情勢の特徴 - 2024年10月後半
●「世の中に出回るお札の総額が減少している。日銀によると、9月末の紙幣の発行高は119.3兆円で、前年同月末に比べ1.1%減となった。10カ月連続のマイナスで、統計上比較可能な1954年以降の70年間で最長となった。物価上昇と『金利ある世界』に伴う預金金利などの上昇で、現金を家に置いておくだけでは価値が実質的に目減りしてしまうと考える人が増えているとみられる。キャッシュレス決済の普及も一因だ。9月末の紙幣の発行高は、ピークだった22年12月末から約5.7兆円減少した。これまで前年同月末比での減少は朝鮮戦争の特需景気後の1954年8月から8カ月連続が最長だった。お札の減少を主導しているのは1万円札で、23年12月から減少が続いている。5干円札と千円札は新紙幣発行による『特需』で7月末以降は伸び率がプラスに転じたが、24年前半は減少傾向にあった。硬貨の減少も続く。9月末の流通高は1.4%減の約4.7兆円となり、2年9カ月減少が続いている。SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは『キャッシュレス決済の普及が要因だ』と分析する。経済産業省によると、個人消費に占めるキャッシュレス決済の割合は23年時点で4割弱に達した。(『日本経済新聞』2024.10.19)
●「国内家計の住宅ローンが急拡大している。世帯平均の負債は年収や貯蓄より速いペースで増加し、2023年に初めて年収より負債が多い状態となった。特に30代など若い世代の負債は大きい。変動型の利用者のうち返済額増への具体策がない人は4分の1に上るとの調査もあり、家計の不安定感は増している。総務省『家計調査』(2人以上世帯)によると平均の負債額は23年に655万円で年収(642万円)を超えた。調査が始まった02年以来初めて。単純比較はできないが、参考となる前身の調査(貯蓄動向調査)をみても1950年代から一度もなかった事態になる。24年も同様の傾向が続いているもよう。貯蓄に対する負債の割合も過去最高水準だ。第一生命経済研究所の星野卓也主席エコノミストは『賃上げなどを上回るペースで住宅価格が上昇し、住宅ローン借入額も増えている』と解説する。家計調査では負債の約9割を住宅ローンなど『住宅・土地のための負債』が占める。年収、貯蓄も伸びているが、住宅ローン増加ペースの方がはるかに速い。住宅ローン総額を日銀の資金循環統計でみても23年末は約229兆円まで拡大。30~40代などの借り入れ意欲は旺盛で家計調査によればこの年代(世帯主の年齢)全体に占める負債保有世帯の比率も過去最高水準にある。…年収に対して負債が大きいと、毎月の返済負担が重い。さらに貯蓄も少なくなると、万が一減収や失業となった場合、家計が一気に苦しくなってしまう。大幅な賃上げが実現した24年の春季労使交渉(春闘)などを受けて今後、家計の年収も順調に増えれば負債との比率は改善に向かう。ただし、その場合は別のリスクも出てくる。賃上げを伴う物価上昇が持続的に実現するなら日銀が7月に続き、一段の利上げに動く環境が整う。住宅金融支援機構によると、最近は約76.9%の人が返済中に金利が変わる例がある『変動型』を選ぶ。負債が膨張気味の家計の相当数は金利リスクを負う一方、その対策には不安が残る。」(『日本経済新聞』2024.10.21)
●「公正取引委員会と経済産業省中小企業庁は24日、下請法(下請代金支払遅延等防止法)の適用外となるために、企業が資本金を意図的に増減させて法を逃れるのを防ぐ対策の方向性を明らかにした。現行は資本金によって保護対象の下請け企業を定義(適用基準)しているが、この資本金基準に加え、従業員数や親企業(発注側企業)との取引依存度、売上高など、新たな適用基準を設けることを法逃れ対策の例として示した。」(『建設通信新聞』2024.10.25)
