情勢の特徴 - 2026年3月後半

経済・財政 行政・公共事業・民営化 労働・福祉 建設産業・経営 まちづくり・住宅・不動産・環境 その他

経済・財政

●「王子ホールディングス(HD)は2026年春入社以降の社員の退職一時金を廃止する。中途入社の拡大や資産形成意識の高まりで月給を重視する若年層が増えており、退職金の原資で給与を引き上げる。勤続年数に応じて増える退職一時金は終身雇用を下支えしてきた。日本の雇用慣行が一段と変わる契機になる。」(『日本経済新聞』2026.03.18)
●「日本商工会議所は17日、中小企業を対象にした最低賃金を巡る調査結果を発表した。見直された最低賃金が発効となる時期について、1月以降が望ましいと回答した企業は最低賃金の影響を受けた企業の51%になった。最も多かった回答は例年通りの『10月』で40%だった。次いで多いのは金額が決まった翌年の『3月』で33%だった。『1~2月』も18%となり、1~3月が合計で51%となった。『11~12月』は9%だった。」(『日本経済新聞』2026.03.18)
●「大手行が変動型の住宅ローンの金利を引き上げている。4月の変動金利(最優遇金利)の平均値は15年ぶりの水準になる見通しだ。金利上昇リスクを避けようと、毎月の返済額が変わらない固定型に借り換える動きも出始めた。…三菱UFJ銀行と三井住友銀行は3月から、変動型の基準金利を0.25%引き上げて3.125%にした。2025年12月の日銀の利上げなどを反映し、両行とも2000年代の再編以降で最も高い水準となった。みずほ銀行、三井住友信託行、りそな銀行の3行も4月以降に引き上げるとみられる。…住宅ローン比較診断サービス『モゲチェック』を運営するMFSによると、4月の変動金利(最優遇金利)の平均水準は15年ぶりに1%を超える見通しだ。例えば返済期間35年で5000万円を借りている場合、毎月の返済額は5000~6000円程度増える。同社は金利が上がるたびに返済額が増える変動型に嫌気し、固定型を選ぶ人が増えると予想する。全期間固定型の『フラット35』実行件数首位のSBIアルヒによると、変動型からフラット35への25年の借換申込件数は前年比8.4倍となった。同社は件数を明らかにしていないが数百件規模で増えたとみられる。主に全国約100の拠点で相談を受け付けていたものの3月2日からは専用のオンライン窓口も開設して対応を急ぐ。…フラット35は住宅ローン債権を住宅金融支援機構が買い取り証券化する仕組みだ。資本効率を高められるため特に預貸率が高い銀行にとって扱いやすい。新たにフラット35の取り扱いを検討しているネット銀もある。大手5行平均の10年固定金利(最優遇金利)は約3%と変動型と比べると依然として高い。固定型の主な基準となる10年物国債利回り(長期金利)は、原油価格の上昇などにより国内インフレが加速するとの観測から足元で上昇が続き、『当面は変動金利の人気が続く』(MFSの塩沢崇取締役)。」(『日本経済新聞』2026.03.25)
●「2025年の悪質リフォーム事件の摘発件数は83件(前年比17件増)、摘発人数は175人(同45人増)だったことが26日、警察庁のまとめで分かった。いずれも統計が残る10年以降で最多。被害額は、前年の約45億5千万円から3倍以上の約151億6千万円に上った。」(『日本経済新聞』2026.03.27)
●「2026年度暫定予算は30日、衆参両院の本会議で与党などの賛成多数で可決され、成立した。政府・与党は同日、26年度予算案の月内成立を断念した。暫定予算は26年度予算案が成立するまでの期間に必要な政府支出の財源となる。」(『日本経済新聞』2026.03.31)

行政・公共事業・民営化

●「今後の建設業政策を話し合う国土交通省の有識者勉強会は17日、最終会合を開きこれまでの議論を取りまとめた。第3次担い手3法以降も残る旧来の課題を克服するため、将来の建設業政策の方向性を定めた。取りまとめには建設業界に対するメッセージ性も持たせた。勉強会の議論をベースにこの先の政策の輪郭を描いていくことになる。」(『建設通信新聞』2026.03.18)
