情勢の特徴 - 2026年6月前半

経済・財政 行政・公共事業・民営化 労働・福祉 建設産業・経営 まちづくり・住宅・不動産・環境 その他

経済・財政

●「働く単身者の税と社会保障の負担率が上昇している。経済協力開発機構(OECD)の調査で2025年は33.1%と過去最高となった。家族世帯より給付や控除が少なく、社会保険料の増加やインフレによる『実質増税』が負担を押し上げた。…OECDは加盟38カ国の税・社会保障負担率を公表している。個人の所得税(控除分を除く)や労使の社会保険料などの合計から国の給付を差し引いた金額を、企業の人件費総額で割った。日本の単身者の負担率は25年に33.1%と統計で遡れる00年から3.3ポイント上がった。負担率は世界で下がる傾向にある。日本はOECD平均の35.1%を下回るとはいえ、OECDの平均値はこの期間に1.07ポイントさがった。米国や英国、ドイツ、フランスといった主要国も25年は00年より負担率が低下した。日本では高齢化に伴い年金など国からの給付が増え、社会保険料も上昇した。海外では働く人の負担を抑える仕組みがあり、その差が表れているとみられる。米英、オランダ、韓国などは就労促進や子育て支援を目的に、個人や世帯の負担を軽減する給付付き税額控除を導入済みだ。税控除しきれない分を給付金で補い、主に低所得の労働者の負担を抑えている。働いて給与が増えるほど控除や給付が増える仕組みをとり入れている国もある。日本は高齢者や住民税の非課税世帯に手厚い支援を整えてきた。社会保険料を中心に現役世代に負担が集中しやすい。総務省の家計調査によると、単身の勤労世帯の社会保険料は25年に約52万円と00年の約37万円から4割増えた。この間の勤め先からの収入の伸びは7.5%にとどまる。所得税などの直接税の負担額は13.8%増えた。」(『日本経済新聞』2026.06.01)
●財務省が1日に発表した2026年1~3月期の法人企業統計によると、資本金10億円以上の大企業(金融・保険業を含む)の内部留保は前年同期を29.9兆円上回る593.9兆円となり、過去最大を更新した。ここでいう内部留保とは利益剰余金のほか、引当金などを含めたもの。大企業の指標を第2次安倍晋三政権発足直前となる12年1~3月期と比べると、経常利益が158.7%と大幅に増加したことを受け、内部留保も87.5%増だった。一方で1人あたり賃金は28%の伸びにとどまった。賃金を資本金規模別に見ると、10億円以上の大企業では713.8万円だったのに対し、1000万円~1億円の中小企業では367.6万円とほぼ半分にとどまる。中小企業と大企業の賃金格差の推移を見ると、12年に1.74倍だった賃金格差は26年には1.94倍にまで広がっている。(『しんぶん赤旗』2026.06.02より抜粋。)
●「高市早苗首相は消費税減税をめぐり2027年4月から食料品の消費税率を1%とする案の可否を月内に判断する。税率を1%とした場合、レジのシステム改修は『最大5~6カ月程度』で可能だとの政府見解が示されるのを踏まえ、最終調整する。経済産業省が3日の『社会保障国民会議』の実務者会議でレジの改修期間に関する見解を示す。…自民党の衆院選公約どおり食料品の消費税率をゼロとした場合、レジ改修の期間が『最大10カ月~1年程度』を要すると指摘した。1%であれば『0%の特殊性』に関する影響調査やシステム改修が不要だと強調した。1%とすれば改修期間は半分程度に短縮されるため、早期の減税が可能になる。」(『日本経済新聞』2026.06.03)
