情勢の特徴 - 2026年5月前半
●「固定型住宅ローン金利の上昇ピッチが加速している。三菱UFJ銀行は30日、5月分の10年固定を前月比0.18%高い3.15%にすると発表した。金利負担増と住宅価格高騰を受けて、購入者は長めの返済期間を選ぶ傾向にある。一部銀行は延滞増を警戒し、審査の厳格化に動く。三菱UFJに加え、三井住友銀行も5月分の10年固定型最優遇金利を前月に比べて0.1%高い3.25%にする。みずほ銀行は同2.95%、三井住友信託銀行は同3.645%、りそな銀行も同3.435%にそれぞれ上げた。大手5行平均は3.286%で10カ月連続の上昇。引き上げ幅は直近1年間で1.5%近い水準だ。固定型ローン金利は基準となる長期金利の上昇を受けたものだ。30日の国内債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは一時、2.535%に上昇(債券価格は下落)し、1997年6月以来の高水準をつけた。中東有事の長期化と原油価格の高止まりで、インフレ率の上昇が警戒されている。…住宅取得環境は悪化している。ローン金利の上昇で返済負担が重くなっているほか、住宅価格の高騰も続く。不動産経済研究所によると2025年度の首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)の新築マンション1戸当たり平均価格は9383万円だった。前の年度比15.3%伸び、5年連続で過去最高となった。住宅購入者は毎月の返済負担を抑えるため、ローンの最長返済期間を延ばしている。住宅金融支援機構の調査によると、全期間固定型で『50年』が占める比率は25年度に34.0%だった。24年度比12.1ポイント上昇し、一般的とされる『35年』(34.0%)と同水準だった。変動型でも『50年』が23.7ポイント増の57.5%で最多を占めた。」(『日本経済新聞』2026.05.01)
●「こどもの日」に合わせて総務省が4日発表した15歳未満の子どもの推計人口(4月1日現在)は、前年に比べ35万人少ない1329万人と45年連続の減少となった。比較可能な1950年以降で過去最少を更新した。内訳は、男子が681万人、女子が648万人。総人口に占める子どもの割合は前年より0.3ポイント低い10.8%だった。75年から52年連続で低下し、過去最低を更新した。(『しんぶん赤旗』2026.05.05より抜粋。)
●「財務省が13日発表した2025年度の国際収支統計(速報)によると、海外とのモノやサービス、投資の取引状況を表す経常収支は34兆5218億円の黒字だった。黒字額は前年度から15.0%増え、3年連続で過去最大となった。半導体などの輸出が伸び、貿易収支が5年ぶりに黒字に転じたことが寄与した。25年度の貿易収支は1兆3631億円の黒字となった。24年度は3兆309億円の赤字だった。…海外からの利子や配当の収入を示す第1次所得収支は42兆2809億円の黒字で2.1%増えた。5年連続で過去最大となった。このうち直接投資収益は26兆111億円で1.5%増加した。証券投資収益は14兆6935億円で微減だった。貸し付けや借り入れの取引に伴うその他投資収益は41.7%増の1兆6282億円で伸びが目立った。支払い利息が減少したことが収益を押し上げた。旅行収支などを含むサービス収支は3兆8777億円の赤字で、赤字幅は23.6%拡大した。委託加工サービスや研究開発などその他サービスの支払いが増えたことが響いた。25年度の旅行収支は6兆5745億円の黒字で0.4%の減少だった。」(『日本経済新聞』2026.05.13)
