情勢の特徴 - 2026年5月後半

経済・財政 行政・公共事業・民営化 労働・福祉 建設産業・経営 まちづくり・住宅・不動産・環境 その他

経済・財政

●「2001年の調査開始以来初、4年にわたる仕入れ値高騰で価格転嫁が困難に」「4者に1者が低価格・単価を余儀なくされる」―。全商連付属・中小商工業研究所は先ごろ、2026年上期(3月)営業動向調査の結果を公表した。今期(26年上期)の営業動向調査は、全体(全回答者計)で売上DI値は▲37.1(前期▲39.5)、利益DI値は▲47.5(前期▲49.0)と、水面下の深い位置で推移している。長期的に見ると、単価・マージンDI値(8.9)は横ばい傾向で、原材料・商品の仕入値DI値は83.9と、8期(4年)連続で80台という高い値が続いている。これほど長期間にわたり、仕入値DI値が高いのは、2001年上期からの本調査開始以来、初めてのこと。…かつてない原材料・商品の仕入値長期高騰の実態をより詳細に把握するため、同研究所は今期、モニターを対象に①この半年間の原材料・商品の仕入れ値の上昇割合②価格や単価にどの程度転嫁できているか③現在の価格・単価は事業継続に適正な水準か―などを聞く「価格転嫁に関する特別調査」を実施した。その結果、仕入れ値の上昇では「1~2割」(60.0%)、価格転嫁では「1割未満」(40.7%)が最も高く、価格転嫁が困難な状況が浮き彫りになった。(『全国商工新聞』2026.05.18より抜粋。)
●「内閣府が19日発表した2025年度の名目国内総生産(GDP)速報値は、前年度比4.2%増で5年連続のプラス成長となった。物価高の影響で名目上の個人消費が膨らんだほか、企業の設備投資も堅調だった。実質GDPは0.8%増だった。名目の実額は669兆9702億円となり5年連続で過去最高を更新した。名目GDPから物価の影響を除くと実質GDPとなる。実質も591兆9112億円で過去最高だった。名目の内訳をみると、GDPの過半を占める個人消費は3.9%増の353兆円だった。25年末まで消費者物価指数(総合)の上昇率は2%半ばから3%台が続いた。食料品など身近なモノの物価が上がり、名目の個人消費を膨らませた。実質では1.2%増だった。個人消費に次ぐ民需の柱である設備投資は名目で5.6%増えた。人手不足による省力化需要や人工知能(AI)関連投資などが堅調だった。住宅投資は政府が25年4月に新築住宅の省エネ基準適合を義務化したことが響き、0.3%減少した。外需では輸出が3.6%増えて149兆円だった。トランプ関税の影響で落ち込んでいた米国向けが持ち直した。特に自動車や半導体が好調だった。統計上は輸出として計上されるインバウンド(訪日外国人)関連の消費も引き続き堅調だった。輸入は1.0%増だった。」(『日本経済新聞』2026.05.19)
●全国商工団体連合会(全商連)が行っている「ホルムズ海峡封鎖等による影響調査」で、時間の経過とともに具体的な影響が出始めている中小業者が増えていることが分かった。同調査は第1次(3月27日~4月20日)で2215件の回答があった。第2次(4月21日~)は5月7日までに470件の回答が寄せられている。「海峡封鎖の影響は」との問いに「ある」と回答した業者は60.7%、「今はないが今後ありそう」が30.2%(第1次・第2次集計)。第2次集計に限ると「ある」66.6%、「今後ありそう」24.9%となっている。調査の結果、回答者の約8割が仕入れ・資材の高騰、半数近くが調達困難、4割超が仕事・売り上げ・利益減少の影響を受けていることが判明。必要な支援策として、7割近くが燃料や光熱費への直接支援、半数前後がコロナ禍の持続化給付金のような支援策や、税金・社会保険料の納付猶予・減免を求めている。(『しんぶん赤旗』2026.05.19より抜粋。)
●「2025年国勢調査の速報値で日本の総人口は5年前から309万6575人(2.5%)減り、1億2304万9524人だった。減少幅は過去最大だ。戦後初の減少となる横浜、広島を含め20の政令指定都市のうち13市が減った。インフラや行政サービスを賢く縮小するなど、人口減を前提にした社会・経済の転換が急務になる。総務省が29日発表した。国連推計との比較ではエチオピアに抜かれ前回20年調査の世界11位から12位に後退した。都道府県別で増えたのは東京と沖縄の2都県のみで、45道府県が減少した。千葉、埼玉は1920年の調査開始以来初めて減少し、神奈川と愛知は戦後初のマイナスとなった。市町村別は全国1719自治体(東京23区を1市として計算)のうち増加は161市町村にとどまった。都道府県庁の所在地は47のうち仙台や福岡を除く40市が減少した。1世帯あたりの人数は2.15人で20年の2.26人を下回り、比較可能な1970年以降で最少を更新した。高齢者の単身世帯の増加などが背景にあるとみられる。都道府県別では東京の1.88人が最も少なく、最多は山形の2.49人だった。総務省が同日発表した住民基本台帳に基づく2025年10月1日時点の外国人人口は推計321万3212人だった。単純計算で外国人の割合は2.6%となる。20年国勢調査の2.2%を上回った。」(『日本経済新聞』2026.05.30)
●「米国とイランの軍事衝突から3カ月がたち、日本が中東にエネルギーを依存するリスクが鮮明になってきた。3~5月の原油輸入量は2025年同期より47%減る見込みだ。世界の主要輸入国で減少率は最大で、調達先の多角化が急務になる。」(『日本経済新聞』2026.05.30)

