情勢の特徴 - 2026年4月前半

経済・財政 行政・公共事業・民営化 労働・福祉 建設産業・経営 まちづくり・住宅・不動産・環境 その他

経済・財政

●「イラン情勢の緊迫で供給が滞るなか、日本がサウジアラビアから長期契約で輸入する原油の価格が急騰した。代表油種の3月出荷分は前月比8割上がった。日本の輸入の過半を占めるサウジ産原油の高騰で国民生活や財政への負荷は一段と強まる。算出の基になる指標原油は2008年7月以来約18年ぶりの高値水準になった。円安の影響で円建てでは過去最高を大きく更新した。日本の石油会社が長期契約で購入するサウジ産原油の価格は、アジア指標のドバイ原油とオマーン原油の月中平均価格が基になる。サウジが需給動向などを踏まえて決める調整金を加減し毎月見直される。代表油種『アラビアンライト』の3月出荷分は1バレル126.28ドルと、前月比57.71ドル(84%)上昇した。日本に今後届く原油価格に反映され、素材や原燃料など企業のコスト増に直結する。経済産業省によると2月時点で日本が輸入する原油の51%がサウジ産だった。アラブ首長国連邦(UAE)なども含めた中東依存度は94%に達し、ホルムズ海峡の実質的封鎖の打撃は大きい。値決めに使われるドバイ原油の3月の平均価格は1バレル約126ドルと、米金融危機前の08年7月につけた最高値(131ドル)以来の高さになった。日本にとっては外国為替相場の円安の重荷も加わる。円相場は3月平均(日銀公表値ベース)が1ドル=158円台後半で、原油がドル建てで最高値だった08年比で円は33%ほど減価した。3月分の円換算価格は1バレル2万100円強と前月より9500円上がり、データを遡れる1986年以降で最高だ。」(『日本経済新聞』2026.04.02)
●「金融庁と東京証券取引所は3日、上場企業に向けたコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)の改訂案を取りまとめた。企業が抱える現預金を有効活用できているか、取締役会に検証を求める項目を盛り込んだ。現預金を含めた経営資源を適切に配分し、成長に向けた設備投資やM&A(合併・買収)を促す。指針の改訂は5年ぶりになる。同日開いた有識者会議で大筋了承を得た。ガバナンス・コードは企業が持続的な成長と、中長期的な企業価値の向上を目指して従うべき行動指針だ。企業は各原則を順守するか、順守しない場合はその理由について説明する『コンプライ・オア・エクスプレイン』と呼ぶ形式をとる。改訂案では取締役会に対し、収益力などの目標を示したうえで、実現のために成長投資や事業構成の見直しをどう進めるか具体的に説明するよう求めた。現預金や政策保有株といった金融資産、不動産などの実物資産については『成長投資に有効活用できているかを含め、不断に検証を行うべきである』と記した。成長投資には設備投資や研究開発、M&Aのほか、賃上げや社員研修などの人的資本への投資を含む。成長投資を促す項目を盛り込んだ背景に、企業がお金を抱え込みすぎているという政府の問題意識がある。2025年3月末時点の東証プライム上場企業の現預金(金融や日本郵政など除く)は約115兆円と、過去10年間で4割強増えた。」(『日本経済新聞』2026.04.04)
●「高市早苗政権初の当初予算となる2026年度予算が7日、衆院本会議で成立した。一般会計の総額は過去最大の122.3兆円で25年度当初をおよそ7兆円上回り、国債費は初めて30兆円を超えた。首相は看板政策である『責任ある積極財政』を推進する。」(『日本経済新聞』2026.04.08)
