定期総会議案書

第29回定期総会議案書
日時:2018年12月8日
場所:けんせつプラザ東京 会議室
1.2018年度活動経過報告
1.2019年度活動方針
1.2019年度理事会


2018年度 活動経過報告


T. この1年間の重点活動

 この1年間、建設産業・労働と政治・経済の動向を踏まえて活動を進めてきた。以下に今年度の主要な活動について報告する。

○建設産業労働政策委員会で、「建設産業労働政策」についての議論を進め、パネルディスカッションを開催した。
○全国建設労働組合総連合から受託した「生産性向上に関する調査」の報告書を提出した。
○東京土建一般労働組合、埼玉土建一般労働組合から受託した「『一人親方』の就業実態と労働者供給事業の可能性についての調査」報告書を提出した。
○全国建設労働組合総連合、東京土建一般労働組合、神奈川県建設労働組合連合会から、「報酬月額算定基礎届に基づく賃金実態調査」を受託した。
○千葉土建一般労働組合から「週休二日アンケートの集計及び分析」業務を受託した。
○事務局員・研究員の待遇改善を実施するとともに、更なる処遇改善について検討し、役員体制を検討する「人事および事務局員・研究員の待遇改善等についての検討委員会」を設置して議論を開始した。
○財政に関しては、新規委託調査の受託等に努め支出の抑制を図ったが、運営収支が赤字となった。
○関西支所では、年間の研究課題として「賃金・労働条件問題」、「建設労働政策」を取り上げ、ワーキングチームを編成して討論を進めた。「防災まちづくり研究会」への参加の他、「大阪都構想・IRカジノ、道州制『誰のため・なんのため』」講演などを開催した。第17回地方議会議員研修会を開催し、82名の参加を得た。北海道センターは、札幌、旭川を中心に、公契約条例制定、改善に向けた取り組みを進めた。九州支所設立準備会では、毎月定例会を開催し、設計労務単価に依存しない公契約条例案などについて議論した。



U.研究・調査活動


1.共同研究会等

1)建設産業労働政策委員会
(1)「建設産業労働政策」の策定に向けて
 2017年度、首都圏の建設労働組合が一致して進めることのできる「建設産業労働政策」の策定をめざして、本委員会を設置した。2018年度は、賃金、労働条件、労働安全衛生、労働環境、団体交渉などについて議論し、「建設産業労働政策2019」の策定に向けて議論を進めた(「建設産業労働政策」については別紙資料参照)。
(2)建設産業労働政策委員会の構成員(順不同)
 建設政策研究所、全国建設労働組合総連合、東京土建一般労働組合、神奈川県建設労働組合連合会、神奈川土建一般労働組合、埼玉土建一般労働組合、千葉土建一般労働組合、横浜建設一般労働組合、生活関連公共事業推進連絡会議
<建設政策研究所からの参加者>
浅見和彦(理事長)、山本篤民(理事)、市村昌利(専務理事)、越智今日子(事務局理事)
(3)開催状況と主な内容
第6回(2017年11月13日)「パネルディスカッションの検討、各組合の報告」
第7回(2017年12月12日)「パネルディスカッションのまとめ、建設産業労働政策原案の検討」
第8回(2018年1月10日)「運営・体制についての検討、建設産業労働政策原案の検討、パネルディスカッション開催の検討」
第9回(2018年2月13日)「建設産業労働政策原案の検討」
第2回パネルディスカッション開催(2018年3月10日)
第10回(2018年5月24日)「今後の進め方検討、一人親方調査結果の報告、各組合の取り組み報告」
第11回(2018年7月12日)
「テーマと今後の進め方検討、厚労省『建設業一人親方の働く実態等に関するアンケート』調査について、各組合の取り組み報告、パネルディスカッション開催の検討」
第12回(2018年9月5日)「各種一人親方調査の特徴と課題について、運動と交渉の提案についての検討」
第13回(2018年10月11日)「建設労働運動における交渉機構の到達点、運動と交渉の提案についての検討、各組合の取り組み報告」
第14回(2018年11月8日)「建設産業労働政策原案の検討、今後の進め方についての検討」

2)その他の共同研究会
 建設産業労働政策委員会の他には、他団体との共同研究会を実施しなかった。

2.受託調査活動等
1)東京土建一般労働組合・埼玉土建一般労働組合「『一人親方』の就業実態と労働者供給事業の可能性についての調査」
(1)調査実施の趣旨
 賃金引き上げ、労働条件の向上に向けた取り組みの一つとして、労働者供給事業は大きな意義を持つものである。そこで、本調査では、一人親方労災の特別加入者を調査対象として、労働者供給事業への参加希望の状況に加えて、賃金の支払い形態や収入の水準、社会保険加入状況などに限定して、その就業実態の把握を目的として実施した。
(2)報告書の提出
 2018年5月:報告書提出