●「財務省は国土強靭化対策の今後の展開で『ハード投資の総量を拡大させるのではなく、緊急に対応すべき事業を確実に実施していくことが求められる』との見解を示した。建設業従事者や技術系行政職員の減少を指摘し、将来的なインフラ整備・管理の制約になると主張。『防災・減災、国士強靭化のための5か年加速化対策』の後継となる『国土強靭化実施中期計画』の策定に先立ち、事業規模ありきの議論となるのをけん制した格好だ。28日の財政制度等審議会(財政審、財務相の諮問機関)財政制度分科会歳出改革部会で説明した。5か年加速化対策などで被害低減効果は表れていると評価しつつ、実施中期計画の策定前に現状の課題を検証すべきだと指摘。能登半島地震などの災害復旧対応を最優先する前提に立ち、毎年、相当規模の災害復旧事業が生じる可能性があることを財政上、考慮すべきだとした。財務省はこうした姿勢を示した上で、既存の公共事業で『適切な優先順位付け』の徹底を訴えた。」(『建設工業新聞』2024.10.30)
●「インフラ維持管理・更新費用の人口1人当たりコストが増加している。財務省のまとめによると、2023年のコストは18年に比べて2割弱増えた。人口減少やインフラ老朽化の進展に伴い、今後さらに増加する見込みだ。財務省はコスト抑制に向け、地方自治体に他の自治体との連携を含めた広域的なインフラマネジメントを広め、絶持管理を効率化することが重要と指摘する。人口減少によって利用需要が減ると予想される公共施設も、統廃合などに向けた広域的な視点を求めている。」(『建設通信新聞』2024.10.23)
●「内閣府は、契約金額が10億円未満となる『小さなPFI』の案件形成や事業化の支援に一段と力を入れる。PFI法に基づく事業ベースで件数が全体の約2割を占めるようになってきた。実施件数の増加を受け、職員が不足する地方自治体や採算確保が難しい小規模事業でも、分野横断や広域の枠組みで案件を形成できるよう、2024年度中に手引を策定する。地域ごとに形成されているPPP/PFIの地域プラットフォームで小規模対応の在り方も検討する。」(『建設工業新聞』2024.10.23)
●「公共工事品質確保促進法(品確法)に基づき、国土交通省などが検討を進めている『発注関係事務の運用に関する指針(運用指針)』改正の骨子が明らかになった。骨子案からの変更点は、改正品確法で発注者等の責務に位置付けられた『技術力ある企業と地域企業の連携による技術普及』について、具体例を追記し、工程管理や品質確保に関する知識・技術の伝達を例示した。国交省などは肉付けした改正案を近くまとめ、建設業団体や地方自治体を含む公共発注者らに改めて意見照会する。」(『建設通信新聞』2024.10.29)
●「国土交通省は2025年度、新たな外国人受け入れ制度として27年に運用が始まる育成就労制度について、人手不足が生じている建設分野での受け入れに向けた具体の検討に着手する。受け入れ対象分野への位置付けを前提に、受け入れ見込み数を設定する分野別運用方針や、外国人技能者の育成・キャリア形成プログラムなどを検討する。25年度予算の概算要求に必要経費を盛り込んでいる。」(『建設通信新聞』2024.10.16)
●「パーソル総合研究所と中央大学は17日、2035年時点の日本の労働力不足が23年の2倍の384万人に達するという推計をまとめた。高齢者や女性、外国人の労働参加がさらに進むことで就業者数は6%増えるものの、短時間労働の割合が高まるためだ。シニアなど就業を希望する人ができるだけ働けるようにし、労働生産性を高める投資が欠かせない。将来推計人口や完全失業率、実質国内総生産(GDP)などのデータを基にまとめた。労働力には外国人を含む。産業別でみると、最も不足するのがサービス業で就業者にすると115万人。卸売・小売業(77万人)、医療・福祉(49万人)などと続いた。高齢者や女性、外国人の労働参加が進むことで就業者数は35年には6%増の7122万人となる見通し。64歳までの生産年齢人口ベースの就業者は減るが、定年延長などで35年には65歳以上の高齢者が1438万人と57%増える。働く女性も増え、20代後半から30代で労働力率が落ち込む『M字カーブ』は解消される。外国人就業者は377万人と84%増になる見込みだ。」(『日本経済新聞』2024.10.18)
