情勢の特徴 - 2025年12月後半
●「来年1月1日から施行される法改正により下請法は取適法に名称が変わる。これまでの下請法では不動産が対象外となっていたが、これが『有体物』に変わり、建築事業者が建築物の部材に用いる木材の製造委託についても対象となった。法改正に伴い、林野庁は『林業・木材産業における適正取引推進ガイドライン』を11月に策定し公表した。価格転嫁を阻害する長年の商慣習の是正につなげる。取適法に適用される取引は、例えば製造委託の場合、『物品の販売等を行う事業者が他の事業者に対し、物品等の規格・品質・性能・形状などを指定して製造(加工を含む)を依頼すること』であり、この内容を満たす限り、請負であるか売買であるかといった契約上の形態は問わない。」(『日本住宅新聞』2025.12.15・25)
●「日本の家計の金融資産に占める現預金の比率が18年ぶりに50%を割り込んだ。日銀が17日公表した資金循環統計によると、現預金の比率は9月末に49.1%と6月末(50.3%)から低下した。株式や投資信託といった運用資産へのシフトが進んでいる。家計の金融資産残高は2286兆円と2四半期連続で過去最高になった。前年同期と比べて4.9%増えた。うち現預金は1122兆円で0.5%増にとどまった。家計資産に占める現預金の比率が50%を割り込むのは、2007年9月末以来となる。背景にあるのは物価高だ。足元で3%前後のインフレ率が続くなか、現預金のまま放置しておくと実質的な価値が目減りするため、株式などのリスク資産にお金を回して資産を増やそうとする機運が高まっている。家計の資金が向かう先の一つが、株式や投資信託だ。金融資産の内訳では、株式などは19.3%増の317兆円、投資信託は21.1%増の153兆円といずれも残高が過去最高を更新した。新しい少額投資非課税制度(NISA)の普及が追い風になっている。」(『日本経済新聞』2025.12.18)
●「日本経済新聞社は15日、2025年冬のボーナス調査をまとめた。ボーナスの1人あたり支給額(加重平均)は前年比6.40%増の102万9808円となり、初めて100万円台に乗った。3年連続で過去最高を更新した。建設や防衛関連がけん引したが、トランプ米政権の関税政策の影響を受ける自動車や鉄鋼関連は伸び悩んだ。上場企業を中心に比較可能な478社を対象に12月2日時点のデータを集計した。支給額は5年連続で増え、1975年の調査開始以降で最高となった。全体の伸び率は24年冬の3.68%増を2.72ポイント上回った。増額の理由について聞いたところ『給与水準(基準内賃金など)の上昇』が59.5%と『前期の業績が好調だったため』(42.1%)を上回った。2年連続で平均5%超と高水準の賃上げとなった25年の春季労使交捗を反映した。100万円を超える支給額の企業は金額非公表の企業も含め、全体の3割弱にあたる138社に上った。」(『日本経済新聞』2025.12.16)
●「政府・与党は18日、所得税の非課税枠『年収の壁』を178万円に引き上げると決めた。基礎控除の上乗せ対象は中間層を含む年収665万円以下とし、納税者の8割ほどにあたる。物価高対策と位置づける。防衛力強化の財源確保に向けた所得税の増税時期は2027年1月と決めた。」(『日本経済新聞』2025.12.19)
●「16日に成立した政府の2025年度補正予算のうち、国土交通省分の予算額の地方整備局や地方自治体などへの配分が公表された。配分額は事業費ベースで総額5兆7378億円。省エネ住宅の新築費用などを補助する『みらいエコ住宅2026事業』の関係費を除いた額は2兆2464億円で、うち1兆9132億円を第1次国土強靭化実施中期計画の『推進が特に必要となる施策』に充てる。」(『建設工業新聞』2025.12.19)
●「政府は固定金利の公的住宅ローン『フラット35』の融資限度額を8000万円から1億2千万円に引き上げる方針だ。住宅価格の高騰に対応する。日銀が利上げを進めており、家計にとって変動金利型は負担が増す流れもある。固定金利型のニーズが高まることも踏まえ、制度を使いやすくする。…フラット35は最長35年の全期間固定金利の住宅ローン。機構が民間金融機関と提携して提供する。限度額は2005年から変わっておらず、都市部を中心とする住宅の価格の上昇に制度が追いつけなくなっていた。東京23区の新築マンション1戸あたりの販売価格は24年に1億1181万円に達した。現行のフラット35だと最大8000万円しか借りられず、3000万円を上回る頭金を用意する必要がある。フラット35は金利上昇に身構える家計の選択肢として需要が増す可能性もある。日銀は19日に政策金利を0.75%に引き上げ、さらに利上げを続ける姿勢をのぞかせた。住宅ローンの変動金利は政策金利に連動するため、一段と上昇する可能性がある。固定型は、金利は割高でも変動リスクがない。いまフラット35で借り入れると期間21~35年で年1.97%だ。将来、物価高が続いて金融引き締め粛進んでも水準は変わらず、返済の見通しを立てやすいメリットがある。」(『日本経済新聞』2025.12.21)
