情勢の特徴 - 2026年4月後半
●「財務省は17日、国債の利払い費が2035年度に26年度の3倍超の45.2兆円に増える可能性があるとの試算を公表した。長期金利が大きく上昇するケースを想定した。リスクを踏まえた財政運営の必要性を訴えた。財務相の諮問機関である財政制度等審議会が17日、2026年度の議論を始めた。経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)や27年度の予算編成に向けて、建議(意見書)を取りまとめる。インフレの定着などを背景に長期金利は1年間で1%上昇した。1998~99年に金利が急騰した『資金運用部ショック』時を上回る水準を付けた。26年度の一般会計予算における利払い費は13兆円で、前年度から2.5兆円増えた。財務省は『国債の利払費の増加は財政リスクを高める』と指摘した。中東情勢の悪化も踏まえ、リスクを考慮した『財政的な余力の確保が必要だ』と示した。会議では今後の利払い費について試算を示した。名目経済成長率が3%になるなど一定の仮定を置いて歳入や歳出、国債発行を想定し、利払い費をはじいた。基本シナリオでは26年度の金利を3.0%とし、29年度に向け3.6%まで上がり、その後は一定と仮定した。その場合、26年度に13.0兆円だった利払い費は30年度に24.3兆円、35年度に35.9兆円となった。35年度の利払い費は26年度と比べ2.8倍となった。ストレステストとして金利がさらに1%上振れした場合の利払い費を試算した。その結果、30年度には28.8兆円、35年度は45.2兆円となった。35年度の利払い費は26年度と比べ3.5倍に膨らんだ。」(『日本経済新聞』2026.04.18)
●米国とイスラエルのイラン攻撃に起因する原油価格の高騰や供給不安について、経営に「マイナス影響がある」と答えた企業が96.6%にのぼり、今回の事態が半年程度長引いた場合、43.8%の企業が主力事業の大幅な縮小を余儀なくされる可能性があることがわかった。帝国データバンクが4月3~7日にインターネット調査を行い、1686社から有効回答を得た。原油価格の高騰や供給不安による「影響はない」との回答は2.3%、「プラス影響がある」は0.1%にとどまった。マイナス影響の内容(複数回答)をみると、「自社で使用する車両の燃料費の上昇」が73.4%で最多。次いでナフサなど「原油由来の原材料価格の上昇」(66.7%)、「物流費・輸送費の上昇」(62.0%)、「取引先からの値上げ要請の増加」(60.5%)、「電力コストの上昇」(51.1%)が続き、コスト負担の増加に関する項目が軒並み高水準となった。さらに「原油由来の原材料の調達難」(46.3%)、「サプライチェーンの不安定化(調達リスクの増加)」(32.5%)など原料調達の難しさをあげる企業も少なくなかった。(『しんぶん赤旗』2026.04.18より抜粋。)
●「財務省は、社会資本整備に関する今後の財政運営の視点を明らかにした。人口減少の中でもインフラ老朽化対策は喫緊の課題として重点的に取り組む姿勢を示しつつ、「安定財源を前提に当初予算で見通しを持って着実に進めていくことが必要だ」と主張した。2025年度補正予算で初年度分を措置した『第1次国土強靭化実施中期計画』関連施策の今後の扱い方が焦点になってきそうだ。」(『建設工業新聞』2026.04.24)
●「2025年度の消費者物価上昇率は生鮮食品を除き前年度比で2.7%だった。コメを中心に伸び、4年連続で日銀目標の2%を超えた。中東混乱に伴う燃油高を政府は補助金で抑え込むものの、関連製品への波及が上昇圧力を強める。総務省が24日発表した。25年度の物価上昇をけん引したのは食料品で、伸び率は生鮮食品を除いて7.0%だった。なかでもコメ類の48.9%が目立ち、おにぎり(15.3%)や外食のすし(6.9%)といった関連商品も上がった。コーヒー豆(47.0%)やチョコレート(34.1%)は原料高の影響を受けた。