2)全国建設労働組合総連合「生産性向上に関する調査」

(1)調査実施の趣旨
 本調査は、将来の担い手不足が懸念される中で、「生産性向上」が現在の施工力を保持するために産業を挙げて取り組む課題として位置づけられ、国土交通省や日本建設業連合会などの業界団体が「生産性向上」に向けた取り組みを始めたことを背景として設置された。その目的は、建設産業における生産性について、過去の資料、文献等から考え方をまとめるとともに、i-constructionなど具体的に進められている方策の実態把握とその検討、ならびに労働組合として生産性向上をどのように捉えるか、などの諸課題について調査、検討を行うことであった。
(2)会議等の開催状況等
@事務局会議の開催状況と主な内容
 第6回(2017年11月30日)「報告書構成案の検討、今後の進め方について」
 第7回(2018年1月25日)「報告書構成案の検討、ヒアリング調整」
 第8回(2018年2月23日)「ヒアリング」
 第9回(2018年5月8日)「ヒアリング結果の検討、報告書草稿の検討」
 第10回(2018年5月22日)「報告書草稿の検討」
 第11回(2018年6月15日)「報告書草稿の検討」
 第12回(2018年6月28日)「報告書構草稿の検討」
 第13回(2018年7月5日)「報告書草稿の検討」
 第14回(2018年7月9日)「報告書草稿の検討」
A全国建設労働組合総連合との検討会議開催状況と主な内容
 第3回(2018年7月23日)「報告書の報告、議論」
 第4回(2018年8月29日)「書記局会議での報告」
(3)報告書の提出
 2018年8月:報告書提出

3)全国建設労働組合総連合、東京土建一般労働組合、神奈川県建設労働組合連合会「報酬月額算定基礎届に基づく賃金実態調査」

(1)調査の趣旨
 組合員のより正確な賃金実態を把握するために実施された「報酬月額算定基礎届による賃金調査」の集計、分析を行った。
(2)調査内容
@調査対象
 組合事務所を通じて得られた「算定基礎届」のデータ。
A調査方法
 単純集計およびクロス集計を行い、それぞれ分析した。
(3)報告書提出
@全国建設労働組合総連合:2018年11月上旬提出
A東京土建一般労働組合:2018年11月下旬提出
B神奈川県建設労働組合連合会:2018年11月下旬提出

4)全建総連東京都連合会「賃金・仕事と生活をめぐる討議アンケート票作成」

(1)調査の趣旨
 毎年行っている標準賃金の設定に向けた「賃金・仕事生活をめぐる討議」において実施されているアンケートについて、@収入や働き方の実態、A週休2日の実現に向けての課題をより詳細に把握するため、アンケート票の改訂を行った。
(2)進捗状況
 アンケート票の改訂作業実施(2018年10月下旬)。

5)東京土建一般労働組合・埼玉土建一般労働組合「『一人親方』の就業実態と労働者供給事業の可能性についての調査」

(1)調査の趣旨
 毎年行っている標準賃金の設定に向けた「賃金・仕事生活をめぐる討議」において実施されているアンケートについて、@収入や働き方の実態、A週休2日の実現に向けての課題をより詳細に把握するため、アンケート票の改訂を行った。
(2)進捗状況
 アンケート票の改訂作業実施(2018年10月下旬)。

5)千葉土建一般労働組合「週休二日アンケート 集計及び分析」

(1)調査の趣旨
 千葉土建一般労働組合は、組合員を対象に「どうする週休2日 ぶっちゃけアンケート」(2018年3月〜4月)を実施した。建設技能労働者や建設業小零細事業主を対象にした週休2日に対する現状認識や意識についてのアンケートは、これまでほとんど例がなく、週休2日導入への取り組みにおいて極めて重要であるとの認識から、集計・分析作業を行っている。
(2)調査内容
@集計分析対象
 千葉土建に所属する「一人親方・労働者」および「事業主」。
A集計・分析項目の概要
 すでに行われ回収されたアンケートの集計、分析を行う。
B回収数
 一人親方・労働者の有効回答数は2,237、うち一人親方は1,697、労働者は509。事業主の有効回答数は715。
C調査期間
 2018年11月〜2018年12月頃

6)賃金・生活実態アンケート調査の集計と分析
 全建総連東京都連、神奈川県建設労連、埼玉土建、千葉土建の賃金アンケートの入力、集計作業の受託は今年で18年目となった。東京都連、埼玉土建からは分析作業も受託し、2018年の賃金実態の特徴及び経年変化について、分析を実施した。また2018年首都圏4組合トータルの集計と分析、各組合間の比較と特徴、時系列的変化の特徴等についての分析作業も行う予定である。

3.研究委員会
 今年度は下記の通り2回の委員会を開催し、議論、検討を行った。
第1回 2018年3月2日 参加者18名
 惠羅さとみ氏「建設労働をめぐる日米比較研究―転換期にある技能育成システム、拡大する移民労働者、岐路に立つ労働組合運動―」
第2回 2018年11月22日 参加者23名
 濱口桂一郎氏「建設労働の法政策」
 
 今年度は、建設労働をめぐる日米比較と建設労働の法政策について取り上げ、研究委員会で議論を深めた。いずれも公開研究会として開催し、参加者を広く募ったことから、例年よりも参加者が増えた。開催回数が減少していることが課題である。

4.建設政策基本問題研究会
 本研究会は、建設産業・労働政策など重要な基本的政策課題について討議し、研究所の基本的な考え方をまとめることを目的に設置されている。必要に応じて開催されることになっており、今年度は、開催しなかった。研究所として考え方をまとめることが求められるテーマの検討や整理に課題を残した。