●「国土交通省の2026年度予算案が分かった。一般会計は前年度比2.0%増の6兆0749億円で、このうち公共事業関係費は0.3%増の5兆2950億円。金額ベースでは197億円の増加となったが依然として横ばいで推移しており、近年の資材費や人件費の高騰を踏まえると実質事業量の確保という面では不安が残る。予算案は26日にも閣議決定する。公共事業関係費の内訳は、一般公共事業費が0.3%増の5兆2513億円、災害復旧等が5.0%増の437億円となった。『責任ある積極財政』を掲げる高市早苗政権下で初の当初予算編成となり、公共事業関係費の行方に注目が集まった。13年ぶりに減少した25年度から増加に転じ、24年度の5兆2901億円とほぼ同等の水準となった。一方で近年は資材価格や労務費の高騰により建設コストの上昇が続いており、実質事業量の確保が懸念される。」(『建設通信新聞』2025.12.25)
●「政府が26日閣議決定した2026年度予算案は一般会計総額が過去最大の122兆3092億円となった。25年度当初比で約7兆円増えた。改革の鈍い社会保障の支出や国債費が膨らみ、政策の余地は大きくない。大型減税も交えた高市早苗政権の『積極財政』が日本の成長につながるか、市場は目をこらす。政府予算案のうち項目別で最大の社会保障関係費は39兆559億円に達した。25年度から7621億円増えた内訳は、インフレや賃上げへの対応分が2900億円程度、高齢化の影響が4800億円程度を占める。…国債の返済や利払いにあてる国債費は31兆2758億円と初めて30兆円を突破した。長期金利の上昇を踏まえて想定金利を2.0%から3.0%に引き上げた。利払い費は13兆円にのぼる。…防衛費は防衛力整備計画の4年目として対象経費を8兆8093億円に積み上げた。攻撃拠点を狙う長射程ミサイルの調達に9733億円を投じる。経済安全保障上の重要物資確保にかける予算は前年度から280億円増やした。レアアース(希土類)を国内で供給できる体制をめざす。成長を生むイノベーションの基盤となる科学技術分野では、国立大学への運営費交付金を9年ぶりに増やした。研究者に配る科学研究費助成事業も15年ぶりに100億円超の増額を決めた。日本維新の会が重視する家計の負担軽減策は高校授業料の無償化が進む。26年度から収入要件をなくす。公立小学校の給食費を児童1人あたり月5200円支援する。初年度の国の負担増はそれぞれ1876億円、1649億円となる。ばらまき一辺倒にならないよう歳出をカットした項目もー部である。石破茂前政権が力を入れた地方創生に関連する『地域未来交付金』は400億円減らした。歳入は物価上昇を背景に税収が83兆7350億円と過去最高を更新する。新規国債の発行額は29兆5840億円。25年度当初に続いて30兆円を下回る。10年を超える超長期債の発行を減らし、2年、5年債を増やす。歳出を借金でどのくらいまかなっているかを示す公債依存度は24.2%と25年度当初から0.7ポイント下がった。国債に大きく依存する構造は変わらない。教育無償化やガソリン税の旧暫定税率の廃止により、国・地方の財源が2.2兆円ほど減る穴は埋め切れていない。」(『日本経済新聞』2025.12.27)
●「内閣官房は16日の国土強靭化推進会議で、2026年度の国土強靭化年次計画の策定方針の素案を示した。25年度に終了する『防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策』の最終的な実施結果や成果事例、課題をまとめるとともに、初年度となる第1次実施中期計画の進捗(しんちょく)を適切に管理し、実効性を確保する。具体的には施策間連携や担い手確保・育成、生産性向上などの取り組み状況を確認する。」(『建設通信新聞』2025.12.17)