26年に入ってからはコメを中心とした食料品の価格上昇には一服感が見られる。この先は中東情勢の悪化による原油高の影響が懸念される。政府はガソリンなど車の燃油には補助金を活用した物価抑制策を打った。電気・ガス代補助も続けてきた。ただ、補助対象となっていない石油由来の製品の値上がりが3月以降、相次いでいる。…内閣府は3月に原油高の物価上昇への影響に関する試算を公表し、ピークは『1年弱後』とした。原油高はガソリン代、電気代などの光熱費に響き、やがて食料や衣料への価格転嫁へとつながる可能性がある。内閣府は影響が『3年程度は残る』とみる。」(『日本経済新聞』2026.04.25)
●「27日の東京株式市場で日経平均株価が初めて終値で6万円台に乗せた。前週末比821円18銭(1.4%)高い6万0537円36銭と連日で最高値を更新した。2025年10月の5万円到達から半年で1万円上げ、史上最速の大台替わりとなった。」(『日本経済新聞』2026.04.28)
●「石油化学製品の基礎原料となるナフサ(粗製ガソリン)の2026年1~3月期の国産価格は、25年10~12月期比でほぼ横ばいとなった。ベースとなる輸入ナフサ価格について、中東情勢の悪化前が対象だったため値動きが小さかった。次の4~6月期の国産ナフサ価格は2倍近くに上昇しそうだ。ナフサは原油の精製時にガソリンや灯油、軽油などの石油製品と同時に生産する。ナフサからエチレンやプロピレン、ベンゼンなどの基礎化学品をつくり、さらに合成樹脂や合成繊維などになる。国産ナフサは輸入した原油を国内で精製した際にでき、国内のナフサ使用量の4割ほどを占める。1~3月期の国産ナフサ価格は1キロリットル6万5700円でほぼ確定した。25年10~12月期と比べ100円(0.2%)高い。上昇は2四半期連続。」(『日本経済新聞』2026.04.29)
●「アラブ首長国連邦(UAE)は28日、石油輸出国機構(OPEC)からの脱退を決めた。米イランの軍事衝突による原油市場混乱のなかで供給責任を果たすためとしているが、裏にあるのは盟主サウジアラビアへの不信と需要破壊への焦りだ。OPECの価格支配力の低下は避けられない。」(『日本経済新聞』2026.04.30)
●「国土交通省は、建設Gメンの直近の活動状況を明らかにした。改正建設業法の全面施行を目前に控える時期から労務費の見積もり規制への対応も調査対象とし、見積書の内訳明示が徹底されていない建設業者に指導・助言している。技能者の処遇悪化の懸念がある取引などの通報は直近で急増しており、悪質なケースへの効果的なアプローチが一層重要になる。労務費の減額行為などをGメンが把握するには、見積書での適切な内訳明示が前提として必要だ。国交省は受注者・下請側にも身を守るための積極的な対応を呼び掛ける。」(『建設工業新聞』2026.04.16)
●「経済産業省は、中東情勢の影響で製造時に使用するシンナーを含む溶剤などの調達が困難になる中、一部の住宅設備・建材でも供給の滞りが生じている事態を踏まえ、住宅建材・設備の安定供給の協力を求める事務連絡を矢継ぎ早に発出している。15日には住宅設備・建材関連事業者に、16日には国土交通省との連名で住宅生産関連団体にそれぞれ要請した。」(『建設通信新聞』2026.04.20)
●「政府は、官公需法に基づく2026年度の国などの契約の基本方針を決めた。国や独立行政法人などが中小企業・小規模事業者に発注する契約目標率は、前年度に引き続き61.0%とする。官公需での価格転嫁と取引適正化、ダンピング(過度な安値受注)防止の徹底に向けた措置を明確化する。発注者による措置の実効性を担保し、高めるために措置内容のフォローアップを強化。全国の自治体を含む約2000発注機関の取り組みを『見える化』することで、受注側中小企業による発注機関の評価を拡充する。10兆5856億円の26年度官公需予算総額に占める中小企業・小規模事業者向け契約目標額は、6兆4572億円と過去最高を更新する。契約の基本方針は21日に閣議決定される見通しだ。」(『建設通信新聞』2026.04.21)