●「中東情勢の悪化で国内の産業資材の取引価格の上昇圧力が強まっている。4~6月期は主要品目のうち、化学製品やアルミ合金など3分の2が値上がりする見通しだ。資材代のコストを転嫁する動きが増え、消費者が買う最終商品の価格に波及する可能性もある。日本経済新聞は素材メーカーや商社に価格見通しを四半期ごとに聞き取り調査している。4~6月期は主要な12品目のうち、3分の2にあたる8品目が1~3月期と比べて上昇を見込む。横ばいは3品目、下落は1品目。1~3月期実績が3分の1にあたる4品目の上昇だったのに対し、4~6月期は値上がり品目が2倍になる見込みだ。大幅な上昇が見込まれるのは化学製品だ。レジ袋や包装材などに使うポリエチレンやポリプロピレンといった汎用合成樹脂(プラスチック)は、米国・イスラエルのイラン攻撃に伴うホルムズ海峡の事実上の封鎖を受け、中東依存度の高い原料のナフサ(粗製ガソリン)の供給難と価格の急騰に直面。国内の原料調達コストが大きく増えた。…化学のほかに中東情勢の影響が濃くなりそうなのが、自動車エンジン部品などに使うアルミ二次合金だ。二次合金はアルミ地金相場に連動しやすい。中東産のアルミ地金が輸出できないとの懸念から、アルミ地金の国際価格が高騰した。…鉄鋼や紙製品も値上がり基調にある。鉄鋼では日本製鉄や東京製鉄などによるH形鋼や熱延鋼板などの値上げが鉄鋼商社などの取引価格に順次反映されていく見通しだ。…印刷用紙も原料コストなどの転嫁値上げを製紙会社が需要業界と交渉中だ。」(『日本経済新聞』2026.04.08)
●「ロシアによる侵攻が続くウクライナの復興で、被災した住宅の再建や住環境の回復に対する支援への期待が高まっている。大規模な住宅被害で仮設住宅などの需要が拡大。国土交通省は日本企業の技術や知見を生かす協議を進める。国交省海外プロジェクト推進課の菅井秀翔国際協力官は『今後参画する企業も含め、現地で円滑に活動できるよう後押ししたい』と今後を展望する。」(『建設工業新聞』2026.04.08)
●公租公課の滞納に起因する倒産は2025年度に、過去10年で2番目に高い水準だった。…帝国データバンクの調べでわかった。 公租公課とは消費税や固定資産税などの税金(公租)と厚生年金保険や健康保険などの社会保険料(公課)を指す。これらの納付ができなかったり、滞納状態が続いたことで自社の資産などが差し押さえられ、経営に行き詰まった倒産は25年度に221件、発生した。前年度の269件に続く2番目の高水準。25年度の公租公課倒産を業種別に見ると建設業がもっとも多く、62件だった。…資材費や燃料費の高騰を発注元へ価格転嫁できず手元資金が減少し、社保料・税金の滞納で事業停止に追い込まれたケースが目立った。とりわけ消費税は売り上げがあれば利益が手元に残らなくても課税されるため、滞納する傾向が見られる。建設業などを中心に、官公庁案件の入札や、大手ゼネコンからの発注条件として『社会保険の加入および完納』を求められるケースも多く、社会保険料を滞納したことで受注資格を失い、事業に行き詰まるケースもみられた。(『しんぶん赤旗』2026.04.08より抜粋。)
●「東京商工リサーチが8日発表した2025年度の全国の企業倒産件数(負債額1000万円以上)は前年度比4%増の1万505件だった。4年連続で増え、12年ぶりの高水準となった。物価や人件費の上昇で体力の乏しい企業への淘汰圧力が強まっている。…理由が明確に判明した案件を集計すると、人手不足を主因とする倒産は43%増の442件と過去最多を記録した。…物価高による倒産も多い。25年度は前年度比14%増の801件だった。円安などで原材料の仕入れ価格の上昇が続いている。」(『日本経済新聞』2026.04.09)
●「政府の2026年度予算が7日の参院本会議で可決、成立した。一般会計の歳出総額は122兆3092億円。公共事業関係費は前年度を220億円上回る6兆1078億円を計上している。同日には国土交通省が地方整備局や地方自治体などに予算を配分した。一般公共事業費と官庁営繕を合わせた配分対象総額は、事業費ベースで8兆4531億8800万円。緊急災害対応に備える保留額(445億2000万円)を除く配分額は8兆4086億6800万円となる。」(『建設工業新聞』2026.04.09)
●「中東情勢に起因して建設資材として使われる石油製品の調達不安が広がっていることを受け、政府は流通の目詰まり解消や価格高騰の抑制に本腰を入れる。国土交通省では10日に開いた幹部会議で金子恭之国交相が、燃料油とともに供給制限や価格状況を把握し、経済産業省などと連携を強化し対処するよう指示した。特に、多層的な商流が特徴の塗料用シンナーは、塗料メーカーに原料が供給されるまでの比較的川上側にあると想定する目詰まりの特定を急ぐ。」(『建設工業新聞』2026.04.13)