●「国土交通省は、都道府県による建設業に着目した産業振興策の現状を調査した。約6割の28団体が技術者・技能者向けの研修会に取り組むなど、人材育成の支援策が目立つ。現場の高齢化や若者離れが深刻化し、地域建設業の持続性をどう確保するかという共通の問題意識が背景にある。国交省は好事例の周知と拡大を後押しする考えだ。」(『建設工業新聞』2025.12.17)
●「国土交通省は、2025年度補正予算の成立を受けて、公共発注者に対して工事の円滑な施工確保を要請する文書を17日付で発出した。ダンピング(過度な安値受注)対策を強化するため、低入札価格調査制度を適用する工事の下限額の引き下げなどの対応を促した。入札契約適正化法の全面施行に伴う入札金額内訳書の様式見直しや記載内容の確認徹底も働き掛けた。」(『建設通信新聞』2025.12.18)
●「12日に全面施行を迎えた改正建設業法の説明会がスタートした。『労務費に関する基準(標準労務費)』に基づく新たな取引ルールを解説し、建設業者と官民の発注者の双方に責任ある行動を呼び掛ける。18日に東京都内で開かれた初回の会合で、国土交通省は『労働者に払う賃金の原資は競争の対象にしない』という認識の共有を要請。安価な発注が社内で評価されるなどの旧来の風潮を改める必要があり、受発注者双方の現場社員や調達担当者も含めて新ルールの実践を徹底するよう参加者らに協力を求めた。」(『建設工業新聞』2025.12.19)
●「政府は国・自治体の公共事業や物品調達において、2026年春をめどに物価上昇に伴う契約価格改定への取り組みなどの数値目標を設定する。地域経済の国内総生産(GDP)の4分の1を占める公的需要に関し、適正な価格転嫁を率先して進める。中小企業が賃上げしやすい環境を整える。政府は22日、首相官邸で『賃上げに向けた中小企業等の活力向上に関するワーキンググループ』の初会合を開く。佐藤啓官房副長官が26年春までに『官公需における価格転嫁を徹底するための対応策』を取りまとめるよう関係省庁に指示する方針だ。資材価格に応じて契約金額を見直す『スライド条項』やダンピング受注を排除する低入札価格の調査制度の導入について達成率や目標年限を定める。現在はスライド条項が国で51%、自治体で88%だ。低入札価格の調査制度は86%と78%となる。制度の導入徹底を求める。政府は目標設定後に関係省庁や自治体ごとの実施状況を調べ、賃上げに向けた取り組みを促す。中小企業庁が30万社を対象に実施した9月の調査によると、原材料や人件費などコスト上昇分のうちどの程度まで価格に反映できたかを示す価格転嫁率は53.5%にとどまった。官公需の分野は52.1%だ。中小企業が価格転嫁を交渉する環境が整っていないことが背景にある。」(『日本経済新聞』2025.12.21)
●「国土交通省は地方自治体など公共発注機関を対象とした公共工事入札契約適正化法(入契法)に基づく工事の実態調査(入契調査)の結果を19日に公表した。総務、財務両省との共同調査で、6月1日時点の対応状況を聴取。週休2日工事を1件でも実施する市区町村は77.2%(前年調査55.2%)に伸びた。工期設定で猛暑日を考慮する取り組みも拡大し、国と都道府県は年度内に全団体が対応済みとなる方向だ。」(『建設工業新聞』2025.12.22)
●「東京都内の市区町村で労働報酬下限額を定めた公契約条例を設ける自治体が2025年度末に17区6市となり、人口比で東京都の人口の50%を超える見込みとなった。25年度は立川市と豊島区が条例を制定。19日に三鷹市が条例を会議で可決。港区と荒川区、府中市も意見募集など条例制定の手続き中で、年度内に準備が整う見込みになっている。…人口ベースの公契約条例のカバー率で年度末までに54.3%(1427万3066人中775万4651人)になる見込み。労働報酬の下限額を定めていない葛飾区と武蔵村山市を含めると、比率がさらに高くなる。大田区も制定を準備中。同区が制定すると都民人口比で約6割(59.7%)に達する(人口はすべて10月1日時点)。」(『建設工業新聞』2025.12.23)
●「国土交通省は、夏場の猛暑対策に取り組む建設業者を支援する『建設工事における猛暑対策サポートパッケージ』を策定した。施工時期・時間の柔軟な設定や人力作業回避につながる技術実装の促進、熱中症対策の費用充実など、施工者の工夫を引き出す仕掛けづくりに取り組む。2026年夏に備え、まずは直轄土木工事の工事発注で各施策を実行。猛暑期間を休工可能とする工期設定や必要な費用・取り組みを検証する試行工事などに乗り出す。」(『建設工業新聞』2025.12.24)