●「家計の消費額が四半世紀前を下回っている。2025年度の月平均の支出は31万3702円で00年度から1.3%下がった。賃上げで収入が伸びても、食料やエネルギーの高騰が重荷となり節約志向を強めている。総務省が12日に発表した家計調査によると、2人以上の世帯の消費支出は名目で前年度から3.1%増えた。新型コロナウイルス禍にあった21年度から5年連続のプラスとなるものの、31万7903円だった00年度を下回る。…消費支出に占める食費の割合を示す『エンゲル係数』は28.8%で、00年度以降で過去最高を更新した。食料品やエネルギー代など暮らしに欠かせない支出は価格が上がっても削りにくい。防衛意識を強める家計は娯楽などへの支出に慎重な姿勢を示す。被服・履物は9713円と1万円を切り、00年度(1万5891円)から4割縮んだ。旅行やゴルフのプレー代などを含む教養娯楽は25年度は7.2%増の3万1546円と、5年連続で増えた。…この間に家計の収入は増えてきた。2人以上の勤労者世帯の実収入は25年度は65万9402円で、近年の賃上げを反映し00年度と比べて17.7%多い。インフレに加え、社会保険料の増加による可処分所得の圧迫が停滞の一因となっている。」(『日本経済新聞』2026.05.13)
●「日本企業の海外への投資による稼ぎが増えている。財務省が13日発表した国際収支統計の速報によると、2025年度に海外投資による収益が26兆111億円の黒字と過去最高を更新した。大型のM&A(合併・買収)などが押し上げた。経常収支は国全体での海外とのモノやサービス、投資の取引状況を表す。25年度の経常黒字は34兆5218億円と前年度から15.0%増え、3年連続で過去最大となった。主な要因として海外子会社からの配当や海外での証券取引に伴う第1次所得収支の伸びがあった。25年度は黒字額が過去最大の42兆2809億円となった。このうち海外投資による収益を表す直接投資収益が26兆111億円の黒字と伸びを支えた。海外企業のM&Aなどの成果があり、配当や現地子会社の内部留保を含む一連の受取額が増えた。M&Aの調査を手がけるレコフデータによると、25年度に日本企業が関わった案件の投資金額は43兆円と前年度の9割増となった。件数ベースでは5228件と11.0%増えた。25年度の為替相場は平均が1ドル=150.72円で前年度比で1.2%の円高だったものの、22年度から円安の基調が続いている。それでも日本企業の海外投資の意欲は強い。一方で、海外での稼ぎが国内に戻ってこない課題がある。国際収支計では子会社が成長投資などのために海外に置いたままにした金額も直接投資の利益として黒字に計上する。海外子会社が内部留保として蓄える再投資収益は11兆2150億円だった。日本に還流しない利益が直接投資収益の4割ほどを占める。日本の親会社に支払われた配当金や配分済みの支店収益は14兆7835億円と3.0%増加した。」(『日本経済新聞』2026.05.14)
●「不動産開発大手5社の2027年3月期の連結業績見通しが13日、出そろった。全社が最高益を更新し、合計の純利益は前期比4%増の9290億円になる見通しだ。東京都心オフィスの賃料改定が進み、金利上昇を補って高い投資利回りを確保する。」(『日本経済新聞』2026.05.14)
●「東京商工リサーチが13日に発表した4月の企業倒産(負債1000万円以上)は前年同月比7%増の883件だった。4月としては12年ぶりの高水準になった。物価や人件費の高騰でコストが膨らみ、資金繰りが悪化する企業が建設業などで増えている。倒産件数は4月として5年連続で前年を上回った。倒産の中心は中小・零細企業で、従業員10人未満の倒産が799件と全体の9割を占めた。負債総額は9%増の1118億円だった。」(『日本経済新聞』2026.05.14)
●「高市早苗首相は30日、首相官邸での中東情勢に関する関係閣僚会議で原油由来のナフサ(粗製ガソリン)の供給状況を説明した。『半年以上』としていた供給めどに関し、中東以外からの代替調達により『年を越えて継続できる』と表明した。備蓄原油を使った国内精製に加えて米国やアルジェリア、ペルーなど中東以外からの輸入でまかなう。中東以外からの代替調達は情勢が緊迫化する前の水準と比べ、およそ3倍に増える見込みという。 現時点で1.8カ月分ある中間材料の在庫と合わせ、ナフサ由来の化学品の供給は年を越えて確保できるとの見通しを示した。」(『日本経済新聞』2026.05.01)