●「国土交通省は、地方自治体が直轄工事の標準歩掛かりと異なる独自の歩掛かりを作成する際の手引となる事例集をまとめた。施工実態調査や見積もり徴収で歩掛かりを設定し定期的に更新するなど、適切に運用している地方自治体の好事例を収録し、独自歩掛かりの作成手順や留意事項を示した。独自歩掛かりの作成を検討する地方自治体に参考にしてもらい、好事例の横展開につなげる。地方自治体が積算に使う歩掛かりの多くは標準歩掛かりを準用している。標準歩掛かりは規模の大きい直轄工事をベースに設定しているため、地域建設業界からは地方自治体発注の小規模工事にはなじまず予定価格が正確に算出されていないといった指摘が出ている。一部の地方自治体は現場条件や施工実態を反映するため、標準歩掛かりと異なる独自歩掛かりを設定。国交省の調査によると、都道府県・政令市の約半数で独自歩掛かりを作成していた。独自歩掛かりを作成したいが方法が分からないといった地方自治体もいたため、都道府県・政令市にアンケートや聞き取りを行い事例集をまとめた。」(『建設通信新聞』2026.03.19)
●「昨年6月に成立した改正貨物自動車運送事業法(改正トラック法)のうち、違法な白ナンバートラック(白トラ)に関する規制が4月1日から強化される。建設業界内からは、現在も多くの現場で稼働している白ナンバーのダンプカーなどが使えなくなるのではないかといった心配の声が聞かれるが、白トラに対する規制内容が変わるわけではない。改正法の柱の一つは、荷主に対する罰則を新たに設ける点だ。違法な白トラに貨物の運送を委託した荷主は、100万円以下の処罰の対象となる。また、白トラへの関与が疑われる荷主は、トラック・物流Gメンによる是正指導の対象にもなる。違法な白トラ行為とは、トラック法の許可を受けずに、有償で貨物の運送を行うことを指す。法律を所管する国土交通省は、『改正法は違法白トラを行う者に関する従前の取り扱いを変更するものではない』とした上で、特に個人事業主による自家用ダンプカーの利用が多い建設現場などに混乱が生じないよう、自家用ダンプの法律上の取り扱いを明確化する通知を関係団体に発出している。通知によると、建設現場で使うダンプも『他人の需要に応じ、有償で、貨物の運送を事業として行う場合』は許可か必要となるが、一定の要件を満たす場合は許可が不要となる。その一つが、建設関連会社などが自ら所有する貨物を自ら運送するケース。自社のニーズに応じており、運送行為の対価も発生しないことが通常であり、要許可には該当しない。例えば、土砂販売業者が、販売目的で購入した土砂を、自社と雇用関係にある従業員に運搬させる場合などがこれに当たる。建設関連会社のなりわいと密接不可分であり、その業務に付帯するものとして運送を行うケースも許可は不要だ。建設工事を請け負った企業が、工事に付帯する業務として、現場で発生した残土を、自社と雇用関係にある従業員に運搬させる場合などが該当する。」(『建設通信新聞』2026.03.26)
●「国土交通省は、改正建設業法に基づく労務費の基準(標準労務費)の運用状況をフォローアップするための取り組み内容を固めた。企業・現場を対象に契約・支払いの各段階で新たな調査を実施し、労務費の行き渡りのボトルネックや技能者への賃金支払いを把握する。技能者個人へのヒアリングなどミクロな視点でも実態をつかみ、必要な施策の検討に役立てる。」(『建設通信新聞』2026.03.27)

労働・福祉