5.研究プロジェクト
 今年度は新規プロジェクトを設けなかった。次年度以降のプロジェクトのテーマ検討には至らなかった。

6.海外建設事情調査研究
 海外の建設産業・労働の動向について、研究テーマに応じて各国の先進事例等の文献研究等を行うとしていたが、具体的な研究テーマに基づいた文献研究等には至っていない。海外の動向把握に課題を残した。


V.情報収集・提供活動


1.情報提供活動

 東京土建一般労働組合、神奈川県建設労働組合連合会、神奈川土建一般労働組合、横浜建設一般労働組合、埼玉土建一般労働組合、千葉土建一般労働組合、全国商工団体連合会に情報提供を行った。情報提供先の新規開拓には至っていない。

2.ウェブサイト
 最新の情報を掲載するよう心掛けてトップページの更新(「お知らせ」や「建設政策」最新号の紹介)は適宜行ったが、各種会合記録の掲載、更新を十分に行えなかった。英語版のページは作成に至らなかった。


W.討論会・シンポジウム、議員研修会


1.討論会・シンポジウム、セミナー等の開催

1)建設産業労働政策委員会パネルディスカッション
 2018年3月10日に建設産業労働政策委員会でパネルディスカッションを開催した。午前の部では、年森隆広氏(東京土建一般労働組合書記次長)から「建設産業労働政策原案」、浅見和彦氏(専修大学教授、建設政策研究所理事長)から「『協約賃金を実現する交渉機構づくりの課題」についての講演を行った。
午後の部では、高橋健二氏(神奈川県建設労働組合連合会書記次長)をコーディネーターとして、5人のパネラーによるパネルディスカッションを開催した。会員団体の協力を得て参加者は55名で、活発な議論、意見交換を行うことができた。
2)東京オリ・パラにおける建設労働者の『尊厳と人権』を確立するための国際シンポジウム
 2018年度は、実行委員団体として、「東京オリ・パラにおける建設労働者の『尊厳と人権』を確立するための国際シンポジウム」を開催した。
 シンポジウムは、シドニー、ロンドンの競技場等の建設における課題解決のためのとりくみの経験と教訓を共有し、今後の日本における運動に活かすことを目的に開催した。
海外からは、CFMEUのAndrew Sutherland氏(書記次長)、UniteのGail Cartmail氏(書記次長)、日本からは東京土建一般労働組合の松本久人氏(副委員長)が参加し、研究所は当日の司会進行役を担った。

2.地方議会議員研修会の開催
 今年度は、関西支所が8月に開催した(大阪府大阪市、8月2日(木)〜3日(金)、参加者82名)。内容は、1日目は記念講演と特別報告・講義を、2日目は3講座に分かれて講師による講義および質疑応答であった。
参加者数が減少傾向にあることから、東京での開催については他の動向等を踏まえて理事会等で検討することとしていたが、今年度は他の研修会等の参加状況が厳しいことから開催しなかった。


X.講師活動及び執筆活動、他団体との共同の活動

1.講師活動

 会員団体、会員外団体への学習会や講演会などでの講師活動を行った。講師は理事を中心に派遣した。
 神奈川土建一般労働組合の第21期労働学校(第2講)「建設産業をめぐる情勢と建設キャリアアップシステムの意義」について、報告資料の作成と講師派遣を受託した。全20支部のうち、17支部へ講師を派遣した。
 また、第2回世田谷の建設業の未来を考える会(1/10)、全建総連東京都連合会「賃金調査報告」(2/6)、全建総連関東地協「賃金調査報告」(3/27)、建設関係労働組合首都圏共闘会議神奈川ブロック総会「首都圏4組合賃金調査報告」(4/9)、東京土建安全衛生活動者会議「一人親方就業実態調査報告」(5/15)、東京土建学習会報告(6/5)、東京土建幹部学校(6/24)、建設関係労働組合首都圏共闘会議総会「一人親方就業実態調査報告」(7/21)、東京土建労働学校(10/29)などに講師を派遣した。

2.執筆活動
 専務理事が、『月刊民商』等に執筆した。単行本では『日本労働年鑑』(「建設産業」)に執筆を行った。

3.他団体との共同の取り組み
 建設関係労働組合首都圏共闘会議神奈川ブロック主催「担い手確保・処遇改善シンポジウム」(2017年12月3日)を後援した。


Y.第25回全国建設研究・交流集会への参加

 第25回全国建設研究・交流集会は、「いのちと安全をまもる地域建設産業の発展に向けて――持続可能な経済社会をめざして自然エネルギーの活用を」をテーマに、福島県いわき市で開催し、320名が参加した(2018年12月2〜3日)。1日目は記念講演と特別報告、2つの現地報告、2日目は4つの分科会と1つの講座、現地視察を行った。
 第25回集会において研究所は、副実行委員長団体、事務局長団体として参加し、企画立案、準備と当日の運営、会計、産業関係者への参加呼びかけなどを中心的に担った。


