情勢の特徴 - 2026年2月後半
●「内閣府が16日発表した2025年の国内総生産(GDP)速報値は名目の実額が前年比4.5%増の662兆7885億円となり、5年連続で増加した。物価高の影響で個人消費や企業の設備投資が増え、過去最高を更新した。実質は1.1%増の590兆6759億円で2年ぶりにプラスに転じた。」(『日本経済新聞』2026.02.16)
●「8日投開票の衆院選で争点の一つとなった消費税の減税について、『プラス』と捉える企業は25.7%で、4社中1社にとどまることが帝国データバンクの調査で分かった。約5割の企業は影響がないと見込んでいる。消費税減税に期待を寄せる企業がある一方、限定的な減税に対しては一部業種から不利益を懸念する声も上がり、財源確保への不安も広がっている。特に『食品のみ』『2年間ゼロ』といった限定的な減税については、事務作業の煩雑化や特定業種での不利益を懸念する声があった。」(『建設工業新聞』2026.02.16)
●「上場企業の純利益が増加に転じる。2026年3月期は従来予想の前期比2%減から一転1%増となり、5年連続で過去最高を更新する見通しだ。AI(人工知能)投資などの需要に加え、非中核事業の売却など資本効率改革により利益率が最高水準に高まる。企業の財務余力が増しており、株主への利益還元や賃上げの追い風になる。」(『日本経済新聞』2026.02.20)
●「日本の対外的な購買力の低下が止まらない。円の総合的な実力を示す指数は変動相場制移行後の安値を更新し、ピークを付けた31年前の3分の1の水準に沈む。『失われた30年』と呼ぼれた長期間に及ぶ経済の落ち込みや低金利が背景にある。…国際決済銀行(BIS)の20日までの発表によると、2026年1月時点の実質実効為替レート(2020年=100)は67.73。1973年に変動相場制に移行して以降で最も安い水準となった。実質実効レートは様々な通貨に対する円の総合的な実力を示す指数で、日本人が海外からモノなどを買う購買力を映し出す。円の実質実効レートが最も高かったのは1995年4月(193.95)でそれと比べるとおよそ3分の1に縮んだ。ドルやユーロのほか、中国の人民元など幅広い通貨に対して円安が進んだ。」(『日本経済新聞』2026.02.21)
●「骨格予算の公表を3月に控える長崎県を除く、46都道府県の2026年度予算案が出そろった。骨格予算となった京都、石川の両府県を含む46都道府県の一般会計総額は前年度比1.9%増の61兆8199億円、普通建設事業費は2.5%増の7兆2846億円となった。一般会計では42都道府県が前年度当初予算を上回り、15自治体で過去最大規模を記録した。…宮城、秋田、広島県など各地で災害復旧・復興事業が着々と進んでいることなどから、災害復旧事業費は全体で前年から34.5%減となった。全体的として減少傾向にあるものの、北海道では災害発生を見据えた約23億円を費用計上するなど、頻発化・激甚化するリスクを考慮した積み上げもみられる。…全国的にスポーツ施設の整備・検討が目立つ。青森県がボールパーク、山形県が新博物館・新スポーツ施設、栃木県がインフラトレーニングセンター、熊本県が新アリーナなどスポーツ施設再整備の基本計画を策定する。茨城県は鹿島アントラーズの新スタジアム建設の検討を深め、岡山県は新たなサッカースタジアム整備に向けた調査検討に取り掛かる。鳥取県は米子市と共同で米子アリーナPFI事業を促進する。」(『建設通信新聞』2026.02.26)
●「4月1日から違法な白ナンバートラック(白トラ)への規制が強化される。同日、改正貨物自動車運送事業法(改正トラック法)が施行され、営業許可を持たない白ナンバー車両による有償運送を委託した荷主に、100万円以下の罰金を科す。白トラによる有償運送が例外なく違法になれば、『ダンプ不足で工事の進捗に影響が出る』との見方が建設業界にはあり、対応を迫られる事業者が出てきそうだ。」(『建設工業新聞』2026.02.17)
