情勢の特徴 - 2026年6月後半
●「日本商工会議所(日商、小林健会頭)は、エネルギ-の高騰が企業経営にどう影響しているかを調査した結果を12日に公表した。全国の商工会議所を介して2497社が回答。中東紛争の長期化で燃料高騰や製品供給が遅延している状況を受け、仕入れ値などの『コスト増』が経営を圧迫していると回答した社は7割を超えた。特に建設業は石油製品の納期遅延を理由に受注活動を制限する社が約4割いた。」(『建設工業新聞』2026.06.16)
●「日銀は16日の金融政策決定会合で半年ぶりの利上げを決めた。政策金利は1%と31年ぶりの高さに達し、追加利上げにも意欲をみせる。景気の冷え込みを避けつつ物価の安定を達成できるか日銀は正念場を迎える。…日銀が2025年12月以来となる利上げを決めたのは、中東緊迫で生じた原油高が幅広い品目の値上げにつながり、インフレの加速を招くリスクが高まったとみているためだ。植田氏に代わって会合後に記者会見した内田真一副総裁は、足元の景気は高水準の企業収益や政府の物価高対策などが支えになり『経済が大きく下振れするリスクはひところよりも低下している』と話した。他方で物価面は『企業間取引での価格転嫁がやや速いスピードで進んでいる』と指摘。『(一時的な変動要因を除く)基調的な物価上昇率が2%の物価安定目標を超えて上振れしていくリスクがある』と警戒感を示した。」(『日本経済新聞』2026.06.17)
●「政府は24日、経済財政諮問会議と日本成長戦略会議の合同会議を東京・永田町の首相官邸で開き、戦略17分野の官民投資額として2040年度までの累計で370兆円超を見込むことを明らかにした。62の主要な製品・技術ごとの投資額も示し、フィジカルAI(人工知能)には10.5兆円、ペロブスカイト太陽電池を含む次世代型太陽電池に4.1兆円、洋上風力に5.1兆円を想定する。防災技術は、30年度までに2.6兆円になる見通しだ。加えて、第1次国土強靭化実施中期計画に基づき30年度までに官民あわせておおむね20兆円強とする投資額の一部活用も見込んでいる。」(『建設通信新聞』2026.06.25)
●「政府は25日、経済財政諮問会議を開き、2026年度の経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)の骨子案を示した。高市政権が掲げる『強い経済』の実現に向けて、日本成長戦略や地域未来戦略の施策を推進する。これらの施策を対象にした『「強く豊かな日本」投資枠』を創設し、複数年にわたって必要額を予算措置できる体制を整える。」(『建設通信新聞』2026.06.26)
●「中東情勢の影響で供給不安が続くナフサ由来の建設資材について、国土交通省は代替品の調達や、調達経路の見直しなどで発生した追加費用を設計変更で対応する運用を16日から全ての直轄工事で始めた。既契約工事も含めて対象とする。スライド条項の適用が難しい場合でも、資材高騰分が請負金額に反映されるようになる。地方自治体にも参考にしてもらい、適正な価格転嫁を促していく。」(『建設通信新聞』2026.06.17)
●「国土交通省は、入札契約適正化法、公共工事品質確保促進法に基づき公共工事業務の発注者に対する実態調査を始めた。第3次担い手3法の全面施行を踏まえ、今年度調査では労務費ダンピング(過度な安値受注)調査の実施状況や、工事請負契約書でのコミットメント条項の導入状況を新たに把握する。直轄業務で始めた業務スライドの運用状況も聴取する。」(『建設通信新聞』2026.06.19)
●「環境省は18日、政府が保有する施設に次世代型太陽電池『ペロブスカイト太陽電池』を2035年に50-70メガワット、40年には100メガワット以上、率先導入する目標を公表した。国内全体では40年に20ギガワットを導入する目標を掲げており、政府がまずは需要を喚起し、普及拡大につなげる。多くの施設を保有する地方自治体での導入を後押しするため、目標設定や導入計画の策定を新規に支援する方針も示した。」(『建設通信新聞』2026.06.22)
