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柴田徳衛・中西啓之編
大月書店
1999年9月発行
定価 2,000円(税別、送料別)
ISBN 9784272140398


目次

序章
 1.道路は誰のため?
  ・「みち」―土足で踏まれながら行き先を教える
  ・「街道」「道路」の歴史
  ・明治以降―エネルギー源の水主火従中心
 2.猛烈なモータリゼーションの開始
  ・石油産業の展開と黒いダイヤ
  ・戦中から昭和二〇年代の自動車産業
  ・道路建設本格化へ
  ・道路整備5箇年計画
第T章 自動車と高速道路事業
 1.大きな無駄に目を向けよう
  ・技術の進歩と公共事業
  ・公共事業の無駄
  ・誰のための再開発化
  ・国の公共事業の無駄
 2.道路をめぐる二つの考え
  ・無駄をめぐる考えのちがい
  ・日本の高速道路はまだ遅れているのか
  ・日本の地形の難しさ
  ・道路建設で渋滞は解消されるか
 3.道路と自動車のデメリット
  ・クルマの利便性と道路
  ・自動車と道路による公害問題
  ・大気汚染に対する訴訟と政府の対策
  ・自然環境の破壊と道路建設
  ・自動車による交通災害、資源の浪費
第U章 財政危機と公共事業・道路投資
 1.道路の財政はどのくらいか
  ・道路は公共投資の王者
  ・道路事業の財源
  ・地方自治体の道路費用
 2.なぜいま公共事業・道路投資なのか
  ・日米貿易戦争と前川リポート
  ・日米構造協議と公共投資
  ・一九九〇年代不況と公共事業
 3.財政危機と公共事業費
  ・財政構造改革の破綻
  ・公共事業の拡大と長期債務の増大
  ・公共事業・道路の見直しを
第V章 道路建設の財源とマイナス要因
 1.道路と自動車の相乗的増殖促進の財政システム
  ・まず「緊急に道路」を
  ・道路財源保障措置の強化
  ・四〇年間も続く「特例」
 2.経済基盤強化の道路投資と自動車産業
  ・道路投資額の飛躍的増加
  ・自動車産業の飛躍的発展
  ・道路建設がもたらしたもの―雇用の確保
 3.マイナス要因の登場・拡大(道路公害・政治腐敗)
第W章 道路計画と決定のメカニズム
 ・予算の「箇所付け」
 1.公共投資基本計画はどのようにして決まるか
  ・六海峡・長大架橋建設とは
  ・”外圧”で決められた公共投資基本計画
 2.公共事業長期計画はどうして策定されるか
  ・道路計画はどのように決められるか
 3.ヨーロッパの総額に匹敵する日本の道路建設支出
  ・国民の道路にたいする要望
 4.道路行政の歴史(政官の癒着、最近の転機は四全総)
  ・高規格幹線道路という怪物
  ・地方財政悪化の原因にも
  ・国幹道はどうして決まるか
 5.原稿公共事業評価システムは有効か
 6.財界の要求はどのように具体化されるか
第X章 日本の建設産業と道路
 1.建設産業の発展過程と道路
  ・戦前の建設業と道路
  ・戦後復興期の建設労働者と道路
  ・高度経済成長と道路建設
  ・七〇年代以降の産業構造再編政策と建設業
  ・日米構造協議と道路
 2今日におけるゼネコン戦略と道路
  ・九〇年代の道路事業と建設産業
  ・二一世紀に向けた大手ゼネコンの公共事業戦略
 まとめ
第Y章 海外のクルマと道路をみて
 ・やさしい横断歩道橋
 ・車を減速させる仕掛け
 ・車規制による中心商店街の活性化
 ・標識一つで大きな成果を
 ・クルマと道路第一で来た日本
終章 新しい方向を
 1.外から見た日本経済急成長の秘密
 2.米国クルマ社会の反省
 3.シンガポールの優れた交通事情
 4.二一世紀に向けて
 5.道路についての七つの提言
 (レポート)
  ・日本道路公団の利権構造
  ・建設省労働者と道路
あとがき