行政・公共事業・民営化

●「国土交通省は『地域インフラ群再生戦略マネジメント(群マネ)』の導入を目指す地方自治体を、民間の団体・企業を含む産学官で連携して支援する枠組みをつくる。群マネ導入のノウハウなどを助言する『群マネサポーター』を9月ごろに募集する。地域ブロック単位で支援体制を構築し、個々の自治体の要望に沿った伴走支援に当たる。インフラ維持管理分野で導入事例に乏しい一部事務組合や広域連合といった既存のスキームの課題を探り、有効性を検証する場にもする。」(『建設工業新聞』2026.05.19)
●「国土交通省は、総合評価方式で運用している賃上げ表明企業に対する加点措置について、2024年度の直轄工事での実施状況をまとめた。対象工事件数は6447件で、落札者の8割が賃上げ表明をしていた。22年4月の制度開始以降、競争参加者や落札者に占める表明企業の割合は着実に増えている。」(『建設通信新聞』2026.05.20)
●「日本総合研究所は19日、人口5万人以上の全国の地方自治体による公共施設整備を対象とした建設工事費高騰の影響調査結果を公表した。ほぼ全ての自治体が現状、高騰しており、さらに上昇が続くと回答。過去3年間で建設工事が不調・不落となった自治体は9割超に上り、7割では4件以上発生している。高騰を受け86%の自治体が『公共施設整備の要否をこれまで以上に慎重に見極めたい』との認識を示した。」(『建設通信新聞』2026.05.20)
●「金子恭之国土交通相は19日の閣議後会見で、中東情勢に伴う資材調達難により一部の地方自治体発注工事で作業中止となる事態が発生していることを踏まえ、都道府県に対して施工中の工事への影響を調査していることを明らかにした。」(『建設通信新聞』2026.05.20)
●「政府は27日、第4回『日本成長戦略会議労働市場改革分科会』(分科会長・上野賢一郎厚生労働相)を開き、分科会とりまとめ案を示した。労働時間法制の政策対応には、柔軟で多様な働き方推進の観点や労働者の健康確保の観点など、さまざまな論点があると総括。変形労働時間制を含む労働時間法制の政策対応を、夏以降の労働政策審議会(厚労相の諮問機関)で議論することが必要が(原文ママ)と結論付けた。大筋で構成員の合意を得たため、正式な分科会とりまとめを厚労相に一任。政府が今夏策定する成長戦略に反映する。」(『建設通信新聞』2026.05.28)
●「国土交通省は、直轄工事の入札で運用する総合評価方式の見直しに向けた検討の方向性を固めた。施工能力や技術提案の『評価』の良しあしが、工事や完成物の『品質』にどう関係しているかに焦点を当てて現状を検証する。完成後一定期間が経過したインフラの状況を見て、入札時の技術提案がどう反映されているかなどを確認する。有識者に意見聴取を始めており、発注者として求める『品質』を明確に定義付けする必要性などが指摘されている。」(『建設工業新聞』2026.05.28)
●「国土交通省は、山間部などで実施する測量業務や砂防施設の点検・管理、工事などについて、クマ被害の防止対策を徹底するよう地方整備局などに通知した。昨年11月と今年5月、都道府県などを含め事務連絡を出した。想定する対策はクマ鈴や撃退スプレーの配備、箱わなの設置、ハンターの同行、講習会の実施など。受発注者間での協議を促し、現場条件に応じた安全対策費を適切に工事費へ反映するよう求めている。」(『建設工業新聞』2026.05.29)
●「政府は国・地方自治体が公共工事や物品調達を発注する際に『買いたたき』がないかを中小企業14万社に聞き取る。評判の悪い省庁や自治体は公表し、適切な価格転嫁を促す。受注者の中小が価格転嫁の状況を評価・判定する。政府は2026年度内の結果公表をめざし、7月から調査を開始する。中小企業庁が国や自治体などのおよそ2000機関に、取引のある中小のリストを提出させる。中小企業が省庁や自治体を評価するしくみは珍しい。調査項目は発注者の省庁・自治体がどの程度、価格転嫁に応じたかなどの指標を想定する。政府が取り組み状況を数値化し、ランクづけする方向だ。省庁・自治体別に結果を公表する。」(『日本経済新聞』2026.05.31)