Z.「建設人・九条の会」の活動への協力

  憲法改正の動きが強まる中で、「建設人・九条の会」との一致点にもとづき、活動に協力を図った。


[.出版活動


1.「建設政策」誌

1)各号の企画と誌面
 編集委員会では企画案について検討し、情勢や運動に見合った誌面づくりを目指した。また、実態を把握するための取材記事や現場からの報告を取り入れる一方で、考え方の基礎となる総論や個別課題の見解等の執筆を依頼し、理論と実践を掲載するように心がけた。
 「建設政策」は隔月発行であり、今年度は177号から182号までの6号を発行した。東日本大震災から7年が経過した2018年度は、2018年初の雪害や、6月に「大阪府北部を震源とする地震」や、7月に「平成30年7月豪雨」、8月と9月に起きた巨大台風、さらに9月に発生した「北海道胆振地方中東部を震源とする地震」では大規模な地滑り被害の他、ブラックアウトと言われる長時間停電など、これまで経験したことのない被害が発生した。また、他地域同時多発的な発災という経験もこれまであまり類を見ないものであり、災害想定の見直しが求められる事態となった。『建設政策』では「大阪北部地震」、「平成30年7月豪雨」などを取り上げたが、必ずしも十分に対応できず、取材や調査・研究体制強化の課題が浮き彫りになった。
 また、昨年度にひきつづきシリーズ企画として、女性建設技能者のインタビューを取り上げた。また、昨今の労働者不足による建設産業への外国人労働者受け入れ問題に鑑み、建設と移民労働者の寄稿の連載を開始した。
特集については、「水道の公共性と維持管理を考える〜東京の事例を中心に」(181号)、「建設業での週休2日の実現に向けて」(180号)、「建設業の再生に向けた地域の取り組み」(179号)など、を重点的に取り上げた。
2)表紙
 表紙絵について、160号(2015年3月)から182号(2018年11月)まで、今野健司さんが担当してくださったが、182号をもって終了となった。
3)読者からの意見・歳時記募集.「建設政策研究」誌
 個人読者にアンケートを配布し、意見を寄せた方への粗品進呈をアナウンスして意見募集を行った。歳時記に俳句を寄せてくれた方へ、抽選で粗品を進呈した。

2.「建設政策研究」誌

 研究所30周年に向けて、第6号の刊行についての議論を理事会で開始した。

3.第24回全国建設研究・交流集会報告書の作成

 2017年11月に行った第24回全国建設研究・交流集会の報告書をCD形態で刊行した。頒布枚数335枚であった。


\.組織と財政基盤


1.研究所の組織体制と運営

1)組織運営
 理事会役員は25名、運営委員は12名。理事会の報告・議論は、@情勢についての議論、A検討事項、B確認事項で構成し、現在取り上げるべき課題や会員団体等の現状などについて討議する時間を確保し、併せて『建設政策』の企画・構成について検討する機会を設けた。
 今年度理事会は6回開催した。理事会は、毎回3分の1から半数程度の参加での開催となっており、出席理事の増加が課題となっている。効率的な運営を心がけ、必要な事項については理事会での議論を踏まえた決定等を行った。運営会議は開催に至らなかった。

<理事会開催状況>
第1回(2017年12月9日)
第2回(2018年1月23日)
第3回(2018年4月23日)
第4回(2018年7月19日)
第5回(2018年9月12日)
第6回(2018年11月21日)
2)体制(役員、事務局、研究員)
 役員体制(理事長、副理事長、専務理事、理事、会計監査・監事)を基本とし、運営面では大きな問題は生じなかったが、事務局業務の負担により調査・研究面への影響が深刻な状況となっている。より効率的な事務運営とともに、事務局体制の強化が課題となっているが、根本的な課題解決に向けた対策は定まっていない。
 今後の研究所の発展の要となる若手中堅研究者や現場経験者の確保は引き続き課題となっている。
3)事務局員、研究員の待遇改善に向けて
 2018年度第2回理事会で「事務局員および研究員の基準賃金に関する細則」を策定し、2018年4月から適用して、事務局員、研究員の待遇改善を図った。今後の待遇改善に向けては、「人事、事務局員・研究員の待遇等についての検討委員会」で検討を進める。
4)人事および事務局員・研究員の待遇改善等についての検討委員会
 総会での決定事項に基づき、2018年度、「人事および事務局員・研究員の待遇改善等についての検討委員会」を設置した。
(1)委員会設置の趣旨
 中長期的な視点に立って、研究所の事務局員・研究員の待遇改善に向けた抜本的な議論を進めるとともに、役員体制についての検討も行うこと。
 なお、役員体制の検討・提案にあたっては、現理事長、専務理事の委員としての参加が、適切ではないとして、「人事検討小委員会」を設けて検討した。次年度以降は、「人事検討委員会」と「事務局員・研究員の待遇改善等についての検討委員会」は別の委員会として設置することが望ましいとの意見で一致した。

(2)委員会開催状況
第1回(2018年7月31日)「委員会設置の趣旨確認、委員の確認、課題の整理等」
第2回(2018年11月1日)「処遇改善に向けた諸課題の整理、次年度の役員体制の検討」

2.支所の活動
1)関西支所

 年間の研究課題として「賃金・労働条件問題」、「建設労働政」を取り上げ、ワーキングチームを編成して討論を進めた。「防災まちづくり研究会」への参加の他、「大阪都構想・IRカジノ、道州制『誰のため・なんのため』」講演などを開催した。第17回地方議会議員研修会を開催し、82名の参加を得た。
2)北海道センター
 「札幌市公契約条例の制定を求める会(代表 伊藤誠一弁護士)」への参加、「旭川ワーキングプア研究会」等で公契約条例制定、改善に向けた取り組みを進めた。また、ウェブサイトを通じた情報発信に努め、理事会内のML(メーリングリスト)の活用などを実施した。
3)九州支所設立に向けた取り組み
 建設政策研究所九州支所設立準備会は、毎月1回の定例会を開催し、設計労務単価に依存しない公契約条例案の検討や建設キャリアアップシステムの問題点などについて議論を進めた。