●「国土交通省は17日、公共工事の積算に使用する2026年度の公共工事設計労務単価を発表した。全国・全職種の単純平均は前年度比4.5%の引き上げとなり、14年連続の上昇となった。加重平均の金額は2万5834円で、初めて2万5000円を超えた。3月から前倒しして適用する。公共工事の現場労働者の8割以上を占める主要12職種(特殊作業員、普通作業員、軽作業員、とび工、鉄筋工、運転手〈特殊〉、同〈一般〉、型枠工、大工、左官、交通誘導警備員A、同B)の全国単純平均の伸び率は4.2%、加重平均の金額は2万4095円となった。法定福利費相当額の反映など算定手法を大幅変更する前の12年度と比べた全国単純平均の伸び率は全職種が94.1%、主要12職種が93.4%となった。」(『建設通信新聞』2026.02.18)
●「国土交通省は公共工事設計労務単価と別に、事業主が負担する『雇用に伴う必要経費』として明示している参考値を『設計労務単価の48%』に見直した。法定福利費の事業主負担分や労務管理費、安全管理費などの現場作業に掛かる経費が含まれ、こうした必要経費分を下請代金に計上しなかったり値引いたりするのは不当行為となる。下請から元請に見積書を提出する際などの参考にしてもらい、必要経費分を見込んだ価格交渉を促進する。」(『建設工業新聞』2026.02.18)
●「高市早苗首相は20日、衆参両院の本会議で施政方針演説に臨んだ。日本の国力強化に向けて『責任ある積極財政』を踏まえて官民投資を促進すると訴えた。『野放図な財政政策をとるわけではない』とも強調し、市場の信認を確保すると語った。2年間の食料品消費税率ゼロ実現へ関連法案の早期提出を目指すと表明した。首相は演説時間の約半分を経済力の強化に関する説明に充てた。『投資』という言葉を24回用いた。高市政権は半導体や人工知能(AI)、造船など戦略17分野への『成長・危機管理投資』を看板政策に据える。演説では『危機管理投資、成長投資は、債務残高の対国内総生産(GDP)比引き下げにもつながるよう、予算上、多年度で別枠で管理する仕組みを導入する』と説明した。複数年度予算の活用などを想定する。…首相は基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の黒字化を単年度の目標ではなく、数年単位での目標に見直そうとしている。演説で具体的な指標には言及しなかったが、今夏にとりまとめる『日本成長戦略』で民間投資の促進などを基にGDPの伸びや税収増への寄与を見通せるようにすると語った。食品にかかる消費税は給付付き税額控除の仕組みができるまでの経過措置として減税する姿勢を示した。『超党派の「国民会議」で夏前には中間とりまとめをして税制改正関連法案の早期提出を目指す』と説いた。国際情勢が緊迫する中、日本が戦略的な外交を展開する必要性も高まっている。首相はその基礎が『強い経済』だと指摘した。中国の動きを念頭に東・南シナ海での一方的な現状変更に触れ、安全保障環境が厳しいと言明した。『我が国が自ら考えてハンドルを握り、長期的目線をもってどこに向かうかを決める』と訴えた。」(『日本経済新聞』2026.02.21)
●「国土交通省は、建設業の担い手を確保するための新たなルート開拓などを目的とした新事業の詳細を固めた。建設関連訓練校と連携した就業体験プログラムの開発や、小中学生・保護者向けのPRコンテンツ制作などのモデル的な取り組みを2026年度に民間委託で実施。実証成果を建設業団体や個社が活用可能なガイドラインにまとめる。工業高校以外の高校生や、既卒の求職社会人など、今までターゲットに入っていなかった層にも訴求するPR手法の展開につなげる。」(『建設工業新聞』2026.02.25)
●「厚生労働省は2026年度に企業の『労災隠し』の実態を調査する。労働災害が少ない事業所の保険料負担を軽減する制度が報告を渋る要因になっているという指摘がある。調査結果を踏まえ、厚労省は制度改正も含めて検討する方針だ。労働安全衛生法は事業者に対し、職場で労災が起きたら所定の形式で労働基準監督署に届け出るよう義務付けている。報告しなければ50万円以下の罰金が科せられることもある。災害の原因を究明し対策を講じることや、労災保険制度を使って労働者に適切に治療してもらう狙いがある。報告義務を怠る例が少なくないとみられる。労働者からの相談や外部からの通報などで発覚し、送検された労災隠しは24年に87件だった。この10年間は90件前後で推移する。厚労省の担当者は他にも隠れた事案があるとみる。労働者側にヒアリングやアンケートをして埋もれている労災を掘り起こす。」(『日本経済新聞』2026.02.27)