●「経済産業省は23日、中東情勢の影響により建設資材などの不足が深刻化している工務店などを支援するため、シンナーの直販スキーム制度の適用を開始する。22日、千葉県柏市の倉庫に720缶分のシンナーを搬入し、直販の準備を整えた。シンナー不足に対応するため、3日から原料であるトルエン・キシレンなどを最大で例年比1.8倍増と大幅に供給を拡大してきたものの、依然として不足を訴える事業者の声に応える形で新たな施策の実施を決めた。直販スキームでは、工務店などが必要量を国土交通省の相談窓口で相談した上で、柏市内の倉庫から全国へ発送する。発送はアスクルが担う。」(『建設通信新聞』2026.06.23)
●「国土交通省直轄営繕工事で標準的な規模の庁舎を2026年度に新築する場合、19年度と比べて工事価格が1.5倍以上となることが分かった。発注者の積算に用いる資材単価や公共工事設計労務単価の大幅な上昇が要因となる。国の官庁営繕関係予算は直近で増加傾向にあるものの、資材価格や労務費の上昇分を見込んだ実質的な事業量を確保するには、さらなる予算の増額が不可欠となる。自民党の国会議員でつくる『官公庁営繕を考える議員の会』が23日に開いた総会で国交省官房官庁営繕部が説明した。2019年度と26年度に同じ内容(RC造4階建て延べ3000平方メートル規模の庁舎)の新築工事を実施すると仮定し、電気・機械・昇降機設備工事を除いた建築工事の予定価格を試算した。直接工事費のうち材料費は41%増、労務費は67%増となり、共通費を含めたトータルで54%増となった。現場管理費や一般管理費などの算定率も実態調査を踏まえた見直しが進展し、工事価格の押し上げ要因となっている。」(『建設工業新聞』2026.06.24)
●「国土交通省は、都市機能の集約や連携を促す『コンパクト・プラス・ネットワーク』の形成に向け、関係府省庁との連携をより強化する。地方都市が抱える人口減少や若年層の地元離れといった課題の解決を目指す。24日に開いた『コンパクト・プラス・ネットワーク形成支援チーム会議』に関係府省庁の担当者が出席し、政府一体での取り組み推進に向けた認識を共有した。」(『建設工業新聞』2026.06.25)
●「政府が7月にも決定する『経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)』を見据え、与党の自民党からの政策提言が活発化している。自民党政務調査会の国土強靭化推進本部(本部長・小泉龍司衆院議員)などインフラ関連組織のトップらが相次いで高市早苗首相を25日に訪ね、提言書を手渡した。同本部は国土強靭化関係予算を通常とは別枠の『危機管理投資』として計上し、2025年度補正予算と26年度当初予算の合計額を上回る予算を当初予算で継続的に確保するよう要望した。」(『建設工業新聞』2026.06.29)
●「中小企業庁は26日、価格交渉促進月間フォローアップ調査結果を公表した。2025年10月から26年3月末までの間の価格交渉・価格転嫁などの状況を調査した結果、官公需取引で価格転嫁率が48.4%と、前回調査の52.1%より低下したことが分かった。今回初めて実施した組織別調査では、市区町村が45.7%(前回49.2%)、都道府県が50.6%(54.9%)と特に転嫁率が低いことが判明した。企業からは『交渉を断られた』『予算制約を理由に価格転嫁を断られた』などの意見があったという。」(『建設通信新聞』2026.06.29)
●「民間求人サイトが掲載する募集賃金が最低賃金に近づいている。足元では25府県で差が100円未満となった。政府が2020年代に全国平均の最低賃金の目標を1500円とするなか、地方の中小企業を中心に賃上げ余力が乏しくなっている。ナウキャスト(東京・千代田)の『HRog賃金Now』が各求人サイトから収集したデータをもとに算出したパート・アルバイトの平均時給から各都道府県の最低賃金を引いて比較した。26年5月中旬時点で賃金差が100円未満だった都道府県の数は25府県にのぼり、比較可能な17年以降の同時期で最も多くなった。すべての都道府県で賃金差は150円を下回った。同じ時期に差が100円を下回っていたのは25年は3県だった。東京や大阪、千葉といった大都市を中心に最低賃金を150円以上上回っていた。17年にはすべての都道府県で100円以上の差があった。」(『日本経済新聞』2026.06.17)