●「2027年4月に始まる育成就労の受け入れ見込み数の案がまとまった。28年度末までの2年間で建設分野は12万3500人に設定。特定技能は現行の見込み数を改め7万6000人とし、建設分野全体で計19万9500人に定めた。受け入れ見込み数を盛り込んだ両制度の分野別運用方針は26年1月の閣議決定を目指す。出入国在留管理庁と厚生労働省が23日に開いた『特定技能制度および育成就労制度の基本方針および分野別運用方針に関する有識者会議』で案を示した。」(『建設通信新聞』2025.12.24)
●建材に含まれるアスベスト(石綿)の粉じんを吸った建設作業員が肺がんや中皮腫などの重篤な疾患を発症したとして、建材メーカーを訴えた「建設アスベスト訴訟」。2008年以降、各地に広がった。24日には東京と埼玉で、裁判所による和解案の提示や、被災者と遺族による新たな提訴があった。都内外の元作業員や遺族ら計127人が建材メーカーに損害賠償を求めた「東京第3陣訴訟」について、東京地裁(堀内元城裁判長)は同日、和解案を提示した。原告弁護団によると、原告90人に対し、メーカー側が総額11億4000万円の和解金を支払う内容。双方が今後、対応を検討し、和解条項を具体化する。アスベスト被害をめぐっては今年8月、同様の訴えを起こした東京第1、第2陣訴訟が東京高裁で被災者側の「勝利的和解」に。それに先立つ2021年5月の最高裁判決で、国とメーカーの責任が広く認められた経緯がある。この日示された和解案について、弁護団は「基本的な考え方を東京第1、第2陣の各和解案と同様とした」として積極的に評価。その一方で▽屋外作業員の被害についてメーカーに予見可能性がなかったとして責任を否定した▽改修・解体作業の被害について、製造販売時と販売後のメーカーの注意義務を否定した―点などについては「到底受け入れられない」(弁護団)「認めがたい部分がある」(支援団体)と反発した。(『しんぶん赤旗』2025.12.25より抜粋。)
●厚生労働省は24日、2025年労働組合基礎調査を発表し、労働組合員数は992万7000人で、前年比1万5000人増となり、推定組織率は16.0%(前年比0.1ポイント減)だった。女性組合員は、354万5000人(同4万人増)で、推定組織率は12.3%(同0.1ポイント減)。パート労働者は149万4000人(同3万1000人増)で、推定組織率は8.8%(前年同水準)だった。(『しんぶん赤旗』2025.12.26より抜粋。)
●日本共産党、立憲民主党、れいわ新選組、衆院会派「減税保守こども」は15日、大阪・関西万博工事費未払い問題の被害者を救済するための「万博特措法改正案」を衆院に共同提出した。大阪・関西万博の海外パビリオン建設をめぐっては、工事下請け業者への代金未払いが11カ国のパビリオンに広がり、数十の事業者が被害を訴えている。法案は、日本国際博覧会協会(万博協会)の特例業務として、海外パビリオンに関する工事請負代金債権の買い取りを認め、被害事業者に立て替え払いができるようにするものだ。(『しんぶん赤旗』2025.12.16より抜粋。)
●「日本建設業連合会(宮本洋一会長)は、10年後におおむね全ての建設現場で、年間130日閉所を実現する目標などを掲げた働き方・休み方改革のための新ロードマップを策定した。他産業に比べて休日が少なく、労働時間が長い労働環境を改善し、まずは他産業並みの水準に追い付く。これに大幅な給与アップなども加えた『異次元の処遇改善』を推進し、若者や女性、外国人などの多様な人材から選ばれる産業へと変貌を遂げる。」(『建設通信新聞』2025.12.22)
●「日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)は、生産性向上推進活動の基本方針を示した『生産性向上推進要綱2.0』を策定した。日建連の『建設業の長期ビジョン2.0』や過年度の生産性指標の実績値を考慮し、2025年度を基準に30年度目標として10%向上、35年度目標として25%向上を目指す。前回の要綱で掲げた目標『25年度までに20年度比10%以上の生産性向上』を達成し24年度の現場の生産性は20年度比で14.0%以上向上した。」(『建設工業新聞』2025.12.23)