●「建設技能人材機構(JAC)は17日、業務や支援の在り方を検討する有識者研究会を設置し、初会合を開いた。4月からの外国人労働者の育成就労制度開始を踏まえ、業務の現状を整理した上で、会員企業のニーズに対応したキャリア形成やスキルアップなどに必要な支援、受け入れ負担金の活用・還元策などを検討する。4回ほど会合を開き、今夏に成果をまとめる。」(『建設工業新聞』2026.02.18)
●「あらかじめ決めた時間を働いたとみなす裁量労働制について、高市早苗首相が20日の施政方針演説で見直しに言及した。経済界が求める手続きの緩和や対象業務の拡大に、取り組むとみられる。労働組合は長時間労働につながると反発しており、労働者の健康に配慮した着地点を探る必要がある。『裁量労働制の見直し、副業・兼業にあたっての健康確保措置の導入、テレワークなどの柔軟な働き方の拡大に向けた検討を進める』。首相は演説で表明した。2025年10月に第1次内閣を発足させた際は閣僚に指示し、労働時間規制の緩和を探っていた。19年に施行した働き方改革関連法は残業時間の上限を最大で年720時間と定める。違反すれば罰則がある。施行から5年を過ぎた時点での見直しを規定する。…経団連は生産性向上の観点で裁量労働制の拡大を訴える。従業員の過半数で構成する労働組合をもつ企業に限って、労使合意のもとで対象拡大できる仕組みの創設を要望する。業務では具体的に営業やコンサルタントへの拡大を求めている。…労働組合側には異論がある。労組の全国組織、連合の芳野友子会長は19日の記者会見で『長時間労働を招きかねない。反対の立場だ』と強調した。業務量や時間配分を働き手が実質的に決められず、長時間労働が定着してしまうといった指摘もあり、『定額働かせ放題』との批判がつきまとう。厚生労働省の調査では、裁量労働制が適用される労働者で労災認定を受けたのは24年度に8件で、このうち自殺を含む死亡事案は2件あった。24年4月には国が健康維持のため求める措置に、終業から次の始業まで一定の休息時間を置く『勤務間インターバル』や深夜労働の回数制限を追加したばかりで、連合はこれらの徹底を訴える。この先は高市政権が立ち上げた日本成長戦略会議の労働市場改革分科会や労働政策審議会(厚労相の諮問機関)で具体策を議論することになる。夏までに一定の方向性を示す方針だ。」(『日本経済新聞』2026.02.21)
●「厚生労働省は27日、最低賃金の発効日を巡る議論に着手した。今までは多くの地域が10月に発効していたが、過去最高の引き上げとなった2025年度は大きく遅れる事態が相次いだ。いまだに25年度の最低賃金が発効していない県もある。大幅引き上げがもたらす『副作用』を検証する。同日、厚生労働相の諮問機関である中央最低賃金審議会が、学識者からなる公益委員、労働者と使用者の代表を集めた協議会を開いた。25年度の最低賃金では、引き上げ幅が全国の加重平均で66円と過去最大となった。インフレが続く中、非正規雇用で働く人も含めた幅広い労働者の賃上げが急務となっていた。…使用者側は最低賃金の大幅引き上げを受け入れる条件として、見直した賃金が地域内の労働者に適用される発効日をできるだけ遅らせるよう要請した。賃上げ原資を確保する時間が必要なことや、最低賃金の引き上げが『年収の壁』を意識した就業調整を招き、繁忙期である年末に人手不足が生じるとの懸念があった。これを踏まえ国の審議会は、公益委員の見解として、実際の最低賃金の金額を決める都道府県の地方最低賃金審議会で『発効日についても十分議論を行う』ことを求めた。この結果、今までは10月に設定することが多い発効日が大きく遅れることとなった。中でも25年中に発効せず、26年に越年される県が6つ出た。…労働者側で基幹労連の伊藤彰英委員は『賃上げ結果を社会全体にいち早くいきわたらせるために早期発効すべきだ。発効日の遅れが労働者の所得向上を遅らせる原因になっている』と懸念を示した。使用者側の経団連の新田秀司委員は『ここまでばらつくと正直思っていなかった』と述べた。そのうえで『発効日の一定の目安を示してほしいという声があがっている』とも指摘した。協議会では発効日の『合理的な範囲』について議論することを確認した。26年度の最低賃金の議論が本格化する前に発効日について一定の方向性を示したい考えだ。経済団体からは1月1日を発効日とする意見もあがる。複数回の会合で労使の見解を集約し、落としどころを探る。」(『日本経済新聞』2026.02.28)
