建設政策研究所の提言
−「住民の生活と安全を支える 建設産業の再生と持続的発展をめざして−」
建設政策研究所の見解と提言〜概要
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建設政策研究所 編
2013年1月 発行
頒価 800円(送料別)
地域建設産業の疲弊と若年技能労働者不足という深刻な問題を抱えている建設産業が再生し、持続的に発展していくためには、抜本的な解決策が求められます。 建設政策研究所では、地域建設産業の再生と持続的発展に向けて、4つの視点から基本的考え方を示し、27の具体的な提言をまとめました。建設産業、公共事業に関わる多くの方々の間で議論され、活用されることを切望します。
まえがき
建設政策研究所の見解と提言〜概要
第1部 政府・財界の国際競争力強化戦略は建設産業をどこに導くか
はじめに
第1章 「方策2011・2012」の背景にある政府・財界の国際競争力強化戦略
第1節 アジアのインフラ市場拡大に対応した国際競争力強化戦略は建設産業をどこに導くか
第2節 財界のグローバル化戦略では国内経済及び建設産業の未来は開けない
第2章 政府・財界の戦略に呼応した国土交通省「方策2011・2012」の問題点と建設政策研究所の見解
第1節 建設業者の「過剰供給構造」は本当に存在するのか
第2節 中小建設業者の低価格競争はなぜ生じているのか
第3節 技能労働者の賃金低下や請負労働者化は下請業者の責任なのか
第4節 社会保険未加入企業や未加入労働者はなぜ生じているのか、どのように解決すべきか
第5節 建設産業の足腰の弱さはなぜ生じているのか、足腰を強化するためには
第6節 工事の川上・川下を含めた多様な事業領域への展開は公共事業・地域建設産業にどんな影響を与えるか
第2部 「地域建設産業の再生と持続的発展」に向けた建設政策研究所の提言
はじめに
第1章 建設政策研究所の基本的考え方
T.建設産業は本来地域産業であり、地域建設産業の発展への行政施策こそ重要
U.建設事業は地域住民の生活の向上と安全確保及び地域経済の発展に資することが基本
V.多くの若年技能者の入職促進には生活ができ将来が保障される賃金・社会保障確保が基本
W.建設産業のルール確立に向け、大手元請業者の責任を果たさせる強力な建設・労働行政の展開を
第2章 建設政策研究所の提言
A.地域建設業が地域産業として持続的に活動できる行政施策を
提言1 地域建設産業を地方自治体の産業行政の中に位置づける
提言2 地方自治体内に建設産業政策を担う建設産業振興組織を設け、専門職員を増加・蓄積し、政策立案・実行体制の確立を
提言3 行政は地域建設業の評価・選別による篩い分けではなく、経営が弱くても誠実な業者への支援・育成策を
提言4 公共事業の転換による地域建設業の振興策を
B.地域に密着した防災型、老朽化対応・地域維持型公共事業の拡大を
提言1 不要不急の新規大規模事業を中止・休止し、地域住民の生活要求に基づく事業に転換を
提言2 既存施設の老朽化対策に財政と行政の思い切ったシフトを
提言3 防災重視の公共事業で安全・安心な地域、都市実現を
提言4 公共事業を実施する上で国民・住民の意見の尊重と参画を
C.賃金・社会保障の抜本的改善で若年労働者が希望を持てる建設産業に
提言1 賃金の抜本的改善のため職種ごとの標準賃金を設定し、労使交渉により労働協約を締結する
提言2 建退共制度を改善し、その仕組みを有給休暇制度に応用する
提言3 労働組合による労働者供給事業を通じて労働協約づくりを
提言4 公契約条例の内容の充実と広範な地方自治体での制定で公共工事の低賃金克服を
提言5 建設労働者の技能向上のための労使による教育・訓練制度の確立を
提言6 個人請負労働者の「労働者性」を認め、労使関係の確立を
提言7 社会保険・労働保険の加入は賃金と社会保障制度の改善で
D.公共事業の公共性を明確にし、公正な競争と地域経済振興への役割発揮のために
提言1 ダンピング競争を防止し、公正な競争が確保できる入札・契約制度を
提言2 発注政策の改善で地域建設産業の振興を
提言3 公共工事の積算・予定価格づくりは積み上げ方式で
提言4 設計労務単価づくりは市場調査方式をやめ、標準生計費を基本に設定する
提言5 公共事業の設計・監理・運営は、公共機関が責任を持って実施を
提言6 公契約条例の制定で公共物の品質確保を
提言7 公共事業の公正な競争や地域建設業の振興に逆行するTPPへの参加に反対を
E.小零細下請業者にしわ寄せさせる重層下請構造の改善のために
提言1 労働者の個人請負化をなくし雇用を明確にすることにより際限のない重層下請化の防止を
提言2 建設業法を改正し工事受注業者の直接施工を明確化する
提言3 建設業法の厳格な監督・適用体制を確立し、発注者と受注者、元請と下請の対等・公正な取引関係の確立を
提言4 安全衛生管理、労働災害防止での元請責任を果たさせるために労働安全衛生法の厳格な適用を
提言5 請負の最初の段階から消費税・法定福利費の別枠明示・別枠支給の仕組みの確立を
あとがき