●「国土交通省は、直轄工事で試行している参加者確認型随意契約方式の本格運用を始める。山間部の維持工事など特定の企業との契約が続いて今後も競争の発生が見込めない案件への適用を想定。地域建設業の維持に向けた環境整備や、入札契約手続きに伴う受発注者の負担軽減につなげる。運用ルールをまとめ、近く地方整備局などに通知する。入札参加者が限定される山間部や離島の経常維持工事などは特定の企業以外の競争参加者がいない状況が続いているにもかかわらず、一般競争入札の手続きを要するため、受発注者双方の負担になっている。改正公共工事品質確保促進法の運用指針には、地域建設業の担い手確保の観点から同方式の活用を明記。特定の企業のみの入札が続き、今後も競争がない状況が続くと見込まれる場合、発注者による確認を経て随意契約ができると書き加えた。対象となる工事として24時間体制の維持工事や、高度な技術が求められる機械設備工事を例示。一部の地方整備局で活用していた同方式の運用ルールをまとめた上で全国に展開する。」(『建設通信新聞』2026.05.07)
●「東京・新宿区が大規模分譲マンションの開発事業者に短期売買の抑制を求めている。本年度に入り、開発事業者は総合設計などを適用して区内に100戸以上のマンションを建設する場合、短期売買抑制に向けた計画の提出が必要になった。区は『実需に基づかない取引は好ましくない』との考えを示している。」(『建設工業新聞』2026.05.07)
●「国土交通省は、中東情勢に伴い住宅建材・設備を巡る情報の収集・発信を一段と強化する。住宅生産団体連合会、全国建設労働組合総連合、建材流通関係団体だけでなく、建築確認申請などの窓口、補助事業に関するホームページからも中小工務店や一人親方に必要な情報の周知を徹底する。原料の目詰まりを解消しつつ、流通の中の偏在を抑制するため、製造者側からの情報発信と、必要以上の発注と在庫確保の抑制、計画的な発注を働き掛ける。」(『建設工業新聞』2026.05.07)
●「中東情勢に起因する資材価格高騰などで、建設会社の収益圧迫や資金繰りの悪化が懸念される中、国土交通省が直轄工事で運用する『出来高部分払い方式』への適切な対応を地方整備局などに要請した。受注者が希望すれば、短い間隔で出来高に応じた工事代金の部分払いを可能にする仕組み。金利上昇や手形廃止の動きも相まって円滑な資金調達を求める元請の声は強まっており、国交省は地方自治体など他の公共発注者にも直轄の運用を参考にした対応を求めている。」(『建設工業新聞』2026.05.11)
●「12日の衆院災害対策特別委員会で、防災庁設置法案に関連して防災・減災を巡る活発な審議が行われた。自然災害に原子力災害が重なる複合災害が発生した場合、防災庁発足後は同庁と内閣府政策統括官原子力防災担当の両災害対策本部を合同開催する。両本部の本部長となる内閣総理大臣の下で『一体性が確保されるよう関係省庁が緊密に連携し、災害対応に臨む』(牧野京夫防災庁設置準備担当相)ことになるという。」(『建設工業新聞』2026.05.13)
●「厚生労働省は、建設業の一人親方など個人事業者の安全衛生対策の関係業界と連携して推進する『個人事業者等安全衛生推進協議会』を立ち上げ、13日に省内で初会合を開いた。フリーランスなどが多く従事する業種の事業者団体や労働災害防止団体が参画。官民で情報共有を密にし、手薄になりがちな個人事業者への法令の周知や現場での支援を強化する。昨年5月公布の改正労働安全衛生法に個人事業者の規定が新たに設けられ、注文者や個人事業者自身がそれぞれ講じるべき措置が明示された。改正法の周知徹底には行政の既存のチャンネルだけでは不十分との問題意識から、関係業界との情報共有のネットワークとなる協議体を新設した。周知・支援活動の過程で参画団体への個人事業者の加入も促し、各業種で安全衛生に配慮した取引慣行の浸透を目指す。建設関係の主な参画団体は▽建設業労働災害防止協会(建災防)▽全国建設業協会(全建)▽建設産業専門団体連合会(建専連)▽住宅生産団体連合会(住団連)▽全国建設労働組合総連合(全建総連)。」(『建設工業新聞』2026.05.14)
