の拠点整備などを進める。」(『建設工業新聞』2024.09.03)
●「帝国データバンクが7月に行った調査によると、コスト上昇分に対する販売価格への転嫁度合いを示す『価格転嫁率』は全産業平均で44.9%と、前回調査(2月)から4.3ポイント上昇した。建設業は5.7ポイント上昇の43.7%と転嫁が進んでいるが、自由回答では『一部しか価格転嫁ができない』との声が上がっている。調査は7月18~31日に景気動向調査と併せて実施した。1万1282社から回答を得た。建設業の価格転嫁率は▽2022年12月調査36.0%▽23年7月調査40.8%▽24年2月調査38.0%▽同7月調査43.7%―と推移。徐々に転嫁が進んでいる。建設のサプライチェーン(供給網)別に価格転嫁率(今回調査)を見ると、▽建材製造業49.2%(前回調査比5.8ポイント上昇)▽建材卸売業62.4%(3.2ポイント上昇)▽建設業43.7%(5.7ポイント上昇)▽不動産業30.7%(6.8ポイント上昇)―となった。」(『建設工業新聞』2024.09.10)
●「国土交通省は、改正建設業法で新設した規制などを公共工事に適用する際の方法や考え方を検討する。省令などに規定する予定で、公布から6カ月以内の第2弾施行関係は今秋から今冬まで、公布から1年6カ月以内の第3弾施行関係は2025年秋から冬までに対応する。第2弾施行は、受発注者による資材価格高騰の価格転嫁協議を円滑化するための新たなルールが主なものとなる。具体的には、契約前に資材価格高騰のリスク情報を注文者に対して通知することを建設業者に義務付けるとともに、契約後にリスクが顕在化して資材価格の高騰が生じた場合、リスク情報を通知していた受注者から請負代金変更協議の申し出を受けた注文者には誠実に協議に対応する努力義務を課す内容だ。改正入札契約適正化法(入契法)では、さらに絡み込み、公共発注者に対して協議に応じる義務を課す。…第3弾施行分では、著しく低い労務費等に伴う見積もり・見積もり変更依頼の禁止、受注者の原価割れ契約禁止、受注者の工期ダンピング禁止が主なものとなる。このうち、著しく低い労務費等に伴う見積もり・見積もり変更依頼の禁止は、中央建設業審議会が作成・勧告する標準労務費より著しく低い労務費などで、注文者に見積もりを提出することを建設業者、建設業者に見積もり変更依頼することを注文者にそれぞれ禁止する措置だ。」(『建設通信新聞』2024.09.04)
●「国土交通省は、国土形成計画で打ち出す『地域生活圏』の形成促進への具体的な施策の検討に入る。国土審議会(国土審、国交相の諮問機関)推進部会に『地域生活圏専門委員会』を設置し、有識者による議論を10月に始め、2025年5月までにまとめる。圏域内で持続的な都市サービスを提供可能とするインフラの維持も課題の一つ。官民連携などによるインフラマネジメントの在り方も議題の一つになりそうだ。」(『建設工業新聞』2024.09.04)
●「第3次担い手3法などを踏まえ、入札契約適正化法(入契法)に基づいて政府が定める『公共工事の入札及び契約の適正化を図るための措置に関する指針』(入契法適正化指針)の改正骨子案が5日、明らかになった。建設業法、入契法、公共工事品質確保促進法(品確法)の改正内容を反映する。さらに、ピークカット(繁忙期の解消)による平準化の推進など、昨今の課題を踏まえて対応が必要な事項を位置付ける。12月から2025年1月ごろまでの閣議決定を目指す。」(『建設通信新聞』2024.09.06)
●「国土交通省は直轄の維持工事で増加傾向にある複数年契約の費用面や働き方の課題解決に向けた検討に乗り出す。標準歩掛かりを用いた精算では小規模・点在作業の採算が悪く経費もかさむ場合があり、緊急作業に対応するため監理技術者が常時拘束されるのを解消する必要性なども指摘されている。国交省は一つのアイデアとして実際に必要とされる人工や労働条件をきめ細かに把握し、官積算の工事価格と各社の実行予算の乖離(かいり)を確認した上で積算基準の改善点を洗い出すことを提示する。」(『建設工業新聞』2024.09.09)