3.会員の状況
1)団体会員
 今年度は、新規加入が3団体、退会3団体だった。2018年10月末現在198団体である(前年度比1団体減:組織統合による)。目標とする5団体拡大には至らなかったが、理事会で団体会員の拡大に向けて方針を設定し、主要組合に要請を行った結果、埼玉土建一般労働組合から40口増口して頂いた。
2)個人会員
 今年度は入会3人、退会20人、長期滞納者退会7名によって、2018年10月末現在の個人会員数は309人となった。会員構成の高齢化が進んでいることから、毎年一定の退会者が継続している。退会者数に対して入会者数を十分に確保できていない状況である。第29回総会での拡大目標10人の純増に対し、24人の純減となっている。
3)「建設政策」誌の定期購読部数
 今年度の購読部数は2018年10月末現在、24団体で41部、個人読者11人で11部、計52部で、2017年10月末に比べて1部増加した。第29回総会での拡大目標55部には及ばなかったものの、近年、購読部数はわずかながら増えている。

4.財政運営
1)2018年度の収支
 収入3,226万2,942円、そのうち会費収入が1,646万4,000円(17年度1,599万5,500円、46万8,500円増)、非会費収入1,579万8,942円(17年度1,637万8,254円、64万8,683円減)となっている。会費口数の増加により団体会費が増加したが、非会費収入が減少している。
 支出は32,750,596円で、ほぼ予算通りの執行となった。支出のうち、人件費が16,246,301円と49.6%を占めている。2018年4月に研究員、事務局員の待遇改善を実施したことにより、前年度よりも人件費が増加しているものの、予算内に収まった。調査研究費は5,234,477円と予算比111.4%の支出となっているが、これは新規受託調査等に伴う支出である。
2)運営収支が赤字、財政状況の改善が課題
 今年度の当初予算では、約300万円の繰越金取り崩しを予定していた。支出については、調査・研究費の支出が増加したが、これは新規事業受託に伴う支出であり、概ね予算通りに執行した。他方で、会員団体の協力により、会費収入と調査研究収入を大きく増やして確保できたが、繰越金を取り崩さざるをえない状態となっている。
 2018年4月から、事務局員、研究員の待遇改善を実施しているが、2018年度の決算では4月〜10月の7か月分のみの計上となる。2019年度は、さらなる支出増が予測されることから、根本的な財政状況の改善が課題となっている。



2019年度 活動方針

T.中期的な課題と活動方針


 設立の趣旨および定款に則って、研究所が中期的に取り組むべき課題は多岐に亘っている。建設産業をめぐる現状を踏まえ、当面、下記の中期的な課題に基づいて、調査・研究活動と体制、財政の強化を進めていく。また、情勢の変化に応じた課題については、随時取り上げることとする。

1.建設労働者の賃金・労働条件の向上に向けて
 ・団体交渉機構づくりと労働協約締結に向けての課題
 ・建設キャリアアップシステムの運営実態把握
 ・建設労働者の賃金と社会保険・労働保険料負担の実態と課題
 ・公契約条例制定自治体拡大、公契約条例の運用実態の把握、公契約法の検討
 ・建設技能労働者の働き方検討
2.地域建設産業振興に向けて
 ・地方自治体の建設業振興策、建設産業政策策定に向けて
 ・地域建設業の受注確保と安定雇用に向けた仕組み等の検討
 ・公共事業の入札・契約制度のあり方
 ・国・地方の財政政策の課題
3.建設市場の中期的動向の把握
 ・2020年以降の建設市場の動向把握
4.建設産業構造の改善に向けて
 ・重層下請構造の解消に向けた課題
 ・産業組織構造の検討
5.安全な国土形成・利用に関する課題
 ・頻発する自然災害に対への備えと体制強化に向けた課題
 ・インフラの老朽化、公共施設統廃合等に向けた課題
 ・都市形成に関わる課題
6.住宅政策に関する課題
 ・住宅政策の変化とその課題
7.体制と財政の強化
 ・事務局員、研究員の確保と待遇の改善
 ・財政基盤の確立
8.その他


U.2019年度活動の重点方針
 2019年度の活動は、建設産業と政治・経済をめぐる情勢を踏まえ、下記の点に重点を置いて取り組む。

○調査・研究の重点
 ・建設現場労働者の賃金実態について、「報酬月額算定基礎届に基づく賃金実態調査」を開始したことから、より正確な賃金実態の把握に向けて調査・研究を進める。
 ・建設産業労働政策委員会での議論を深め、「建設労働政策」の策定を目指す。
 ・頻発する災害にたいして、安全で安心して住み続けられるための国土づくりや求められる政策等について検討する。
○研究プロジェクトや調査報告書の成果などを活用した新企画提案で共同研究会や受託事業を確保するよう努める。
○財政状況がひっ迫していることから、新規受託事業の確保などの収入増を目指すとともに、経費等の削減に努める。
○財政状況を確認しつつ、調査研究体制の充実を図るため、若手中堅研究者の確保・育成に向けて取り組む。