●「食料品消費税ゼロの実現に向けてレジシステムの改修が課題として浮上している。税率変更は比較的容易だが、税率をゼロに引き下げるケースは基本的に想定しておらず改修に1年程度かかるためだ。ポイント制度と連動したシステム改修も小売りにとって負担だ。…1989年に消費税が導入されて以降、POS(販売時点情報管理)レジは消費税を前提としてきた。このため8%から5%に下げるといった利率変更なら比較的簡単だが、税率をゼロにする変更には『システム側の改修が必要になり時間を要する』(POSシステム企業)という。また『不正やミス防止の観点で0%と設定できない仕様の製品が多い』との声もある。また別のPOSシステムを手掛ける大手によると、単純な支払い機能しかない個人経営店のレジであれば、税率を変えるだけで済むため比較的短期間で更新は終わる。ただ『大手スーパーやコンビニエンスストアでは独自のポイントシステムに加えて会計や在庫管理のシステムなどとの調整が必要になる』という。…日本経済新聞社が3月に実施した小売り企業を対象にした調査で、店舗の価格に反映するまでに必要な準備期間を尋ねたところ、最も多かったのは『6カ月』と『1年程度』でそれぞれ30.4%を占めた。『1年以上』(8.7%)と合わせると、全体の約7割が準備に半年以上かかると答えた。税率変更の準備で負担の大きな作業を複数回答で聞くと、『レジシステムの改修・入れ替え』は75%で、『店頭ラベル・店頭販促(POP)の書き換え』に次ぐ2位だった。」(『日本経済新聞』2026.04.14)
●「建設経済研究所と経済調査会は13日、2026年度建設投資見通しの4月推計を発表した。投資総額は名目値が前年度見通しと比べて5.4%増の80兆9400億円、物価変動の影響を除いた実質値が3.2%増の60兆3608億円。前回の1月推計から名目値は1300億円引き下げたものの、堅調な政府投資や住宅着工戸数の回復などで伸びを見込んでいる。分野別の内訳を見ると、名目値は政府全体(建築補修含む)が7.7%増の28兆円、民間住宅が6.1%増の17兆1400億円、民間非住宅が4.7%増の21兆3400億円、民間建築補修が1.6%増の14兆4600億円。実質値は、政府全体(同)が5.4%増の20兆8603億円、民間住宅が4.1%増の12兆9127億円、民間非住宅が2.5%増の15兆8892億円、民間建築補修が0.7%減の10兆6986億円だった。」(『建設通信新聞』2026.04.14)

行政・公共事業・民営化

●「中東情勢の緊迫化による原油価格や原材料費の高騰を受けて、国土交通省は公共発注者に対し、最新単価を反映した発注やスライド条項の適切な運用を要請する文書を3月31日付で発出した。先行きが不透明な中、情報提供や相談対応などで受注者の不安解消に努めることも求めた。…原油価格などエネルギーコストや原材料費の上昇により中小・小規模事業者の収益圧迫が懸念されるとし、公共工事での適正な請負代金や工期の設定を要請した。予定価格の積算への最新単価の使用や、受注者の責によらない資機材の納期遅延が発生した際の必要な工期、経費の確保を求めた。今後契約する工事や既契約工事でスライド条項の適切な設定・運用を促した。資材高騰による受注者からの変更協議の申し出への誠実な対応を呼び掛けた。公共発注者として資機材調達に対する支障の有無や物価変動などの最新状況の把握に努めるよう強調。受注者に対して可能な限り情報提供することや、受注者からの相談に誠実に応じるよう要請した。」(『建設通信新聞』2026.04.01)