●「建設業に時間外労働の上限規制が適用され4月で2年がたち、完全週休2日制の定着や休日数の増加など働き方が変わってきたことがインフォマートの調査で分かった。働き方が変わったと答えた企業では『完全週休2日制の定着、休日数の増加』が最多の25.3%で、『基本給のベースアップ、諸手当の拡充』が13.5%と続いた。ただ従業員数別に見ると、50人未満の企業は『特に変わっていない』が6割に上った。」(『建設工業新聞』2026.06.17)
●「『ブラック霞が関』とも呼ばれてきた国家公務員の職場環境に改善の兆しが表れてきた。内閣人事局の調査で『働きがい』があるとの回答は57.2%と前年度より1.6ポイント上昇した。4年ぶりの志望者数増といった成果につながっているとみられる。…内閣人事局が国家公務員およそ6万3000人を対象にした2025年度の働き方改革のアンケート調査では職場の『働きやすさ』については『とても』『どちらかといえば』を合わせ67.5%が『働きやすい』と答えた。24年度から0.3ポイント上昇し、比較可能な23年度以降で過去最高だった。『働きがい』をたずねる質問では『とても』と『どちらかといえば』を含めた『働きがいがある』との回答が24年度から1.6ポイント上昇の57.2%となった。人事院が今年1月に発表した超過勤務に関する調査の結果によると、24年度の1カ月のうちに勤務時間が100時間を超えた本府省の職員は全体の11.9%だった。国会対応など業務量を自ら決めるのが困難な部署に所属する職員を対象とした。20年度の13.8%から減少傾向が続く。労働環境の改善基調を背景に志望者増加といった基調も目立つ。26年度のキャリア官僚と呼ばれる春の総合職試験の申込者数は、1万2486人で25年度から3.8%増加。減少を続ける傾向から4年ぶりに回復した。申込者のうち女性は5519人だった。全体に占める割合は44.2%で、過去最高となった25年度の44.3%と同水準だ。…次の課題とするのが転勤だ。内閣人事局の調査で勤務継続の意向について質問した。非管理職で数年以内に離職の意向があると答えた職員およそ5700人に理由を聞いた。『望まない転勤があるから』が理由として最も多い43%で、離職につながりうる実態が浮き彫りになった。25年度の年次報告書(公務員白書)で転勤を人材確保の観点から重要課題と位置づけた。転勤の意義や必要性を見直す。」(『日本経済新聞』2026.06.18)
●「政府が特定技能制度の外食業向け新規受け入れを停止して2カ月が経過した。約5万人いる外国人労働者の奪い合いが激しくなっている。転職市場における特定技能人材への求人数は停止発表前と比べ倍増した。人件費の上昇が外食企業の経営を圧迫する。…特定技能制度は自らが就労できる『1号』と家族を同行させ無期限で働ける『2号』からなる。外食では1号が26年5月に上限の5万人に迫る見通しとなり、政府は4月13日に新たな申請の受け付けを停止した。新規入国だけでなく、他の在留資格などからの切り替えもできなくなった。外食分野での新規受け入れ停止後も特定技能人材への引き合いは強い。…マイナビ傘下で外国人材の紹介などを手掛けるマイナビグローバル(東京・千代田)では、特定技能の外食求人数が停止発表後の2カ月半で2.1倍に急増した。募集時の提示年収も5月に平均334万円と、2カ月で16万円高くなった。外国人採用を支援するLinc(リンク、東京・千代田)でも、外食20社が特定技能人材の募集人数を増やした。募集年収を約21万6000円引き上げた求人もある。別の人材会社によると、都市部や大手の企業が好条件を提示し、地方の人材を都市部へと転職させる動きも増えているという。外食各社が特定技能人材に頼る背景は、担い手が限られるからだ。長時間労働やシフト制といった働き方への懸念に加え、所得水準も他業界の平均より低い。厚生労働省の有効求人倍率は4月時点で飲食物調理従事者が2.17倍、接客・給仕職業従事者は2.35倍に達する。全職業平均の1.02倍を上回る。…特定技能1号は19分野が対象だ。企業が国内人材の確保や生産性向上を怠ることがないよう、分野ごとに受け入れ上限を設定している。外食産業における5万人は29年3月末までの枠で、受け入れ停止措置が最長で約3年続くことも考えられる。他の分野では、25年末までに飲食料品製造が70%、建設は65%、介護でも54%の枠が埋まっている。」(『日本経済新聞』2026.06.20)