●「厚生労働省がまとめた2025年(1-12月)の職場での熱中症による死傷災害発生状況(速報値)によると、休業4日以上の死傷者は1681人、死傷者のうち死亡者は15人となった。死傷者は4年連続して増え、統計を取り始めた05年以降で最多となった。ただ、死亡者数は前年と比べ半減し、5年ぶりに減少した。死傷者数が1000人を超えたのは、18年、23年、24年に続き4回目となる。厚労省による分析はこれからだが、猛暑だったことなどが死傷者数の増加につながったとみられる。このうち建設業は、死傷者数が前年比62人増の278人、うち死亡者数は3人減の5人だった。」(『建設通信新聞』2026.03.17)
●「地方公務員の人手不足が深刻さを増している。日本経済新聞が総務省作成の定員管理のモデル式を使い全国1718市町村のデータを分析したところ、衛生部門の職員数は56%の自治体が標準とされる数を下回った。行政サービスの需要に対し職員数が不十分で、中長期的に維持できなくなるおそれがある。総務省は自治体による職員数の適正管理のため、モデルとなる標準値を算出できる『定員モデル式』を公表している。ごみ処理などを担当する衛生や土木など6~7部門が対象となる。自治体は人口やごみ収集量、都市計画費など各データを入力して同規模の自治体における標準値を出し、採用や人員配置の判断材料にする。今回は2018~19年公表のモデル式を使い、市町村の20~25年時点のデータを分析した。衛生は961市町村(56%)が標準値を下回った。議会・総務は847市町村(49%)、土木は749市町村(44%)が下回った。衛生は職員数が標準値より2割以上少ない自治体が全体の29%で、4割以上少ないのは10%だった。規模が市よりも小さい町村(926自治体)では、土木は52%が標準値を下回った。職員数が2割、以上少ない町村は26%、4割以上少ない町村は10%だった。総務省のモデルは標準的な水準との乖離(かいり)を示す。実際の人員規模がどう変化しているかも把握するため、総務省の『地方公共団体定員管理調査』をもとに職員の減少率を調べた。同調査によると、15~25年で衛生の職員数が20%以上減った市区町村は318で全体の18%を占める。その割合は税務が16%、土木が15%、社会福祉サービスを扱う民生が11%だった。同調査では地方公務員の総数は同期間に3%増加した。就業者の総数は同7%増で、労働力全体の推移からも十分供給できているとはいえない。」(『日本経済新聞』2026.03.22)
●「連合は23日、2026年春季労使交渉の1回目の回答集計を公表した。基本給を底上げするベースアップ(ベア)と定期昇給(定昇)を合わせた賃上げ率は平均で5.26%だった。25年の初回集計時の5.46%を0.2ポイント下回ったものの、前年に続く高水準となった。中小企業は5.05%と2年連続で5%台に乗せた。23日午前10時時点の1100組合への会社回答をまとめた。全体平均は3年連続で5%台となり、夏場の最終集計まで維持すれば、1991年以来35年ぶりとなる。前年と比べた賃上げ率の縮小幅を規模別に見ると組合員数300人以上の大企業が0.2ポイントで、300人未満の中小企業の0.04ポイントより大きかった。賃上げ率の内訳でベアを明確に区別できる960組合では、ベアによる引き上げ率は3.85%で前年同期を0.01ポイント上回った。ベア分の集計を始めた15年以降で最高となった。大企業は0.01ポイント上がった一方で、中小企業は0.08ポイント下がった。連合は大企業との格差を埋めるため、前年に続き、中小企業については全体よりも高い6%以上の賃上げを掲げた。集計結果は例年、最終集計にかけて引き上げ率が縮む。中小の交渉がピークを迎える4~5月にかけて勢いを持続できるかが焦点となる。」(『日本経済新聞』2026.03.24)
●「建設経済研究所は、技能者の雇用流動化の実態把握に向けた調査研究結果をまとめた。現場単位の労働移動について公的な需給調整事業の活用実績は限定的とし、現状は法に触れる恐れのある応援が需給調整を担っていると指摘。流動的な働き方は供給面での寄与も期待できるとし、必要な仕組みづくりを提言した。」(『建設通信新聞』2026.03.26)