●「都道府県が低入札価格調査制度を適用する工事に使う調査基準価格の算定式について、全団体で中央公共工事契約制度運用連絡協議会(中央公契連)モデル相当または以上の水準が採用されることとなった。広島県が6月から発注する工事で中央公契連モデルの適用を表明したため足並みがそろった。」(『建設通信新聞』2026.04.21)
●「国土交通省は直轄工事のダンピング防止に向け、労働条件などのルールを設けた上で建設業者が主体的に入札価格を決めることを促す措置の検討に入った。自らの施工能力を踏まえ工事原価を見積もり、必要な経費や利益を乗せて価格を算出する入札行動への転換を促し、公正な競争環境の醸成を目指す。昨年11月から試行する技能者の賃金や労働時間の実態調査の延長線上で、労務費などの適切な支払いを工事成績評定で評価する方向。合理的な施工方法の技術提案を評価する入札方式も広く展開する。」(『建設工業新聞』2026.04.22)
●「建設業界の重層下請け構造を巡り、元請けから工事を請け負う下請けが報酬面で課題を感じている実態が国土交通省の調査から浮かび上がってきた。特に建築工事では『適切な報酬を得られない』との回答が3割を占める。他方で元請けなどの注文者側は、下請けの施工品質や安全性の低下を問題視しており、元下間の課題認識の差が浮き彫りとなった。重層下請け構造の実態把握を目的に、元請け会社や下請け会社にアンケートを実施した。元請けや中間下請けによる注文者としての回答は計2096件(土木1251件、建築845件)、中間下請けや最終下請けといった請負人の立場からの回答は計697件(土木249件、建築448件)だった。」(『建設通信新聞』2026.04.27)
●「国土交通省は、成長産業としての建設業の在り方を示す新たなビジョンを策定する。建設業団体や有識者で構成する検討会を今夏ごろに立ち上げ、現行制度・慣行の課題を洗い出し、建設業の持続的発展に必要な産業政策を議論する。建設業政策の今後の方向性を検討した有識者勉強会の提言を踏まえた会議体となる。2027年夏ごろの取りまとめを目指す。」(『建設通信新聞』2026.04.28)
●「建設業振興基金は、建設キャリアアップシステム(CCUS)の2025年度の登録状況をまとめた。技能者登録は前年度比13.6%減の19万1764人、事業者登録(一人親方を除く)は20.9%減の1万5504者だった。就業履歴数は10.9%増の6666万0072回、新規登録現場数は6.4%減の13万0009件となった。」(『建設通信新聞』2026.04.16)
●「建設業労働災害防止協会(建災防、今井雅則会長)の調査によると、高齢就労者の災害防止に当たり、元請として熱中症などの『暑熱環境作業』に注意していることが分かった。建設業に従事する高年齢者の熱中症による過去5年間の死亡者数割合は、3割弱(25.9%)だが、ここ2年は3割を超えている。高年齢者向け対策についても7割(69.7%)が取り組んでいた。約3割の取り組んでいない理由として『年齢に関係なく安全対策を実施』が最も多かった。」(『建設工業新聞』2026.04.21)
●「政府は22日、日本成長戦略会議(議長・高市早苗首相)が設けた『労働市場改革分科会』(分科会長・上野賢一郎厚生労働相)の3回目の会合を開き、論点の一つに労働時間制度を取り上げた。柔軟な働き方の拡大などに向けて、勤務間インターバル制度やフレックスタイム制、裁量労働制などについて議論する中、建設業が注目する『変形労働時間制』にも焦点を当てた。」(『建設通信新聞』2026.04.24)
●「厚生労働省は28日、正社員と非正規労働者の間に不合理な待遇格差を設けることを禁じた『同一労働同一賃金制度』の指針を初めて改正した。継続的に働く短時間労働者らに正社員並みの家族手当を支給するよう求める。」(『日本経済新聞』2026.04.29)