労働・福祉

●労働法制中央連絡会と全労連が15日に公表した裁量労働制に関する実態調査(16日付既報)では、裁量労働制を適用する上で必要な業務の遂行手段(仕事の仕方)や時間配分が与えられていないことに加え、企業が労働時間を十分に把握せず、裁量労働制が賃金抑制に使われるなど違法な実態が明らかになった。調査結果から明らかになった「裁量」「労働時間」「賃金」「同意」の四つの問題点を紹介する。「裁量」では、適用上必要な裁量(遂行手段・時間配分)が与えられていない人が一定数いて、まったく裁量がない期間でも適用されていることなどが見えてきた。業務の遂行手段の裁量について「ない」「ほとんどない」「少しはある」を合わせると34%に上り、「ある」が57%。時間配分の裁量について「ない」「ほとんどない」「少しはある」を合わせて30%、「ある」65.4%だった。…「労働時間」では、裁量労働制になっても長時間労働が解消されず、企業が労働時間を把握していない実態が明らかになった。民間企業ではジョブ型・成果主義人事の下、評価が下がらないように長時間労働が事実上強いられている。…「賃金」では、裁量労働制が「残業代逃れ」や基本給の削減など賃金抑制に使われている実態が浮き彫りになった。ある職場では「固定残業代制について労基署の指導が入ったのを機に裁量労働制が導入された」など残業代の不払いが問題となって裁量労働制が導入された例もあった。…「同意」について、専門業務型裁量労働制は、2024年4月から適用にあたり本人の同意を得なければならなくなった。調査では同意の確認はされている一方で、同意の撤回に関する手続きについて、「知らない」という人が5割超に上り、労使協定の内容の周知が不十分であることがわかった。(『しんぶん赤旗』2026.05.19より抜粋。)
●「建設産業労働組合懇話会(建設産労懇、会長・青山敏幸日本建設産業職員労働組合協議会議長)は19日、6月に一斉展開する『完全週休2日実現統一運動』の共同プレス発表を都内で開いた。建設産労懇を構成する六つの組織の総勢約11万5000人で、4週8閉所に向けてこれまで以上に積極的に取り組む姿勢を示した。統一運動は毎年6月と11月に実施している。今回のキャッチフレーズは『休まず仕事はもう古い!未来につながる働き方へ』。統一ポスターの掲示や、関係団体、企業への要望などを通じ、運動の機運醸成を図り、完全週休2日の実現に向けて努める方針だ。」(『建設通信新聞』2026.05.20)
●「厚生労働省が22日発表した2025年度の毎月勤労統計調査(確報、従業員5人以上)によると、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年度から0.5%減った。マイナスは4年連続。賃金は伸びているものの物価上昇に追いつかなかった。」(『日本経済新聞』2026.05.22)