●「出入国在留管理庁は27日、2025年末時点の在留外国人の人数が過去最多の412万人になったと発表した。前年から35万人増加し、初めて400万人を超えた。労働現場の人手不足を補う『特定技能』の受け入れが広がった。」(『日本経済新聞』2026.03.28)
●「建設業振興基金(谷脇暁理事長)は、建設キャリアアップシステム(CCUS)の技能者登録方式を2027年4月から詳細型に一本化する。簡略型と比べて高額な登録料は一本化に合わせて当面引き下げる。改正建設業法に基づく労務費の基準(標準労務費)や同年4月に始まる育成就労など、CCUSの能力評価を前提とした制度が整いつつある。技能や経験に応じた処遇に向けて能力評価を浸透させる。」(『建設通信新聞』2026.03.31)

建設産業・経営

●「全国建設業協会(全建、今井雅則会長)は13日、都内で開いた理事会で2026年度事業計画を決めた。事業費の確保や生産性向上、働き方改革、処遇改善を引き続き推進。賃上げや下請契約への反映などに取り組み、来年以降の設計労務単価の引き上げも目指す。28年に迎える設立80周年に向け『(新)地域建設業の将来ビジョン(仮称)』の策定も進める。総合企画委員会の下に専門委員会を設け、『地域建設業将来展望(全建70周年展望)』をフォローアップする。」(『建設工業新聞』2026.03.16)
●「改正貨物自動車運送事業法に基づき、白ナンバートラック(白トラ)に対する規制が4月1日から強化されるのに伴い、誤解や懸念が広がっている。白ナンバーのダンプトラックが一律で使えなくなるとの誤解から、白トラの利用を避けようとする建設会社が出ている。廃業を考える個人事業主もいる。車両の確保に奔走する建設会社が多い中、車両関係団体や労働組合からは『円滑な工事の実施に影響しかねない』との指摘もある。法改正で白トラに貨物運送を有償で委託できないことが明確化された。違法な運送を依頼する荷主などは、4月からトラック・物流Gメンによる是正指導の対象となる。ただ、工事を請け負った建設会社と雇用関係にある従業員が運搬する場合など、運送が可能なケースもある。こうした中、4月からの法運用に関する行政機関の広報物などをきっかけに、白トラの存在自体が違法であるかのような誤解が生じるケースも出ている。国土交通省は建設業団体などに対し、『いわゆる違法白トラに運送委託を行った荷主などに対する規制が新たに適用される』とした上で、個人事業主の自家用ダンプ利用が多い建設現場について、『従前の取り扱いを変更するものではない』とする通知を2月に出した。建設現場で混乱が生じないよう取り扱いを明確化した。…土砂運搬などに使われる大型車両は、2024年12月末時点で事業用約7.4万台、自家用約12.0万台とされる。舗装工事では合材輸送、土木工事では残土や資材の搬出入など、施工の一部を担っている。一方で車両の維持費負担は大きく、個人事業主の間では、白トラ規制を巡る誤解が『車両を売却して廃業を選ぶような離職の後押しになりかねない』(団体関係者)との危機感が生まれつつある。『4月から警察に呼び止められるのか』など、個人事業主からの問い合わせも寄せられている。処遇への影響を懸念する見方もある。規制開始を前に、行政機関などからの情報提供は今後さらに活発化するとみられる。建設会社、個人事業主の両方に誤解や懸念があるだけに、より分かりやすい情報提供と不安の払拭が求められそうだ。」(『建設工業新聞』2026.03.17)
●「国土交通省と建設業主要4団体は19日、2026年の技能者の賃上げ目標について『おおむね6%』とすることを申し合わせた。改正建設業法に基づき、適正な労務費の確保と行き渡りを民間工事でも徹底し、官民一体となって目標達成を目指す。処遇改善に向けた賃上げの機運をさらに高め、あらゆる現場に広げることが求められる。」(『建設通信新聞』2026.03.23)