●「改正建設業法に基づく『労務費の基準(標準労務費)』の作成に向けた議論が10日、中央建設業審議会のワーキンググループ(WG)で始まった。公布(6月14日)から1年6カ月以内となっている改正建設業法第3弾施行の新たな規制開始に併せて、2025年11月ごろまでの中建審による勧告を目指す。WGは初会合で、標準労務費の基本的な部分に関して、事務局の国土交通省が提示した方向性に沿って検討することに大筋で合意した。見積もりと書面での契約を業界慣行にしていくことを一つの方向性にしながら、標準労務費を議論する。」(『建設通信新聞』2024.09.11)
●「国土交通省は、10日に開いた中央建設業審議会労務費の基準に関するワーキンググループ(WG)の初会合で、改正建設業法に基づいて中建審が作成・勧告する労務費の基準(標準労務費)の『実効性確保』と『作成』に関する個別論点の案を示した。算出方法は、建設業法改正の方向性を検討した中建審基本問題小委員会の中間取りまとめを踏まえ、公共工事設計労務単価に労務歩掛かりを乗じることを出発点とした議論を提起している。『入札時・契約時の実効性確保』『契約後の労務費・賃金の行き渡り担保』『行政による検証』、『標準労務費の計算方法』『標準労務費の作成単位』『標準労務費の改定』の六つに分け、個別論点の案を示した。標準労務費の目的や、活用・運用、作成の基本方針に関する検討の方向性について、初会合で大筋の合意を得たことから、それと整合を図りながら、10月下旬にも開く次回会合で個別論点の議論に入る。」(『建設通信新聞』2024.09.12)
●「建設会社が2022年12月以降に請け負った民間工事を対象に、現場従事者が実際に取得できた休日を国土交通省が調査したところ、4週8休以上を取得できたとの回答が以前より増えていた。工期変更がなかった工事で4週8休以上は25.3%(22年1月以降に請け負った工事が対象の前回調査は14.1%)、工期変更があった工事でも17.4%(10.8%)だった。発注者の業種によって休日取得には差があり、例えば『運輸・交通』は4週8休以上が4割近く、『不動産業』は1割に満たないなどの実態も浮き彫りとなった。」(『建設工業新聞』2024.09.02)
●「建設分野で就労する特定技能外国人が5月末時点で3万人を突破するなど、建設業界で働く外国籍の担い手の数が増え続けている。国が事業主に求めている外国人雇用の届け出状況を産業別に見ると、直近の増加率は建設業が最も高い。専門工事会社で就労する技能者のうち外国人が約15%を占めるという建設業団体の調査結果もある。技能実習に代わる新たな受け入れ制度として『育成就労』の創設が決定し、国が正面から労働力確保にかじを切る中、現状の外国人材の就労実態を整理した。厚生労働省が事業主に届け出を義務付けている『外国人雇用状況』の2023年10月末時点の集計によると、建設業の外国人労働者数は14万4981人。総務省の『労働力調査』で建設業の全就業者数は23年に483万人であり、外国人の割合は約3%と推測できる。建設業で外国人を雇用する事業所数は3万9415カ所。総務省と経済産業省の『経済センサス』による21年6月時点の統計を参照すると、全事業所数48.5万力所のうち約8%に相当する。…外国人労働者の在留資格は技能実習が6割を占める。永住者や定住者などの身分に基づく在留資格が1割強。主に技術者が対象の『技術・人文知識・国際業務』と特定技能がそれぞれ1割弱となる。23年10月末までの届け出に基づく集計のため、現時点では特定技能のウェートがさらに高まっているとみられる。