●「国土交通省が実施した2025年度下請取引等実態調査によると、元下取引で労務費を内訳明示した見積書を元請けに提出した下請けは約7割で、うち見積額の全額が支払われたとの回答は8割近くに上った。改正建設業法では内訳明示した見積書の作成を建設業者の努力義務とする。適正な労務費確保に向けて『払うためにもらう』主体的な行動が求められる。調査は25年6月末までの1年間の取引を対象に3万社に実施し、1万9964社から回答を得た。元請けに対し労務費を内訳明示した見積書を『交付している』下請けは43.7%、『おおむね交付している』下請けは27.6%だった。労務費を内訳明示した見積書を交付した際の元請けの対応を下請けに聞くと、労務費を含む見積額全額が支払われる契約となったのが75.6%に上った。見積額は減額されたが労務費は減額されない契約の下請けも18.2%いた。…見積額の労務費を減額された下請けに当初見積書と最終見積書の差を確認すると、最終見積書の方が『1割程度低い』が37.1%、『1-2割程度低い』が32.3%、『2-3割程度低い』が10.2%となった。労務費の大幅な減額は、改正法に定める著しく低い変更依頼に触れる恐れがある。元請けに対して価格変更協議をした下請けは44.9%に上った。このうち価格変更を認められたとの回答は90.4%に達した。工期設定については『余裕がある』『妥当』と回答した元請けが83.0%、下請けは89.7%だった。」(『建設通信新聞』2026.04.01)
●「改正建設業法に基づき運用が始まった労務費の基準(標準労務費)の実効性確保策のうち、継続検討としていた取り組みの方針が決まった。技能者の処遇に関する通報システムは2026年度の試行運用に向けて、制度の全体工程やシステム設計を固める。悪質事業者の見える化については、法違反の恐れがある取引を示す事例集や監督処分の公表方法を充実し、事業者への注意喚起を図る。新たにフォローアップ調査も実施し、適正な労務費の適正な行き渡りを目指す。…賃金情報提供制度は、希望する技能者にシステムを通じて給与情報などを入力してもらい、建設キャリアアップシステム(CCUS)レベル別年収で最低限支払うべき賃金水準に位置付ける標準値を下回っているかどうかを簡易に判定する仕組み。提供された情報は建設Gメンによる調査の端緒情報として活用する。25年度補正予算でシステム構築に向けた調査費を計上している。調査検討では主に、▽技能者による情報提供から事業者に対する指導監督までの全体工程▽システムの全体設計・構築▽開発・運用費や本格運用のスケジュール――の3項目について内容を詰める。26年度の試行運用、27年度の本格運用を目指す。…悪質事業者の見える化は、優良な事業者が市場で選ばれる環境を構築するため、労務費や賃金の支払いが不適切な事業者を国が公表する取り組み。中小企業庁による『価格交渉促進月間フォローアップ調査』など他制度も参考に検討した結果、制裁目的での事業者名の公表は法的根拠や手続き規定の整備を要すると判断した。まずは既存のツールを生かした取り組みを進める。」(『建設通信新聞』2026.04.02)
●「国土交通省は3日、今後の建設業政策を議論した有識者勉強会の取りまとめを公表した。将来の生産年齢人口の減少が確実視される中、建設業が産業として持続的に発展するため、『これまでとは次元の異なる対応』が必要になると強調。国民や社会からの『信頼の確保』、業界全体による『生産システムの高度化・効率化』の二つの視点を軸に、人材育成や経営力強化、重層下請け構造の改善などで取り組むべき政策の方向性を整理し、具体化に向けて建設業関係者が一体で検討する場を立ち上げるよう提言した。」(『建設通信新聞』2026.04.06)
●「都道府県発注工事で建設キャリアアップシステム(CCUS)活用を工事後の成績評定や総合評価方式の入札で加点したり、カードリーダー設置費を補助したりする取り組みが全47団体で行われることになった。直近で唯一の未実施だった山形県が今月以降に公告する工事で、CCUSの登録・現場運用状況を踏まえた成績評定での加点を始める。国土交通省や建設業振興基金(振興基金)は、能力評価(レベル判定)に有効な就業履歴を蓄積できる評価方法の浸透を促す。」(『建設工業新聞』2026.04.07)