●「日本経済新聞社がまとめた2026年の賃金動向調査では、建設業が賃金引き上げをけん引した。賃金引き上げ額の1~3位を『スーパーゼネコン』と呼ばれる建設業大手が占めた。建設業界では担い手不足が深刻化しており、人材確保のため待遇改善に注力する。定期昇給と基本給を引き上げるベースアップ(ベア)を合わせた賃金の引き上げ額ランキングでは、竹中工務店が6万1775円で首位だった。同社は『資源価格の上昇や中東情勢の影響で調達コストが上昇している。その中でも人への投資を続けることで企業価値を高める』と説明する。今後も持続的な賃上げを目指す考えだ。2位に大林組(4万6618円)、3位には清水建設(4万5400円)が続いた。第一ライフ資産運用経済研究所の新家義貴シニアエグゼクティブエコノミストは『建設業は単発で雇用する人材にも高賃金を払わないと集まらない。クレーン車を操縦できるなど技能がある既存社員の賃金を上げ、つなぎとめることが重要になっている』と指摘する。」(『日本経済新聞』2026.05.28)
●「建設業の労働災害発生件数が減っている。2025年(1-12月)の建設業での労働災害による死亡者数は2年ぶりに減少し、休業4日以上の死傷者数は4年連続で減少したことが、厚生労働省が5月27日に公表した25年の『労働災害発生状況(確定値)』から明らかになった。ともに集計開始以来、過去最少を記録している。新型コロナウイルス感染による労災者数を除いた25年の死亡者数は、前年比7.8%減(18人減)の214人だった。過去最少の23年の223人を下回り、7年続けての200人台となった。死傷者数も3.0%減(412人減)の1万3437人に減少した。死傷者数は、20-23年まで4年連続で1万4000人台が続き、24年に初の1万3000人台となる1万3849人まで減って過去最少を更新したが、今回、これをさらに下回った。死亡者数・死傷者数が共に過去最少となったことは、建設産業界の長年にわたる労災防止対策の成果の表れとも受け取れる。」(『建設通信新聞』2026.05.28)
●「厚生労働省は27日、2025年(1-12月)の職場での熱中症による死傷災害発生状況(確定値)を公表した。休業4日以上の死傷者は前年比43.4%増(546人増)の1803人で過去最高となり、死傷者のうち死亡者は38.8%減(12人減)の19人となり、8年ぶりに20人を割った。気象庁によると、25年夏(6-8月)の平均気温偏差(1991-20年の30年平均値からの偏差)は、プラス2.36度と、統計開始以来最高を記録しており、これが死傷者数の増加の一因と推測している。」(『建設通信新聞』2026.05.28)
●建物の解体作業や屋外作業中に、建材に含まれたアスベスト(石綿)を吸い重い肺疾患を発症したとして、作業員と遺族らが、国や建材メーカーに損害賠償を求めた東京第2陣訴訟の控訴審判決が28日、東京高裁であり、吉田徹裁判長は、メーカーの注意義務違反を認めず、原告側の請求をいずれも棄却した。争点になっていたのは、アスベストを含む建材についてメーカーが、解体・屋外作業員に対する警告表示義務を負っていたかどうか。判決は「義務を負っていたとはいえない」として退けた。会見で原告側の井上聡弁護士は、解体・屋外作業について新たな資料を示したものの「主張は全て退けられた」「不当な判決だ」と指摘。原告側は声明で最高裁に上告する考えを示した。(『しんぶん赤旗』2026.05.29より抜粋。)