●「日本建設業連合会(宮本洋一会長)会員企業の建設現場で働く外国人労働者が近年増加傾向にある。直近調査では全体の1割超を占め、主要な担い手として現場運営に欠かせない存在になっていることが分かった。同一現場に複数の出身国の外国人が働くケースも増えており、多言語化への対応が求められている。建設業で働く外国人は、2022年に11万6789人、23年に14万4981人、24年に17万7902人と年々増加し、25年は20万6468人と20万人の大台を超えた。土木工事を対象とする日建連の会員調査では、計1719現場で延べ7604人の外国人技能者が従事し、全体の12.2%を占めていた。…1人でも外国人技能者がいる現場は全体の半分を占め、このうちの約4割では2カ国以上の外国人が働いている。日建連は、外国人にも安全で働きやすい現場となり、日本が選ばれる国となるために、新規入場者教育や作業マニュアル、掲示板表記など、現場の多言語化が求められているとし、そのために必要な経費の確保を発注者側にも求める考えだ。」(『建設通信新聞』2026.05.01)
●「全建総連東京都連合会(山本亨執行委員長)が建設労働者の標準賃金日額3万6000円、年収880万円(諸経費・法定福利費などは別枠)の確保に向け、日額5000円以上の賃金引き上げを東京都に申し入れた。公共工事設計労務単価に準拠した引き上げを踏まえ、前年度の設定額840万円から引き上げた。週休2日が定着しても現状の収入が減らないようにする。東京建設業協会(東建、乘京正弘会長)にも同様の要求書を提出した。組合員に実施したアンケートによると、生活実態について『やや厳しい』『まったく厳しい』と回答した割合が72.2%を占め、建設業で取り組まれている労務費の引き上げが、現場に浸透しきれていないと分かった。…標準賃金は30歳前後の労働者が1日8時間、週40時間働いたと仮定した金額に設定。建設キャリアアップシステム(CCUS)の4段階の技能者能力評価(レベル1~4)を参考にした場合、一人前の中堅技能者とみなすレベル2の標準賃金として提案した。日額では3万6000円(前年度設定3万4000円)の確保を要望する。諸経費・法定福利費などは別枠とする。東京都連の賃金調査によると、2021年比で約0.5%(常用)の上昇にとどまる。週休2日の実現や物価上昇の影響を踏まえ、『現状よりも大幅な収入増を必要』とする声が多数寄せられているという。次世代を担う若年層からは、『賃金水準と労働時間の改善』を求める声が強く、処遇改善は担い手確保の前提条件となっている。調査結果から東京都連は、『設計労務単価の水準が現場の技能者に十分に行き渡っているとはいえない』と指摘。野丁場で設計労務単価に見合う賃金の実現を求め、『町場でも賃金を適正に反映した見積単価の引き上げが不可欠』と訴え、助成制度の創設や支援策の拡充を求めた。」(『建設工業新聞』2026.05.07)
●「建設分野の特定技能2号評価試験に合格した外国人材が2025年度に1万人を超えた。建設技能人材機構(JAC、三野輪賢二理事長)による試験対策の学習支援や受験機会の拡大が功を奏し、受験者数が伸び、合格率も大幅に向上した。産業分野ごとの受け入れ人数制限の対象外となる2号への円滑な移行は、今後の継続的な担い手確保に不可欠だ。27年4月以降、2号移行の要件には日本語能力が追加される。JACは技能向上と日本語学習の両面で支援策を充実させる。」(『建設工業新聞』2026.05.08)
