定期総会議案書

第37回定期総会 議案書(概要・抜粋版)
日時:2025年12月6日
会場:けんせつプラザ東京
1.2025年度 活動経過報告
2.2026年度 活動方針


2025年度 活動経過報告


Ⅰ. この1年間の重点活動

 この1年間、建設産業・労働・経済の動向を踏まえて活動を進めてきた。以下に今年度の主要な活動について報告する。


1.調査研究活動
〇およそ10年に1度実施している4都県(東京、埼玉、千葉、神奈川)の建設労働組合の基本調査を進めた。2025年度は、9回の実行委員会を開催し、アンケート結果報告書を提出し、最終報告書の執筆、編集作業を進めており、まもなく完成予定である。
〇賃金アンケート実態調査
 賃金アンケ―ト調査については、全国建設労働組合総連合、全建総連東京都連合会、埼玉土建一般労働組合、神奈川県建設労働組合連合会、千葉土建一般労働組合から賃金アンケートの入力業務を受託した。また、全国建設労働組合総連合、全建総連東京都連合会、埼玉土建一般労働組合からは、アンケート結果の分析業務も受託し、報告書を提出した(全国建設労働組合総連合の最終報告書は2026年1月提出予定)。併せて、4都県の組合員賃金調査を合わせた分析業務も受託した。

2.財政
〇財政に関しては、収入が約8%増となったが、支出も予算を1%上回った。例年、年度開始以降に継続的に受託してきた調査が終了するなど、受託調査が減少したことなどから、当初予算の赤字幅を削減しきれず、大きな赤字決算となった。


Ⅱ.研究・調査活動



1.共同研究会等
1)建設産業労働政策委員会

 必要に応じて開催することとしていたが、2025年度は開催しなかった。
2)首都圏建設労働組合基本調査
(1)調査の趣旨

 本調査の趣旨は、今後、建設労働組合がどのような運動、取り組みを進めて行くかを検討するための出発点となる組合員の実態をより的確に把握することであり、およそ10年に1度の頻度で実施しているものである。
(2)調査報告書
 現在、最終調査報告書の作成・編集作業中で、完了後提出予定。

2.受託調査活動等
1)賃金・生活実態アンケート調査の集計と分析

 2025年度は、全国建設労働組合総連合および全建総連加盟組合から賃金アンケートの入力・集計・分析業務を受託した。
2)埼玉土建一般労働組合「2025年賃金討議アンケート」入力・集計・分析業務
 組合員の要求賃金についての討議を進める上で実施している賃金討議アンケートの入力・集計・分析業務を受託した。
3)千葉土建一般労働組合「どうする週休2日ぶっちゃけアンケート 集計及び分析」
 千葉土建一般労働組合が、組合員を対象に実施した「どうする週休2日ぶっちゃけアンケート」(2025年)について、集計・分析作業を行なった。
4)日本共産党東京都議会議員団「都営住宅申込者実態調査」
(1)調査の趣旨

 都営住宅は希望者が募集戸数を大きく上回る状態が続いているが、新規建設など、都営住宅の戸数を増やす対策がとられていない。しかし、都営住宅の使用希望者は、経済的困難だけでなく、一人親世帯、高齢者世帯、障碍者であるなど、様々な要因から、公営住宅を必要としている。そこで、都営住宅の使用希望者の実態を把握するためのアンケート調査が行われ、その集計・分析業務を受託した。

3.研究委員会
 2025年度は、以下の通り開催した。

<開催状況>
 第1回研究委員会
 日時:2025年9月11日(木)15時~17時
 会場:けんせつプラザ東京803会議室(オンライン併用)
 講演
  講師:河合克義先生(明治学院大学名誉教授)
  テーマ:「高齢者の労働と生活のあり方」

4.建設政策基本問題研究会
 本研究会は、建設産業・労働政策など重要な基本的政策課題について討議し、研究所の基本的な考え方をまとめることを目的に設置されている。必要に応じて開催されることになっており、今年度は、開催しなかった。