●「日本建設産業職員労働組合協議会(日建協、青山敏幸議長)は、5月7日に国土交通省近畿地方整備局と意見交換を行い、2026年度の政策提言活動をスタートする。持続可能な建設産業の実現に向け、産業の力を発信。時間外労働の罰則付き上限規制を踏まえ、政労使で進めてきた働き方改革を一段と推進する。第3次担い手3法の適正運用や『4週8閉所+α』の実現なども議論のテーマになる。国交省の各地方整備局と北海道開発局、内閣府沖縄総合事務局に提言活動を展開する。提言書は▽建設産業の魅力向上▽第3次担い手3法の適正運用▽4週8閉所+αの実現▽書類管理の効率化▽インフラ分野の業務効率化▽建設キャリアアップシステム(CCUS)のさらなる普及▽働きやすい建設産業の実現▽単身赴任者の帰宅旅費の非課税化―の8項目で構成する。」(『建設工業新聞』2026.04.30)
●「経済調査会は17日、中東情勢の悪化を受けて、石油系資材の価格動向をまとめた『石油系資材ウォッチ』を公開した。原油やナフサの価格上昇により、対象16品目のうち7品目が前月から値上がりした。先行きについては9品目で上昇が見込まれる『強含み』とした。4月調査に基づく臨時速報として同会の恐れ情報特設サイトで公開した。」(『建設通信新聞』2026.04.20)
●「日本アスファルト乳剤協会(森下協一会長)は、緊迫する中東情勢を背景とした原燃料の供給不安や価格高騰を受け、アスファルト乳剤の取引先に対して適正価格の取引や納期調整への理解と協力を求める要望書をまとめた。『中東情勢緊迫化に伴うアスファルト乳剤の適正取引に関するお願い』と題し、15日に会員企業へ周知。顧客などへの説明材料として活用し適正価格での取引につなげる。」(『建設工業新聞』2026.04.20)
●「中東情勢の悪化に伴い、原油由来のナフサを原料とする塗装用シンナーの調達が困難を極め、油性塗料の希釈や容器などの洗浄にシンナーを使用する塗装工事業者が調達不安に陥っている。現在もホルムズ海峡の緊張状態は続いており、事態が長期化すれば、建設工事の停滞、人手不足の深刻化に拍車が掛かりそうだ。一方、水で希釈する水性塗料に移行する動きも強まっている。」(『建設通信新聞』2026.04.23)
●「セメント協会(諸橋央典会長)がまとめた2025年度のセメント需給実績によると、国内販売量は3050.9万トン(前年度比6.5%減)となった。働き方改革で現場の作業時間が減少し全国的に需要が減少。地区別では北海道が前年実績を上回った。輸出は879万トンで前年度を7.1%上回った。国内販売と輸出の合計は3929.9万トン(3.8%減)となった。」(『建設工業新聞』2026.04.24)
●「日本建設業連合会(宮本洋一会長)が土木工事を対象に実施した会員企業アンケートによると、全体の6割超の現場が、猛暑の影響で作業効率が低下したと回答した。10-20%低下した現場が最多だったが、30%以上も一定数あった。日建連は、猛暑・厳冬など厳しい気象条件を踏まえた適正な工期の確保や設計基準・歩掛かりの見直し、必要となる費用・工期の円滑な設計変更などを発注者に働き掛けていく。全1120現場のうち、65%が猛暑による作業効率の低下があったと答えた。効率低下の程度は、『10-20%』が39%を占め、『20-30%』が24%、『30-50%』が10%、『50%超』が7%だった。効率が低下した工種は鉄筋、型枠、のり面、土工などで、休憩頻度の増加により作業時間が減った。猛暑対策としては、交代要員の増員やクーラーハウスの設置などが行われている。国土交通省は『建設工事における猛暑対策サポートパッケージ』を昨年12月に策定し、猛暑期間の作業回避や必要経費の確保などに関する具体策をまとめた。日建連はサポート施策のうち、熱中症対策費用について、現場環境改善費の100%を上限に設計変更が可能となる制度を既契約工事にも遡及(そきゅう)適用するとともに、それを超える増加費用分も設計変更で対応するよう要望する。」(『建設通信新聞』2026.04.28)