●「中小企業基盤整備機構は、全国の事業承継・引き継ぎ支援センターの2025年度実績をまとめた。建設企業が譲渡(売り手)側のM&A(企業の合併・買収)成約件数は、前年度と比べ20件程度少ない215件だった。全産業に占める割合は11.1%となっている。全産業のM&Aの成約実績は過去最高を更新し、6.2%増の2265件だった。機構は『会社は子どもが継ぐとの価値観が変化し、事業承継の選択肢としてM&Aが定着してきた』(事業承継・再生支援部)とみている。」(『建設通信新聞』2026.06.03)
●「厚生労働省が3日発表した2025年の人口動態統計(概数)によると、1人の女性が生涯で産む子どもの数を示す合計特殊出生率は1.14だった。24年の1.15から0.01ポイント下がり、過去最低を更新した。低下は10年連続となる。」(『日本経済新聞』2026.06.04)
●「中東情勢の混乱で調達不安が広がった基礎原料ナフサ(粗製ガソリン)の代替調達が進んでいる。地政学リスクの過度な緊張が後退したことで価格はピークから下落したものの、依然として危機前を上回る。原料調達にはなお警戒感が漂う。…欧州調査会社ケプラーのデータによると、5月のナフサの輸入量は約105万トンだった。これは2025年平均の78%の水準に相当する。中東情勢の影響を受けた3月は約76万トンにまで落ち込んでいたが、米国など調達先の多様化により回復傾向にある。ホルムズ海峡を通過する一部タンカーがペルシャ湾からアジアに入るようになっている。輸入量は平時を下回る水準に見えるが『日本の石化製品の多くを輸出していたため、ナフサの調達量がイラン衝突前の7~8割になっても国内の石化製品需要はおおむね賄える』(石油化学コンサルタントの柳本浩希氏)。ナフサの価格は中東情勢の緊迫で3月下旬には1トン1208ドルと約18年ぶりの高値を付けた。代替調達の進展などを受け4日時点のアジア価格は1トン800ドル前後で推移している。ナフサの需給環境を映す、北海ブレント原油に対する価格差(クラックスプレッド)は1日時点で30~40ドルほど。3月下旬に400ドル程度に拡大していたが、5月以降縮小が鮮明だ。価格差が縮むほど供給不足が後退したことを意味する。もっともナフサ価格はイランとの軍事衝突前に比べると3割ほど高く、なお高水準が続いている。」(『日本経済新聞』2026.06.06)
●「日銀は15~16日に開く金融政策決定会合で利上げを決める方針だ。物価の上振れリスクに備え、政策金利を現状の0.75%から1.0%に引き上げる。国債の買い入れ額を減らす措置は市場の安定を重視し、来春以降に停止する方向で調整に入った。」(『日本経済新聞』2026.06.10)
●「公正取引委員会は10日、下請法(現・中小受託取引適正化法)違反で再発防止などを求める勧告を、2025年度に39件出したと発表した。前年度から18件増え、平成以降で過去最多となった。…勧告の対象で最も多かったのは、金型の長期保管や修理する車を無償で運搬させる『不当な経済上の利益の提供要請』。前年度から20件増の31件だった。…続いて支払代金の減額が6件だった。下請法の調査権限がある中小企業庁からの措置請求に基づく勧告も1989年度以降で最多の9件に上った。勧告と指導を合わせた件数は8300件で前年度から49件増えた。業種別では製造業が全体の36%に相当する3024件で、卸売・小売業が1919件、情報通信業が907件だった。発注側の177事業者から5165事業者に対し、代金の減額分など総額25億円超が返還された。」(『日本経済新聞』2026.06.11)
●「高市早苗首相は11日に開く中東情勢の関係閣僚会議で、ホルムズ海峡経由で調達していた原油を海峡外からに切り替える代替調達の割合が7月に100%に達すると表明する。米国などからの確保が進んだと説明する。」(『日本経済新聞』2026.06.11)