●東京電力福島第1原発事故で、ほとんどの地域が帰還困難区域となっている福島県浪江町津島地区の住民らは16日、今年6月に政府が決定した被災地の復興に関わる基本方針の見直しを、内閣府、復興庁、経済産業省と国会議員に要請した。要請後、住民らが会見。住民の馬場績(いさお)さんは「国としてはこれ以上除染しない宣言であり、国の原発事故の責任の棚上げだ。国の逆立ちした政策を改めさせるためにわれわれが声を上げることが今後につながる」と訴えた。政府は6月20日、「第2期復興・創生期間」以降に関する東日本震災からの復興基本方針を変更する閣議決定を行った。方針は、「区域から個人へ」などとして、帰還困難区域への立ち入り規制を緩和する一方で、被ばく管理を個人の責任とする考え方などを内容としている。要請書は、避難を強いられている地域住民の故郷に帰りたいとの願いを逆手に取って「国は除染義務を放棄している」と指摘。「放射能汚染が現状のまま放置・固定され、全てが個人の自己責任に帰され」ると批判している。その上で、①地域住民の生命・健康に関する施策を策定する際は地域住民の声を聴取し反映する②除染せずに避難指示解除をしない③バリケード等の防護措置を実施して無用な被ばくを防止する④帰還困難区域の全域解除に向けた長期計画を示す―ことを求めている。(『しんぶん赤旗』2025.12.17より抜粋。)
●「政府の『首都直下地震対策検討ワーキンググループ』は19日、首都直下地震緊急対策推進基本計画の見直しに向けた報告書をまとめた。最悪のケースとして死者数は約1万8000人、全壊・焼失棟数は約40万棟を想定し、経済的な被害額は国内総生産(GDP)の1割超に相当する83兆円を見込んだ。首都中枢機能の確保と人的・物的被害への対応強化を重要視するとともに被災後の迅速な復興に向けた備えを求めた。被害の絶対量を減らすための予防対策として、人的被害の主原因となる建物被害を軽減する建築物・施設の耐震化、延焼被害の抑制などの火災対策、あらゆる活動の基盤となるライフラインやインフラの強靭化などを挙げた。」(『建設通信新聞』2025.12.22)
●「首都圏の新築マンション供給戸数が低迷している。不動産経済研究所が23日に発表した2026年の予測は2万3000戸と、過去50年で最低の水準になる見通し。人手不足や資材費上昇に伴う価格高騰で購買層は限られ、市場が縮む『新築氷河期』を迎える。実需は中古にシフトしつつあり、政府も政策面で後押しする。…首都圏における新築の供給数が減少するなかで、中古市場の拡大が続いている。不動産調査会社の東京カンテイ(東京・品川)によると、マンション市場の総戸数に占める新築の割合は15年が2割強だったのに対し、25年7~9月期は1割強に下がった。同じ期間に中古の割合は約7割から9割弱に高まった。要因は複合的だ。都心部の交通利便性が高いエリアにおいては、オフィスやホテルなどの開発物件と用地取得で競合しやすい。マンション開発大手の幹部は『採算が取れるギリギリの高値を提示しても買えない』とため息を漏らす。三菱UFJ信託銀行が7月にマンション開発事業者に用地の仕入れ状況を尋ねたところ、『苦戦している』との回答が73%を占めた。理由として『用地価格が検討可能な水準以上に高騰しているため』が最多だった。設業界の人手不足による着工遅れや建設コストの高騰も、新築マンションの供給制約となっている。特に都心へのアクセスがよい物件は転売目的の投機筋も加わり、価格の上昇が止まらない。…結果として消費者の新築離れが進む。不動産・住宅情報サービス『ライフルホームズ』が過去3年以内に購入を検討したが買わなかった人を対象に実施したアンケートでは、価格高騰や住宅ローンの支払い負担を懸念する声が多かった。…新築は手が届きにくくなっており、実需は中古物件へと流れる。東日本不動産流通機構(東京・中央)のデータによると、首都圏の中古マンションの11月の成約件数は4435件と前年同月比で38%伸びた。東京カンテイによると、首都圏の7~9月の中古流通戸数は5万2317戸と15年の同期比で約1万1000戸増えた。価格も上昇しつつあり、11月の東京23区の中古マンション価格(70平方メートル)は1億1485万円と19カ月連続のプラスとなった。東京23区では中古すら『億ション』が当たり前になりつつある。政府も中古シフトの流れを後押しする。26年から延長する住宅ローン減税においては、世帯所得1000万円以下の場合、床面積40平方メートル以上の中古も対象とする方針だ。環境性能を満たせば限度額や適用期間も拡充する。」(『日本経済新聞』2025.12.24)