●「東日本建設業保証がまとめた、前払金保証工事から見た東日本の公共工事動向によると、2025年度(25年4月-26年3月累計)は、件数が前年度比1.4%減の11万7667件と減少した一方、請負金額は15.8%増の9兆6884億円と増加した。請負金額が9兆円を超えるのは02年度以来23年ぶり。この統計から影響度合いは測れないが、資材価格の高騰や人件費の上昇などによる1件当たりのコストアップが大幅増の要因の一つとみられる。1件1000億円超に上る東京都の超大型調節池工事や防衛省の工事量増大、自治体の学校建設工事の増加などもプラスに寄与した。」(『建設通信新聞』2026.04.13)

労働・福祉

●「国土交通省や建設業振興基金、建設業団体で構成する建設キャリアアップシステム(CCUS)運営協議会は、3月30日の総会で2026年度の事業計画を決めた。27年4月に始まる育成就労制度を見据え、外国人技能者が全ての現場で就業履歴を蓄積できる環境の整備に注力する。建設業振興基金の谷脇暁理事長は『CCUSを建設業全体の共通インフラとして機能させるためには、就業履歴の蓄積環境の整備が大きな課題になる。中でも外国人材の就業履歴の蓄積環境は早急に整える必要がある』と強調した。」(『建設通信新聞』2026.04.01)
●「厚生労働省は、2025年の賃金構造基本統計調査の結果を公表した。月額賃金(25年6月に支払われた所定内給与額の平均値)は、建設業の場合、一般労働者の男性が前年比3.8%増の37万9600円、女性は6.0%増の29万2200円だった。男女計では3.9%増の36万6300円(平均年齢45.5歳、勤続年数13.7年)となる。建設業の月額賃金は、16業種のうち上から7番目。最も高かったのは『電気・ガス・熱供給・水道業』の44万4000円だった。建設業の雇用形態別では、正社員は男女計が4.0%増の37万0900円で、男性が3.9%増の38万3200円、女性が6・5%増の29万9600円。正社員以外では、男女計で1.3%増の30万0100円となっている。また、建設業の短時間労働者の1時間当たり賃金は、男女計が4.0%増の1596円で、男性が2.3%増の1758円、女性が1・6%増の1456円だった。」(『建設通信新聞』2026.04.01)
●「日本型枠工事業協会(日本型枠、三野輪賢二会長)が行った2025年度『型枠大工雇用実態調査』によると、技能者の標準日給は、型枠大工の職長が前年度比2.2%減の1万9421円、一般技能工が1.7%増の1万6054円となった。国土交通省が示した建設キャリアアップシステム(CCUS)のレベル別目標年収を1日当たり賃金水準(労務単価)で試算すると、型枠工のレベル3で3万4370円、レベル2は3万0090円が必要だが、現実はその半分程度しか支払われていないことが分かった。調査は全国の型枠工事会社234社(会員231社、非会員3社)に加え、型枠工協力会社1134社、解体工協力会社318社も協力した。25年11月30日時点の型枠工の実態を調べた。調査対象の型枠大工数(直用工、社員大工、協力会社技能者)は1万405人(前回8470人)。うち24.3%となる2530人が外国人材だった。ここ4年の調査結果を見ると、20~24歳に占める外国人材の割合は22年28%、23年55%、24年71%、25年74%となり、若年層での増加度合いが著しい。直近1年の型枠大工の新規入職者数は428人で、外国人比率は61.9%。年齢層別で見ると、20~24歳の85.5%、25~29歳の76.2%が外国人材となる。型枠解体工は調査対象3199人のうち、28.8%となる920人が外国人材だった。」(『建設工業新聞』2026.04.07)
●「川崎市のJFEスチール東日本製鉄所敷地内でクレーンの解体中に男性作業員5人が転落した事故で、神奈川県警は8日までに、救助された4人のうち3人が死亡したと明らかにした。県警によると、5人はクレーンの重りの上で作業していて、数十メートルの高さから重りと共に落下したとみられる。1人が行方不明となっており、県警などは海に転落したとみて捜索を続けた。…事故は7日午後4時15分ごろ発生。約40メートルの足場が崩れ作業員が巻き込まれたと119番があったが、その後の県警の調べで、5人は約30メートルの高さにあった重りの上から転落したとみられることが判明した。重りはクレーンのバランスを取るため先端に取り付けられていた。元々は直径約6メートル、長さ約9メートルの円柱状で、重さは約500トンあったが、JFEによると事故当時は解体作業のため約400トンになっていた。…解体作業はJFEが東亜建設工業(東京・新宿)に発注していた。川崎市によると、現場には休止されたJFEの高炉があり、跡地を水素の供給拠点として利用するため不要になった設備などの解体が進められていた。」(『日本経済新聞』2026.04.09)