…建設産業専門団体連合会(建専連、岩田正吾会長)は3月、傘下団体の会員企業の専門工事会社と、その協力会社で就労する外国人材の実態調査を初めて行った。会員企業2038社、協力会社1万2645社の回答があり、全体の就労者数8万7539人のうち約15%の1万2998人が外国籍だった。1社当たり0.9人の外国人が働いている計算になる。年齢別の就労者数の分布を見ると、日本人は50歳前後の年代のボリュームが厚い。日本人就労者のうち『45~49歳』と『50~54歳』に当たるのはそれぞれ約15%だった。一方、外国人のボリュームが最も厚いのは『25~29歳』で、全年代のうち約32%を占める。日本人とは反対に40代、50代になると就労者数は一気に少なくなる。調査結果からは、各社が若年層の採用に苦戦する中、それを補う形で外国人の入職者を増やしていることが読み取れる。各年代の就労者のうち外国人が占める割合は『30~34歳』が約34%、『25~29歳』が約43%、『20~24歳』が約45%。年代が若くなればなるほど、外国人が業界を支えている構図が浮き彫りとなる。」(『建設工業新聞』2024.09.04)
●「建設キャリアアップシステム(CCUS)運営主体の建設業振興基金(振興基金、谷脇暁理事長)は、CCUS登録技能者向けのスマートフォンアプリ『建キャリ』を11月末に提供開始すると発表した。技能者本人が就業履歴や保有資格などを手元のスマホで確認可能になる。将来的には建設業退職金共済(建退共)掛け金の積み立て状況も確認可能とし、スマホ画面で表示することで紙の資格者証が携行不要となるよう対応する見通しだ。」(『建設工業新聞』2024.09.05)
●「厚生労働省は6日、2024年の労働経済の分析(労働経済白書)を公表した。日本は米国と比べて、人手不足が賃金の引き上げをもたらす効果が大きく、生産性改善の影響は小さかった。人口減少に伴って働き手の不足が深刻となり、人材確保のために企業がやむなく賃上げに追い込まれているという構図が浮かび上がる。日本と米国、英国、ドイツの4カ国を対象に、01~22年における企業の人手不足感を示す欠員率と名目賃金の上昇率の関係を調べた。欠員率が1%上がったときの名目賃金上昇率はドイツが1.87%、英国が1.55%、日本が1.54%だったのに対し、米国は0.45%にとどまった。米国は人手不足よりも、企業の生産性の方が賃金に影響を及ぼしていた。01~22年に名目の生産性が1%改善したときの賃上げ率は米国が0.78%と最も高く、英国は0.49%、日本は0.44%、ドイツは0.3%だった。…米国は移民が新たな労働力となり、企業の新陳代謝も進む。生産性向上によって賃金が上がる循環が起きている。日本は米国とは対照的で、生産性向上が賃金に反映されにくく、企業が人手不足対策でやむを得ず賃上げをしている。日本商工会議所の6月公表の調査では、賃上げする中小企業の59.1%が業績改善を伴わない『防衛的な賃上げ』だと答えた。2月に公表した調査では、防衛的賃上げをする理由でもっとも多かったのが人材の確保や採用だった。」(『日本経済新聞』2024.09.07)
●「2019年4月に本格稼働を始めた建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録技能者数が、24年8月末現在で150万人を超えた。総務省の22年労働力調査で建設業の技能者数は302万人で、ほぼ半数が登録したことになる。22年10月の100万人突破に続く一つの節目と言える。」(『建設通信新聞』2024.09.13)