行政・公共事業・民営化

●「国土交通省は、インフラの維持管理の担い手確保に向けた方策を探るため、直轄維持工事の実態調査に乗り出す。維持工事の入札・契約や工事実施体制に焦点を当てて現状を把握する。調査結果を参考にしながら、入札者を確保するための契約内容など制度上の対応を検討していく。」(『建設通信新聞』2026.06.03)
●「政府は2日、第9回『中東情勢に関する関係閣僚会議』を開き、シンナー・塗料の供給量を確保するため、原料となるトルエンなどを最大で例年比1.8倍と大幅に供給拡大する方針を示した。工務店などへの材料行き渡りにつなげる。一方、全国建設労働組合総連合(全建総連)へのヒアリングなどを踏まえて、一人親方への建設・住宅資材のプッシュ型の情報提供も引き続き進めていくことを報告した。」(『建設通信新聞』2026.06.04)
●「国土交通省は、建設Gメンの実地調査や行政指導を含む法令順守推進活動の今後の方針を固めた。改正建設業法が全面施行し初年度の活動となることから、適正な労務費や工期の確保など規制が強化された部分の順守状況を重点的に確認する。改正法の施行前はあくまで『調査』の意味合いが大きかったが、今後は法令違反への効果的な働き掛けに向け『指導に力点を移していく』(不動産・建設経済局建設業課建設業適正取引推進指導室)。各地方整備局などに設置している『建設業法令順守推進本部』の2026年度活動方針を決定した。建設Gメンの活動は請負契約の適正化を目的に、▽請負代金(見積もりのやりとりなど)▽契約締結(契約書の記載事項など)▽工期設定(休日確保の考慮など)▽価格転嫁(「恐れ〈リスク〉情報」の対応など)▽代金支払い(手形払いの運用など)―の五つの観点で、業法の順守状況を調査する。建設Gメンや建設業許可行政庁の調査や立ち入り検査、指導の件数は直近で増加傾向にある。25年度の調査・検査対象は1152業者・1318件(前年度1103業者・1143件)で、うち勧告・指導を行ったのは768件(649件)だった。見積もり条件の提示や内訳明示で不備があるなど、見積もり段階の指導件数が最も多い。国交省は契約前に見積もりを適切に行うことの重要性を指摘し、26年度も元下間などの見積もりのやりとりを一段と注視していく姿勢を示す。」(『建設工業新聞』2026.06.04)
●「政府は11日、民間資金等活用事業推進会議(会長・高市早苗首相)を開き、PPP/PFI推進アクションプラン(2026年改定版)を決定した。30兆円に設定していた22~31年度の事業規模目標を40兆円に引き上げた。重点分野を14から17に増やす。具体化する事業の件数目標を80件追加し、17分野で計730件にした。民間提案を具体化する新たな仕組み、PPP/PFIを前提にした下関北九州道路の事業化の検討、国公立病院や自衛隊施設などの整備推進も盛り込んだ。」(『建設工業新聞』2026.06.12)

労働・福祉

●「人手不足が深刻な建設業の処遇改善に向け、厚生労働省は現場で働く人の退職金を増やす方針だ。事業者が出す掛け金を現在の日額320円から大幅に上げられるようにする。賃金面での魅力を高め、多様な人材を呼び込む。」(『日本経済新聞』2026.06.02)
●「日本経済新聞社がまとめた2026年の賃金動向調査で、人件費総額が25年と比べ『増える見込み』だと回答した企業は78.6%に上った。賃上げをしなければ正規・非正規ともに人材確保が難しい状況が浮き彫りとなった。増えると回答した企業のうち増加幅が『5%以上』とした割合は44.9%と半分近くを占めた。5%以上と回答した企業のうち14%は『10%以上』と回答した。『3~5%未満』は全体の43%だった。人件費増の理由(複数回答)では『ベースアップ(ベア)等による1人当たり賃金の上昇』(92.4%)が最も多く、『初任給の引き上げ』(62.7%)、『人員が増えている』(47.5%)が続いた。『非正規社員の賃金上昇』を挙げた企業も32.3%と多かった。さらに今春の労使交渉などで従業員の待遇改善について決定した内容(複数回答)について尋ねたところ、『時給・最低賃金の引き上げ』を挙げた企業は41.5%に上った。」(『日本経済新聞』2026.06.03)
●「労働災害統計の死亡災害発生状況には含まれない建設業の『一人親方』の死亡者数が、2025年(1-12月)は前年比13人増の49人だった。厚生労働省が公表した25年の『建設業の一人親方等の死亡災害発生状況』で判明した数字だ。労働者扱いにはならない中小事業主や役員、家族従事者も含めた『一人親方など』のベースで見ても、24人増の81人だった。厚労省が5月27日に公表した25年(1-12月)の『労働災害発生状況(確定値)』では、建設業の死亡者数、休業4日以上の死傷者数がともに、集計開始以来、過去最少を記録している。そうした中で、一人親方は2年ぶりに死亡災害件数が増加に転じた。特に、墜落・転落災害で件数が悪化している。死亡災害を事故別に見ると、建設業で重点課題に位置付け、その撲滅に取り組んでいる『墜落・転落』災害が依然最多で突出している。一人親方は49人中39人で、前年から12人増えた。墜落・転落が死亡災害に占める割合は79.5%となっている。建設業全体の25年確定値で、墜落・転落の占める割合が42.5%だったことから、それを大幅に上回る状況にある。これに次いで多かった死亡災害が『はさまれ・巻き込まれ』と『高温・低温の物との接触』だ。ともに1人増加の3人だった。」(『建設通信新聞』2026.06.03)
●全国建設労働組合総連合(全建総連)の鈴木貴雄委員長、小倉範之書記長ら役員は12日、衆院第2議員会館で、日本共産党の小池晃書記局長ら国会議員団と懇談し、中東情勢の緊迫化に伴う建設資材の供給不安や価格高騰への対策強化を求めて要請した。要請では、原油価格の高止まりや海上輸送の遅延が、建設資材の供給体制に深刻な影響を及ぼしていると指摘。住宅建築においては、「工期の大幅遅延、請負価格の上昇が常態化している」としている。工務店など地域の中小零細建設事業者は急騰するコストを価格に十分転嫁できず、「事業継続そのものが危ぶまれる事態が広がっている」と指摘。▽住宅建材・設備等の供給不安の解消、流通の円滑化、価格高騰への適切な措置▽中小建設事業者の事業継続、雇用維持に向けた支援措置の拡充―などを求めている。鈴木委員長は、目詰まりが若干解消されつつあるとしながらも、「手元には資材が届かない上、コストが増すなど、資金繰りの面で影響が長引くことが懸念される」と述べた。(『しんぶん赤旗』2026.06.13より抜粋。)