5.研究プロジェクト
1)建設産業研究会

 2025年度は開催に至らず、課題を残した。

6.海外建設事情調査研究
 諸外国の建設産業や建設労働に関わる諸課題の動向については、以下の2つの論考を『建設政策』219号にご寄稿いただいた。
 ・呉 学殊氏(独立行政法人労働政策研究・研修機構特任研究員)
  タイトル:「韓国の労使関係と賃金」
 ・ミカリス・パパニコラウ氏(UITBB:Trade Union International of Building, Wood, Building Materials and Allied Industries書記長)
  タイトル:「キプロスの建設産業と労働者、労働組合運動の役割」



Ⅲ.情報収集・提供活動


1.情報提供活動
 団体会員を中心に随時、建設産業の動向に関する情報提供を行った。
2.ウェブサイト
 最新の情報を掲載するよう心掛けてトップページの更新(「お知らせ」や「建設政策」最新号の紹介)を適宜行った。ホームページのメンテナンスを課題としていたが、予算の関係などから、更新には至っていない。


Ⅳ.討論会・シンポジウム、セミナー


 2025年度は、研究所単独での討論会、シンポジウム、セミナー等を主催しなかったが、後述の通り、他団体と共同で学習会を共催した。


Ⅴ.講師活動及び執筆活動、他団体との共同の活動



1.講師活動
 会員団体、会員外団体への学習会や講演会などでの講師活動を行った。講師は理事を中心に派遣した。
 全建総連関東地協の企業交渉団会議、全建総連東京都連合会、東京土建一般労働組合、全日本建設交運一般労働組合など、主に全建総連傘下の首都圏の組合での講演会、会議等に講師を派遣した。

2.執筆活動
 建設労働組合の機関紙の他、雑誌等に執筆を行った。

3.他団体との共同の取り組み
 2025年度は、下記の学習会を共催した。

<平和と民主主義のための『建設の会』第24回学習会>
 主催団体:平和と民主主義のための建設の会
 共催団体:NPO法人建設政策研究所/生活関連公共事業推進連絡会議/建設関係労働組合首都圏共闘会議
 日時:2025年2月27日(木)18時30分~20時15分
 会場:けんせつプラザ東京会議室(オンライン併用)
 講演:永山 利和先生(元日本大学教授、建設政策研究所顧問)
 テーマ:「労働市場の変貌と建設労働者の処遇改善」

<平和と民主主義のための『建設の会』第25回学習会>
 主催団体:平和と民主主義のための建設の会
 共催団体:NPO法人建設政策研究所/生活関連公共事業推進連絡会議/建設関係労働組合首都圏共闘会議
 日時:2025年11月18日(火)18時30分~20時00分
 会場:けんせつプラザ東京会議室(オンライン併用)
 講演:高瀬 康正さん(元国会議員秘書)
 テーマ:「下水道行政の現状と課題」



Ⅵ.第31回全国建設研究・交流集会


 第31回全国建設研究・交流集会は、2025年12月14日(日)~15日(月)、「いのちと安全をまもる地域建設産業の持続可能な発展に向けて」をメインテーマに、アートホテル成田(千葉県成田市)にて開催予定となっている。
 研究所は、副実行委員長団体、事務局長団体として参加し、企画立案、準備と当日の運営、会計、関係者への呼びかけなどの役割を担っている。


Ⅶ.出版活動

1.「建設政策」誌
1)各号の企画と誌面

 今年度は219号から224号まで発行した。2025年度は、外国人労働者や働き方改革など、「現場従事者」の視点からの諸課題を取り上げるとともに、八潮市の道路陥没事故など情勢に応じた紙面づくりを心掛けた。
 特集は、219号「第30回全国建設研究・交流集会」、220号「阪神・淡路大震災から30年~自然災害への備えと復旧・復興の課題」、221号「建設業における外国人労働者をめぐる中長期的な課題と展望」、222号「働き方改革から1年~建設現場の変化と課題は(上)」、223号「働き方改革から1年~建設現場の変化と課題は(下)」、224号「インフラ老朽化にどう対応するか」であった。