●「出入国在留管理庁は2025年末の在留外国人数をまとめた。前年比9.5%増の412万5395人となり、400万人を超えた。在留資格別では特定技能が37.2%増の39万0296人。このうち建設分野は32.5%増の5万1122人となり、国籍・地域別ではベトナムが3万1712人と全体の6割を占める。建設分野の特定技能外国人の内訳は、1号が28.6%増の4万9323人、2号が8.4倍の1799人。」(『建設通信新聞』2026.05.11)
●「厚生労働省が8日に公表した2026年3月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)の結果から、全産業の『実質賃金』が3カ月連続で増加していることが分かった。これまで増加が続いても2カ月連続が多かった中で、直近で3カ月連続になるのは21年8月までの7カ月連続に次ぐものとなる。建設業の『名目賃金』も前年同月比9.6%増と大幅に増えており、主要16業種の名目賃金の押し上げに大きく貢献している。」(『建設通信新聞』2026.05.11)
●「建設業で課題の一つとなっている長時間労働が、是正に向けて推移していることが分かった。厚生労働省が8日に公表した2026年3月の毎月勤労統計調査(速報値)からの試算や、これまでの同調査の確報値から、建設業の労働時間の推移を年度べースで比較してみると、総実労働時間、残業時間に該当する所定外労働時間ともに年々減少している。」(『建設通信新聞』2026.05.12)
●「首都圏や地方の建設関係労働組合で構成する『建設アクション実行委員会』は8日、東京・永田町の衆院第2議員会館で記者会見し、深刻化する中東情勢を受けて、建設現場にナフサ由来の資材が入らず工事ができない窮状を訴えた。…実行委員会が伝えた現場の声によると、建設現場では資材不足と価格高騰が深刻化している。例えば、配管材不足で住宅工事が進められず、雨どいも不足し足場を撤去できずに追加費用や次の現場への影響も出ている上に、多くの材料が20-40%値上がりしているという。さらに、商社による出荷制限や供給調整によって価格がつり上げられているとの指摘もあり、このままでは工事停止の拡大も懸念されるため、建設業界を持続可能にするための長期的な支援と、現場の実情を踏まえた対応を求めた。」(『建設通信新聞』2026.05.12)
●「日本建設産業職員労働組合協議会(日建協、青山敏幸議長)は、2025年11月に調査を実施し1万8134人から回答を得た『25年時短アンケート』の結果をまとめた。所定外労働時間は日建協平均が月29.2時間で、初めて20時間台となった。しかし、全産業と比べると依然として労働時間は長く、改善は道半ばの状況にあるとしている。月100時間以上の過重労働をしている組合員の割合は全体で1.2%、過労死ラインといわれる80時間以上は3.3%だった。残業理由は、一時的な業務増加や仕事の特性による早出・残業以外に、内外勤ともに書類作成が大きな負担になっている。外勤者が労働時間短縮に必要と考える取り組みは、『発注者による適正工期の設定』が特に多かった。実際の労働時間と会社への報告時間に乖離(かいり)が見られるのも大きな課題だ。乖離があった組合員は全体の12.2%を占め、残業月100時間以上の場合、サービス残業40時間以上の割合が69.9%に上った。適正申告を阻む理由は、『三六協定時間を超えてしまうため忖度(そんたく)/自粛』が最多となっている。時間外労働上限規制の条件のうち、『月45時間超は年6回まで』を順守できなかったとの回答が最も多かった。」(『建設通信新聞』2026.05.14)
●「全国建設業協会の今井雅則会長は4月30日、中東情勢に伴う建設資材の需給逼迫(ひっぱく)が円滑な施工に支障を来しているとし、金子恭之国土交通相に緊急要望を行った。さまざまな建設資材の供給不足が発生し、工事の中止や遅延が避けられないケースも出ているなどと窮状を訴えた上で、適時適切な価格や工期の変更対応を求めた。完成の遅れなどによって、元請け企業の資金繰りが悪化する恐れがあるとし、部分払いの実施も要請した。」(『建設通信新聞』2026.05.01)