●「建設産業専門団体連合会(岩田正吾会長)は、専門工事会社を対象に実施した外国人材の受け入れに関する調査結果をまとめた。受け入れている技能実習生の出身国はインドネシアが最多で、前年度調査で最も多かったベトナムを上回った。新たな国で採用を予定する会社についても、対象国にインドネシアを挙げる会社が過半を占めた。」(『建設通信新聞』2026.06.22)
●埼玉土建一般労働組合(上田博美委員長)は24日、「建設業危機打開!資材高騰・ナフサショックから仕事とくらしを守ろう」と衆院第2議員会館前で座り込みを行い、421人が参加した。参加した各支部の代表が「きょう、ここに来ている仲間は本当なら現場に行きたかった。でも現場に資材や仕事がない」「高市首相はトランプさん(米大統領)と仲がいいなら、さっさと戦争をやめさせて」とリレートーク。エアコン設置などの仕事をする越谷支部の男性は「国会議員のみなさん、真夏の部屋で扇風機だけで過ごし、がまんしている国民の気持ちを味わってほしい」と訴えた。春日部支部の男性は、ペンキ屋を営む同級生が、中東情勢の影響で会社の経営がうまくいかず、自ら命を絶ったと告白。「国会議員は選挙の時は『よろしくお願いします』と手を差し伸べるが、こちらが困っている時は何もしてくれない。こんな国でいいのか」と力を込めた。(『しんぶん赤旗』2026.06.25より抜粋。)
●建設資材に含まれたアスベスト(石綿)を吸い込み、肺がんや中皮腫などの深刻な健康被害を受けたとして元建設作業員や遺族が国と建材メーカーを訴えた東京第3陣訴訟の原告の一部について26日、東京地裁でメーカーとの和解が成立した。全国の同種訴訟の中で、判決を経ることなく地裁段階で和解が成立したのは初。原告側は「一審での早期救済が図れたことは一歩前進」と評価した。(『しんぶん赤旗』2026.06.27より抜粋。)
●「中東情勢の行方を建設業界が注視している。15日、米国とイランの戦闘終結に関する発表がなされ、高市早苗首相はSNSで『事態収束に向けた大きな一歩』と発信した。一方、建設業界からは『引き続き楽観視できない』(大手ゼネコン幹部)と工程や価格への影響を注視する見方がある。ある大手道路舗装会社の幹部は『ストレートアスファルトの供給がすぐ元通りになるわけではない』と話す。関係省庁の事態を見極めながらの対応がしばらく続きそうだ。」(『建設工業新聞』2026.06.16)
●「都内の高層建築コストが2025年に20年比で約50%増加し、一般的な建物のコスト上昇率(約35%)を上回った。建設コンサルティングファームのターナー&タウンゼント(東京都港区、梶浦久尚代表取締役)が分析した。技能者や資材の不足、受注活動の変化といった複数要因でコストが上昇。これらを背景に、同社は高層以上のビルで改修やリノベーションの関心が高まっていると指摘した。」(『建設工業新聞』2026.06.17)
●「建設産業専門団体連合会(岩田正吾会長)が会員団体所属企業を対象に実施した調査によると、記録的猛暑だった昨年夏の現場閉所日数について『増加した』と回答した企業は1割にとどまった。一方、熱中症対策の義務化が始まり元請けの対策が『強化された』との回答は8割を占めた。調査を実施した建専連委員会で委員長を務める蟹澤宏剛芝浦工大教授は、猛暑期間に休工しても技能者に適正な給与を支払える仕組みの検討や、現場のオフサイト化の推進を提言。『建設産業の魅力を高めるためにも、酷暑と休みの問題は業界全体で考えなければならない』と訴えた。」(『建設通信新聞』2026.06.18)