V.研究・調査活動

1.共同研究会

1)建設産業労働政策委員会
 2019年度も建設産業労働政策委員会を継続し、「建設産業労働政策」の検討、策定を進める。
2)その他の研究会開催に向けて
 会員団体を中心に、共同研究会の開催に向けて働きかけを進める(テーマは、技能評価と賃金、労働者供給事業に関わる諸課題の整理、公契約条例制定自治体における運用の実態、重層下請構造の実態把握、住宅政策の変化と仕事確保などから検討する)。

2.受託調査活動
1)賃金・生活実態アンケート調査の集計と分析
 これまでの賃金・生活実態アンケートの集計と分析の成果をふまえ、建設労働者の賃金政策により資するように集計と分析を行っていく。
2)報酬月額算定基礎届に基づく賃金実態調査
 2018年度受託した「報酬月額算定基礎届に基づく賃金実態調査」を引き続き受託できるように働きかける。併せて、新規受託についても働きかけを進める。
3)全国建設労働組合総連合「賃金調査」
 全国建設労働組合総連合が毎年実施している「賃金調査」の分析業務の受託について働きかけを進める。
4)東京土建一般労働組合「2019年賃金討議アンケートの分析業務」
 毎年行っている標準賃金の設定に向けた「賃金・仕事生活をめぐる討議」において実施されているアンケートの分析業務について受託に向けて働きかけを進める。
5)全国建設労働組合総連合「建設業一人親方の働く実態等に関するアンケート分析業務」
 「建設工事従事者の安全及び健康に関する基本的な計画」に基づき実施されている「建設業一人親方の働く実態等に関するアンケート」(厚労省所管)のうち、全建総連が各県連組合の協力で回収したアンケートの分析業務の受託に向けて働きかけを進める。
6)自治体発注の調査等
 自治体発注調査等についても、公告された調査事業などがあれば、プロポーザルなどの入札に積極的に参加していく。
 また、自治体発注公共工事分析及び政策づくりについて、議員等からの受託に向けて働きかけを行い、公共工事分析事業の受託を目指す。
7)新規の受託調査
 全建総連やその加盟組合、公務労組などをはじめとした建設労働組合の本部・支部などと懇談し、まず調査ニーズを把握した上で、企画案を提示し受託事業の確保をめざす。

3.研究委員会

 研究委員会は研究所の調査・研究活動の要であり、研究会や研究プロジェクト等と連動した研究所の考え方、政策提言を最終的に確認する場である。研究活動を会員とともに進め、研究テーマの多面的な検討と討論をより活発化させていくために、テーマに応じて会員や関係団体の取り組みや専門家に報告いただくよう努める。
 また、幅広いテーマを取り上げることを心がけ、広く参加者を募って公開研究会を開催する。
 研究所の認識を深め、会員、建設産業関係者・団体等に発信していくために下記のように進めていく。
1)研究テーマは、重点方針に示したテーマの他、建設産業・労働、公共事業を取り巻く情勢や政策動向など、幅広く取り上げる。
2)研究所の研究活動を会員とともに進めていくために、幅広く会員(個人、団体)にも参加してもらえるよう、公開研究会の開催を検討する。テーマに応じてそれぞれから取り組みや課題などを報告いただき、会員とともに多面的な検討と討論を行うにする。
3)研究委員会で議論を深めた成果を、政策提言の発表や出版物の発行に結び付けるように努める。また、それらの成果を、公開討論会やシンポジウムの開催、建設産業に関わる各種団体(業界、労働組合、行政等)に広く発信していく。

4.建設政策基本問題研究会
 2018年度に続き建設政策基本問題研究会を設置する。本研究会は、定款上定めのある組織ではないことから、メンバーや開催回数等を固定せず、情勢に応じて議論が必要なテーマなどが生じた際に集中的に討議する場として活用する。

5.研究プロジェクト
1)プロジェクトの設置に向けて
 2018年度はプロジェクトを設置しなかったが、議論、検討が必要なテーマに応じて、年度途中でも設置を検討する(外国人技能実習生・就労者についてなど)。
 併せて、2020年度以降のプロジェクトテーマについても検討を進める。
2)その他のプロジェクト
 研究委員会や会員(団体・個人)等からの要請があった場合、個別課題についての研究プロジェクトを設ける。

6.海外建設事情調査研究
 海外の建設産業・労働の動向について、研究テーマに応じて各国の先進事例等の文献研究をはじめ、調査、研究を進める。
 また、海外の建設産業・労働情勢について学習するため、2020年に向けて海外視察の企画を検討する。


W.情報提供・収集


1.情報提供活動

 情報提供事業の活用団体・個人を増やすように努める。提供している団体のニーズを把握し、対応可能なものは検討を試みる。

2.ウェブサイト
 研究所からの行事のお知らせや調査研究活動の成果など最新の情報の掲載、更新を怠らずに行う。


X.討論会・シンポジウム、議員研修会

1.討論会・シンポジウム、セミナーの開催

 研究所が見解や政策提起を行った際、また、建設行政や建設産業、建設労働にかかわる重要な課題が生じた場合は公開討論会等を開き、テーマに対する研究所の考えを広め、意見交換を通じて認識を深める。
 2019年度は、雑誌等で継続的に取り上げているテーマや情勢に応じて求められるテーマについて、シンポジウムやパネルディスカッションの開催を検討する。