2)表紙

 表紙については、引き続き村上久美子さんに写真をご提供いただいた(183号~)。

3)読者からの意見・歳時記募集
 個人読者にアンケートを配布し、意見をお寄せ頂いた方への粗品進呈をアナウンスして意見募集を行った。

2.「建設政策研究」誌
 今年度は発行しなかった。


Ⅷ.組織と財政基盤

1.研究所の組織体制と運営
1)組織運営

 2025年度の理事会役員は25名。理事会での審議項目は、①情勢についての議論、②審議事項、③確認事項で構成し、現在取り上げるべき課題や会員団体等の現状などについて討議する時間を確保し、併せて『建設政策』の企画・構成について検討する機会を設けた。
 今年度の理事会はオンライン併用で6回開催した。

2)体制(役員、事務局、研究員)
 役員は、理事長、副理事長、専務理事、理事、会計監査・監事という体制を基本として運営した。事務局は、5名(専務理事1名、雑誌・調査研究3名、会計・庶務1名)。

3)事業内容等検討委員会
 本委員会は、近年、赤字の当初予算編成が続いていることから、現状を確認、精査するとともに、持続可能な運営に向けて検討を行うことを目的として設置している。2024年度は団体会費の引き上げを理事会に提案し、第36回定期総会で2025年11月からの団体会費1,000円引き上げをご承認いただいた。
 2025年度は、次年度以降の受託調査が大幅に減少することや最低賃金の引き上げに伴う人件費の増加などにより、予算編成が困難になっていることなどから、持続可能な研究所の運営に向けての対応策を検討し、受託調査費の引き上げや会員拡大などの取り組み強化など収入の増加と、家賃の減額要請、可能な限りの支出の削減などについて検討した。

4)理事体制検討委員会
 2025年7月31日に開催し、次年度の役員体制について検討し、第6回理事会に提案した。

5)事務局員・研究員の待遇改善等についての検討委員会
 2025年7月31日に委員会を開催した。

2.支所の活動
1)関西支所

 第23回関西建設研究・交流集会の開催に向けて、事務局会議を重ね、多くの単組が参加して交流できる集会になるように議論を続け、11月30日(日)に神戸市文化センターで開催した。
 「建設労働政策」の研究会や「近年の災害について」と題して続けてきた学習会は、開催せず、関西建設・交流集会の実行委員会に集中して実施した。

2)北海道センター
(1)センターの活動・公契約条例の調査

 公契約条例に関する下記の原稿を発行した。
①川村雅則(2025)「越谷市公契約条例に関する調査・研究(1)」『北海学園大学経済論集』第72巻第3号(2025年3月号)pp.67-113
②川村雅則(2025)「世田谷区公契約条例に関する調査・研究(1)」『北海学園大学経済論集』第72巻第3号(2025年3月号)pp.115-159
③川村雅則(2025)「公契約条例の制定,公契約適正化の取り組みを広げるために――北海道での実践,調査・研究に基づく試論」『大原社会問題研究所雑誌』第800号(2025年6月号)pp.3-21

 また、2025年11月13日、苫小牧市で開催された建交労建設部会主催による、高齢者事業団による就労現場(道路清掃)の視察と総会・学習会に参加した。

(2)「札幌市公契約条例の制定を求める会(代表伊藤誠一弁護士)」(2012年2月~)
①求める会に参加し、労働組合や弁護士と連携を図った。
②2025年1月25日に「第4回なくそう!官製ワーキングプア北海道集会」を開催した。
③1月21日に第173回の会議を開催してから、大きくあいだが空いたが、会議は、2025年12月4日(木)で第174回目となる。