●「M&Aキャピタルパートナーズは、『「2025年版」建設業の2024年問題の対応に関する実態調査』をテーマに調査リポートをまとめた。人手不足を感じている経営者は72.7%に上り、全体として人手不足の改善があまり進んでいない状況が明らかになった。25年11月11日-12日にインターネット調査を実施し、建設業経営者110人が回答した。『人手不足を感じる』と回答した72.7%のうち、『非常に感じる』と回答した企業は昨年に比べ19ポイント減少したものの30%を占め、『やや感じる』は42.7%だった。人手不足対応で講じる施策は『基本給の引き上げ』が53.8%と最も多く、『福利厚生の充実』が28.7%だった。時間外労働の上限規制の対応状況では『対策できている』が前年度比21.8ポイント増の52.8%、『対策できていない』が20.3ポイント減の32.7%で、改善が見られた。」(『建設通信新聞』2026.03.23)
●「金子恭之国土交通相と建設業の主要4団体トップが19日に行った意見交換会で、民間発注者を含めた建設工事のサプライチェーン(供給網)全体での価格転嫁に議論が集中した。昨年12月に全面施行した改正建設業法に基づき、適正な労務費・賃金が確実に行き渡る環境を早期に実現する必要性を訴える声が強まっている。『仕事量が減った時にどう耐えるか。その時に価格や工期のダンピングに陥ると、元のもくあみになってしまう』(宮本洋一日本建設業連合会〈日建連〉会長)との危機感がある。…日建連の宮本会長は『さまざまな発注者の皆さまにも同じ認識でコミュニケーションを促進し、相互理解を含めてウィンウィンの関係を構築できるよう指導をお願いしたい』と国に訴えた。労務費の行き渡りや請負代金・工期の変更協議に関する改正業法の新しいルールの定着に向け、サプライチェーンの出発点となる発注者の理解を最も重要視する。『不動産協会から意見交換の場を持ちたいと申し入れを受けており、現在その方向で調整している』とも話した。建専連の岩田正吾会長は『専門工事業では全国的に工事量が激減している』と実情を明かした。改正業法に基づく『労務費に関する基準(標準労務費)』の現場への浸透は道半ばで、元請などの工事発注責任者や現場所長の認識にも温度差があると指摘。元請と下請の両方でダンピングを助長する空気感が膨らむことを強く懸念した。宮本会長も、多くが中小企業となる下請業者の価格転嫁を巡る課題に『日建連としても、また全建とも協力しながら、どうやっていくか考えていきたい』と応えた。」(『建設工業新聞』2026.03.24)
●「緊迫する中東情勢を背景に原油価格が急騰した影響で、アスファルト合材の製造コストが上昇している。日本アスファルト合材協会(日合協、今泉保彦会長)は、施工者など合材を購入する需要者に対し、適正価格で取引するよう、23日に働き掛けを始めた。主原材料のストレートアスファルト(ストアス)や、製造工程で不可欠なA重油の価格上昇を企業努力だけで吸収するのは困難。日合協は『価格転嫁の遅れが供給体制の維持に影響しかねない』と危機感を募らせている。」(『建設工業新聞』2026.03.25)
●「日本建設業連合会(宮本洋一会長)は25日の理事会で、2026年度事業計画を決定した。昨年7月に公表した建設業の新長期ビジョンの具現化に歩み出す。35年度をターゲットに、生産性25%向上を図りながら、異次元の処遇改善を実現し、選ばれる産業への変革を目指す。宮本会長は『26年度は、ビジョンで掲げた取り組みを着実に推進していく段階となる。生産性向上や働き方改革、人材育成、処遇改善などを一体的に進め、国内外の人材から選ばれる新4K(給与・休暇・希望・かっこいい)の魅力ある産業となるよう全力で取り組む』と強調した。26年度の重点方針には、▽新長期ビジョンに基づく具体的な取り組みの推進▽労働規制の柔軟化をはじめとした働き方改革の推進▽建設事業にかかる全ての関係者のウィンウィンな請負関係の構築▽防災・減災、国土強靭化、インフラ老朽化対策をはじめとした積極的な公共投資の推進▽建設キャリアアップシステム(CCUS)の促進、経験や技能に応じた適正な労務賃金の実現など技能者の処遇改善による担い手確保に向けた取り組みの推進――など8項目を掲げた。」(『建設通信新聞』2026.03.26)