●「自民党の日本成長戦略本部は9日、高市早苗政権の『もっと働きたい改革』に関する提言案を了承した。労働基準監督署に残業削減の一律指導を求めず、働きたい人が労使協定の範囲内で柔軟に残業時間を決められるようにする。…提言案は『時間外労働を月45時間以内に削減することを求める一律の指導を見直す』と明記した。『違法な時間外労働とならないよう三六(サブロク)協定や特別条項締結のサポートをする』とも記した。」(『日本経済新聞』2026.04.10)
●「国土交通省は、建設業退職金共済制度(建退共)の掛け金納付について、4月に契約する直轄工事から電子申請方式の活用を原則化した。建設キャリアアップシステム(CCUS)との自動連携の実装により、電子申請方式の利便性は向上。掛け金納付の徹底と事務負担の軽減に向けて、現状は普及が一定にとどまる電子申請方式を直轄工事で先導して広げていく。」(『建設通信新聞』2026.04.15)

建設産業・経営

●「日本建設業連合会(宮本洋一会長)は、発注者サイドの建設事業や保全事業などの担当役員ら出席の下、毎年開催しているNEXCO3社それぞれとの意見交換会を終えた。日建連は、労務費や資材価格の上昇などで実質的に事業量が減少する中、NEXCOから受注した工事の総額・件数が大幅に減少している現状を説明した上で、安定的な高速道路整備事業の推進のため、財源の規模拡大などを要望した。また、金利の上昇傾向がキャッシュフローに影響しているとして、円滑な部分払いを行うための出来高認定の簡略化などを提案した。」(『建設通信新聞』2026.04.03)
●「帝国データバンクがまとめた2025年度の全国企業倒産集計によると、建設業の倒産は前年度比5.6%増の2041件で、負債総額は12.4%増の2222億600万円だった。4年連続の増加となり、過去10年で最も多かった。物価高や後継者不在による倒産件数も建設業が最多。帝国データの3月の景気動向調査では全業界、全地域、全規模が悪化する結果となり『米国とイスラエルによるイラン攻撃をきっかけに原油価格が急騰し、供給不安が高まっている』とみる。倒産件数の内訳は、▽職別工事業972件(前年度比6.5%増)▽総合工事業653件(7.9%増)▽設備工事業416件(0.5%増)。」(『建設工業新聞』2026.04.09)
●「日本建設業連合会の宮本洋一会長、不動産協会の吉田淳一理事長は9日、建設業の担い手確保や建築費高騰などの課題解決と、両団体の連携強化に向けて意見を交わす協議体の設立を表明した。両者は東京・霞が関の国土交通省を訪ね、金子恭之国交相に協議体の立ち上げを伝え、制度面と政策面の支援を要望。金子国交相は『(協議体設立は)歴史的な取り組みだ。両団体の思いが実現するよう最大限努力する』と力を込めた。協議体の設立は、2025年11月に不動協が日建連に対して行った建築費高騰などに関する緊急申し入れを受けたもの。建築費の問題のみならず、担い手不足や働き方、生産性に関する課題が克服されなければ、日本経済の低迷を招く恐れがあるとの危機意識を共有。サプライチェーンの先頭に立つ発注者、元請けを代表する両団体による協議体の設立を、建設業、不動産業の持続可能性を高める第一歩と位置付け、まちづくりや国土づくりの共通課題の解決に向けた道筋を議論する。意見を交わすテーマには、▽担い手確保▽就労意欲に応じた柔軟な働き方の確保▽労務費の行き渡り▽生産性の向上▽都市再生関係事業への支援措置の充実――の5項目を設定。初会合などの具体的なスケジュールは今後詰めていく。」(『建設通信新聞』2026.04.10)