●「群馬県建設業協会(青柳剛会長)は4月30日、イラン・中東情勢の建設業への影響についてのアンケート結果を公表した。価格が特に急上昇し、困っている建設資材や燃料類は、塩化ビニール管、アスファルト合材、塗装材料、軽油が上位を占めた。影響を受けている企業は約6割に及び、このうち工事件数ベースでは『採算性の低下』が336件、『工期の遅延』が100件だった一方、『現時点で一時中止が28件あるのは注目すべき点』と強調している。」(『建設通信新聞』2026.05.01)
●「日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)は、国土交通省地方整備局など公共発注機関との2026年度意見交換会を、12日の関東地区を皮切りに全国9地区で開く。入札契約制度の改善や工事の円滑化、時間外労働の上限規制への対応、夏の猛暑下での作業環境改善などを踏まえ、労働環境の改善を働き掛ける。労務・資材価格の上昇が続く中、公共事業関係予算の実質的な目減りなど、建設業が抱える課題や実情をテーマに議論する。他産業と遜色のない労働条件・労働環境の実現を目指す。」(『建設工業新聞』2026.05.01)
●「全国建設業協会(全建、今井雅則会長)が実施した調査によると、中東情勢の不安定化に伴う原油価格の上昇が、建設資材全体に波及していることが分かった。燃料やアスファルトなどの石油製品に加え、ナフサを原料とする石油化学製品の価格も上昇。シンナーや塗料は70~80%上昇するなど急激な価格高騰が起きており、会員からは『価格転嫁の実施』『代替資材使用時の設計変更手続きの迅速化』『資材不足や納期未定に対応した柔軟な工期延長』などを求める声が上がっている。」(『建設工業新聞』2026.05.01)
●「日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)は、価格転嫁のための円滑な設計変更ルールの確立やコミットメント制度の活用を促すため、コミットメント条項を導入するモデル工事の実施などを国土交通省に求める。トンネル工事などでは特殊作業員を全国から手配するケースが多い。人員確保に必要な労務費を契約額に適切に価格転嫁できるよう設計変更やインフレスライド適用時に、円滑な手続きが可能となる仕組みも要望する。」(『建設工業新聞』2026.05.07)
●「大手ゼネコンの業績が拡大している。2026年3月期の4社合計の連結営業利益は前の期に比べ5割増え、8年ぶりに過去最高となったようだ。建設需要が伸びたためにコストの増加分を価格転嫁できるようになり、工事の採算が改善した。」(『日本経済新聞』2026.05.08)
●「日本建設業連合会(宮本洋一会長)の会員企業アンケートによると、国土交通省直轄工事は全体の9割以上の現場で、4週8閉所以上を達成したことが分かった。達成割合は前年度より1割近く上昇しており、土日閉所が当たり前のものとして定着しつつある。一方、『8閉所を達成するには工期が短い』と感じている現場が5割近くに上り、閉所というミッションクリアのために一定の負荷が掛かっている実態も判明した。休日を確保するために、平日の残業が増すことなどが懸念され、完全週休2日と時間外労働規制の順守を両立できる発注当初からの適切な工期設定が求められている。」(『建設通信新聞』2026.05.08)
●「土木現場の約4割で時間外労働の原則ルール(月45時間以内、年360時間以内)を超えていることが日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)の調査で分かった。2024年4月に時間外労働の上限規制が建設業に適用され2年が経過。人員増や現場サポート体制の構築、ICTツールの活用など生産性向上に取り組み『4週8休が浸透している』(日建連)。だが調査結果を受け『受発注者がさらに連携し、さまざまな取り組みを講じる必要がある』と指摘する。」(『建設工業新聞』2026.05.11)