●「日本建設業連合会(宮本洋一会長)は、『下請取引適正化と適正な受注活動の徹底に向けた自主行動計画』を改定した。元請けとして、『労務費に関する基準』を踏まえた適正な労務費を内訳明示した見積書の提出を下請けに要請し、それを尊重することなどを追記した。国土交通省の建設業法令順守ガイドライン改正などを受けた改定で、今回で5回目の見直しとなる。25日の理事会で承認した。」(『建設通信新聞』2026.03.26)
●「鉄筋コンクリート(RC)造のマンションなどに使う鉄筋(異形棒鋼)の国内価格が2年ぶりに上がった。需要の弱さから値下がりが続いてきたが、イラン情勢の悪化で製鉄コストや鉄鋼製品の先高観が急速に強まった。流通事業者の安売りに歯止めがかかり、相場が押し上げられた。メーカーは更なる値上げを目指しており、建設コストの押し上げ要因になり得る。」(『日本経済新聞』2026.03.27)
●「日本建設業連合会(日建連)の宮本洋一会長と押昧至一、蓮輪賢治両副会長が25日、東京都内で開いた理事会後に会見した。宮本会長は担い手確保や処遇改善を進める上で、『サプライチェーン(供給網)全体での適正な関係構築が重要だ』と強調。『全体としてウィンウィンの関係をどう築くかが最大の課題になる』との認識を示した。資材高騰や人件費上昇が続く中、『世の中全体で価格転嫁がまだ十分にできていない状況は建設業界でも同様だ』とも指摘した。」(『建設工業新聞』2026.03.27)
●「経済調査会(森北佳昭理事長)は、一戸建て住宅のリフォーム工事費の推移を指数化した『リフォーム工事費指数』を新たに作成、公開した。不透明になりがちなリフォーム工事費の見える化に貢献する。資材価格の高騰や職人不足を要因に工事費の伸びは著しく、2025年までの直近5年で約3割上昇している。」(『建設工業新聞』2026.03.31)

まちづくり・住宅・不動産・環境

●「国土交通省が17日発表した2026年1月1日時点の公示地価は、全用途の全国平均が前年比で2.8%上昇した。5年連続でプラスとなり、伸び幅はバブル期以降で最大となった。都心を中心にオフィス需要が高水準で推移するとの見方が強く、国内外からの投資マネーが25年に過去最大となって地価を押し上げた。東京圏は5.7%、大阪圏は3.8%上昇した。商業地の最高価格地点は20年連続で東京都中央区の山野楽器銀座本店だった。1平方メートルあたり6710万円と前年から10.9%上昇。25年の8.6%から伸びが加速した。名古屋圏と地方4市(札幌、仙台、広島、福岡)は前年に続き上昇率が縮小した。不動産サービス大手のCBRE(東京・千代田)によると、10億円以上の不動産投資は25年に前年比31%増の6.5兆円となり過去最大だった07年の5.4兆円を上回った。うち6割が東京を中心とした首都圏への投資だ。海外投資家による取得額が2.4兆円と過去最大だった。地方も上昇基調にあることは変わらない。都道府県別の商業地の平均変動率は38都道府県が上昇した。25年は34都道府県だった。住宅地の平均変動率も26年は31都道府県でプラスと、25年の30都道府県から増えた。」(『日本経済新聞』2026.03.18)