●「中東情勢の緊迫によるナフサ(粗製ガソリン)の価格上昇で高値圏の住宅価格がさらに上がりそうだ。旭化成ホームズは戸建て住宅の値上げを予定するほか、建材メーカーの4割が3カ月後の在庫に影響が出ると予測している。ナフサは断熱材や水道の塩化ビニール管、塗料など幅広い建材の原料となっている。一般に戸建て住宅の建築費のうち6割を資材費が占めており、ナフサが住宅価格に与える影響は大きい。日本はナフサやその原料となる原油の中東依存度が高い。ナフサから基礎化学品のエチレンを生産する設備で減産が広がっており、幅広い化学品にコスト上昇や供給不足の懸念が出ている。旭化成ホームズは日本経済新聞の取材に戸建て住宅の販売価格について『値上げを予定している』と明らかにした。…メーカーもコスト削減に動くが対策の余地は乏しい。注文住宅ブランド『クレバリーホーム』の担当者は『一部商品で仕入れ価格が5~10%上がった』と話す。ナフサへの依存度が低い建材への切り替えを模索しているが『(ナフサは)多くの建材で使われており全面的に置き換えるのは難しい』という。建材価格の上昇はさらに続きそうだ。窓サッシを手掛けるYKKAPの堀秀充会長は『原材料の調達は2~3カ月分問題ない』としたうえで、既に表明している5月受注分からの値上げに続き『次の価格(改定)も考えざるを得ない』と話す。カネカも4月から住宅用断熱材の価格を40%引き上げた。このほか積水化学工業が塩化ビニール管などの値上げを明らかにした。塗料でも日本ペイントが希釈剤として使われるシンナー製品全般の値上げに踏み切るなど住宅関連の材料で価格改定が相次ぐ。」(『日本経済新聞』2026.04.12)
●「日本建設業連合会の建築本部は、2026年度に『生産性向上合同会議』を新たに立ち上げる。昨年7月に策定した建設業の新長期ビジョンに掲げた10年間で生産性25%向上といった高い目標の達成に向け、分野横断的な会議体にさまざまな知見を集め、実現への道筋を描く。まずは、比較的早期の効果発現が期待できるBIMの最大限活用や、部材の標準化・規格化などが主な論点になりそうだ。」(『建設通信新聞』2026.04.13)
●「インフラ建設大手のインフロニア・ホールディングス(HD)は水道設備大手の水ing(スイング、東京・港)を買収する方針を固めた。買収額は900億円超とみられる。水道は老朽化と人口減で自治体の運営難が進む。企業再編が民間による効率運営の拡大につながる可能性がある。」(『日本経済新聞』2026.04.14)
●「TOTOは13日、住宅向けなどのユニットバスの受注を停止した。原油由来のナフサ(粗製ガソリン)からつくる素材を使う溶剤が不足しているため。イラン軍事衝突によるホルムズ海峡の事実上封鎖の影響が広がる。同日、受注停止を卸業者などに通知した。再開時期は未定としている。浴室の壁や天井にフィルムを接着する接着剤や浴槽のコーティング剤に含まれる溶剤が不足している。溶剤は原油を精製したナフサ由来だ。ナフサは中東から4割超を輸入しており、中東情勢の緊迫で調達網が混乱している。TOTOは『原材料の調達見通しについてめどが立たない。今後の対応については検討する』と説明する。トイレなど衛生陶器の製造には影響は出ていないという。」(『日本経済新聞』2026.04.14)
●「日本塗装工業会(日塗装、加藤憲利会長)が会員企業を対象に実施した緊急調査の結果によると、回答者の92.2%が緊迫する中東情勢が『経営に影響している』と答えた。特にシンナー価格の急騰が深刻な状況にあり、紛争前後で価格を比較すると、46.6%が『1.5~2倍程度』、21.4%が『2倍以上』になったと回答した。材料の納期は65.3%が『未定』、27.2%が『通常よりかかる』と答えており、工期への影響が懸念される。」(『建設工業新聞』2026.04.15)

まちづくり・住宅・不動産・環境