●「建設工事の技能者を雇用する専門工事会社の採用難が一段と厳しくなっている。建設産業専門団体連合会(建専連、岩田正吾会長)が傘下団体の会員企業に行った直近の調査によると、技能者を『(必要だったが)1人も採用できなかった』との回答が5割を超えた。予定通り採用できた会社は1割強にとどまり、1年前と比べても採用状況は悪化している。ゼネコンやハウスメーカーを含めた人材獲得競争の激化が背景にあるとの見方もある。」(『建設工業新聞』2026.06.18)
●「建設産業専門団体連合会(岩田正吾会長)が会員団体所属企業を対象に実施した調査によると、直近1年間の技能者の休日取得について『4週8休以上』と回答した企業が約2割を占め、前年度調査から1割ほど上昇した。公共工事に限ると4割程度に達した。一方で週休2日が難しい理由として、工期の短さや収入の減少を訴える声が根強い。調査は2025年11-12月に建専連正会員34団体の所属企業とその下請企業を対象に実施し、751件の回答を集めた。技能者の直近1年間の休日取得は『4週8休以上』が前年度から8.6ポイント増の18.9%。『4週7休』は4.4ポイント増の18.6%、『4週6休』は3.0ポイント増の37.9%、『4週5休』は8.9ポイント減の14.6%だった。4週6休以上の割合は前年度から2割程度増え約8割を占めた。」(『建設通信新聞』2026.06.19)
●「建設物価調査会(村山一弥理事長)は18日、中東情勢の不安定化で調達不安や価格上昇の影響が出ている建設資材の価格・受注動向を公表した。石油系原料への依存度が高い▽塗料▽塗料用シンナー▽再生アスファルト混合物▽防水材▽建築用断熱材▽硬質ポリ塩化ビニル管▽軽油―の7品目ごとに今月上旬時点の現況と今後の見通しをまとめた。特に、再生アス混合物は各地で価格水準が過去最高値を更新するなどの動向を詳報している。」(『建設工業新聞』2026.06.19)
●「日本建設業連合会(日建連、押昧至一会長)は、猛暑期間の作業回避を目的に、変形労働時間制度の活用推進方策をまとめた。厚生労働省とQ&Aやモデル勤務カレンダーを作成し、会員企業や協力会社の意見を取り入れながら検討を進めてきた。建設現場で働く技能労働者の安全確保や処遇改善にもつながるため、制度活用は欠かせない。猛暑期間以外に労働時間を増やせば生産性向上も見込めるため、制度普及や導入の参考にしてもらう。」(『建設工業新聞』2026.06.23)
●「国土交通省は、2025年度の建築物リフォーム・リニューアル調査報告をまとめた。受注高の合計は前年度比18.7%増の16兆4104億円だった。住宅、非住宅ともに増加し、改装・改修や維持・修理で伸びている。受注高のうち、住宅は18.7%増の4兆9033億円、非住宅は18.6%増の11兆5071億円。」(『建設通信新聞』2026.06.24)
●「元請と下請を含む建設業団体や民間発注者団体などが一堂に会する『建設キャリアアップシステム(CCUS)処遇改善推進協議会』の会合が25日に都内で開かれ、昨年12月に運用を開始した『労務費に関する基準(標準労務費)』の実効性の確保に官民一体で取り組むことを改めて共有した。国土交通省は適正な労務費の見積もりを起点とした新たな商習慣の定着実態を調査しつつ、職種ごとの取引慣行の違いなどを考慮しきめ細かな周知に注力する方針だ。」(『建設工業新聞』2026.06.26)
●「日本型枠工事業協会(日本型枠、三野輪賢二会長)は、標準労務費に基づいて作成した躯体種別による『標準労務単価の目安(全国平均値)』を公表した。国土交通省が示した躯体種別だけでは多種多様な建築物に対応できないため、RC造在来スラブ7階建てマンションなど六つの躯体種別の型枠大工、型枠解体大工の歩掛かりと、1平方メートル当たりの標準労務費換算額を提示した。日本型枠では標準労務費と市場の実勢単価が大きく乖離(かいり)している現状を踏まえ、全国平均の歩掛かりなどを示すことで、標準労務費をベースとした見積書の提出を会員に促す。」(『建設工業新聞』2026.06.29)