(3)「旭川公契約条例研究会(前身・旭川ワーキングプア研究会、代表小林史人弁護士)」(2014年3・4月~)
 研究会での活動は休止中。

(4)情報発信
『建設政策』2025年1月~2025年11月の執筆は下記のとおり(逆順に掲載)。
 ・宮澤毅「「健康相談会」からアスベスト被害の解決へ~建交労北海道本部労災職業病部会のとりくみ~」『建設政策』第224号(2025年11月号)pp.11-13
 ・川村雅則「非正規公務員問題に関する編著を出版して 『お隣の非正規公務員──地域を変える、北海道から変える』」『建設政策』第223号(2025年9月号)pp.38-42
 ・川村雅則(2025)「越谷市公契約条例に関する調査・研究~条例の特徴と労働組合の取り組みを中心に~」『建設政策』第222号(2025年7月号)pp.38-42
 ・川村雅則「[資料紹介]札幌市総合評価落札方式に係る入札参加者アンケート(工事)」『建設政策』第221号(2025年5月号)pp.38-41
 ・川村雅則(2025)「公契約賃金(労働報酬下限額)の決定基準 ~2024年世田谷区調査などに基づき」『建設政策』第220号(2025年3月号)pp.42-43
 ・川村雅則(2025)「2025年の公契約運動を進めるにあたり」『建設政策』第219号(2025年1月号)pp.38-39

3)九州支所設立に向けた取り組み
 九州支所設立準備会では、九州に支所を設立することを目指して、定期的に幅広く情勢認識の一致を諮り、政策提言に向けた会議を開催している。

3.会員の状況
1)団体会員

 理事のご協力により、3団体としていた拡大目標を達成した。

2)個人会員
 拡大目標5人を大きく上回る入会者を確保したが、退会数も多かったため、純増数は3人にとどまった。個人会員は高齢化などによる退会が継続的に続いており、今後もさらなる拡大に向けた取り組みが課題となっている。

3)「建設政策」誌の定期購読部数
 第36回総会での拡大目標には及ばなかった。

4.財政運営
 収入は3,331万7,862円であったが、支出は3,570万3,267円と収入を上回る決算となった。2025年度は、年度当初の予定額よりは縮小したものの、繰越金を取り崩すこととなった。財政状況の改善に向けた対応策が必要である。


2026年度 活動方針


Ⅰ.中期的な課題と活動方針

 設立の趣旨および定款に則って、研究所が中期的に取り組むべき課題は多岐に亘っている。建設産業をめぐる現状を踏まえ、当面、下記の中期的な課題に基づいて、調査・研究活動と体制、財政の強化を進めていく。また、情勢の変化に応じた課題については、随時取り上げることとする。

 1.建設労働者の賃金・労働条件の向上に向けて
  ・建設労働者の賃金形態、働き方に関する諸課題
  ・建設キャリアアップ・システムの実態・課題の把握
  ・団体交渉機構づくりと労働協約締結に向けての課題
  ・公契約条例制定自治体の拡大、公契約法の制定に向けて
  ・移住労働者の受け入れ拡大と建設労働組合の運動課題
  ・建設労働者の安全衛生対策
 2.地域建設産業振興に向けて
  ・地方自治体の建設業振興策、建設産業政策策定に向けて
  ・地域建設業の受注確保・経営安定に向けた仕組み等の検討
  ・公共事業の入札・契約制度のあり方
  ・国・地方の財政政策の課題
 3.建設市場の中期的動向の把握
  ・建設市場の動向把握
 4.建設産業構造の改善に向けて
  ・重層下請構造の解消に向けた課題
  ・産業組織構造の検討
 5.安全な国土形成・利用に関する課題
  ・頻発する自然災害に対する備えと体制強化に向けた課題
  ・インフラの老朽化、公共施設統廃合等に対する政策課題
  ・都市形成に関わる課題
 6.住宅政策に関する課題
  ・住宅政策の変化とその課題
 7.体制と財政の強化
  ・事務局員、研究員の確保と待遇の改善
  ・財政基盤の確立