●「全国中小建設業協会(全中建、土志田領司会長)は、国土交通省との2024年度『ブロック別意見交換会』を19日から12月6日にかけ全国6地区で開く。テーマは中小建設業の働き方改革の実現に向けた週休2日工事や現場の負担軽減など。建設現場の働き方改革の課題について、地域の実情に応じた議論を展開する。意見交換会は19日の中部ブロックを皮切りにスタートする。傘下の都道府県中小建設業協会や会員企業が中小建設業を取り巻く現状や直面する課題などを説明し、今後の施策に反映してもらうのが狙い。国交省本省と地方整備局の担当者が参加し、地方自治体にも参加を求める。働き方改革に向けた週休2日制工事や発注時期の平準化、書類の電子化といった行政や発注機関の取り組みについて、受注者側の要望も踏まえて改善や推進を議論する。」(『建設工業新聞』2024.09.02)
●「日刊建設通信新聞社は、建設コンサルタント業務の売上高上位50社程度を対象に総合評価方式に関するアンケートを実施した。回答があった38社の2023年度実績は、受注金額が前年度比0.8%増の1645億5000万円、受注件数も3.3%増の4682件とともに増加した。一方で受注件数を入札件数で割った受注率は全社平均で24.1%となり、前年度から3.9ポイント低下した。3割以上の『高打率』企業は4社減の9社。前年度より受注率を高めたのは10社にとどまった。受注金額は21社が伸ばしている。」(『建設通信新聞』2024.09.05)
●「積水ハウスが5日発表した2024年2~7月期の連結決算は、純利益が前年同期比33%増の1229億円だった。7000億円超を投じて4月に完全子会社化した米住宅大手M.D.C.ホールディングスが堅調だったことに加え、米国で住宅ローン金利の低下傾向もあって戸建て住宅の販売が想定以上に増えた。売上高は27%増の1兆8591億円、営業利益は26%増の1571億円だった。MDC社の買収もあり、海外事業の伸びがけん引した。為替相場がドルに対して円安方向に推移したことも寄与し、海外事業の売上高は2.4倍の4846億円、営業利益も2.4倍の302億円だった。」(『日本経済新聞』2024.09.06)
●「日本道路協会(徳山日出男会長)は10月1日から電子図書利用サービスを本格運用する。協会が発刊している道路関係の基準類書籍のうち、まずは14図書の電子版を有料販売。価格を紙版よりも1割安くし、一部は半額で提供する。本格運用に伴い、クリックで参照箇所にジャンプできる機能や正誤表を自動更新する機能なども追加し、ユーザーの利便性を高めた。今後、電子図書の対象を徐々に拡充していく。」(『建設工業新聞』2024.09.13)
●「国土交通省は2025年度税制改正で、老朽マンション全面改修や解体への税制優遇を求める。住民らで設立する事業組合が改修によって増えた区画や解体後の敷地を売却した場合、その収益を非課税にする。増加する古い物件の再生を後押しする。古くなったマンションを巡っては、現在も建て替え時に増えた部屋の売却益や所有権を移転する際の登記にかかる法人税、法人住民税、事業税、事業所税などを減免する措置がある。これを全面改修や解体などにも適用できるようにする。」(『日本経済新聞』2024.09.01)
●「東京都内の共同住宅の1戸当たり工事費予定額(戸当たり工事費)がじりじりと上昇を続けている。2023年度平均が1790万円だったのに対し、24年度に入って1800万円を下回った月はなく、4-6月の平均は1879万円だった。2年前の22年4-6月と比べると326万円の上昇だ。ただ都内は、富裕層の安定的な需要が見込める上、工事費上昇に合わせて着工戸数が減少しており、需要と供給のバランスが取れている。むしろ、埼玉、千葉、神奈川の隣接3県では、どこまでの工事費上昇を許容できるか、という需給バランスの崩壊点を探る状態になっている。国土交通省の建築着工統計調査報告のうち、住宅着工統計から共同住宅の新設着工戸数・戸当たり工事費の動向を読む。7月の東京都の新設共同住宅の戸当たり工事費は、前年同月比10.0%上昇の1937万円。