建設産業・経営

●「国土交通省は15日、2025年度末時点の建設業許可業者数を発表した。総数は前年度比0.03%増の48万3823者で3年連続の増加となった。許可更新期を迎える業者が多い年に当たり失効が増えたものの、新規許可取得が5年ぶりに増加したため総数は微増した。ピーク時の1999年度末(60万0980者)と比べると2割ほど減少している。」(『建設通信新聞』2026.05.18)
●「日本建設業連合会(押味至一会長)は、業界全体を俯瞰(ふかん)した客観的な資料として、個別案件の受注交渉時などにゼネコン各社に広く活用されている『建設資材高騰・品不足に関する民間発注者向け説明用パンフレット』を刷新する。ここ数年は資材価格が高止まりの状況にあることなどを踏まえ、直近2年間の価格変動を示す資料として四半期ごとに更新・発行する。また、中東情勢が資材調達に及ぼしている影響の説明資料も加える。新たな資料集は18日に公表する。」(『建設通信新聞』2026.05.18)
●「大手・準大手ゼネコン23社(単体27社)の2026年3月期の連結決算が15日までに出そろった。ゼネコンとして初めて売上高が3兆円を超えた鹿島を筆頭に、約半数の11社が過去最高を記録。営業利益は10社が過去最高を更新した。中東情勢に関連した懸念はあるものの、現状、影響は顕在化しておらず、27年3月期も多くの企業がさらなる好業績を予想する。売上高は連結で17社が増収、6社が減収となった。豊富な手持ち工事の進捗(しんちょく)に加え、建設工事の単価上昇や活発なM&A(企業の合併・買収)なども売上高を押し上げている要因だ。営業利益は21社が増益、2社が減益となった。厳しい案件であえて競争するような状況になく、受注時から採算性を確保しており、追加・変更工事も獲得できている。単体の完成工事総利益(粗利)率は回答した25社中、21社が前年同期を上回った。建築の粗利率はターゲットとなる10%に近い水準または上回る企業が6割の16社まで回復した。土木の粗利率は鹿島(24.6%)や大成建設(23.0%)が20%を超える高い水準で着地した。」(『建設通信新聞』2026.05.18)
●「空調設備工事上場大手5社(高砂熱学工業、大気社、ダイダン、三機工業、新日本空調)の2026年3月期決算が15日に出そろった。連結ベースで4社が増収。全社が営業利益と経常利益で20%を超える伸び率となり、過去最高を更新した。…連結売上高は4社が増収で、大型工場や大規模開発の工事を順調に進めた高砂熱学工業と新日本空調の2社が過去最高となった。微減となったダイダンもリニューアル工事などで好調を維持している。本業のもうけを示す営業利益は各社とも売上高の増加に加え、ここ数年で受注した好採算工事や施工時の収益改善が反映された。三機工業や新日本空調は、原価・リスク管理を徹底し利益を着実に確保。経常利益では高砂熱学工業が工事採算の改善や国内外の子会社の業績が堅調で、初の500億円台となった。業績の先行指標になる単体受注高も、全社が2桁の伸び率を記録した。」(『建設工業新聞』2026.05.18)
●「政府は21日、第8回『中東情勢に関する関係閣僚会議』を開き、建設工事でも使用する塗料やシンナーなどの供給不安が生じていることを受けて、一人親方への対策強化に乗り出したことを明らかにした。塗装工事や配管工事などを請け負う一人親方など約59万人が加盟する全国建設労働組合総連合の地方組織と連携し、地方ごとにプッシュ型で対応するのがポイントだ。調達実態を一人親方などから把握し、その情報を基に地方整備局などが対応に乗り出して一つひとつ問題を解決していく。」(『建設通信新聞』2026.05.22)
●「大林組は、熱中症の発生が集中する7、8月の現場での作業時間帯を午前7時から午後1時に変更する。気温やWBGT値(暑さ指数)が上昇する前の時間帯に作業を集中させることで、現場での熱中症リスクの低減を図る。全国の建設現場を対象に、条件が整った箇所から取り組みを始める。」(『建設通信新聞』2026.05.22)
●「全国中小建設業協会(全中建、河崎茂会長)は21日、東京都内で理事会を開き、『働き方改革宣言』として2026年度はおおむね6%の賃金上昇を目指した取り組みを進めることを決めた。若い担い手の確保・育成、技能者の処遇改善を促す考え。全中建は3月に国土交通省と賃金のおおむね6%上昇を目指すことで合意していた。」(『建設工業新聞』2026.05.22)
●「中東情勢の影響で先行きの不透明感が増している不動産開発事業。不動産協会(不動協、吉田淳一理事長)が21日の総会後に開いた懇親会では、日本建設業連合会(日建連、押味至一会長)と合同で立ち上げる協議体での議論に対し、デベロッパー各社のトップから期待の声が相次いだ。受注者に求めるだけでは現状の打開につながらず、発注者も協力・協働しながら解決策を探りたいとの姿勢が共通して聞かれた。」(『建設工業新聞』2026.05.25)
●「日本型枠工事業協会(三野輪賢二会長)は型枠大工と型枠解体工の『労務費+歩掛』を6月にも公表する。また会員企業に限定して、『標準労務に基づく6つの躯体種別の材工一式単価目安』と題した、一般的には複合単価と呼ばれる全国各地の材工一式単価の情報提供も進める。調査結果に基づいて提供するのは11都道府県の6躯体種別の計66に及ぶ複合単価。22日、総会後に開いた理事会で決定した。」(『建設通信新聞』2026.05.26)
●「大成建設は、アスベスト含有吹付材をウォータージェットで安全かつ効率的に除去できる『T-ジェット工法』の機能向上を図るとともに、施工現場ごとの最適な作業方法まで含めたパッケージ運用体制を新たに整備した。微細ミストの噴射量上限を毎分6リットルに設定するとともに、2方向分岐が可能な装置へ改良。超高圧水の使用水量を抑えながら、1台で2カ所の同時施工を可能とし、施工効率を従来比2倍に高めた。」(『建設通信新聞』2026.05.29)