建設産業・経営

●「全国建設業協会の今井雅則会長は5月29日、首相官邸で高市早苗首相と面会し、公共事業予算の確保などに関する緊急要望を行った。今井会長は、高市政権が掲げる危機管理投資・成長投資による強い経済の実現のため、防災・減災、国土強靭化の着実な推進と経済成長力に資するインフラ整備の加速化が求められると強調。そのためには、建設資材の価格高騰や人件費の上昇を上回る公共事業予算の増額により、2025年度補正予算と26年度当初予算を合わせた分を超える実質事業量の確保が必要と働き掛けた。」(『建設通信新聞』2026.06.01)
●「道路舗装工事に使うアスファルト混合物(アス合材)の価格が全国的に上昇している。建設物価調査会のデータによると、4月から5月にかけた地区別の上昇幅は、1トン当たり再生材(密粒度13)で2000~3000円、バージン材で3000~4000円となった。東京地区のアス合材価格は5月に1万3000円となり、過去最高を更新した。原材料のストレートアスファルト(ストアス)、プラント燃料のA重油などの価格上昇を踏まえると、アス合材にはなお価格転嫁の余地があるとみられる。」(『建設工業新聞』2026.06.01)
●「日本建設業連合会(押味至一会長)と不動産協会(吉田淳一理事長)は1日、まちづくりを巡る諸課題の解決に向け、両団体の円滑な意思疎通を図る『持続可能な建設業及び不動産業の実現に向けた協議会』を立ち上げ、都内で初会合を開いた。今後、協議会の下に実務者レベルの幹事会を置き、2、3カ月に1回程度のペースで会議を開催する。各回ごとにテーマを定めて議論を積み重ねる。詳細は現時点で未定だが、コスト変動要因に対する共通理解の獲得をはじめ、生産性を上げるための柔軟な働き方や技術的・制度的な方策などを探ることになりそうだ。協議会本体としては1年後をめどに、優先して解決に臨む課題の整理と両団体連携による具体的な取り組みの方針などをまとめる。」(『建設通信新聞』2026.06.02)
●「不安定な中東情勢の影響で建設資材の価格が高騰し、供給の先行きも見通しにくい状況となっている。全国建設業協会(全建、今井雅則会長)が5月に実施した調査によると、資材の需給状況や価格変動は4月の調査時より深刻化している。接着剤やシーリング材などで価格高騰を訴える割合が増加。資材調達の状況については、4月から『悪化』『やや悪化』と回答した企業が66.7%に達し、『改善』『やや改善』はゼロだった。」(『建設工業新聞』2026.06.03)
●「海外建設協会(佐々木正人会長)は、会員52社を対象に集計した2025年度の海外建設受注実績を公表した。受注総額は前年度比13.4%増の2兆9349億円となり、3年連続で過去最高を更新した。受注件数は1814件だった。工事の大型化の傾向が続き、1000億円超の案件がシンガポールで3件、米国で1件となった。海外受注はコロナ禍で20年度に急減したが、その後は5年連続で前年度実績を上回っている。」(『建設通信新聞』2026.06.09)