●タワーマンション(超高層住宅)・型再開発によって、高齢者らが次々と「終(つい)のすみか」を追い出されている。再開発には巨額の税金が注ぎ込まれている。“タワマンという名の公共事業”によって惨禍が広がっている。…花田信さん(82歳、仮名)は、2年前に東京都品川区の分譲マンションから区外に引っ越した。長年暮らしてきた小山三丁目では市街地再開発によるタワマン建設計画が進んでいる。今は築50年程のマンションで妻と二人暮らしだ。広さは以前の3分の2に。退去費用も出ないため、自力で引っ越し、家財を処分した。「準備組合は『新しいタワマンに住めますよ』なんて、いい話を並べていたが、実際は全然違った」タワマンの修繕積立金や管理費、固定資産税を自分で計算した花田さん。下層階の狭い部屋でも負担額は今までの5倍~6倍に。年金生活では「とても払えない」。「ずっと、ここ住みたかったけどね」。…小山三丁目第一地区は40階建てのタワマン計画が進んでいる。…予定地に今建つ5棟のマンションはすべて取り壊す予定だ。都市計画法では、3分の2以上の同意があれば、不同意の地権者がいても計画を強行できる。分譲マンションは1棟を1人の地権者とする。1棟に100人の所有者がいても、意見を表す権利は一人分しかない。松井朋子さん(80歳、仮名)のマンションも取り壊しの対象だ。42年前に新築で購入した。「何十年もかけてローンを払い終えた。やっと落ち着けると思ったら、あなたはここにいてはいけないと言われた。なぜ、人の財産を勝手に奪うのか。納得がいかない」と怒りに震える。…計画地は「東洋一」と呼ばれたアーケード街「武蔵小山商店街パルム」も含む。「商店街も壊され、住民1500人が追い出される」第一地区計画だけで総事業費は963億円。うち229億円が国と自治体からの補助金として計上されている。(『しんぶん赤旗』2026.03.22より抜粋。)
●「(株)いえらぶGROUP(東京都新宿区)は、不動産会社、エンドユーザーに対して『首都圏の住宅価格高騰に関するアンケート調査』を実施。有効回答953件の調査結果を発表した。エンドユーザーに『首都圏の住宅価格が高騰していると感じるか』と質問したところ、『非常に感じる』(51.5%)、『やや感じる』(26.5%)、『あまり感じない』(4.6%)、『まったく感じない』(0.8%)、『わからない』(16.6%)という結果となった。不動産会社に『首都圏の住宅価格が高騰している主な要因は何だと思うか』と聞いたところ『建築資材、人件費の高騰』が78.3%と最も多く、次いで『土地価格の上昇/新築供給の減少』が62.3%、『海外投資家の参入』が44.9%だった。続いて不動産会社に対し、価格高騰による影響を尋ねたところ、『購入を見送る顧客が増えた』が34.8%と最多だった。これらの結果から、首都圏では住宅価格の上昇がエンドユーザーの購入判断に影響を与えており、購入を慎重にする動きが広がっているとみえる。今後も住宅価格の動向が、住まいの購入意欲に影響を与える可能性があるようだ。」(『日本住宅新聞』2026.03.25)
●「政府は27日、次期住生活基本計画(全国計画)を閣議決定した。計画期間は2026年度から35年度までの10年間。ヒト、モノ、プレーヤーの三つの視点に基づき、市場機能の進化による住宅ストック価値の最大化と、人生100年時代の住生活を支える基盤の再構築に取り組む。ニーズに応じた住宅を適時適切に提供するため、円滑に住み替えやリフォームを進められる市場環境を整える。多世代で住宅ストックの活用が進むよう、長期優良住宅や高い省エネ性能を備えた住宅への支援、耐震改修、省エネリフォーム、バリアフリーリフォームの促進を図る。住宅団地や賃貸住宅は、高経年の公営住宅の老朽化対策を含めて建て替え・リフォームを推進する。…頻発・激甚化する災害に備えるため、耐震改修を促進するほか、密集市街地にある老朽建築物の除却、建て替えによる不燃化を推進する。浸水については、災害危険区域を指定しやすい環境を整備し、災害の危険性が高いエリアで住宅の立地を抑制する。耐震性が不十分な住宅ストックは35年度までにおおむね解消させる方針だ。生産年齢人口の減少に備え、国、地方自治体、事業者、居住者など関係者で連携して住宅市場を持続する体制を構築する。住宅建設技能者の確保・育成に向けて、社員大工化の促進、一人親方対策、女性や外国人など多様な人材の活躍に向けた魅力ある職場づくりに取り組む。」(『建設通信新聞』2026.03.30)

その他