Ⅱ.2026年度活動の重点方針
 2026年度の活動は、建設産業と政治・経済をめぐる情勢を踏まえ、下記の点に重点を置いて取り組む。

○調査・研究の重点
 ・首都圏建設労働組合基本調査の報告書を完成させるとともに普及を図る。
 ・全国建設労働組合総連合、および加盟組合が実施している賃金アンケート調査について、調査票、分析項目の改善等を通じて調査のさらなる充実を図るとともに、会員団体の取り組みに役立つ内容を報告書に盛り込む。
 ・新規調査の受託による収入増を図ることが大きな課題となっていることから、会員団体の課題等に対応した企画提案力の強化を図り、課題の解決、改善に向けた調査等の実施に向けて取り組む。

○財政状況の改善に向けて
 ・収入の減少と支出の増加が続いていることから、基礎的財政収支が大幅に悪化していることから、収入の増加と支出の削減に向けて、できうる限りの対策を実施していく必要がある。


Ⅲ.研究・調査活動
1.共同研究会
1)建設産業労働政策委員会

 2020年以降、課題や取り扱い項目等が、首都圏建設労働組合基本調査と重複することなどから、委員会の開催に至っていないため、委員会の継続、廃止について検討する。

2)首都圏建設労働組合基本調査
 アンケート調査結果については2025年2月に報告書を提出済みで、今年度、最終報告書を提出する。

2.受託調査活動
1)賃金アンケート調査の集計と分析

これまでの賃金アンケートの集計と分析の成果をふまえ、建設労働者の賃金・単価引き上げ、労働条件の改善に向けた課題抽出に加えて、取り組みの方向性などについての検討を加えられるように取り組んでいく。

2)「2026年賃金討議アンケートの分析業務」
毎年行っている標準賃金の設定に向けた「賃金・仕事生活をめぐる討議」において実施されているアンケートの入力・集計・分析業務について受託に向けて働きかけを進める。

3.研究委員会
 研究委員会は研究所の調査・研究活動の要であり、研究会や研究プロジェクト等と連動した研究所の考え方、政策提言を最終的に確認する場として位置づいている。
 2026年度は、産業動向を踏まえたテーマや海外情勢などを対象とするほか、研究所で実施した調査結果報告なども併せて検討する。また、テーマによっては専門家をお招きするなど、多様な企画を検討するとともに、テーマによっては広く参加者を募り、公開研究会とすることも検討する。
研究所の認識を深め、会員、建設産業関係者・団体等に発信していくために下記のように進めていく。

1)研究テーマは、重点方針に示したテーマの他、研究所で行った調査結果、建設産業・労働、公共事業を取り巻く情勢や政策動向など、幅広く取り上げる。
2)研究所の研究活動を会員とともに進めていくために、幅広く会員(個人、団体)にも参加してもらえるよう、公開研究会の開催を検討する。テーマに応じてそれぞれから取り組みや課題などを報告いただき、会員とともに多面的な検討と討論を行うにする。
3)研究委員会で議論を深めた成果を、政策提言の発表や出版物の発行に結び付けるように努める。また、それらの成果を、公開討論会やシンポジウムの開催、建設産業に関わる各種団体(業界、労働組合、行政等)に広く発信していく。

4.建設政策基本問題研究会
 引き続き建設政策基本問題研究会を設置する。本研究会は、定款上定めのある組織ではないことから、メンバーや開催回数等を固定せず、情勢に応じて議論が必要なテーマなどが生じた際に集中的に討議する場として活用する。

5.研究プロジェクト
 建設産業は担い手確保に向けた取り組みが進められるなど、大きな転換期にあることから、「建設産業研究会」を継続して設置して、活動を継続する。

6.海外建設事情調査研究
 諸外国の建設産業や建設労働に関わる諸課題の動向については、文献紹介や研究会の開催など、随時、取り上げることを検討する。


Ⅳ.情報収集・提供

1.情報収集

 建設産業に関わる情報を収集する。

2.情報提供活動

 収集した情報については、適宜、会員団体等に提供していく。

3.ウェブサイト
 研究所からの行事のお知らせや調査研究活動の成果など最新の情報の掲載、更新を怠らずに行う。会員拡大に向けて情報発信のツールとしての活用を検討する。