●「全国建設業協会(今井雅則会長)は、中東情勢に伴う建設資材の需給に関する第3回(6月期)調査結果をまとめ、29日に都内で開いた理事会に報告した。石油化学系を中心に、幅広い資材で価格高騰が継続している。一方、政府の目詰まり対策などが奏功し、入荷遅延や供給不足・制限といった流通面では、一部に改善の兆しも見られ始めた。…価格高騰が生じている建設資材には、接着剤、塩化ビニール管、アスファルト類、シーリング材、断熱材、内装・外装用塗料が多く選択された。資材ごとにばらつきはあるものの、おおむね2割から4割程度の価格上昇が報告されている。また、原油・ナフサ価格や運搬費の上昇を背景に、建設資材全般で価格高騰が続いているという。入荷遅延や供給不足・制限も接着剤、塩ビ管、断熱材、シーリング材、塗料などで継続。ウレタンフォーム断熱材の当面販売停止、塩ビ管の大口集荷停止、接着剤・ポリフィルム・合板の出荷制限、分電盤の受注停止などの事例も報告されている。1カ月前との状況比較によると、価格高騰は『悪化』が17%、『やや悪化』が54%となり、合わせて7割以上が悪化傾向にあると答えた。改善傾向はゼロだった。入荷遅延は、『変わらない』が51%で最多で、『悪化』と『やや悪化』の合計が39%となった。一方、『やや改善』が10%あり、改善の兆しが見られた。供給不足・制限は、『変わらない』が50%、悪化傾向が36%、『やや改善』が14%となっている。」(『建設通信新聞』2026.06.30)
●「東京都心の大型再開発にあわせて家賃が相場より2割ほど安いアフォーダブル住宅が広がる。都は事業者が周辺に同住宅を整備することを評価に加え、複合ビルなどの容積率を緩和する。年内にも住友不動産などによる中央区や渋谷区での再開発に初適用する。容積率は敷地面積に対する延べ床面積の割合で、都市機能の向上につながる公共貢献などに応じ上限を緩和する仕組みがある。大規模で柔軟な開発が可能になり不動産の収益性に直結する。容積率緩和による割安住宅の促進は事業者と住民の双方に利点がある。…都は大型再開発とは別にマンション向けの制度も検討している。26年度中にも、アフォーダブル住宅を整備する戸数などに応じてマンションの容積率を緩和する新制度を導入する。総額200億円超の官民ファンドを通じ、自前でもアフォーダブル住宅を供給する。野村不動産などが入る4つのグループを運営事業者に選び、計350戸を順次供給する。一部物件は5月に入居者の募集を始めた。東京都千代田区はマンションの空き物件の改修やオフィスビルの住宅への転用を促す。事業者に関連費用を補助する事業を26年度に始める。大阪府でも府住宅供給公社が6月に全国の地方公社で初めて個人向け社債を発行。募集額は5億円でアフォーダブル住宅の供給などにあてる。」(『日本経済新聞』2026.06.18)
●「都市部の自治体が『空き家税』の導入に動き出している。負担を増やすことで、塩漬けになっている空き家の流通を促す狙いだ。課税額は一般的な住宅で年間数万円程度の見通し。所有者の行動変容につながるか、実験的な試みになる。」(『日本経済新聞』2026.06.22)
●「東京都心の中古マンションの価格高騰の勢いが一服してきた。ここ半年ほど1億8000万円台で足踏み。売り出し物件のうち2戸に1戸が値下げを経験している。これまで相場をけん引してきた投資目的の需要が鈍っているとの見方が強まっている。不動産調査会社の東京カンテイ(東京・品川)によると、中古マンションの5月の平均希望売り出し価格は都心6区(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷)で70平方メートルあたり1億8748万円だった。前月に比べ0.4%下がった。」(『日本経済新聞』2026.06.24)
●「ニューヨーク市の委員会は25日、賃貸住宅の約4割にあたる100万戸を対象に、10月から1年間、家賃値上げを事実上禁止する指針を決めた。1月に就任した急進左派のマムダニ市長が生活費高騰を背景に看板政策に掲げていた。同市の家賃ガイドライン委員会が25日、1年間家賃値上げを凍結する指針を賛成多数で可決した。規制対象となる物件について、大家は1~2年契約で締結する賃貸で値上げできなくなる」(『日本経済新聞』2026.06.27)