●「工事費の高騰が、首都圏で計画・進行している再開発プロジェクトにブレーキをかけている。既存建物の解体工事に入ったものの、新たな建物の施工者が決まらないケースや、契約手続きが途中でストップする案件など、現場によって状況はさまざまだ。人手不足や資材価格の上昇圧力を解消する特効薬はなく、新年度に入ってもコスト上昇の傾向は続く見通しだ。プロジェクトの施行者は再開発をどう前に進めるか、対応に苦慮している。」(『建設工業新聞』2026.04.01)
●「販売価格が1億円以上のマンション『億ション』の供給が東京都で増えている。不動産調査会社の東京カンテイ(東京・品川)が1日に発表した調査では、2025年に供給された新築億ションの戸数は前年比62.5%増の5947戸だった。データを確認できる1973年以降で最多となった。背景には、用地取得費や人件費などの建設コストが上昇していることがある。東京カンテイの高橋雅之上席主任研究員は『超高級物件が増えているわけではなく、これまで8000万円程度で供給されていたような物件が億ションとして供給されるようになった』と話す。」(『日本経済新聞』2026.04.02)
●「政府は3日、太陽光パネルのリサイクル規制の段階的強化などを目的とした『太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律案』を閣議決定した。大規模太陽光発電所(メガソーラー)の事業者が主な規制対象となり、多量にパネルを廃棄する太陽光発電事業者には、廃棄するパネル量や工事の発注先などを含む廃棄実施計画の事前届け出を義務化することにした。太陽光パネルの廃棄量は2040年ごろに、現在の約6倍に当たる年間50万トンのピークに達する見込みだ。この最終処分量の削減と資源の有効活用、さらには太陽光パネルのリサイクル規制の段階的強化を目的とした同法案を閣議決定した。施行日は公布から1年6カ月以内とすることから、今国会で成立した場合、27年末、もしくは28年初めごろが見込まれる。同法案のポイントは大きく二つある。一つが、国(経済産業相・環境相)が定める判断基準に基づき、多量の事業用太陽光パネルを廃棄しようとする太陽光発電事業者、具体的にはメガソーラーの発電事業者などに対して、リサイクル実施に向けた取り組みを義務付けることにある。…もう一つのポイントが、費用効率の高い事業者のリサイクル計画を国が認定する制度の創設。通常、都道府県ごとに産業廃棄物の処理業務の許可の申請を個別に行っているのに対し、同法案では国がワンストップで広域的な収集・運搬・処理計画を審査・認定する仕組みを導入する。リサイクルを促進するため、技術開発や施設整備などの財政措置も講じることにしており、26年度予算案にも保管施設の導入支援などを盛り込んだ。こうした対応で、日本全国に太陽光パネルのリサイクル体制を整備していく。」(『建設通信新聞』2026.04.06)
●「不動産調査会社の東京カンテイ(東京・品川)が9日発表した3月の新築小規模戸建て住宅の平均希望売り出し価格は、東京23区が前月比8.0%高の9256万円だった。調査を始めた2014年4月以降の最高値を更新し、初めて9000万円を超えた。調査は敷地面積が50平方メートル以上100平方メートル未満の新築木造一戸建て(土地含む)について、最寄り駅まで徒歩30分以内またはバスで20分以内の物件を対象とした。」(『日本経済新聞』2026.04.10)
●「2025年度に東京23区で計画された延べ1万平方メートル超の建築物の総延べ床面積は、前年同期比48.9%減の164万5736平方メートルだった。日刊建設通信新聞社の調べで分かった。件数は、前年度より18件少ない51件。1件当たりの平均延べ床面積は1万4385平方メートル縮小した3万2269平方メートル。いずれの指標も大幅な減少となっており、近年の建設費高騰などに伴う計画変更や中止・中断などの深刻な影響が顕在化している。延べ10万平方メートル超の届出案件は2件。前年度の9件から7件減となっており、17年度、21年度実績の4件を下回り、当社調べで過去10年間の最少件数となった。」(『建設通信新聞』2026.04.14)

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