Ⅴ.討論会・シンポジウム、セミナー
 研究所が政策提起を行った際、また、建設行政や建設産業、建設労働にかかわる重要な課題が生じた場合は公開討論会等を開き、テーマに対する研究所の考えを広め、意見交換を通じて認識を深める。
 その他、情勢に応じて理事会で検討する。


Ⅵ.講師活動及び執筆活動、他団体との共同の活動


1.講師活動
 研究所の研究・調査活動の成果や問題意識等を広げ、多くの団体で討論してもらうため、引き続き講師活動を重視していく。相手からの依頼にとどまらず、研究・調査等の内容は積極的に報告の機会を作るように働きかけていく。

2.執筆活動
 諸団体の機関誌や月刊誌などに積極的に執筆活動を行い、研究所の研究・調査活動の成果を広げていくことに努める。

3.他団体との共同の取り組み
 共通するテーマにもとづく他団体との共同研究をはじめ、シンポジウム、学習会等に企画、提案も含めて参加していく。


Ⅶ.第32回全国建設研究・交流集会

 第31回全国建設研究・交流集会の総括を踏まえて、第32回集会の方向性に沿って関わっていく。

Ⅷ.出版活動
1.「建設政策」誌
 情勢を的確に反映した記事を読者に提供できるよう、下記のように取り組む。
1)編集委員会
 引き続き編集委員会を設置し、時勢に見合う企画や執筆者の選定等を議論する。編集委員は、前年度の委員を基本とするが、「建設政策」誌の充実を図るため、編集委員会の体制拡充を図る。

2)編集会議
 発行時期に照らして編集委員会を開き、特集企画、その他のテーマ、内容等に関して検討する。編集会議は、発行回数に合わせて開催することとするが、必要に応じて、随時、開催を調整する。会議はオンラインを併用して行う。

3)企画・内容
 情勢に合致した特集を組むように努め、会員の課題解決に向けて求められる記事構成となるよう努めるとともに、研究所の調査・研究成果も適宜発表していく。
 また、実態や現場の声などを伝えるため、取材やインタビューを積極的に取り入れていく。同時に、求められる政策や運動を支える理論的な側面も重視し、研究者等の執筆記事を掲載するように努め、誌面の充実を図る。
 企画については、より直近の問題や重要なテーマを取り上げ、実態や研究の現状を伝えられるよう、書き手の発掘や柔軟な取材活動で対応していく。また、重要なテーマについては、多面的に捉えられるよう、特集・小特集などで対応していくほか、テーマによっては継続的に取り上げることも検討する。

4)書き手の発掘
 研究所が調査・研究対象としている分野は幅広く、十分に対応できていない分野も少なくないこと、また、研究所の調査・研究等に協力いただける研究者の開拓、新規会員獲得に向けて、近年、必ずしも十分に取り上げられていないテーマについても取り上げていく。

5)表紙
 183号以降、建築・土木に関連する写真をその視点とともに掲載している。好評を得ていることから、当面、継続して掲載する。

6)誌面レイアウト
 誌面レイアウトについては、図表や写真などを本文に合わせて挿入し、小見出しを設けるなど、引き続き読みやすい誌面を作るための工夫に努める。特に、取材記事やインタビュー記事については、大きめの写真や図表などを掲載するようにする。
 また、より見やすい誌面の作成に向けて、表紙や目次のレイアウトなどについても、随時、検討を進める。

7)読者からのご意見・歳時記募集
 引き続き個人読者にアンケートを配布し意見募集を行う。より多くのご意見、歳時記を募集するため、ご意見・投句をお寄せいただいた会員への粗品進呈を継続する。

2.「建設政策研究」誌
 第7号の発行については、研究所の財政状況等を踏まえて検討する。


Ⅸ.組織と財政基盤の確立
1.組織体制と運営
1)組織運営
 調査研究面では研究委員会を研究所の政策提言等を確認する場とし、共同研究会、受託事業等で個別の課題を取り上げる。また、運営面では理事会がその責務を担う。
 各組織の構成と機能を明確にするとともに、事務局内の役割と業務分担について改めて検討し、効率的な運営に取り組む。