●「日本建設業連合会(日建連)は11日に都内で定時総会と理事会を開き、宮本洋一会長(清水建設相談役)が退任し、土木本部長を務める押味至一副会長(鹿島代表取締役会長兼社長)が新会長に就く人事を正式決定した。新体制で昨年策定した『建設業の長期ビジョン2.0』を具体化し、4週8閉所の定着、生産性25%向上、技能労働者の所得倍増といった目標達成に向けて事業を進める。」(『建設工業新聞』2026.05.12)
●「国土交通省は13日、2025年度の建設工事受注動態統計調査報告を公表した。受注高は0.3%減の126兆2531億円で2年ぶりに減少した。元請け受注高は公共、民間とも増加した一方、下請け受注高は2桁の減少。業種別では設備工事業の伸びが堅調だった。元下別は元請けが6.6%増の87兆3854億円、下請けが13.0%減の38兆8676億円だった。業種別は総合工事業が1.5%減の75兆8639億円、職別工事業が19.2%減の14兆8359億円、設備工事業が13.8%増の35兆5532億円。設備は元請け、下請けいずれも増加した。」(『建設通信新聞』2026.05.14)
●「上場ゼネコン大手4社(鹿島、大林組、大成建設、清水建設)の2026年3月期連結決算が14日、出そろった。豊富な手持ち工事の消化を背景に2社が増収を確保。受注時採算の徹底管理や設計変更工事の追加などで採算が改善し、3社が営業利益で過去最高を更新した。27年3月期は単体建築事業で3社が利益率の上積みを見込む。各社は不安定な国際情勢のリスクも注視しながら、施工体制を確保し、利益重視の受注戦略で旺盛な建設需要を取り込む。」(『建設工業新聞』2026.05.15)
●「東京商工リサーチは13日、中東情勢が緊迫する中、塗装工事業が深刻な事態に追い込まれているデータを『TSRデータインサイト』で公表した。多くの塗料用シンナーの主原料であるナフサの供給問題を受けて、それを使う塗装工事業の倒産件数(負債1000万円以上)は、2026年1-4月累計で48件(前年同期比26.3%増)に達した。この水準は1989年以降、02年の49件に次ぐ4番目の高さという。シンナーなど資材価格の高騰や在庫不足が長引くと、塗装工事の受注にも支障を来すため、塗装工事業の倒産件数が年間で過去最多に迫る可能性を同社は指摘している。」(『建設通信新聞』2026.05.15)
●「国土交通省は4月30日、2025年度の建築着工統計調査報告を公表した。新設住宅着工戸数は前年度比12.9%減の71万1171戸で2年ぶりに減少した。1962年度に記録した60万3090戸以来の低水準だった。改正建築物省エネ法による駆け込み需要の反動だけでなく、物価上昇に伴う建築費の高騰や消費者マインドの低下が影響しているとみられる。利用関係別戸数は、持ち家が12.6%減の19万5111戸、貸家が13.5%減の30万8906戸で共に2年ぶりの減少。分譲住宅は12.6%減の20万0563戸で3年連続の減少となった。分譲住宅のうち、マンションは21.2%減の8万2881戸で2年ぶりの減少、一戸建て住宅は5.9%減の11万5200戸で3年連続の減少だった。」(『建設通信新聞』2026.05.01)
●「国土交通省の建築着工統計によると、2025年度の関東1都8県(茨城、栃木、群馬、千葉、埼玉、東京、神奈川、長野、山梨)で着工した倉庫の棟数は6.7%減の3564棟、着工床面積は前年度比25.9%減の309万9773平方メートルで、9年ぶりに400万平方メートルを割り込んだ。全国の傾向と同様に、1平方メートル当たりの工事費予定額(平米単価)は、前年度より3万4000円上がり、23万5000円まで上昇した。」(『建設通信新聞』2026.05.11)