●「公共事業予算が横ばいで推移する中での建設コスト上昇に起因する実質事業量の減少が顕著になっている。日本建設業連合会(宮本洋一会長)の調べによると、国土交通省直轄のWTO工事は2024年度に、22年度比で契約件数が約4割、当初契約金額が約3割も減った。日建連は、必要な事業量を確保し、危機管理投資を構成する防災・減災、国土強靭化の加速化・深化や、経済成長を支える社会資本整備を計画的に進めるため、公共事業関係費の当初予算の規模拡大を訴える。」(『建設通信新聞』2026.04.30)
●「日本建設業連合会(宮本洋一会長)がまとめた2025年度の法人会員受注調査結果によると、国内計は前年度比9.8%増の20兆4547億円となり、4年連続で過去最高額を更新した。20兆円の大台に乗るのは過去20年間で初めて。主力の民間受注は旺盛な需要が続き、1件数千億円規模の超大型案件や価格転嫁の進展などが寄与し、2桁増で着地した。官公庁受注も堅調に推移した。日建連調査の受注額は、物価上昇の影響を加味しない名目値だが、確実に多くの物量が存在しているという。」(『建設通信新聞』2026.04.30)
●「2025年度の首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)新築マンションの1戸当たりの平均価格は過去最高の9383万円だった。前年度から15.3%上昇し1億円に迫る。中東情勢の影響が長引けば、マンション価格に一段の上昇圧力がかかる。不動産経済研究所(東京・新宿)が20日発表した。東京23区の平均価格は18.5%上がり1億3784万円となった。23区以外の都内は12.5%高い6823万円だった。神奈川県は13.6%高い7481万円、埼玉県は7.0%高い6306万円と全地区で価格が上がった。主要駅直結のタワーマンションや大規模物件の発売があった千葉県は21.8%高い6828万円と大幅に伸びた。首都圏の発売戸数は2.6%減の2万1659戸と4年連続で減少し1973年度の調査開始以来過去最少を更新した。23区は6.8%減の7708戸だった。都心では開発適地の確保が難しく供給が減る一方、1平方メートル当たりの単価は214.3万円と他の地区に2倍近い差を付けた。」(『日本経済新聞』2026.04.21)
●「国土交通省は21日、下水道管路の全国特別重点調査について2月末時点の結果を公表した。調査が完了した延長4692キロのうち、要対策と判定した延長は748キロあり割合としては15.9%となった。要対策の区間では96カ所の空洞を確認したが、全ての箇所で対策を済ませている。結果を受け、金子恭之国交相は21日の閣議後会見で『八潮市のような道路陥没事故を二度と起こしてはならないという強い決意の下、強靭で持続可能な下水道の構築に向けて一層取り組みの充実強化を図る』と力を込めた。」(『建設通信新聞』2026.04.22)
●東京電力福島第1原発事故から15年を経過した現在も、避難指示が出された福島県の12町村から避難して故郷に帰れていない人が5万人を超えることが各自治体への本紙の取材で分かった。国や県の発表とは大きな開きがあり、被害の状況の把握が十分でないことが浮き彫りになった。避難指示が出されたのは、役場ごとほとんどの住民が避難した浪江町、双葉町、大熊町、富岡町、楢葉町、広野町、飯舘村、葛尾村、川内村と、一部に避難指示が出された南相馬市、田村市、川俣町の12市町村。現在も、7市町村の計約3万900ヘクタールが避難指示区域に指定されている。同県の発表によれば、同県の避難者数は事故後の2012年5月には県内・外で計16万4865人にのぼったが、今年2月1日現在、2万3410人に減少したとしている。内訳は、県外避難者1万8996人、県内避難者4409人、避難先不明者5人。しかし、本紙が12市町村に聞き取るなどした避難者の総数は5万1491人だった。県の集計は、復興公営住宅に入居した人や自ら住宅を取得した人を除外し、さらに、帰還の意思があるとした人に限っており、以前から実態を反映していないと指摘されていた。(『しんぶん赤旗』2026.04.23より抜粋。)