2)体制(役員、事務局、研究員)
 役員体制(理事長、副理事長、専務理事、理事、監事)は、現行を基本とする。事務局も現行体制を基本とする。

3)事業内容等検討委員会
 2026年度は収支改善に向けて、具体的な取り組みを進めていくことが求められており、本検討委員会を継続して設置し、検討内容や具体策を理事会に報告しつつ、収支改善に向けた取り組みを進めていく。

4)理事体制検討委員会
 本年も継続して設置する。

5)事務局員・研究員の待遇改善等についての検討委員会
 本委員会は、事務局員・研究員の処遇等についての課題を確認するとともに、処遇改善に向けて検討することを目的としている。本年も継続して設置し、処遇改善等について検討する。

2.支所の活動
1)関西支所

 2026年度は、関西支所の運営体制・研究体制の充実を図ることを第1に、研究課題や企画行事等において建設政策研究所関西支所の特徴(「建設」という専門性)を活かした内容とすることを重視して、「建設労働政策」の研究会を継続して開催する。
 次の関西建設研究・交流集会の開催に向けて事務局会議・実行委員会を実施していく。
 「近年の災害について」と題した学習・検討会を引き続き行い、学習会やシンポジウ
ムなどの開催の検討と、能登半島の視察も企画し震災復興の状況を注視していく。

2)北海道センター
 北海道センターの設⽴(1998年12⽉)から四半世紀となる。
 研究者や労働組合等で構成されているのが建政研のユニークなところであり、なおかつ強みではあるが、長らくこの強みは生かしきれていない。
 当面、以下のことをテーマに調査・研究を進めます。

 ○公契約条例・運動に関する調査・研究
 ○公共調達・入札制度(とりわけ総合評価落札方式)に関する調査・研究
 ○公務非正規問題・地方政府(行政、議会)に関する調査・研究

(1)札幌では条例の制定を、旭川では理念型条例から賃金保障型条例への発展を目指す。
(2)公契約条例の調査・研究を進める。
(3)地方政府(行政、議会)のあり方が問われている。公共工事の担い手である建設労働に限らず、公共サービスの担い手問題も視野に入れて、調査・研究活動や運動(公共の再生)に取り組むことが必要だ。今年も、「建設」を軸としつつ、これらの隣接領域問題により積極的に取り組んでいく。
(4)上記の取り組みや調査・研究成果を『建設政策』にまとめて発信する。
(5)他の研究機関、労働団体や業界団体、そして議員との交流・連携を積極的に追求する。
(6)「求める会」や「研究会」と連携して、情報提供や学習会の企画を検討する。

3)九州支所設立にむけて
 九州地方では、毎年、自然災害に見舞われ甚大な損害が発生している。自然災害から国民のいのちを守るための社会資本の維持管理、防災に強い国土づくり、それらを賄う適切な予算規模に関する提言や建設産業を支え適切な国土防災を実現する行政機関のあり方について、現場で働く建設労働者の労働条件改善に向けた運動の取り組み方など、提言の策定に向けて意見交換や学習会等を進めていく。

3.会員拡大
1)団体会員の拡大
 
今年度は6団体の拡大に取り組む。

2)個人会員の拡大
 
会員拡大に向けた取り組みを積極的に進め、個人会員の加入者数30人を目指す。

3)「建設政策」誌の定期購読者の拡大
 
個人会員の拡大と併せて部数の増加に取り組む。

4.財政運営
 
2025年度は大幅な赤字決算となった。2026年度は、会員拡大、新規調査の受託、新たな収益事業の検討など、収入を増やすためのあらゆる手段を模索するとともに実施していく。同時に、支出についても削減可能な部分を徹底的に洗い出し、抑制に努めていく。
 また、会計・税務処理は、引き続き公認会計士事務所の協力をあおぎ、建設政策研究所、同関西支所、同北海道センターそれぞれの適切な処理を通して研究所全体で適正な処理を行っていく。