2.地方議会議員研修会の開催

 参加者数が減少傾向にあることから、他の研修会等や動向を踏まえて開催を理事会等で検討する。
 開催に当たっては、魅力ある企画づくりを行うために、聞き取りやアンケートなどで地方議員のニーズを把握し、それを活かした講義テーマ・内容、講師陣を定めていく。また、テーマ別現場見学の研修会などの開催も検討する。


Y.講師活動及び執筆活動、他団体との共同の活動


1.講師活動

 研究所の研究・調査活動の成果や問題意識等を広げ、多くの団体で討論してもらうための講師活動を重視していく。相手からの依頼にとどまらず、研究・調査等の内容は積極的に報告の機会を作るように働きかけていく。

2.執筆活動
 諸団体の機関誌や月刊誌などに積極的に執筆活動を行い、研究所の研究・調査活動の成果を広げていくことに努める。

3.他団体との共同研究など共同の取り組み
 共通するテーマにもとづく他団体との共同研究をはじめ、シンポジウム、学習会等を企画、提案していく。


Z.第26回全国建設研究・交流集会

 第25回全国建設研究・交流集会実行委員会の総括会議を通じて確認された第26回集会の方向性に沿って関わっていく。


[.「建設人・九条の会」の活動への協力
 「建設人・九条の会」との一致点にもとづき、活動に協力していく。


\.出版活動


1.「建設政策」誌
 情勢を的確に反映した記事を読者に提供できるよう、下記のように取り組む。
1)編集会議
 引き続き「建設政策」誌の編集方針の基本に沿って、誌面の改善、内容の充実に取り組んでいく。また、編集時期、発行時期に照らして出版編集委員会を開き、特集企画、その他のテーマ、内容等に関して検討を進めるようにする。
2)編集委員会
 2019年度は、編集委員を増員を検討し、さらなる体制強化に向けて、適宜編集委員会の体制の充実を図っていく。
3)企画・内容
 情勢に合致した特集を組むように努め、研究所の調査・研究成果も適宜発表していく。また、実態や現場の声などを伝えるための取材やインタビューも積極的に取り入れていく。同時に、求められる政策や運動を支える理論的な側面も重視し、研究者等の執筆記事を掲載するように努める。
 企画については、より直近の問題や重要なテーマを取り上げ、実態や研究の現状を伝えられるよう、書き手の発掘や柔軟な取材活動で対応していく。また、重要なテーマについては、多面的に捉えられるよう、小特集などで対応していきたい。
 また、継続的に取り上げることが必要な、または望ましい企画については、シリーズ化して深く掘り下げて掲載していく。
4)表紙
 表紙絵について、183号から写真を掲載する。
5)誌面レイアウト
 誌面レイアウトについては、図表や写真などを本文に合わせて挿入し、小見出しを設けるなど、読みやすい誌面を作るための工夫に努める。特に、取材記事やインタビュー記事については、大きめの写真や図表などを掲載するようにする。また、より見やすい目次のレイアウトについても検討を進める。
6)読者からの意見・歳時記募集
 引き続き個人読者にアンケートを配布し意見募集を行う。意見が寄せられるよう対応を検討する。また、より多くの意見を集めるため、意見をお寄せいただいた会員の方に粗品等を進呈することを検討する。


2.「建設政策研究」誌

 第6号の刊行については経費確保が困難な状況にあるが、2019年度は研究所設立30周年でもあることから、その目的・意義に従って、刊行に向けた検討を進める。

3.第25回全国建設研究・交流集会報告集の作成

 第25回全国建設研究・交流集会実行委員会の総括会議で確認された方向性に沿って、第25回集会報告集の作成を進める。


].研究所設立30周年記念行事
 2019年11月、建設政策研究所は設立から30周年を迎えることから、以下の記念行事等の開催を理事会等で検討する。

1.「建設政策研究」誌の発行
 「建設政策研究」については、刊行に向けた検討を進める。
2.レセプションの開催を検討
 20周年、25周年の記念行事に続いて、30周年を記念するレセプション等の開催を検討する。開催する場合には、会費収入等の予算措置についても併せて検討する。
3.海外視察
 2011年にベトナム建設事情の視察実施後、海外視察が行われてこなかったが、会員団体等からの要望も強いことから、海外視察の実施について検討を進める。