●「建設業技術者センター(CE財団、佐藤直良理事長)は、高齢技術者が活躍できる環境を整備している地域建設業の優良事例を収録した報告書をまとめた。建設業が担い手不足に直面する中、高齢技術者を持続的経営のための戦力と捉え、受注機会の拡大や若手育成につなげている先進事例を紹介。地域建設業が地域の守り手として活動し続けるため、年齢にかかわらず活躍できる組織づくりや入職者の確保に向けた業界のイメージアップ、多様な価値観に配慮した人材育成の必要性を提言している。」(『建設通信新聞』2026.06.09)
●「関東のマンション大規模修繕工事で談合を繰り返したとして、公正取引委員会は施工会社30社超と設計コンサルタント2社の独占禁止法違反(不当な取引制限)を認定し、再発防止に向けた排除措置命令を出す方針を決めた。関係者への取材で11日、分かった。修繕の時期を迎えるマンションが増えるなか、建築資材高騰や人手不足を背景に修繕費は上昇している。公取委はチェック役のコンサルも関与した受注調整が価格競争を妨げていたと判断した。談合には業界大手も加わっていたとみられ、多数の管理組合が過大な支出を強いられた恐れがある。対象となるのは施工会社が長谷工コーポレーション傘下の長谷工リフォーム(東京・港)、大京子会社の大京穴吹建設(高松市)など三十数社。公取委は計約16億円の課徴金納付命令も出す。設計コンサルの翔設計(東京・渋谷)とリノシスコーポレーション(大阪市)は排除措置命令のみが出る。公取委は既に各社に処分案を通知した。意見を聴取した上で最終決定する。」(『日本経済新聞』2026.06.12)
●「建設産業専門団体連合会(岩田正吾会長)は11日、東京都新宿区のホテルグランドヒル市ヶ谷で第25回通常総会を開き、2026年度の事業計画を決めた。岩田会長は昨年12月に全面施行した改正建設業法に基づく労務費の基準(標準労務費)をベースとした新たな商習慣の定着に意欲を示し、『これまでの安値競争の慣行から抜け出すことが、建設業が今後も持続するための原点だ』と力を込めた。」(『建設通信新聞』2026.06.12)
●「全国建設産業団体連合会(全国建産連)の石津健光会長ら幹部は11日、東京・霞が関の国土交通省を訪れ、中東情勢の悪化に伴う石油製品の調達不安などへの対応を金子恭之国交相に緊急要望した。大手企業と中小企業の調達格差の是正や流通ルートの適正化に向け、製造・流通業界への指導を担う経済産業省との連携を要請。工事の遅延や一時中止が受注者の資金繰りの悪化などを招かないよう、発注者や元請会社に適切な対応を働き掛けることも求めた。…4月から違法な白ナンバートラック(白トラ)の違法運送行為が厳罰化されたことを受けた規制緩和・軽減も要望。ダンプトラックの不足を招けば地域建設業の役割でもある災害時の即時対応に影響を及ぼすと指摘し、自家用トラックによる資機材などの周辺移動は一律の厳罰対象から除外したり、処罰の適用を軽減したりする『柔軟な例外措置』を講じるよう求めた。」(『建設工業新聞』2026.06.12)
●「建設産業専門団体連合会(建専連、岩田正吾会長)は、夏場の猛暑下で働く現場従事者の安全と健康を守る方策として『建設業の夏休み』を導入する提案活動を始めた。『これだけの猛暑下に職人を送り出す怖さを毎日痛感している』(岩田会長)との危機感が背景にあり、まずは官民の発注者や元請団体などと意見交換する場をつくる。夏休みの必要性に賛同の輪を広げながら、実現への障壁を打破する『ムーブメント』(同)に発展させていきたい考えだ。」(『建設工業新聞』2026.06.15)