●「ゼネコン各社の利益面での好調ぶりが鮮明になっている。大手・準大手ゼネコン23社(単体27社)の2026年3月期第3四半期の連結決算は全体の9割を超える22社が営業増益で推移。過去の受注競争の激化や資材高騰の影響から脱却し、10社が過去最高となる営業利益を記録した。通期予想も上方修正が相次いでおり、高収益体制が続く見通しだ。」(『建設通信新聞』2026.02.16)
●「建設業情報管理センター(CIIC)は、2024年度の『建設業の経営分析』をまとめた。企業の収益性を示す指標は6項目全てが前年度から改善した。このうち売上高総利益率は前年度比0.55ポイント増の26.50%で、調査開始以降最高となった。CIICに経営状況分析を申請した4万3099社の財務諸表を調査した。財務比率を▽収益性▽活動性▽流動性▽健全性▽生産性▽その他――の6グループに分類し、全26指標の数値を調べた。売上高総利益率は、土木建築、土木、建築、設備、職別の全ての業種で上昇し、設備が0.59ポイント増の30.67%と最も高かった。売上高別に見ても、『5000万円未満』から『20億円以上』の8階層全てで改善した。収益性を示す指標は、売上高総利益率のほか、総資本経常利益率、自己資本経常利益率、総資本売上総利益率、売上高経常利益率、売上高営業利益率の全6指標が改善した。」(『建設通信新聞』2026.02.17)
●「日本建設業連合会(宮本洋一会長)は20日、民間工事の契約で、十分に活用されていない民間請負契約約款の利用促進に向け、発注者となる民間事業者・施主の理解と協力を得るためのリーフレットを公開した。国土交通省、全国建設業協会、全国中小建設業協会との連名で作成。官民を挙げて、契約当事者の対等性確保や紛争の未然防止などに役立つ民間約款の普及・定着を目指す。」(『建設通信新聞』2026.02.24)
●「建設工事が滞りセメント販売の減少に歯止めがかからない。セメント協会(東京・中央)が26日発表した1月の国内販売量は、前年同月比5.4%減の224万9000トンだった。41カ月連続の前年割れはリーマン・ショックのころと並び過去最長だ。建設需要はあるが人手不足や資材高が響く。セメントメーカー各社は国内生産の維持や収益確保へ対応を急ぐ。セメント国内販売量の前年割れは2022年9月から続く。1月も減ったことで、リーマン・ショックに伴う建設需要の低迷などから減少が続いた07年6月~10年10月の過去最長記録と並んだ。セメント協会は同日、26年度の国内販売が3000万トンになる見通しと発表した。1963年度(2900万トン)以来63年ぶりの低水準だ。…建設需要自体は堅調だ。国土交通省の大手ゼネコン(総合建設会社)50社を対象にした調査では、国内工事受注高は20兆3660億円と5年連続で増えた。東京など都心部の再開発や能登半島地震など災害から復興需要、整備新幹線の延伸工事など案件は数多い。需要が落ち込んだリーマン・ショック期とは異なる。だが電気や空調などの専門人材が不足するなどで工事が進みにくい。国交省によると、受注の積み上がり状況を示す手持ち工事月数は2025年11月時点で18.2カ月と高水準で、1年前からは1.2カ月伸びた。大手ゼネコン幹部は人手不足を理由に『断る案件は増えている』と明かす。価格高騰も響く。国内のセメント価格は指標となる普通セメントの特約店卸値(東京地区)が1トン当たり約1万8300円(中心値)と、記録のある1996年以降で最高値となっている。」(『日本経済新聞』2026.02.27)