●「国土交通省は、建戯業での外国人技能者の受け入れに関する課題を具体的に把握するため、日本の建設企業で働いている外国人技能者へのアンケートを近く始める。国際的な尺度があって競合国・地域と比較でき、定量的に把握可能な仕事の満足度に着目。2025年度以降も継続的に調べる方針で、外国人技能者受け入れ施策の効果を測定するとともに、課題解決の施策立案に調査結果を活用する考えだ。」(『建設通信新聞』2024.10.18)
●「フリーランスとの取引の適正化に向けたルールを定める新法『フリーランス法』の施行が11月1日に迫ってきた。建設業界でも一人親方などとの取引が多い事業者にとって新法の規制措置は無視できない。報酬や契約期間を含む取引条件の書面明示など新法で義務付ける事項には、建設業法で既に措置されているものも多いが、今後はそれぞれの法規制が同時に運用されることになる。公正取引委員会らの直近の調査によると、他産業に比べ建設業では新法の認知が進んでおらず、より当事者意識を持った対応が求められる。」(『建設工業新聞』2024.10.21)
●「厚生労働省が25日にまとめた新規学卒就職者離職状況から、2023年3月高卒者の建設業への就職者数が、22年3月卒の就職者数と比べ1382人少なく、2年連続して就職者数か減少したことが分かった。23年3月高卒の建設業就職者数は、22年3月卒と比べ9.8%減の1万2721人だった。全産業ベースの高卒就職者数も22年3月卒から5.5%減っているものの、建設業に就職する高卒者は、全産業の減少率を4.3ポイント上回り、高卒者の担い手確保は一層厳しい状況に置かれている。」(『建設通信新聞』2024.10.28)
●「2021年3月卒業者で建設業に就職した4万2751人のうち、就職後3年以内に仕事を辞めたのは1万5628人で、就職後3年以内離職率が36.6%となったことが、厚生労働省が25日にまとめた新規学卒就職者の離職状況から明らかになった。建設業全体の3年以内離職率は、前年(20年3月)卒業者と比べ0.5ポイント上昇した。このうち、高卒者は1万5222人の就職に対し、6574人が仕事を辞めたことから、3年以内離職率は前年卒業者と比べ0.8ポイント上昇の43.2%だった。離職率は2年連続して上がった。全産業の高卒離職率38.4%と比べ、建設業の離職率は4.8ポイント高い。高卒者の4割超が離職する状況が相変わらず続き、建設業への定着は進んでいない。」(『建設通信新聞』2024.10.28)
●「厚生労働省は、建設業退職金共済(建退共)制度の退職金を増やす仕組みの検討に着手する。掛け金の在り方を主体に幅広い領域が対象となる見通し。現行制度は日額320円の同一掛け金がベース。技能労働者の処遇改善として退職金の増額を求める意見が出ており、複数の掛け金を認めるような案がまとまれば、中小企業退職金共済法(中退法)の改正を伴う大掛かりな制度の見直しとなる可能性もある。29日、労働政策審議会(労政審、厚労相の諮問機酪)の勤労者生活分科会中小企業退職金共済部会(山本眞弓部会長)が東京都内で会合を開いた。建退共制度の見直しを求めた長谷部康幸委員(全建総連賃金対策部長)の意見表明に対し、事務局の厚労省は『在り方は部会で議論することになる』(担当者)と応じた。同省は具体的な検討を同部会でも進めたい考え。…会合で長谷部委員は、週休2日の普及から『(日額単一では)退職金総額の減少が懸念される』と指摘。建退共制度の電子化手続きと建設キャリアアップシステム(CCUS)のデータ連携が進んでいることなどから▽複数掛け金制度の検討▽民間工事での運用▽CCUSとの連携強化▽さらなる加入促進―などに関する具体的な議論を求めた。」(『建設工業新聞』2024.10.30)