まちづくり・住宅・不動産・環境

●「東京都心でマンションの一室をホテルとして運用する宿泊施設が増えている。規制の強まる民泊新法上の施設とは異なり、旅館業法上で営業する形態だ。監視の目が届きにくく民泊規制の『抜け穴』になりかねない。東京23区は対応に乗り出した。民泊に明確な定義はないが、政府は①住宅宿泊事業法(民泊新法)②国家戦略特別区域法(特区民泊)③旅館業法の『簡易宿所』――の3制度による形態を想定する。民泊新法は2018年に施行。特区民泊は15年に始まり大阪府などが指定された。民泊はインバウンド(訪日外国人)需要を追い風に拡大する。25年の東京都の外国人の宿泊者数は延べ5959万人で前年から5%増えた。都心では宿泊施設の不足が指摘され、高い利回りを狙える投資先としても注目される。地域でのトラブルも増加している。そのため23区は民泊新法上の施設に、180日という営業日数をさらに制限するなどの規制を導入する。民泊新法の運用厳格化で増えているのが旅館業法上の施設だ。同法上の『旅館・ホテル』は、24年は5858件と前年比32%増えた。23区内の民泊新法の施設は9545件と46%増加。これには及ばないものの、旅館・ホテルの上昇トレンドは鮮明だ。旅館業法の『簡易宿所』は1室を多数人で共用するゲストハウスなどが該当する。ただ18年の同法改正で客室数の下限が撤廃され、スタッフの常駐義務も緩和された。マンションの1室や戸建て住宅も『旅館・ホテル』の区分で許可がとりやすくなった。旅館業法であれば民泊新法の180日という日数制限がなく通年で稼働できる。民泊新法上で自治体が求める規制も現状では少ない。」(『日本経済新聞』2026.06.02)
●「政府は原子力発電所を2040年代までに最大5基建て替えるとの目標を掲げる。設備容量は最大550万キロワットと、既存原発のおよそ2割に相当する。運転開始から年数がたった原発を建て替え、化石燃料の輸入に依存しない電源を確保してエネルギーの安定供給につなげる。」(『日本経済新聞』2026.06.05)
●「不動産調査会社の東京カンテイ(東京・品川)が9日発表した5月の新築小規模戸建て住宅の平均希望売り出し価格は、東京23区で前月比777万円(8.7%)高の9754万円だった。調査を始めた2014年4月以降で最高値を更新した。…5月は港区や渋谷区など高級住宅地で戸建て物件が出たことで平均価格を押し上げた。都心6区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区、文京区)は前月比1246万円(7.3%)高の1億8262万円だった。建設コストが上昇しており、ハウスメーカーは採算確保の観点から高額での販売が見込める人気エリアでの供給に注力している。東京23区は前年同月からは1842万円(23.3%)上昇した。東京カンテイの藤谷有希研究員は『供給全体が減少傾向にあるなかで都心の高額物件の存在感が高まっている。戸建ての価格は今後も上昇基調が続きそうだ」と話す。」(『日本経済新聞』2026.06.10)
●「政府は12日、首都直下地震の『緊急対策推進基本計画』を改定した。最大1万8000人としていた想定死者数を今後10年間で『半数以下』とする減災目標を掲げた。実現するための具体策として従来の4倍にあたる189個の目標を設定。被害の7割を占める火災対策や在宅避難の促進を急ぐ。着実に実現させるため、目標にどう実効性を持たせられるかが課題となる。」(『日本経済新聞』2026.06.12)

その他

●米国最大の都市ニューヨーク市内に「高級セカンドハウス」を所有する超富裕層を対象とした新たな追加課税制度がこのほど成立した。「民主的社会主義者」のマムダニ・ニューヨーク市長が、ホークル・ニューヨーク州知事(民主党)と共同提案していた。…新税の対象は主たる居住地をニューヨーク市外・米国外に置きながら、市の評価額で100万ドル(約1億6000万円)以上の分譲マンションや、500万ドル(約8億円)以上の一戸建て住宅などを市内に保有する層。資産評価価値に応じて年4~6.5%の税金が賦課される。これにより年間5億ドル(約800億円)規模の新たな税収が見込まれる。(『しんぶん赤旗』2026.06.02より抜粋。)
●「トランプ米大統領は米東部時間14日、イランと戦闘終結で合意したとSNSで発表した。ホルムズ海峡の通航が再開し石油供給が回復するとの期待から日経平均株価は上昇、原油価格は下落した。トランプ氏は『ホルムズ海峡の通航料なしの開放と、米海軍による封鎖の即時解除を承認する。世界の船はエンジンを始動し、石油を流そう』と書き込んだ。…イランメディアは15日、イランの最高安全保障委員会が米国との覚書の文言を最終決定したと報じた。合意内容によるとレバノンを含む全ての前線での戦闘が即時かつ恒久的に終了し、イランに対する海上封鎖が解除されるという。」(『日本経済新聞』2026.06.15)