]T.組織と財政基盤の確立

1.組織体制と運営
1)組織運営
 調査研究面では研究委員会を研究所の政策提言等を確認する場とし、各プロジェクトや建設産業労働政策委員会、共同研究会等で個別の課題を取り上げる。また、運営面では理事会がその責務を担う。定款上、「理事会での決定を実践するため」設置している運営会議については、その位置付けを改めて検討する。
 各組織の構成と機能、責任者とスタッフの役割(責務と権限)を明確にし、効率的な運営を図る。事務局は、会合の目的に沿って明確な議題を提出し、実りある討議と成果を得るように努める。
2)体制(役員、事務局、研究員)
 役員体制(理事長、副理事長、専務理事、理事、会計監査)は、現行を基本とする。事務局(専務理事1名、雑誌・調査研究2名、会計・庶務1名)は、前年度と同じ体制を基本とするが、運営に困難が生じていることから、増員に向けた取り組みを進める。
 理事については、自治体関係者が不在であることから、自治体の労働組合等からの増強を図るため、働きかけ等を進める
 非常勤研究員に関しては、現行2名体制だが、若手中堅研究者や現場経験の豊富な人材など幅広く人材の確保に努める。
 事務局員・研究員の確保については、理事会と人事および事務局員・研究員の待遇改善等についての検討委員会を中心に進める。
3)人事および事務局員・研究員の待遇改善等についての検討委員会
 2018年度に設置した本委員会では、@事務局員、研究員の待遇改善に向けた課題整理、A次年度以降の役員体制の理事会への提案を行った。役員体制の検討・提案にあたっては、現理事長、専務理事の委員としての参加が、適切ではないとして、別の小委員会を設けて検討した。
 2019年度は、「人事検討委員会」と「事務局員・研究員の待遇改善等についての検討委員会」は別の委員会として設置する
 「人事検討委員会」は、2020年度の役員体制を検討することを目的として設置し、基本的には2019年8月〜9月頃を目途に開催する。また、開催の必要が認められる場合、理事会での承認を経て、適宜開催する。
 「事務局員・研究員の待遇改善等についての検討委員会」は、課題確認の場を設けることを基本とし、事務局員、研究員の待遇の現状を踏まえて、課題整理や就業に関する規則、ルールの検討を進める。委員会の開催については、当年の検討すべき事案に基づいて、適宜開催する。
 また、委員の構成については、2018年度の委員を基本として、変更等については、本委員会と理事会で検討し、承認を得る。


2.研究所支所
1)関西支所
 2019年度は、@関西支所の運営体制・研究体制の充実を図ること。A研究課題や企画行事等において建設政策研究所関西支所の特徴(「建設」という専門性)を活かした内容とすることを重視して活動を進める。「賃金・労働条件問題」、「建設労働政策」の研究会を継続して取り組む他、新たに「大阪湾岸プロジェクトに関わる研究会」の開催を検討する。
2)北海道センター
 北海道センターは2018年12月、20周年に当たる年となるため、建設労働・産業、公契約条例・運動を軸にした調査研究活動を進め、成果の取りまとめを図る。また、公契約・入札契約に関する情報取集やデータの整理、事業者・労働者調査に取り組む。
3)九州支所設立にむけて
 2019年度は、AIやICTによる就労環境の変化、減少が見込まれる建設投資のもとでの産業構造の変化、国土計画、官業の民営化などから課題を設定し、情報の正確な把握とグローバルな視点での調査研究活動を進める。

3.会員拡大

1)団体会員の拡大
 団体会員数は2018年10月末現在、198団体である。205団体を目標として、今年度は3団体の拡大に取り組む。主な拡大の対象は全国建設労働組合総連合関係の団体とするが、業界団体、事業者など幅広い会員拡大に向けても検討を進める。
2)個人会員の拡大
 個人会員は2018年10月末現在、309名である。入会者よりも退会者が上回る傾向が続いており、個人会員数の大幅な減少となっている。個人会員の高齢化が進んでおり、今後も一定の退会者が継続する見込みであり、個人会員の獲得による減少の歯止めが不可欠であることから、個人会員の獲得に向けた取り組みを強化する。3年程度で20名の純増を目標として、今年度は10名の純増を目指す。個人会員の拡大に向けては、団体会員等にも協力を要請し、各種会合等で研究所の案内と入会申込書の配布を依頼する。
3)「建設政策」誌の定期購読者の拡大
 会員以外の「建設政策」定期購読部数は、2018年10月末現在、52部である。個人会員の拡大と併せて部数の増加に取り組み、今年度は55部を目指す。

4.財政運営

 収入の増加をめざし、会員拡大の他、下記の点に精力的に取り組む。
共同研究会や調査受託に向けて、団体の活動やニーズを把握した上で企画提案を行うなど、働きかけ等を強めていく。また、調査等の委託費用については、研究所の維持、所員の処遇改善を補完できる水準となるよう引き続き理解を求めていく。
 行政機関や民間機関等の委託調査研究や助成など、内容を把握し、可能な限り応募等を進めていく。
 財政力を高めるために、個々の活動上の収支バランスに問題がある場合は機関会議で検討し、早急に見直し、改善に取り組む。
 会計・税務処理は、引き続き公認会計士事務所の協力をあおぎ、3ヶ所(東京、関西、北海道)それぞれの適切な処理を通して研究所全体で適正な処理を行っていく。



2019年度理事一覧表

理事長 浅見 和彦
副理事長 安藤 高弘
副理事長 川村 雅則
副理事長 廣瀬 肇
副理事長 坂庭 国晴
副理事長 鈴木 浩
副理事長 年森 隆広
副理事長 中山 徹
副理事長 永山 利和
副理事長 松丸 和夫
専務理事 市村 昌利
理事 市川 隆夫
理事 井上 真一
理事 越智 今日子
理事 松本 裕之
理事 中村 修一
理事 中山 眞
理事 高橋 健二
理事 山田 規世
理事 佐藤 吉彦
理事 野本 勝
理事 濱崎 英夫
理事 古澤 一雄
理事 山本 篤民
理事 山本 篤民
会計監事 窪添 義幸
会計監事 福富 保名