●「日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)は木造建築の普及や木材の活用を後押しする。15日、会員企業が施工した木造・木質建築プロジェクトのデータを公式ホームページに公開した。プロジェクトごとに木造を採用した部分や木材の使用量、木造部材メーカーなどをまとめており、市場分析などに活用できる。同時に木造情報をまとめたパンフレット『もくネタ!』も公開。木材活用に関する行政の指針などをQRコードで容易に確認できるようにした。」(『建設工業新聞』2024.10.16)
●「鹿島は、担い手確保活動の一層の拡大・充実を目的に『次世代の担い手確保活動奨励制度』を創設した。鹿島事業協同組合の組合員と協力会組織『鹿栄会』の会員を対象に、建設業の担い手確保に向けた取り組みを支援する。支給上限を200万円とし、申請のあった活動経費の50%までを助成。技能体験会や出前授業など協力会社が行う担い手確保の活動を奨励する。3年間の時限的な制度として運用し、1回目の募集は4~6月に行い、10件の取り組みを選定した。同制度は、協力会社が行う『技術者・技能者の確保、育成活動』に必要な経費の一部や取り組みを鹿島がサポートする。対象の活動は学生や求職者向けの技能体験会・出前授業や、複数社合同で行う入職式などの人材確保活動、技能者の育成活動など。対象者は、鹿島事業協同組合の組合員約940社と鹿栄会会員約4500社に加え、鹿島各支店で構成されたグループ・団体。2024~26年度で各年度12件程度を上限に募集する。」(『建設工業新聞』2024.10.17)
●「日本港湾空港建設協会連合会(日港健、津田修一会長)は会員企業を対象とした2024年度『事業実態調査』の結果を公表した。23年度に完了した港湾・空港工事を対象に調べ、97%が4週8休を達成できたと回答した。一方で、時間外労働時間を法定内に収めた割合は半分に満たず、前年度より減少。上限規制が適用される前の実績値ではあるものの、厳しい状況が明白になった。」(『建設工業新聞』2024.10.24)
●「全国建設業協会(全建、今井雅則会長)が会員企業に行った調査によると、回答企業の半数以上が公共工事の予定価格設定に対して問題意識を持っていることが分かった。中でも『実勢価格の反映』『現場条件と発注者側の積算の不一致』への問題意識が高く、『調査価格が実勢価格に追いついていない』との不満も漏れる。…『発注関係事務の運用状況等に関するアンケート』を7月に実施。会員企業2202社から回答を得た。予定価格に最新の労務単価、資機材の実勢価格が適切に反映されているかを質問したところ、国交省発注工事では『(実勢価格が)反映されており間題は感じていない』が48.3%で最多となったものの、『反映されているが問題も感じている』(43.7%)、『反映されていないし問題を感じている』(8.0%)となり、約半数が予定価格の設定に問題を感じていた。問題を感じる理由は『実勢価格が反映されていない』『現場条件と発注者の積算が整合していない』『実際の施工と歩掛かりが合っていない』など。」(『建設工業新聞』2024.10.25)
●「日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)が28日発表した会員92社の2024年度上半期(4~9月)の建設受注額は、前年同期比3.2%増の8兆1607億円となった。製造業を中心に民間が堅調に推移して全体をけん引。100億円以上の工場やデータセンターといった大型案件も相次いだ。官公庁も前年同期とほぼ横ばいになった。建設受注額の内訳は国内が2.9%増の7兆8764億円、海外が13.1%増の2842億円。国内は民間が3.6%増の5兆8923億円、官公庁が0.7%増の1兆9367億円、その他が5.1%増の473億円。年度上半期の過去20年の推移を見ると、総額はこれまで最高だった前年度(7兆9072億円)を上回り最高額を更新した。」(『建設工業新聞』2024.10.29)