22年度平均の戸当たり工事が1561万円、23年度平均が1790万円だったのに対し、明らかな上昇基調が続いている。工事費の高騰が労務費の上昇などによって落ち着く気配が見えない中で、マンションデベロッパー各社は、好立地を厳選して確保する動きを強めている。…このベースとなっているのが、住宅価格の値上がりを疑わず転売を視野に入れて買い換えを繰り返すパワーカップルや、資産の一つとしてマンションを保有して良質なマンションと判断すれば躊躇(ちゅうちょ)なく買いに動く年収2000万-3000万円程度の富裕層といった安定的な需要家の存在だ。良質なマンションさえ供給すれば、購入者は確実に見つかる状態だという。加えて、建築工事費が上昇し、デベロッパー側が用地取得に慎重になって供給が減ると、潜在需要が膨らみ、価格上昇を飲み込んでいく。着工数が減ることで、需要と供給のバランスが保てているという皮肉な現象が起きている。…ゼロ金利政策の解除による金利上昇による需要の減退を懸念する声はある。ただ、マンションデベロッパー各社の間には、物価上昇・所得増加と金利上昇のペースが一致している限りは、過度な心配は不要という雰囲気が広がりつつある。」(『建設通信新聞』2024.09.03)
●「国土交通省は、能登半島地震を踏まえ土砂災害対策を加速させる。直轄の地すべり対策で、応急対策から引き続く再度災害防止対策を円滑にできる仕組みを創設する。災害時も上下水道施設が機能を維持できるよう既存制度を拡充し、ハード面の事前防災対策を推進する。」(『建設通信新聞』2024.09.04)
●「全国的に高温の傾向が続き、9月も厳しい残暑が見込まれる。外出時の適切な水分補給を促そうと、自治体が無料の給水場所の地図を専用のウェブサイトで知らせる動きが出てきた。環境への配慮などから『マイボトル』を持ち歩く人が少しずつ増えており、給水ができる店舗を含めて紹介する民間のアプリの利用も広がっている。…都水道局は、冷たい水道水を注げる給水ポイントを地図にまとめてホームページに掲載し、熱中症予防のための水分補給も呼びかける。公共施設を中心に屋内外約900カ所の場所を知ることができる。もともとは水道水の飲用促進や環境への配慮を呼びかけることが目的だったが、近年の記録的猛暑などを受けて『熱中症対策にも役立ててほしい』(担当者)と期待する。長野県は6月、県内652カ所の給水スポットを掲載した地図を県のウェブサイトで公開した。水道水が飲める場所を、地図上に蛇口型のアイコンで示す。…水筒やタンブラーなどのマイボトルを持ち歩く人は少しずつ増えている。味の素AGFが15~79歳の男女5万人を対象に実施した調査によると、2023年にマイボトルを日常的に使う人の比率は8%で、21年と比べて1割ほど増えた。ペットボトル飲料を買うコストがかからず、環境に配慮する意識が高まっていることも背景にあるという。スマートフォンのアプリで給水スポットの利用を促す民間の動きもある。一般社団法人『Social Innovation Japan』が運営するアプリ『mymizu(マイミズ)』は街中に1万3千カ所ある給水器のほか、無料でマイボトルの給水に応じる飲食店や雑貨店など2500店舗を登録し、地図上に表示する。7月時点でアプリのダウンロード数は30万以上。同法人の共同創設者、マクティア・マリコ氏は『水分の補給に加え、環境への意識の高まりも期待できる。訪日外国人のニーズも高く、英語版も活用されている』と強調する。」(『日本経済新聞』2024.09.07)
●「不動産調査会社の東京カンテイ(東京・品川)がまとめた8月の新築小規模戸建て住宅の平均希望売り出し価格は、東京都が前月比4.9%高の6864万円と調査を開始した2014年4月以降の過去最高を更新した。東京23区が8.1%高の7783万円と4カ月連続で上昇し、相場をけん引している。」(『日本経済新聞』2024.09.10)