●「空き家を狙う窃盗事件が相次ぐ。2025年の侵入盗は20年の3.7倍で、初めて1万件を超えた。高齢の家主が入院や施設への入所で不在でも、金品や家財は残されている例がある。門扉に置いた目印の石が動いているかを見て長期不在を確認する窃盗グループもいる。住宅の管理サービスを活用するなどの防犯対策が欠かせない。…警察庁によると、空き家を狙った侵入窃盗事件は25年に1万1958件認知された。統計を取り始めた20年以降で初めて1万件を上回り、同年比で3.7倍を超えた。空き家は増え続け、リスクは高まる。総務省が5年ごとに実施する住宅・土地統計調査で、23年の全国の空き家は約900万戸と過去最多だった。このうち賃貸や売却、別荘などの目的がない空き家は約385万戸。30年で約2.5倍になった。高齢の家主が病院や介護施設に移って長期不在となったり、親の死亡後に相続した実家が手つかずで残ったりする例が多い。金品や家財の残置は少なくない。離れて暮らす親族らは頻繁に訪問できず、日常的な管理が行き届かないケースがある。国土交通省が空き家の所有者を対象に行った24年の調査で、管理の頻度は『月に1~数回』(34%)が最も多く、『年に1~数回』(27.6%)が続いた。」(『日本経済新聞』2026.02.17)
●労働者福祉中央協議会は16日までに、30歳以下の働く若者3000人を対象にした「住まいの実態調査」の結果を公表した。月収に占める家賃などの住居負担率は平均25.3%で、独身1人暮らしでは「かなり負担」と答えた人が3人に1人に上った。家賃や住居費の高騰、上がらない賃金が若者の生活を脅かしている実態が明らかになった。(『しんぶん赤旗』2026.02.17より抜粋。)
●「東京のマンション市場で、短期転売の対象が都心物件に集中する傾向が目立っている。民間調査によると、2025年には千代田区の築5年以内の物件のうち約5%の戸数が売りに出て、23区平均の2倍の転売率を示した。中央区や港区も高い。マンション戸数全体からみれば比率は低いが一部の高額転売が周辺相場をつり上げる懸念はある。不動産調査会社の東京カンテイ(東京・品川)が24日に発表した。築5年以内のマンションを対象に流通市場で売りに出た戸数を調べ、総戸数で割って短期転売率を算出した。東京23区の平均は25年に2.49%と、前年(2.29%)から上がった。比率は千代田区(4.92%)、中央区(4.66%)、港区(4.57%)など都心ほど高い。転売時の価格が新築時に比べてどれくらい上がっているかを示す値上げ率をみると、東京23区の平均では6割高くなっていた。中央区や港区では平均で新築価格の2倍で売り出されており、強気な価格設定が目立つ。…際立つのは、都心を中心に、転売率と値上げ率がともに近年大きく上昇している点だ。例えば千代田区は19年時点で転売率が2.24%、値上げ率が22.3%だった。25年はそれぞれ4.92%、62.6%になった。マンションの投機的な売買は国や自治体も問題視している。国土交通省は25年11月に実態調査を公表し、24年1~6月に取引された23区の物件のうち9.3%が取得後1年以内の売買だったと指摘した。同比率は23年(5.7%)から大きく上がっている。千代田区は25年7月、一部の新築マンションの転売を5年間禁止する特約を導入するよう、デベロッパーでつくる不動産協会(東京・千代田)に要請した。樋口高顕区長は『このままでは普通の人が住めない街になってしまう』と危機感を強める。相場の急上昇は足元の売買の動きにも影響を与えている。ニッセイ基礎研究所の吉田資上席研究員は『都心では値上がりについていけない層が出てきている』と指摘する。東日本不動産流通機構(東京・中央)のデータによると、26年1月の都心3区(千代田、中央、港)では売り出しの希望価格が1平方メートルあたり334万円だったのに対し、実際の成約価格は255万円にとどまった。24年後半から売り出し価格と成約価格の差の広がりが目立っている。」(『日本経済新聞』2026.02.25)
●「都心の中古マンションの価格上昇に変化の兆しが出てきた。新規の売り出し価格の伸びが続く一方、売却相手が決まった際の成約価格は減速しているためだ。両価格の差が『ワニの口』のように開く状況は、投資目的ではなく自ら居住するために買う実需層の購買力が限界に近づきつつある状況を映す。」(『日本経済新聞』2026.02.26)
●「トランプ関税の合憲性が争われた訴訟で米連邦最高裁は20日、相互関税など一連の関税を課す権限はトランプ米大統領にはないとする判決を出した。米憲法では関税を課す権限を連邦議会に与えていることを重視した。政権は看板政策の修正を余儀なくされ、企業の事業戦略にも影響を与える可能性が高い。」(『日本経済新聞』2026.02.21)