●「国土交通省は土砂災害警戒区域について指定基準の変更を検討する。気候変動による豪雨の激甚化で、警戒区域の外で土砂災害が発生するケースが増えつつある。警戒区域外で発生した災害の地形要件や被害状況などの傾向を分析し、指定基準の変更の必要性などを議論する。土砂災害警戒区域は、2001年施行の土砂災害防止法に基づき、住民の生命や身体に被害が及ぶ可能性があるエリアを各都道府県が指定する。指定区域は避難情報の発令対象になり、開発行為も制限される。現状の警戒区域は全国に約70万力所ある。23年に発生した土砂災害の約85%が警戒区域内で発生したが、残りの約15%はカバーできなかった。国交省は精度の高い地形情報を活用することで、警戒区域の指定数を約100万力所まで増やし、発生する土砂災害の約96%をカバーできるようになるとみている。気候変動による豪雨災害の激甚化に対応するには、警戒区域の指定基準の変更やカバー率を100%近くまで引き上げる必要性もある。過去の災害の発生頻度や被害の傾向分析、土砂移動現象の解析などを行い、追加の警戒区域を抽出できるようにする。ただ、警戒区域を増やし過ぎると社会的な信頼度が下がり、住民の避難行動につながらなくなるとの懸念がある。多くの箇所の基礎調査が必要になるため、都道府県の費用や時間の負担が重くなるとの見方も出ている。」(『建設工業新聞』2024.10.16)
●東京都環境影響評価審議会の総会が21日開かれ、公園に超高層ビルを建設する神宮外苑再開発(新宿区・港区)で三井不動産など事業者の「見直し」案を追認した。事業者は月内にも樹木の伐採を始める姿勢で、市民や研究者から「事業者の報告の丸のみだ」と批判が上がっている。「見直し」案は、昨年9月に都が「樹木保全の具体策」を示すよう要請したのを受けたもの。▽移転建て替えする新野球場と4列のイチョケ並木との距離を当初計画からさらに10メートル離す▽新ラグビー場の高さを55メートルから48メートルに下げる―としたが、希少なヒトツバタゴなどが生息する「建国記念文庫の森」を壊すなど超高層ビルと大規模施設の建て替えで樹木と環境を犠牲にする内容は変わらず。日本イコモス国内委員会は「『見直し』案は樹木の本数に言及しただけで、緑の質を全く考慮していない」と批判していた。(『しんぶん赤旗』2024.10.23より抜粋。)
●「東日本大震災で被災した東北電力の女川原子力発電所(宮城県女川町、石巻市)2号機が29日午後、再稼働する。震災を教訓に防潮堤のかさ上げなど安全対策工事は10年以上に及んだ。東京電力福島第1原発と同型の原子炉としては事故後初の再稼働となる。今後は安全に運転できるかが問われる。」(『日本経済新聞』2024.10.29)
●「経済産業省と国土交通省は、住宅トップランナー基準に太陽光発電の設置目標を設定する。住宅トップランナー事業者が供給する住宅について、2027年度に建て売り戸建ては37.5%、注文戸建ては87.5%の設置を目指す。24年内に一般からの意見を受け付け、25年春に施行する。29日に開いた総合資源エネルギー調査会建築物エネルギー消費性能基準等ワーキンググループと社会資本整備審議会建築物エネルギー消費性能基準等小委員会の合同会議で設置目標を審議し了承された。経産、国交、環境の3省は30年までに新築戸建ての6割に太陽光発電を設置する目標を掲げており、国交省の推計によると22年度時点の設置率は31.4%となる。太陽光発電の技術開発や製品のコストダウン化などを踏まえ、30年目標の中間となる27年度を目指した住宅トップランナー基準の設置目標を設定した。目標設定に当たり、効率的な太陽光発電の設置が難しいと都市部狭小地や、落雪への配慮が必要な多雪地域などの住宅は対象から除いた。これによりトップランナー事業者が供給する建て売り戸建て、注文戸建ての80%を目標の母数とする。」(『建設通信新聞』2024.10.30)