まちづくり・住宅・不動産・環境

●「街中の木陰が縮小している。東京23区では9年間で東京ドーム256個分が消えた。国内の街路樹はピークから50万本減り、枝葉が広がらない品種に植え替えが進む。気候変動で夏の暑さが厳しくなるなか、海外の大都市は気温上昇を抑える木陰の拡大に取り組む。日本も街づくりを見直す転機を迎えている。東京23区には皇居や新宿御苑など、自然豊かな場所が数多く残る。それでも東京大学の研究によると、木の枝葉が地面を覆う面積の割合(樹冠被覆率)は2013年の9.2%から22年は7.3%に低下した。10年足らずで木陰が12平方キロも消えた計算だ。世界的に見れば、東京は木陰が少ない。各都市の公表資料によると、直近の樹冠被覆率はニューヨークが23.4%(21年)、シドニー19.8%(22年)、パリ17.6%(25年)。砂漠の中にある米アリゾナ州フェニックス(24年)も11%と東京を上回る。主な要因は庭木のある住宅や街路樹の減少だ。東京大学の分析では、23区内の木陰は13年から22年にかけて住宅地で3割、道路で2割減った。日本は高齢化の進展で死者が増える『多死社会』に入り、不動産相続が増えた。地価や家賃の高騰もあり、相続した土地を細分化して売ったり、集合住宅を建てたりするケースが多い。どちらであっても庭木は切り倒される。…カナダのカルガリー大学が25年に発表した衛星画像などを用いた分析では、カルガリー市内の気温29度超の地点で、木陰を現状より1割増やすと平均0.8度、3割なら同1.5度の冷却効果があるとの結果が出た。海外の主要都市は夏の猛暑対策として樹木を生かす街づくりにかじを切る。パリ市は30年までに市内の3割を緑地にする計画に取り組み、ニューヨーク市は樹冠被覆率を40年までに30%に引き上げる目標だ。民有地でも樹木の伐採を制限するなど、厳しい規制を課す都市が少なくない。土木学会の24年の調査によると、ロンドン市内は幅5.5メートル以上の道路が98%を占める。一方、東京や大阪は3割以下で、街路樹を増やす余裕がない。日本では市街地の再開発で木を植えるために道路幅を広げることはまれだ。」(『日本経済新聞』2026.05.24)
●「国土交通省は4月21日、全国の地方公共団体を対象に実施した『下水道管路の全国特別重点調査』の結果を公表した。対象は、535団体、5332kmにおよび、令和8年2月末時点で748kmが『対策が必要』と判定された。…今回の調査では、潜行目視、テレビカメラなどによる点検を5121kmで実施。その結果、緊急度Ⅰ(1年以内に対策が必要)が201km、緊急度Ⅱ(5年以内に対策が必要)が547kmと判定された。特に優先実施個所では、緊急度ⅠおよびⅡの割合が約41%に達し、事故リスクの高い区間で異状が集中していることが明らかになった。また、緊急度Ⅰ、Ⅱと判定された区間では空洞調査も実施され、96箇所で地盤中の空洞が確認された。国交省は、調査が未了の自治体に対し早急な点検完了と対策実施を要請している。さらに、今回の結果を踏まえ、点検基準の見直しにも着手するという。」(『日本住宅新聞』2026.05.25)
●「気象庁などは28日、大雨などに警戒を呼びかける新たな防災気象情報の発表を始めた。乱立していた情報を分かりやすく5段階の数字と色で整理し、早期避難につなげる狙い。自治体が住民への周知を急ぎ、一部の企業が事業継続計画(BCP)を見直すなど対応する動きが広がる。」(『日本経済新聞』2026.05.29)

その他

●米東部ニューヨーク市のマムダニ市長は26日、深刻な住宅危機に本格的に取り組むとして、新設20万戸を含む計40万戸の「手ごろな価格」の住宅確保を柱とする新たな計画を発表した。記者会見でマムダニ氏は、住宅不足と家賃高騰によって「労働者が自ら築いてきた街から追い出されている現状のもとで、もう先送りや中途半端な対応は許されない」と強調した。民主的社会主義者として、政策実現や行政運営の手腕が注目されるなか、マムダニ氏は「ブロック・バイ・ブロック 新時代の住宅計画」と題した新政策を打ち出した。今後10年間で20万戸を新規に建設し、既存住宅の修繕で20万戸を確保する。同事業に今後5年間で220億ドル(約3.5兆円)を投入予定。同市の住宅当局に56億ドルの予算を確保し、公営住宅を造る建設労働者には時給40ドル以上を支払うとしている。(『しんぶん赤旗』2026.05.29より抜粋。)